白峰三山縦走(奈良田〜広河原)
- GPS
- 17:57
- 距離
- 26.6km
- 登り
- 3,535m
- 下り
- 2,909m
コースタイム
- 山行
- 8:58
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 9:45
- 山行
- 5:52
- 休憩
- 2:20
- 合計
- 8:12
・農取小屋 テント場 500円 (飛込みOK)
・広河原山荘 テント場 900円 (要Web予約)
天候 | 晴れのち曇り一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大門沢ー沢渡り、ルート不明瞭な箇所あり 稜線ー農鳥岳〜北岳山荘までは特に問題なし。その先、小太郎尾根分岐まで、ルート不明瞭となる箇所があり |
その他周辺情報 | 広河原山荘、奈良田温泉、身延山など |
写真
感想
夏の南アルプス登山の3回目は、国内の標高第二位・北岳を中心とした白峰三山へ。
登山者の活動日記を見ると、北岳で咲く固有の花・キタダケソウが見ごろを迎えているとのこと。一度は見てみたい!ということで、山行きを計画。休暇をまたと無いタイミングで取ることができ、2泊3日で行けることになった。
はたしてキタダケソウを探し出し、見る事はできたのか!?
■1日目(奈良田〜農鳥小屋)
この旅は奈良田・第一発電所よりAM 5:30にスタート。天気は晴れ間も見えて良好。涼しい風を浴びながらゆっくりと進む。序盤は川を横目に見ながら、吊り橋などのいくつかの橋を渡る登山道を歩く。水場が近いので清涼感はたっぷり。この時期を歩くにはちょうどいい感じだった。また登り一辺倒ではなく、時々アップダウンが出現したりと、変化に富んでて楽しかった。途中、渡渉をしないとならないところなど、スリルも味わえる。順調に進み、大門沢小屋には8:30ごろ到着。小屋は営業しておらず、また登山者やテント宿泊する人もおらずひっそり。廃墟のような感じだった。ここには水場があるので早速補給。順調に進んだ安心感からか、突然眠気が。30分ほど避難小屋をお借りして仮眠。まだ眠気が残るものの先は長いのでとりあえず再出発。途中、雌鹿を見つけた。今回、道中で自然動物との遭遇は鹿だけだった。大門沢小屋を出発後、再び渡渉するポイントが数回。水量が多かったが置石が隠れるほどではなかった。が、結構滑るので注意が必要ということを伝えておこう。今回は靴まで脱がなくても渡ることができたが水量次第では脱いで渡るほうが安全かもしれない。渡渉ゾーンを過ぎると徐々に勾配が厳しくなってきた。前回歩いた黒戸尾根よりもきつく感じた。勾配がきついので進んでいるように感じられず、とても長い時間を要した気がした。登坂中、雪渓部もあったが特に問題はなかった。大門沢下降点には12:25頃到着。ようやく稜線上に登れた。ここには鐘があったので鳴らしてみた。この鐘が設置された経緯を考えると慎重に進まないと、、、って思ってしまう。稜線からまずは農鳥岳を目指す。が、稜線上は強烈な風が。気を抜くと1m以上横に飛ばされる感じで、それが突風を受ける度に起きるのでまったく気が抜けない。引き返そうかとも考えたが、あの勾配を下るのは嫌だ。ということで、農鳥小屋まで頑張ることに。稜線に出てからは曇りがちで眺望は期待できない状況。13:40頃、農鳥岳に到着。風というか突風吹きすさぶ状況なのでそそくさと撤退。次の西農鳥岳も同じ状況。山頂からの景色は全く期待できず。この日の最終目的地の農鳥小屋には15:15に到着。この小屋の主人であるオヤジさんといきなり対面。というか。奈良田からここまで誰とも会わなかった。オヤジさんには奈良田から登ってきたことを伝えると「遅いな。」と一言。面目ない・・・。でもこの後はとても親切に接してもらい、ネットで知り得た情報のオヤジ像とは程遠い、気さくな方だった。この日は台風並みの風が吹く日で、通常のテント場では危険ということで、特別に風を避けることができる場所に設営許可を頂いた。設営後、昼食を摂る。眺望は雲の中なので何も見えず、テント内で過ごすことにした。強風は夜間には止むのかと思ったが全く気配は無し。むしろさらに強くなっていた。翌日のプランについては、農鳥小屋に荷物をデポして、小太郎山まで白峰三山の稜線の縦走路を往復する予定だったが、大門沢の激坂と強風に心折れ、ルート変更を決意。翌日は広河原のテント場まで下ることにし、そこで宿泊。その翌日の早朝に広河原から奈良田行のバスが走っているようなので、それで移動することに決定。早速テント場を調べたところ、南アルプスの小屋やテント場は今年も大半が事前予約しないといけないとのこと。ネットで空き状況を調べたら前日でも空きがあり予約可能だったのでとりあえず広河原のテント場を押さえた。白根御池小屋でもよかったんだけど、広河原から奈良田行の早朝バスを逃すと午後まで無いので確実性を求める為の選択だった。
話は戻るが、テント内でのんびり過ごしてたら朝も早かったせいか、20:00頃には就寝した気がするzzz
■2日目(農鳥小屋〜広河原)
就寝中に何度も突風の音で起こされた。AM 3:00に目覚ましをセットしていたので起きて外に出てみると相変わらず雲の中。テントに戻り横になると、強風はさらに強くなり、今度は雨まで降ってきた。最悪だ。やる事もないので風が収まるまで二度寝した。結果やや寝過ごしてしまい、起きたらAM 7:30を回っていたが、予想通り風はいくらか弱まっていたのと雨も上がっていた。眺望についても時々遠くに富士山がチラ見できるようになっていた。どうやら富士山周辺は天気は良い模様。朝食を摂取し、テントを撤収。テント場を後にし、出発前にお世話になった農鳥小屋のオヤジさんにご挨拶。少しばかり立ち話をしているなかで、AM4:00頃に出発しようとしたが風が強かったので出発をあえて遅らせた旨を伝えたところ、「よくあの風の中テントで耐えたね。大変だったでしょ。でもアンタ、賢いよ。風も弱くなったし、心配ない!」となぜか褒められた。まさかの言葉に動揺したが、とても嬉しく感じた。またいつか再訪することを告げ、農鳥小屋を出発。オヤジさん含め、親切なスタッフさんたちで安心して利用できた。近い将来、機会があればまた利用しようと思った。
小屋をAM 9:17頃に出発。目指すは最初の目的地・間ノ岳へ。標高が高いせいか、体が重く感じる。しかも若干頭が痛い。強風には相変わらず煽られまくながらもひたすら登り、10:36頃に到着。山頂には誰もいなかった。続いて北岳を目指すべく出発。途中、中白根山を通過すると、いよいよ北岳の姿が見えてきた。この頃には時々晴れ間も出て、鳳凰三山や富士山なども見えるようになってきた。振り返ると間ノ岳や農鳥岳なども。北岳山荘を通過し、植生の保護をしている付近を歩く。この辺でキタダケソウが咲いているのかと思いきや、ハクサンチイチゲだらけだった。それらしいと思ったのに残念。結局その周辺では見つけられず、途中出会った登山者に聞いたところ、近くで見れる場所があるという情報をお持ちだった。その場所を教えて頂き、早速その地へ。すると、教えてもらった場所から少し高い位置に少量ながらキタダケソウは咲いていた。岩だらけの地に可憐な花を咲かせていた。半分自力で探せたので、ヨシとしますか。今回の目的はここで成功。本当に来てよかった。その後は元の稜線道に戻り、北岳を13:50頃に登頂。少し寄り道をしすぎて結構な時間が掛かってしまった。山頂には天気が回復したおかげか、たくさんの登山者で賑わっていた。だが天気が良かったのはここまで。北岳肩ノ小屋まで下るとポツポツ冷たいものが。雨が降ってきた。小太郎尾根分岐を少し下ったところで本降りになり、雨具を装備。草すべりは本当に滑りまくった。何度も姿勢を崩す場面も。一気に高度を下げるので勾配がキツイ。しばらくして雨は上がった。晴れ間も見えるようになった。白根御池小屋付近には15:55頃到着。ここから広河原までの間も長く感じた。広河原のキャンプ場には、17:30頃に到着。到着後から再び雨になった。30分くらい待機したが止む気配はなく、仕方なく雨の中テントを設営。しばらくしたら雨もやみ、広河原山荘まで行きテント泊の受付を行った。広河原山荘は今年リニューアルされたそうで、きれいで機能的な感じの建物だった。珍しく缶ビールを購入し、テントに戻り夕食を摂りながらグビリと一杯。その後就寝。一日悩まされた強風はこの夜も続いてた。
■3日目(広河原山荘〜奈良田)
起床は4:30。時折、山からおろしのような風が吹くが前日ほどではなかった。空は明るみを帯びていたが曇り。この日はバス移動で奈良田へ戻るだけなのでとても気楽。まずはテントを撤収し、広河原山荘まで移動。奈良田行のバス発車は7:00。時間に余裕があったので山荘のテラスを利用させてもらい、そこで朝食を摂る。バスの発車時間になったので乗車。2台で奈良田に行くようだが乗客は自分一人だけ。発車後、道中に落石や木の枝などが散乱しており、乗務員の方が度々バスが止め、それらの排除に向かう。大変な仕事だ。デポ地である第一発電所にはほぼ定刻通り到着。下車してバスを見送り、今回の旅は完了となった。
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