ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 6770436
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍

前穂高・北尾根〜明神岳主稜

2024年05月04日(土) ~ 2024年05月05日(日)
 - 拍手
GPS
15:35
距離
22.1km
登り
1,806m
下り
1,807m

コースタイム

1日目
山行
8:15
休憩
1:35
合計
9:50
5:00
80
小梨平
6:20
6:30
30
徳沢
7:00
7:10
40
7:50
8:10
90
本谷橋
9:40
10:00
90
涸沢
11:30
12:00
100
前穂高・北尾根 5/6のコル
13:40
13:45
65
前穂高・北尾根 己
14:50
前穂高・山頂
2日目
山行
5:15
休憩
0:30
合計
5:45
7:10
100
前穂高・山頂
8:50
9:10
190
明神岳・曲
12:20
12:30
15
明神岳・南西尾根 取付
12:45
12:45
10
岳沢登山口
12:55
上高地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
涸沢へ。
青空がきれい。
2024年05月04日 09:05撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/4 9:05
涸沢へ。
青空がきれい。

先週よりも更に融雪していた。
2024年05月04日 12:47撮影 by  SC-56C, samsung
5/4 12:47

先週よりも更に融雪していた。
こんな感じかな。
2024年05月04日 12:47撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/4 12:47
こんな感じかな。
景と前穂高頂上
2ピッチ目の氷結したルンゼは
階段状になっていた。
2024年05月04日 13:42撮影 by  SC-56C, samsung
5/4 13:42
景と前穂高頂上
2ピッチ目の氷結したルンゼは
階段状になっていた。
こんな感じかな。
2024年05月04日 13:42撮影 by  SC-56C, samsung
1
5/4 13:42
こんな感じかな。
曲の下降。
雪が着いていなかったので
クライムダウンで通過。
後で気づいたが
基部をトラバースしている
トレースがあった。
2024年05月04日 14:43撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/4 14:43
曲の下降。
雪が着いていなかったので
クライムダウンで通過。
後で気づいたが
基部をトラバースしている
トレースがあった。
前穂高頂上へ。
少し雲が広がりはじめ、
一時、雪がちらつく。
2024年05月04日 14:43撮影 by  SC-56C, samsung
1
5/4 14:43
前穂高頂上へ。
少し雲が広がりはじめ、
一時、雪がちらつく。
前穂高頂上から
槍穂高連峰を望む。
2024年05月04日 15:04撮影 by  SC-56C, samsung
3
5/4 15:04
前穂高頂上から
槍穂高連峰を望む。
東鎌尾根と槍ヶ岳。
彼方に剱岳と立山が見える。
2024年05月04日 15:04撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/4 15:04
東鎌尾根と槍ヶ岳。
彼方に剱岳と立山が見える。
今日のおうち
2024年05月04日 17:22撮影 by  SC-56C, samsung
4
5/4 17:22
今日のおうち
おうちの中から
奥穂高を望む。
2024年05月04日 17:20撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/4 17:20
おうちの中から
奥穂高を望む。
徐々に日が傾いていく。
2024年05月04日 18:09撮影 by  SC-56C, samsung
5/4 18:09
徐々に日が傾いていく。
やがて紫色に染まっていく。
2024年05月04日 18:06撮影 by  SC-56C, samsung
1
5/4 18:06
やがて紫色に染まっていく。
アーベントの
前穂高山頂。
2024年05月04日 18:22撮影 by  SC-56C, samsung
5/4 18:22
アーベントの
前穂高山頂。
夕日に沈んでいく。
2024年05月04日 18:29撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/4 18:29
夕日に沈んでいく。
夜に向かう槍穂高連峰。
2024年05月04日 18:29撮影 by  SC-56C, samsung
1
5/4 18:29
夜に向かう槍穂高連峰。
朝日に染まる槍穂高連峰
2024年05月05日 05:08撮影 by  SC-56C, samsung
1
5/5 5:08
朝日に染まる槍穂高連峰
槍ヶ岳と東鎌尾根
2024年05月05日 05:09撮影 by  SC-56C, samsung
1
5/5 5:09
槍ヶ岳と東鎌尾根
夜が明けていく
2024年05月05日 05:06撮影 by  SC-56C, samsung
3
5/5 5:06
夜が明けていく
夜が明けていく
2024年05月05日 05:12撮影 by  SC-56C, samsung
5/5 5:12
夜が明けていく
やがて
くっきりした
世界になる。
2024年05月05日 07:10撮影 by  SC-56C, samsung
1
5/5 7:10
やがて
くっきりした
世界になる。
明神岳曲。
ザイルがあるが
それには沿わず左側から登攀する。
2024年05月05日 08:44撮影 by  SC-56C, samsung
5/5 8:44
明神岳曲。
ザイルがあるが
それには沿わず左側から登攀する。
こんな感じかな。
2024年05月05日 08:44撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/5 8:44
こんな感じかな。
明神岳1峰。
東稜を登り終えた
パーティーの方々が
楽しそうにしていました。
ええですな。
2024年05月05日 08:52撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/5 8:52
明神岳1峰。
東稜を登り終えた
パーティーの方々が
楽しそうにしていました。
ええですな。
明神岳5峰台地から。
穏やかなサイト適営地
2024年05月05日 10:31撮影 by  SC-56C, samsung
1
5/5 10:31
明神岳5峰台地から。
穏やかなサイト適営地
昼寝したい。
2024年05月05日 10:31撮影 by  SC-56C, samsung
5/5 10:31
昼寝したい。
上高地から奥穂高を望む。
たくさんの方が楽しんでいた。
2024年05月05日 12:57撮影 by  SC-56C, samsung
2
5/5 12:57
上高地から奥穂高を望む。
たくさんの方が楽しんでいた。

感想

GW後半、遭難事故が相次いだみたい。
北尾根も僕が入る数時間前に滑落事故があったようでした。
僕は10時頃に涸沢を出て北尾根に向かったけど、
涸沢から見ていた方々には、ご心配をお掛けしたことと思います。

今回の山行目的は下記3点で、その為の記録です。
昨今の事故多発はSNS等の情報過多もあるかもしれません。
本稿も事故を煽ってしまうのではと懸念していますが、
今後の参考の為、アップさせて頂きます。

【目的】
 1.冬期装備/クライミング装備での前穂高北尾根・明神主稜縦走。
  (一泊二日予定)
 2.前穂高山頂でのビバーク確認。
  (シュラフ/イスカ630等の使用感)
 3.融雪して水分補給する山行確認。
  (ガスカートリッジ(小)の消費量確認)
  
 《事前の水分計画》
  入山前:アクエリアス2000ml確保
  涸沢 :水分1000ml補給
  5/6のコル:アクエリアス1500ml+水分1000ml確保
  前穂高山頂:融雪して水分800ml〜1000ml補給
  前穂高出発時(二日目):アクエリアス1000ml+水分1000ml確保
  ※略、予定通りの行動(前穂高山頂で800ml水分を作成)。

===============================
===============================

5月4日 12:30 北尾根・絞にて。
1メートル程トラバースをしようと左足を出した。
その瞬間、右足が雪を踏み抜く。
ホールドをつかんでいた右手にぐっと力がかかる。
ひやりとした。

先週の疲れが残っているのか、
5/6のコル迄でかなり体力を消耗したのか、
この時点で予想外に疲労していた。
集中が少し足りないようだった。

己もやはり雪が腐っていた。
岩の氷結も明らかに弱くなっており、
5センチくらいのホールドでも
アイゼンを掛けると、ごそっと抜けることもあった。
一手一手、崩れないか確認して登攀する。
雪壁は踏み抜いて滑落してしまう危険もあったので
トレースを外して岩稜帯を登攀することもあった。

13:45 己に着く。
この調子だと、おそらく山頂には15時だ。
予想より遅れている。
友人が心配するかもしれない。
『四峰通過 雪が悪く手間取っています』
とLINEを入れた。

この時点でかなり疲労しており、
明らかにいつもより注意力が落ちていた。
景が間近に現れ、進むか躊躇ったが、
明日のことを考えると
ここ(3/4のコル)でビバークよりも
前穂高山頂でのビバークの方が良いと思った。

体力面を再検討する。
縦走系の体力は、かなり無くなっていたが、
クライミング系の瞬間的な力はまだ大丈夫であった。
景は簡単だがクライミング主体となる。
一歩一歩確実にいけば必ず抜けられるはずだ。

実際、景は緊張はしたが、
1ピッチ目にあたる側面登攀、
2ピッチ目のあたる氷結したルンゼ(階段状になっていた)、
最後の小ハングも特に問題なく安定して通過。
緊張を緩めてはいけないが、
頂上まで抜けられるなと思った。
ただ、
いつもなら殆ど気にならない曲登攀が長く感じられた。

曲の下降はクライムダウンで通過し、
最後の雪壁を登攀して前穂高山頂につく。
無事登頂のLINEを友人に入れ、やっと一息ついた。

クロスオーバードームを設営して暫し休む。
日の光が暖かい。
レーズンとチーズパンは疲労した体に優しく、美味しかった。
徐々に日は
奥穂高岳の稜線へと傾いていき、
焼岳と霞沢岳を紫色に染めていく。
空はさらに深くなり、槍穂高の稜線が夜空に浮かび上がった。
その変化を外に出てずっと眺め続けた。

夜は思っていたよりも寒くなかったが、
やはり結露が凄かった。
入り口をほぼ全開にして気温差をなくしたが、
クロスオーバードームは構造上、どうしても換気が悪いようだ。
まぁ、それも分かっていたことだ。
明日の縦走に備え、
満点の星空を暫し見ながら眠りについた。
明日は槍穂高連峰のモルゲンロートが楽しみだ。

Ps:翌日、予定通り明神主稜を行く。
  雪は殆どなく、アイゼンなしで通過できた。
  風は涼しく、晩秋のような気持ち良さがあった。
===============================
===============================
【日程】
《5月3日》
 9:00自宅出発➡15:00 平湯の森 16:00➡アカンダナ駐車場➡小梨平(泊)
《5月4日》
 小梨平5:00➡7:00横尾➡9:40涸沢➡11:30 5/6のコル
 ➡14:50前穂高山頂(泊)
《5月5日》
 前穂高山頂➡明神岳主稜➡明神岳南西尾根➡上高地

◎当初は5月4日 4:50発のアカンダナバスに乗車予定だったが、
 乗車できない可能性を懸念し、小梨平で前泊。

===============================
【ソロ対策】
・登山計画書:会社引き出しの中、車の中(ダッシュボード上)、登山口
・連絡:友人に要所要所で随時連絡
・ココヘリに登録済

【ソロリードについて】
・支点がしっかりしていないと意味が無い。
 この為、基本的にはノーザイルで通過予定。
 ザイル可能性箇所は以下である。
  前穂高岳4峰:大岩を上高地側に巻いた後、直上する箇所
  前穂高岳3峰:1ピッチ目、2ピッチ目(大チムニー)
  2峰へのクライムダウン
  明神岳:2峰
・ザイルは7.1ミリ ダブルロープをシングル方式で計画。
 この径では通常使用しているグリグリの適用外の為、
 ルベルソを使用(事前に確保可能は確認済)。
 ロールンロックも7.1ミリザイルでは適用外。
(事前に確保可能は確認済)

============================
【衣類装備】
 上:厚手ベースレイヤ-(ノースフェイス)
   R1フーディー(パタゴニア;サイズS)
   ナノエアフーディ-(パタゴニア;サイズS)
   ストーム10ジャケット(パタゴニア;サイズS)
   ダウン
 下:厚手ベースレイヤー(ノースフェイス)
   ガルヴァナイズドパンツ(パタゴニア;サイズS)
   ナノエアパンツ(パタゴニア;サイズS)
   厚手靴下
 手袋:アウター(ブラックダイヤモンド/ソロイスト)
    薄手ドライフット(ファイントラック)
    薄手手袋
    予備手袋(ソロイスト/ブラックダイヤモンド)

 ◎今年のGW中は気温が高く、上記装備で問題なかった。
  特に行動中は暑く、厚手ベースレイヤーのみで行動
 ◎手袋に関しても全工程で
  「アウター」+「薄手ドライフィット」+「薄手手袋」で問題なし。

【登攀装備】
 ザイル(7.1ミリ・60メートル;エーデルリッド/スキマープロドライ)
 ハーネス(ブルーアイス/コーカスプロ)、チェストハーネス(自作)
 ルベルソ×2+管付カラビナ×2、ロールンロック+カラビナ
 アルパインヌンチャク(60僉2、120僉2、180cm×1)、PAS
 アックス(BD/ベノムLT×2)、アックスホルダー
 アイゼン(ペツル/バサック)、登山靴(スカルパ・ファントムテック)
 ヘルメット、ストック(BD・ディスタンスカーボンZ)

【宿泊装備】
 シュラフ(イスカ/エア630)
 シュラフカバ-(イスカ/ウルトラライトシュラフカバー)
 マット(サーマレスト/ネオエアーXサーモ)
 テントマット(薄手/100円ショップ)、銀マット(薄手/100円ショップ)
 クロスオーバードーム(1人用)、ペグ(割り箸)
 コッヘル、コップ、火器、ガスカートリッジ、スプーン、
 コンタクトレンズ、メガネ、食料/水(下記)
 ヘッドランプ、電池、テーピング、地図、コンパス、ライター、
 リップ、ナイフ、トレペ、ウェットテッシュ、お金、腕時計(※7)
 携帯充電器、登山靴用の袋、サングラス

 ◎前穂高就寝時は下記で特に問題なし(若干腰が寒いのみ)。
  上:R1フーディー+ナノエアフーディー+ダウン
  下:厚手ベースレイヤー+ナノエアパンツ
  寝具:イスカ/エア630+ウルトラライトシュラフカバー
     +サーマレスト/ネオエアXサーモ

 ◎ガスカートリッジ使用量:38g(212g→174g)
  (300ml×5回沸騰+融雪して800mlの沸騰水作成)

【摂取量(食料/水分)】
 1日目:アンパン(75kcal)×5、チーズパン(500kcal)、ソーセージ
     レーズン少々、ドライカレー、レトルトカレー
     アクエリアス1200ml+水分900ml
 2日目:アップルパン(500kcal)、ソーセージ、レーズン少々
    アクエリアス800ml+水分400ml
 ※上記以外に徳沢/涸沢でそれぞれ200ml程度水分摂取。
 ※他、アーモンド小魚、アメ×10ケ、紅茶/コーヒーパック×4を携帯。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:318人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

ハイキング 槍・穂高・乗鞍 [3日]
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
キャンプ等、その他 槍・穂高・乗鞍 [2日]
上高地から涸沢にテント泊で周辺の紅葉景勝地の散策も
利用交通機関: 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
重太郎
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
上高地〜横尾〜徳沢
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
アルパインクライミング 槍・穂高・乗鞍 [2日]
前穂高北尾根
利用交通機関:
技術レベル
5/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら