二百名山195座目:以東岳＆朝日連峰縦走

2024年08月19日(月) ~ 2024年08月21日(水)

• GPS: 61:35
• 距離: 57.2km
• 登り: 3,847m
• 下り: 3,851m

コースタイム

1日目

• 山行: 9:58
• 休憩: 2:43
• 合計: 12:41

5:04 南俣沢出合
6:22 焼峰
7:16 7:17 竜ヶ岳水場
8:59 9:10 粟畑
9:29 9:40 天狗角力取山
10:09 10:10 ウツノシマ峰
10:55 10:57 湯沢峰
11:26 11:27 二ツ石山
13:18 13:21 高松峰
13:48 15:00 狐穴小屋
15:31 中先峰
16:39 17:40 以東岳
17:45 以東小屋

2日目

• 山行: 5:52
• 休憩: 0:05
• 合計: 5:57

5:56 以東小屋
6:01 6:04 以東岳
7:05 中先峰
7:36 7:37 狐穴小屋
7:51 7:52 三方境
11:53 狐穴小屋

3日目

• 山行: 9:57
• 休憩: 3:15
• 合計: 13:12

5:28 狐穴小屋
5:40 5:41 三方境
5:51 北寒江山
6:08 寒江山
6:18 6:19 南寒江山
6:58 7:00 竜門山避難小屋
7:15 7:16 竜門山
8:21 西朝日岳
9:09 9:10 中岳
9:23 9:34 金玉水
9:45 大朝日岳山頂避難小屋
9:55 12:23 大朝日岳
12:30 大朝日岳山頂避難小屋
12:56 銀玉水
13:21 13:22 小朝日岳巻道分岐（南側）
13:39 13:40 小朝日岳
13:49 小朝日岳巻道分岐（北側）
14:09 14:12 古寺山
14:26 14:36 三沢清水
14:56 15:09 ハナヌキ峰分岐
15:15 15:16 ハナヌキ峰
16:04 竜門滝
16:39 16:40 日暮沢小屋
18:06 河川敷公園
18:08 江戸屋旅館
18:40 南俣沢出合
18:40 ゴール地点

天候

晴→霧→晴→曇

アクセス

利用交通機関：

自家用車

写真

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撮影機器：

α7C ILCE-7C ボディ SONY

HERO9 BLACK CHDHX-901-FW GoPro

感想

Icchyou

24.08.19
富山から山形に移動。
理不尽な4連続台風により2週間停滞を余儀なくされ
お盆休みを過ぎてから漸く俺の夏がやってきた。

狙うのは朝日連峰西端の二百名山・以東岳。
月山や祝瓶山から何度も眺め続けた鋭鋒…
天気やタイミングが合わず長年行くことが
叶わなかった頂の入口にやっと立てたぞ！
気合と装備を漲らせ北東方面の南俣沢出会いより入山。

数多のピーク連なる長大な尾根で標高を稼ぎ
粟畑に出た途端、朝日連峰の主稜線が一気に広がった！
今からここを歩けるのか・・・ワクワクが止まらない！！
天狗小屋の甘い誘いには乗らず一心不乱に稜線を進み続ける。

そして目指す以東岳は以外にもノッペリした山容。
あれ、こんなカタチだったっけ・・・？
南北から見ると剱岳、東西から見ると立山。
稜線が広く御嶽山や大山のように
見る方向から印象の変わる山のようだ。

そしてここから試練が始まる。
稜線には5つものピークが連なり累積標高差は1800m越え。
登山道もザレ場が多い上、全体的に斜めっていて
迂闊な足運びは許されない。
稜線の直射日光は精神と体力と水分を容赦なく奪う上、
道中の給水量をミスり主稜線に合流する前に水が尽きてしまう。

ペースとホースに残った水分を
巧みにコントロールし命を繋ぎながら進む。
完全に水が切れて30分後なんとか狐穴小屋に辿り着き
水をがぶ飲みして息を吹き返した。

(*´Д`)ハァハァ、久々にヤバかった・・・
軽い頭痛がするし熱中症になりかけてたかもしれない。
補給しつつ呼吸を整えていると時刻は15時を過ぎた。

目の前ある快適そうな狐穴小屋。
はるか遠くにある以東岳…

ええい、ごちゃごちゃ考えるのはやめだ。
迷ったら常に難しい方を選ぶんだよぉ！！
男に後退の二文字はねぇ！
文字通り水を得た魚の如く、
俺は主稜線へと飛び出したのだった。

15時半に狐穴小屋を出発。
日没にはまだ間に合うはずだ。
食料＆水分を十分に補給したので体にエンジンがかかり
美しい稜線を猛進してゆく。

背後には祝瓶山と三方境への稜線が伸びる。
正面に近づく以東岳には雲がかかってしまった…
最後の褒美を信じて加速し続けた結果
1時間で待望の頂に到達！

吹きすさぶ風が霧を呼び景色はなんとも微妙な所…
一度仕切りなおそう。
山頂直下の以東小屋にピットインし寝床を確保していると
窓から差し込む朱色の光！行くしかねぇ！
カメラを持ってダッシュで山頂に戻ると
風は凪ぎ霧は完全に晴れていた。

大朝日岳まで伸びる緑の美しい稜線。
蔵王、月山、鳥海山のシルエット。
大鳥池と以東小屋の向こうの粟島に沈む夕日が
全てを輝かせていた。

これが見たかった・・・
やっぱ山は頑張った人には絶対ご褒美くれるんだよ！
スタートから10時間半、18キロ、累積標高差2370m
俺はやり切ったぞ！

これで昨年10月から止まっていた夢にまた一歩近づいた。
二百名山195座目・踏破！！

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24.08.20
素晴らしい夕焼けを見せてくれた前日の反動と
言わんばかりにこの日は朝からドン曇りだった。

2日間晴れ予報出てたから入山したのによ…
見事に裏切られたぜ。

一気に朝日連峰を縦走する予定だったが
計画を練り直してひとまず昨日歩いた区間を戻り
狐穴小屋に向かうことにした。

視界は10mも無いが風は弱く涼しくて歩きやすい。
こんな日は足元に揺れる高山植物を愉しんでいこう。
2時間程度のんびり歩き未踏の三方境を取ってから
狐穴小屋にピットイン。

さて、やることなくなったがまだ8時…暇すぎるw
小屋の二階を見ると20冊程度の文庫があり
その中には田中陽希さんのグレートトラバース2を発見。
表紙をめくるとなんとサインが！！
グレトラ3の時にここを利用したようだ。
俺も二百名山終わりに差し掛かってるし少し運命を感じた。

予報では翌日の午前中ならワンチャンある。
そしてこれ読めば時間も十分潰せる。
よし、今日は思い切って停滞だ！

この日のために買ってきた宮城峡蒸留所限定の
ウイスキーをキメたり本読んだり昼寝したりを繰り返し
充実の小屋生活を満喫。
どんな状況でも工夫して楽しまないとな！

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24.08.21
狐穴小屋で合計13時間爆睡w
これだけ寝れば初日の疲れもある程度は回復。

朝になっても天候は相変わらずな感じ…
マジか、、もう縦走やめようかなと一瞬思ったが
『戻れば一つ、進めば二つ、手に入る！』
某魔女の名言を思い出し予報を信じて5時半に出発。
俺の朝日連峰主稜線縦走が幕を開けた。

昨日取った三方境を通り次は寒江山へ。
霧は時々薄まり所々に太陽の存在は感じる。
竜門小屋を軽く覗いた後は竜門山に向けて標高を上げてゆくと
少し先の視界が開けピークに向かう尾根が見えた。
高山植物に混じり赤く染まる草原。
稜線は早くも秋が始まっているようだ。
そして予報通りに天候は動いてる！

次のピーク西朝日岳へ向かう途中に
ついに稜線の霧が晴れ陽光が差し込む・・・！

南アのようにうねる緑の穏やかな稜線。
その先に鋭い大朝日岳のピークが！

うおおおお二つ目手に入ったぁあああ！！
山頂取ってないけどこの景色が見れただけで既に大満足w
あとは短い晴れのなか歩ける幸せを全力で噛み締めるだけ！

朝日の稜線は涼しいのもあるが勾配的にも緩やかで
歩きやすくい縦走にもかかわらずほとんど疲れない。
テンションに任せて西朝日岳を踏破！
次の中岳の巻き道をパスすると大朝日岳が近づいてくるが
ピークは再び霧で姿を隠れてしまった。
7年前何も見えなかった頂のリベンジは果たせるだろうか？

大朝日岳が近づく中衝撃的な水場の名称を発見。

『金玉水』

…ギリギリアウトだろこれw
連想を広げていくと絶対飲めないが
興味本位で見に行ってみると・・・ああなるほど！
Golden(金)なBowl(鉢)に注がれているって意味か！
これなら飲めるね！汲んでこ！←

山の恵み？を手に7年ぶりの百名山89座目に登頂！！
奇しくも7年前と全く同じ濃霧が広がっている。
これは・・・リベンジ失敗か？w
山飯食いつつ待機していたら
北方面の小朝日岳への稜線は見ることができたが
南方面の雲は取れなかったのでハーフリベンジ達成。
2時間粘った山頂を後にした。

大朝日小屋はなんと改修中。
一応宿泊やトイレとして使うことは可能なよう。
珍しい姿を見れたな。

その先のピークにある朝日嶽神社奥宮に感謝を伝えると
雲が流れ始め大朝日、西朝日、小朝日の姿が！
やっぱ、最後にご褒美くれたね。
最高の3日間をありがとう！！
あとは稜線を一気に駆け抜け16:30に日暮沢小屋に下山した。

さて、ここから登山口の南俣沢出会いまで
15キロのロード歩きが待っているのだが・・・
今回は新兵器、キックボードを使う！
入山前の夜に舗装路終点に仕込んでおいた。
この時のために1年以上前に買ってやっと使うことができる。
ターマック区間はこいつと共に風になるぜ！！

早速組み立ててライドオン！・・・速い！！
下りだと普通に20〜30キロくらい出て結構怖い
登りだと蹴る必要がある上ザックの重量が片足に乗るので
けっこうシンドイけど歩くよりははるかに速い。
結果ロード区間10キロを1時間弱で駆け抜けてしまった。
これは・・・使える！

18:45に南俣沢出会いに帰還し相棒を回収。
舗装路終点に置いてきたザックと
キックボードを回収し全てのミッションを終えた。
全行程56.8キロ、28時間、累積標高差4127m
かなりハードな3日間だったが、
この工程をこなせる体力がまだ俺に残っていたことが嬉しい。
二百名山完全制覇にはあと二つさらに
ハードな縦走が残ってるし良い修行になった！

そして
フォレスター。オフロードよく走ってくれたな。
キックボード。ターマックでいい仕事してくれたぜ。
そして自慢の装備達。山で命を繋いでくれてありがとう。
お前らのお陰で、俺は今日も生きていけるんだ。
本当にありがとな！！
百名山89座目・再踏破！

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