谷川岳(西黒尾根〜谷川岳〜茂倉岳ピストン〜中ゴー尾根〜谷川温泉)
- GPS
- 09:13
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 1,675m
- 下り
- 1,761m
コースタイム
天候 | 晴れ時々くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
○全体を通じて言えるのは、虫が凄いことです。 歩いていても寄ってきますが、場所にもよっては立ち止まるとすぐに何十匹と体の周りに集まってきます。 特別咬んだりする訳でもないですが、とっても不愉快です・・・ 本当に休憩するのに苦労します。休憩を取る時間が長く回数が多い方は対策が必要。 ○二俣からの沢沿いには「ヒル」がいます。 土合駅から車道を歩き、ロープウェイ駅を経由して登山指導センターがあり、そこで登山届を出せます。トイレもあります。 登山指導センターからつづら折りの車道を5分ほど歩くと西黒尾根登山口です。 西黒尾根は最初は樹林帯の急登。道は殆ど段になっていて登りやすいですが本当に「直」な登りですのでキツイところです。 樹林帯を抜け植生が低くなると岩場・鎖場が続く尾根歩きが始まります。鎖を使うまでもないのですが、雨が降ったときは滑り易いと思われます。 巌剛新道と合流してからは登りがきつくなります。滑り易い岩場があり、少し苦労しました。降雨時は相当苦労するものと思われます。 鎖場もありますが、ここも鎖は使わなくても大丈夫です。 肩の広場は雪田となっています。表面は緩くなっていますのでアイゼンは要らないです。トレースもあります。 先にトマノ耳(1963メートル)があり、少し歩くとオキノ耳(1977メートル)、こちらが山頂です。 オキノ耳から一ノ倉岳の縦走路は岩場・鎖場もありますが、特に難しい場所はありません。 ただし岩は表面が磨かれて?ツルツルしていますので、滑り易い状態です。一ノ倉岳への登りは少し堪えます。 一ノ倉岳から茂倉岳へは、なだらかな尾根歩きでとても気持ち良いです。一部残雪がありますが、ここもアイゼンは無くても大丈夫です。 中ゴー尾根は一般登山道で道は明瞭ですが、歩いている人が少ないようです。二俣まで誰一人とも会わなかったです。 急な下りが連続して疲れた体には厳しいところです。岩場・鎖場もありますが、一つ一つはそれ程難しくありません。 樹林帯に入ると枯葉がたくさん残っていて、滑り易い箇所もあります。 尾根から沢に出る辺り、二俣付近は道標もなく道は草が茂っていて不明瞭です。 沢も最初は道標がなく、水量の少ないヒツゴー沢方面に進路を取ります。 徒渉をせずに沢を渡ると岩に「→」のペンキがあるのでそれに従い沢沿いを歩きます。 そこからは草が茂った道もありますが、迷うことはありません。 いわお新道と合流する地点でようやく人と会いました。その方は長靴を履いていましたが・・・ 当たり前と言えば当たり前ですが、この沢道は「ヒル」がいます!!私も1カ所やられてました。 二俣から谷川温泉までの道は長く、高巻く場面や鎖場、大きな岩を乗り越えたりと、決して楽な道ではありません。 コースタイム通りにはいかないと思われます。 最後ポンプ小屋があるあたりで分岐があります。道が川の方へ降りていく道、そのまま林に向かっていく道。 私は後者を選びましたが、地図で見ると本来の登山道は川に降りて行く道と思われます。 後者は最後に民間の宿泊施設の土地に出てしまいますので。(わざと??) 谷川温泉では「湯テルメ谷川」という日帰り入浴施設があります。550円。 水上駅までのタクシー代は1,780円でした。昭文社の山地図の情報だと1,000円でしたが・・・ |
写真
感想
谷川岳。世界で一番人が亡くなっている山。魔の山。
しかしそれは一ノ倉沢を冬季に登る人達に限られたこと。
無雪期に一般登山道を歩く山屋には「険しさと優しさ」が同居する素晴らしい山である。
そこには自分的には甘美な響き「日本三大急登」の一つ「西黒尾根」がある。
特別意識してこなかったが、日本三大と北アルプス3大急登、合わせて6急登のうち4つは歩いている。
残り2つ。西黒尾根とブナ立尾根。登らない訳にはいかない(←なんで?)
ということで久しぶりに丹沢以外に遠征したいと思っていたこともあり、谷川岳に行くことに決定!
自宅から日帰りは厳しいので(できなくもないが)、前夜泊することにした。宿は越後湯沢。朝一の電車で行けば早朝に登山口に行ける。
じゃらんで予約、素泊まり3,780円+入湯税150円。窓に足場があるせいでいつもより(4,200円)安い。
広くて綺麗でバス+トイレ付き。平日料金とはいえ、絶対安い。お得。温泉もあるみたいだし(入らなかった)東映ホテル、お勧めです。
翌日12日。駅近くのセブンイレブンで食料を調達して6:14の電車に乗る。
電車は標高上げる為か、ループ状に線路が続く箇所があり、鉄ちゃんじゃないけど興味津々。実際通過してみると何ともない(笑)
土合駅は標高が665メートルもある。駅構内にはテントが一張り、酒の殻が袋に入って外に出ていた。相当飲んだみたいね(笑)
駅を出てから車道を歩く。同じく歩く人は結構いる。お猿さんを横目に標高を稼ぎながらロープウェイ駅に向かう。
こちとらロープウェイの世話にはならねーぞ!!スルーして登山指導センターに向かう。
センターから少し歩くといよいよ西黒尾根の登山口、ここも結構人がいる。物好きはいるんだな(^^)嬉しい。
準備体操+ダブルストックを準備。この俺がダブルストック出す時は本気だからね(偉そうに)
西黒尾根はいきなりの急登。まっすぐに登山道が伸びている。段になっているので歩き易いけど、相当厳しい登り。
若者2人組が声高らか会話しながら勢いよく登って行く。歩幅も大きい。姿格好、歩き方からして山歩きは慣れていない様子。
さっさと登って行ってすぐに休憩、自分が追いつく頃にスタート、また休憩している。この展開どこかで経験してる。
あ、富士山だ!富士山も勢いのある若者が5合目から飛ばしていって途中でへばっていつしか牛歩な自分が先行する。
今回西黒尾根でも一緒。黙々と登る単独オッサンに先んじられるのは不本意だと思う。歩き方を学ぼうね・・・
厳しい樹林帯の登りは1時間も続かない。心配した暑さもそれ程でもないし、虫もそれ程じゃない。当て外れ?だ。
と思うのはここまで、樹林帯を抜けると虫さんが大集結・・・立ち止まるとまとわりつかれる。こりゃ酷い。
登山道はちょっとした岩場があったりするが、それよりも虫。鎖場も鎖触らずとも余裕で通過できるが、虫さんは一切容赦なし。
咬まれたりしないし特別害はないけど鬱陶しいこと。彼らなりの道理・生理で動いているのだろうけど迷惑な存在。
巌剛新道との分岐で休憩していた老夫婦なんて、まさに虫だらけだった。それを物ともせずに穏やかに挨拶してくれた。ただ者じゃない。
分岐以降は標高が1000メートル違うんじゃない?って思うような南・北アルプスのような登り。岩場あり、この岩場がすごーーーく滑る。雨が降ったらどうなるんだろうって思うほど。
鎖場もあるけど、一切使わなかった。鎖場で鎖に全体重預ける素人さん、本当に危ないんだよ・・・鎖は触る程度に。
いよいよ山頂も見える頃、ガスガスだった西黒尾根は晴れてきた。右を向けば険しい岩壁、左を見れば軟弱山屋(言い過ぎかな)御用達の天神平のロープウェイ駅と天神尾根。
ザンゲがどうの、天狗の何とかを過ぎて(←興味なし)肩の雪田に。ヤマレコ調べでもアイゼンは要らない様子だった。
一応持って行ったけど、必要なし。緩くなっていて滑ることもない。余裕で通過。
雪田を過ぎると谷川岳双耳峰のトマノ耳。ここで早いお昼を食べる。西黒尾根で一切補給しなかったのでお腹が空いた。
しかし山頂も虫さんがブンブン。落ち着いて休めない。オニギリ飲み込んでさっさと出発、オキノ耳に。
トマ(手前)とオキ(奥)の耳で、オキのが高くここが山頂扱い。1,977メートル。雰囲気的にはプラス1,000してもいいぐらいな山。さすが谷川岳。
オキノ耳は寄る程度にして一ノ倉岳を目指す。あの一ノ倉沢を上から俯瞰できるなんて幸運に感謝。何度も何度もシャッターをきった。
よく見ると岩壁にクライマー集団が取り付いているのが見える。何やらかけ声も聞こえてくる。
時折見返すけどあまり進んで無い様子。色々事情があるんだろうけど、なんかもどかしい。さっさとは登れないんだろうか。
そんなクライマーさんを余所に単独オッサンは縦走路を歩く。一ノ倉岳から茂倉岳まで、途中残雪のある箇所もあったけどアイゼンは不要。気持ちの良い尾根歩き。
茂倉岳で2度目の補給、今回は食料が少ない、食べ尽くしてしまった(残りはウィダーインゼリーと飴ちゃんだけ)
谷川岳に戻ってくると明らかに人が増えている。天神尾根からのライトユーザーも多くなっていた。軽装も良いところ。
今回の山行の目的の一つである「バッチ」をゲットすべく肩の小屋に。小屋にはビールも冷えていて誘惑に駆られかけるもバッチだけゲットン。450円。
小屋周辺は賑やかでここでも若者は大騒ぎしていた。自分も15年ぐらい前なら大騒ぎしていたのだろうな・・・ユルシチャル
ここから下山路はちょと不安視していた中ゴー尾根。思った通り、人っ子一人歩いていない。もし何かあったら大変。
いきなりの急登ならぬ急降。もし残雪が多かったら大変なことになっていた。丹沢感覚で歩いたら痛い目にあう谷川岳。
岩場が連続して鎖はあるけど根元は錆びていていかにも頼りなさ気。使わないポリシーがあるので用はないけど、不安になる。
とにかく最近人が通った形跡がない。こんなところでへばったら大変だ。疲れた体ながらも神経を集中させる。
やがて樹林帯に入ると、こんどは枯葉の堆積に悩まされる。枯葉の下の岩で滑ること。何度となく尻餅をつく。頭から転ぶよりまし。
丹沢でいうとツツジ新道みたいな下り、もっと踏み跡がない感じだけど雰囲気は似ている。荒れ具合も含めて。
沢に出合う地点は不明瞭。ヒツゴー沢方面は水量もなくこちらに進路を取ればいいのだと判断する。結果OK。ペンキマークが現れ一件落着。
と思いきや、ここからが大変。沢筋の道は高巻き、岩がゴロゴロする箇所と歩きにくい。いわお新道分岐に着いたら少しはましになるかと思ったが・・・
分岐でようやく人に会えた。単独のオジサン、足には長靴。「谷川岳からですか?雪はどうでした?」の会話をする。
頭の片隅でヒルの事が気になる。長靴姿には訳があるはずだし。
そんなオジサンに「お先に」と声を掛けて谷川温泉に向かって出発。道はいっこうに良くならない。歩き易くならない。
鎖場まで用意してくれているが、こちとら鎖には厄介にならない主義、しかし山行後半で疲れていてついに梯子に足を掛け、鎖にも頼って難所を通過。
少しぐらい濡れてもいいと決意すれば鎖も要らない程度だけど・・・
道はやがて完全に高巻き道に。歩き易くなりペースも上がる。何度か架橋ポイントがあるけど橋は凄く頼りない。ちょっと不安になる。最後は完全に壊れていたし。
歩き易くなってからも長かった。昭文社のコースタイムは二俣から1:20だけど、そのペースで行くのは大変と思われる。
生意気な言い方になるけど、平地や下りならコースタイムの60%程度で踏破できる自分がほぼコースタイム通り。結構手強い道だと思う。
しかも・・・ヒルがいます!!!事前情報で掴んでいたのに特に対策しなかった。殆ど立ち止まらない自分ならヒルさえも付かないと信じていた。
結果、翌日の朝に気付くという醜態・・・せめて吸ったヒルをこの手(足)で殺したかった。悔しい。
沢道もいよいよ文明の香りもする地点、ポンプ小屋に来ると道が分岐している。川に降りるような道と林をまっすぐ進む道。
よく分からなかったし、道標もイマイチ分かりにくい。駄目もとで林方面に進んだ。かなり不安だったけど駄目なら戻ればいいやの精神。
実際進むとお花が登山道の両側に拡がるような素敵な登山口。民営の施設の敷地に到着。ちょっと違和感あり・・・
そこから少し下ると谷川温泉「湯テルメ谷川」。550円也。
疲れていて体を洗う気力もなく、露天風呂にも行けなかった。洗髪してあがり。缶ビールはイマイチ冷えてなくてガッカリ。
タクシーを呼び水上駅に。昭文社の地図では1,000円とあるが実際は1,780円、ボッタクリじゃなく単に情報が古いだけと思われる。
水上駅でキップを買って、時間があったので駅前の中華屋で打ち上げ。
名前も分からないし興味もないけど、高山植物が遅れた春を謳歌するような華やかな登山道、同じく謳歌する虫さん、厳しい登りと険しい風景。
様々な顔を見せてくれた谷川岳。また来たいと思いました。お疲れ様でした。
コメント
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お疲れ様でした。
入魂のヤマレポですね。
yarijapanさんが疲れるってどんな山!?
私も近々挑んでみたいです!!
できれば虫のいない時期に。。
写真を携帯・デジカメ合わせて217枚も撮ってます。それだけ夢中になっていたんだと思います。
岩場・鎖場・残雪ありのバラエティに富んだ尾根・縦走路は飽きることがありません。
何より一ノ倉沢の眺め。見ているだけでお腹一杯でした!
しかしながらそれなりの暑さと西黒尾根の急登、結構疲れましたよ。
何より下山路の中ゴー尾根とその先の沢筋歩きは長く歩きにくくて消耗しました・・・
虫さんが落ち着かれる、涼しくなった時期に行かれてはどうでしょうか。
温泉も魅力的ですしね
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