大峯奥駈道無泊縦走(吉野神宮駅-熊野本宮大社)96.4km
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- GPS
- --:--
- 距離
- ---km
- 登り
- ---m
- 下り
- ---m
コースタイム
- 山行
- 0:58
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:58
- 山行
- 21:25
- 休憩
- 2:28
- 合計
- 23:53
- 山行
- 4:27
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 4:39
天候 | 常時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
[帰り]奈良交通バス大和八木駅行き 約5時間20分乗車 近鉄線 大和八木駅ー橿原神宮駅乗り換え ー南大阪線で吉野駅(寝過ごす)ー戻って吉野神宮駅下車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
南奥駈けはよく手入れされています。[痒いところに手が届く手入れ] 新宮山彦ぐるーぷさんに感謝です。 一番の心配事項は水場の渇水でした。[特に夏場] 大雨が降った数日後を狙いました。 最悪、汚い水でも飲めるように携帯浄水器を用意しました。 |
写真
以前、金峯神社からここまでをピストンして、その結果から奥駈にかかる時間の予想を立てました。
ピストンは約10時間くらいでした。
※予想はあくまで予想でしかありませんでした。
弥山前の登りで体調がものすごく壊れました。
椅子に座り、テーブルに倒れこむようにしながら行動食と水分を補給しました。
リタイヤがほんの一瞬、頭の中でチラつきましたが、しばらくすると苦しかったのがウソのように回復しました。
鎖場は聞いていたイメージより問題なかったです。
しかし、ピークからの降り方が分からず、グルグルとピークの周りを回ったり降りたり登ったりしていました。
精神も肉体も時間もかなりの無駄遣いでした。
リタイヤがとうとう頭の中で踊り出し「ヤメレバ?」と囁き始めましたが、僕は往生際が悪いので、ロスした時間を取り戻す勢いで再び先へ進みました。
今度はお昼にゆっくり来ますね。
「では、僕は先を急ぐので!!」って感じでしたが・・・
玉置神社内でまたもや迷い、しばらく彷徨いました・・・
もう、精神と肉体と時間の大安売りでした。
もうリタイヤは踊り疲れたのか、僕に何も囁いてきませんでした。
先へ進むのみです。
ここからが意外に長い。
下ったり登ったりを何度も繰り返し、明らかに遠回り(嫌がらせ)しているようで、イジワルな奥駈の事が少し嫌いになった・・・
ゴメンなさい、私がヘタレだっただけだよ、奥駈。
最後は絶対に川を渡ろうと思っていた。
躊躇なく突入して、アイシング、アイシング♪と唱えていた。
このあと、震えながら三角座りで熊野本宮大社の参拝可能時間(午前6時)を待つこととなった。
平地で遭難しそうだった。
ベットの中で思い描いていた感動と少し違う。
僕はまともに歩けないくらい、もっともっとボロボロになりたかったのかもしれない。
もしくは、終盤で奥駈の事を嫌いになってしまったのが(心が負けてしまったことが)原因なのかもしれない。
入りそうになりましたが、午前6時まで参拝禁止。
しばらく震えながら待つことに・・・
カロリー不足のせいか、威勢良く水に入ったせいか、いや両方なのか、とにかく寒い。
奥駈後のゲッソリ顔を撮っておきたかった。
自宅に帰りヘルスメーターに乗ると…
体重:52.5→51.5kg 1Kg減
体脂肪:8.8%→5.0% 3.8%減
という結果だった。
意外に体重が減っていない。
帰りの電車、吉野神宮駅で下車するはずが、寝過ごして吉野駅へ。
沢山の山伏がいた。
大声を出したり、電車でビールを飲んでいる姿に、あまり神聖な雰囲気は無かった。
普通のオッサン達だった。
出発の時にこの鳥居を撮らずに帰ってから撮る。
ゴールはしたけれど、心は少し負けたような気がしていました。
試合に勝って、勝負に負けたような感覚を抱えつつも、ひとまずホッとして自宅へ帰りました。
装備
個人装備 |
13Lザック
600mlボトル 1
600mlボトル浄水器 1
行動食
プラッティパス3L 1
防水スタッフバック 1
テーピング 1
絆創膏 5
胃腸薬 2
地図
ヘッドライト 2個
予備電池(単三) 8本
ウインドシェル
ランニング用ロングパンツ
レインウェア 上
手袋
ヘアバンド
帽子
着替えの下着と靴下
マネー
携帯
携帯用バッテリー
免許証
ICOCA
Ambit2
|
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感想
[感想]
幼い頃、「吉野山から熊野まで歩いて行けるんだよ」と誰かから聞いて心がワクワクしていた思い出があります。
しかし、山登りを始めるまでそのことはすっかり忘れていました。
山登りを始めて、再び頭の中に大峯奥駈道の事が飛び込んできて以来、北アルプスに登ろうが
電車に乗っていようが、トイレに入っていようが、奥駈の事を考えていた気がします。
この道を歩く想像をした時から、すでに歩くことは決まっていたように思います。
[苦しかった所]・・・下記以外にもあったんでしょうけど忘れました
1.弥山の登り 2.涅槃岳の登り 3.行仙岳の登り 4.笠捨山の登り 5.大森山の登り
6.玉置山の登り…体の調子が復活していたので比較的スムーズに登れたが、平常時は苦しそう
7.大森山以降の激下り 8.七越峰より先のじれったい感じ
[迷った所]・・・いずれも夜間行動時
1.大天井ヶ岳ー五番関間の下り(慎重に戻って道やテープを探す)
2.小笹ノ宿から登った竜ケ岳付近(竜ケ岳の看板があったので、地図を広げて位置関係を把握する)
3.地蔵岳ピークからの降り方(来た道方向へ戻るような錯覚にとらわれたため迷うがルートを信じた)
4.玉置神社から先に進む道(神社内の案内図を見た)
[身体の状態]
1.下山後、食事をすると口の中が痛くなった。(口呼吸による乾燥のためか?)
2.後半の移動中は胃が軽く軋む感じがして、食べても食べなくても胃に悪い気がした。(下山後は無性にスープを欲した)
3.下りではなく、登りで少し左膝が痛くなった。
4.眠気は全く感じられなかった。(山での行動は眠くなりにくい)
5.下山後、足の指先が以前軽い凍傷になった時のようにしびれている。
(うっ血状態であったこと等が考えられる)
[持って行って良かったもの]
これのおかげと言っても過言ではないかもしれない。
アミノバイタル パーフェクトエネルギー 130g 180kcal
少々重いですが、飲んだ30分後くらいから明らかに息切れが減り、体が動く事を実感しました。
是非お試しあれ!!
[エピソード]
下山後、僕はバス停横の歩道に座って、震えながらスマホで最寄りの銭湯を探していた。
平地だから大丈夫だろうと思ったけれど、下半身はずぶ濡れだったし、やっぱり早朝は寒かった。
あれも遠い、これも遠い、と思いながら調べていると知らず知らずのうちに僕は眠ってしまっていた。
「大丈夫ですか?」
目覚めて顔を上げると、ワンピース姿で大きな白い帽子を被り、長靴を履いて自転車に乗った一人の女性がいた。
僕は事情を説明して、近くにある入浴場を聞いてみた。
彼女は幾つか紹介してくれたが、どれも遠くて今の気力と体力では行けないところだった。
僕は「ありがとう」と言って諦めた。
それを聞いた彼女は少しためらう素振りで、自転車に乗って去っていってしまった。
ところが、少し進んだところで彼女は引き返してこちらへ向かってきた。
どうやら、彼女は民宿を営んでいるらしく、今はお客がいないのでお風呂を好きに使っていいと言うのだ。
その時の僕には、色白の彼女が天照大神のように見えた。
簡単に室内の説明をして、天照大神は田んぼの仕事があるからと去っていった。
もともと施錠もしていないらしく、入浴後はそのまま自由に出て行っていいと言ってくれた。
とても温まった僕は、貸してくれたバスタオルの下に気持ちばかりの3000円を挟んでその場を去った。
親切&ラッキーが、よりこの奥駈を忘れられないものにしてくれた。
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