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ルートID: r1021 中級 3泊4日 剱・立山 令和最初の夏山特集~前編

【令和最初の夏山特集~前編】立山・薬師岳縦走
たてやま・やくしだけじゅうそう

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
通称ダイヤモンドコースと呼ばれる立山・薬師岳間の縦走ルート。
たおやかな稜線や岩場、遅くまで残る雪渓・美しいお花畑など変化に富んだルートで、飽きることなく北アルプスの縦走を楽しむことができるでしょう。
黒部川の最深部となる上ノ廊下を挟んで望む北アルプスの山々は、雄大で神々しいく感嘆すること間違いないでしょう!
※2019年07月01日更新
ルート長29.1km
登り標高差569m
下り標高差1641m
行程概要: 祓堂社 → 雄山(3003m) → 浄土山南峰(2840m) → 龍王岳分岐(2820m) → 鬼岳東面 → 獅子岳(2714m) → ザラ峠(2348m) → 五色ヶ原 → 鳶山(2616m) → 越中沢岳(2591.42m) → スゴ乗越(2149m) → スゴ乗越小屋(2270m) → 間山(2585.2m) → 北薬師岳(2900m) → 薬師岳(2926.01m) → 薬師岳避難小屋跡(2895m) → 薬師岳山荘(2701m) → 薬師平(2470m) → 薬師峠(2294m) → 太郎兵衛平(2218m) → 五光岩ベンチ(2170m) → ベンチ → 三等三角点「青淵」ベンチ(1869.91m) → 太郎坂 → 十三重之塔 慰霊碑(1362m) → 折立(1350m)

【立山】立山・薬師岳縦走の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 変化に富んだ縦走ルート
  • 工夫を凝らした個性的な山小屋に宿泊
  • 雄大な展望と薬師岳からの大パノラマ
  • 日本百名山
モデルプラン
1日目
歩行時間:7時間
室堂〜一の越〜雄山往復〜鬼岳東面〜獅子岳〜ザラ峠〜五色ヶ原山荘
2日目
歩行時間:6時間
五色ヶ原山荘〜鳶山〜越中沢岳〜スゴ乗越〜スゴ乗越小屋
3日目
歩行時間:9時間30
スゴ乗越小屋〜間山〜北薬師岳〜薬師岳〜薬師岳山荘〜太郎平小屋〜折立
登山計画書作成 《ヤマレコらくルート》
http://yamare.co/A4KQsQ
山と高原地図 《ヤマプラ》
http://yamare.co/X38Do6
計画書提出先 富山県警察本部または上市警察署地域課。
※登山口に登山ポストあり。
宿泊 五色ヶ原山荘:090-2128-1857
http://www.goshikigahara.com/f_sanso.htm
スゴ乗越小屋:076-482-1917
http://ltaro.com/
交通 立山黒部アルペンルートにて室堂駅へ。
(扇沢駅-室堂間:5,860円 / 立山駅-室堂間:2,430円)
駐車場 アルペンルートの入口となる扇沢駅・立山駅ともに無料駐車場がある。
アドバイス 各日程とも行程が長いので早出を心掛けよう。
最終日は特に行程が長い。時間的に無理をせず薬師岳山荘や太郎平小屋に泊まることも考えよう。
鬼岳から獅子岳の間は遅くまで雪が残る。軽アイゼンを持参すると心強い。
獅子岳・スゴノ頭・薬師岳の各下りはザレ場が多いので転倒に注意しよう。
サブコース 逆コースもコースタイム・難易度的に大きな違いはない。
エスケープルート 特になし。
入浴 《亀谷温泉 白樺ハイツ》
有峰林道料金所の近くにある宿泊施設。日帰り入浴が可能な完全かけ流しの天然温泉だ。
http://www.shirakaba-toyama.com/
おすすめ周辺情報 《麺屋いろは》
ブラックラーメンと言うと塩気が強いイメージだがここのラーメンは出汁の味がきっちり出て美味い。
https://www.menya-iroha.com/
《そうめん金龍》
素麺を専門に扱う珍しい店だ。素朴でシンプルな味わいの素麺は出汁の味わいが素晴らしい一品。
http://www.soumen-kinryu.com/
《カレー食堂コロポ》
地元でも人気のカレー店。週末などは混雑することもあり食材が終わると営業を終了してしまう。
https://twitter.com/coropotoyama
《白えび亭》
富山の特産「白えび」の専門店。美味しい白えび料理を堪能できる。
http://www.shiroebiya.co.jp/
《かふぇにこ》
東南アジア系の料理が楽しめるカフェ。デザートのパフェ類が充実していて苺のパフェは人気の一品。
https://www.facebook.com/cafenic0/
1
【1日目】
初日は立山黒部アルペンルートの室堂駅から登山を開始する。
初日の行程は長いので前泊するかできるだけ早出を心掛けよう。
2
まずは室堂駅から立山の主峰となる雄山を目指す。
途中の一の越までは整備された遊歩道が続く。
3
7月中は浄土山直下のトラバース道に残雪を見ることがある。
ただし軽アイゼンが必要なほどではない。
4
徐々に傾斜が増しつづら折れの道が一の越へと続く。
5
急登を終えると多くの登山者で賑わう一の越に到着する。
ここに不要な荷物を置いて雄山を往復しよう。
6
雄山へは急な登りが続く。
足場は崩れやすく落石が多いので混雑時は特に注意したい。
7
8月初旬になると富山県内中学生による学校登山で賑わう。
渋滞することもあるが気を長く持ち譲り合って行動しよう。
8
二の越を通過すると雄山神社の社務所が見えてくる。
9
一の越から1時間前後で立山連峰の主峰となる雄山に到着する。
10
立山の最高点(3,003m)には登拝料(500円)を支払うと登ることができる。
11
雄山神社で登拝を受ける。
御祭神は伊邪那岐神(いざなぎのかみ)阿弥陀如来と天手力雄神(あめのたぢからおのかみ)不動明王だ。
12
雄山を往復したら一の越から五色ヶ原へ向かう。
小屋の手前右手から登山道をたどる。
13
登山道は正面に大きくそびえる龍王岳の右側を通過している。
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龍王岳と鬼岳との鞍部が鬼岳東面と呼ばれるところだ。
登山道はどちらの頂も通過しない。
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鬼岳東面からわずかに進むと獅子岳との鞍部へと下り始める。
ここには遅くまで雪が残り上部は急で滑落の危険性がある。軽アイゼンを装着して確実に下っていきたい。
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正面に獅子岳を望みながら雪田を歩く。
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鞍部はお花畑になっている。
コバイケイソウはアルカロイド系の毒を持っており誤食による事故が毎年のように発生している。
花は毎年咲くわけではなく3-6年周期と言われている。
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シナノキンバイは黄色い大型の花でよく目立つ。
眼下に見えるには御山谷と黒部湖だ。
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岩場に多くみられるイワギキョウ。
チシマギキョウと似るが花弁に薄毛が生えていないので簡単に見分けがつく。
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背後に立山カルデラの周壁を望みながら獅子岳へと登っていく。
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一の越から3時間ほどで獅子岳に到着する。
ここからザラ峠までは長く急な下りが続く。
22
獅子岳からザラ峠へと下り始める。
前方には赤牛岳や水晶岳(黒岳)・槍ヶ岳・笠ヶ岳・薬師岳などの大展望が広がる。
23
この周辺で多く見られる代表的な花が「クロユリ」だ。
見た目からは想像できないが花からは悪臭が漂う。
24
雪解けと共に開花を始めるハクサンイチゲ。
全国各地の高山帯で見られる高山植物だ。
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タカネヤハズハハコは白い花と兎の耳に似た葉が特徴的な高山植物。
イワベンケイと同じく雌雄別株種だ。
26
獅子岳の下りはザレたところが多く下りにくい。
転倒やスリップには十分注意したい。
27
中間部にある梯子は短いが急だ。足元をよく確認して下ろう。
28
鎖が設置された岩場を下れば傾斜が緩み間もなくザラ峠に到着する。
29
獅子岳から下りきると右手に立山カルデラの異形が広がるザラ峠に到着する。
30
ザラ峠からわずかに登り返すとよく整備された木道となり五色ヶ原の一角に出る。
31
テント場への分岐を分けて木道を進めば初日の宿泊地となる五色ヶ原山荘に到着する。
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【2日目】
翌日は行動時間こそ短いものの行程はアップダウンが多く厳しい。
スゴ乗越小屋で昼食を食べる予定で出発するといいだろう。
33
五色ヶ原山荘から緩やかに登れば鳶山の山頂だ。
これから進む縦走路と薬師岳が一望できる。
34
鳶山から下り樹林帯に入ると越中沢乗越を通過する。
35
越中沢乗越から再び森林限界に出ると緩やかな登りが越中沢岳まで続く。
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花崗岩の岩が点在する山頂直下の草付きを登る。
早い時期には雪が残ることもある場所だ。
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五色ヶ原山荘から3時間弱で素晴らしい展望が広がる越中沢岳に到着する。
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山頂から望む双六岳・笠ヶ岳・黒部五郎岳・薬師岳。
遥か眼下には本日の宿泊地となるスゴ乗越小屋が見える。
39
北方向には剱岳と歩いてきた雄山・獅子岳・五色ヶ原を望む。
40
越中沢岳からは山の様相が一変する。
穏やかな雰囲気からやや険しい雰囲気へと変化する。
41
スゴ乗越への下りは急で厳しい。
時期によっては一部ハイマツが煩わしい部分もある。
42
ザレた斜面をスゴノ頭との鞍部へと下っていく。
やや道が分かりにくいのでペンキ印を見落とさないように進もう。
43
鞍部からザレた斜面を登り返すとスゴノ頭を通過する。
44
スゴノ頭を越えるとザレ気味の斜面をスゴ乗越に向かって下り始める。
右手には埋蔵金伝説が残る鍬崎山が大きくそびえる。
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足場の悪いザレ場にはロープが設置されている。転倒に注意して慎重に下ろう。
46
スゴノ頭から40分ほどの下りでスゴ乗越に到着する。
広場になっているので休憩に最適な場所だ。
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スゴ乗越から小ピークを一つ越えて登ればスゴ乗越小屋に到着する。
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「スゴカレー」と呼ばれる本格的な限定カレー。
五色ヶ原山荘を早めに出れば昼前後にはスゴ乗越小屋に到着できるはずだ。
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スゴ乗越小屋の夕食は凝った作りの料理が並ぶ。
翌日は長丁場なので早めに就寝しよう。
50
【3日目】
スゴ乗越小屋のタルチョに見送られて出発する。
最終日は折立までの長丁場なので出来るだけ早い時間に出発したい。
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スゴ乗越小屋を出発するとすぐに間山への登りが始まる。
樹林帯から森林限界を越えると主稜線上を進む道になる。
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稜線上は緩やかな二重山稜になっている。
ここを登って右に回り込めば間山の山頂だ。
53
スゴ乗越小屋から1時間半ほどで間山に到着する。
背後に広がる剱岳・立山連峰・後立山の山々を眺める気持ちの良いところだ。
54
間山周辺からは北薬師岳を正面に見据えながら登る。
仰ぎ見る山の大きさに圧倒されるだろう。
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岩が累々と積み重なる斜面との際を登っていく。
7月の初旬頃には雪が残ることもある場所だ。
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左手の斜面から岩場を通過する。
ガスで視界が悪い時は道から外れてしまう可能性があるのでペンキ印を確実に追って進もう。
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稜上に復帰すると正面に北薬師岳の山頂が見えてくる。
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スゴ乗越小屋から3時間ほどの登りで北薬師岳の山頂に到着する。
59
北薬師岳から下り薬師岳本峰へ向かう。
山頂直下は脆い岩場が続くので滑落や落石に注意しよう。
60
国の特別天然記念物となっている薬師岳圏谷の縁を進むと小さなピークを越える。
ここを通過すると薬師岳は指呼の距離だ。
61
北薬師岳から1時間前後で日本百名山の頂となる薬師岳に到着する。
62
山頂には金色の薬師如来が奉納されている。
薬師如来は「病気を治して衣食住を満たす」という現生での願を叶える教主だ。
63
薬師岳からの展望は素晴らしい。
北には「岩と雪の殿堂」と呼ばれる剱岳と立山連峰・立山カルデラを望む。
64
東には裏銀座の烏帽子岳から真砂岳・水晶岳(黒岳)の大パノラマが広がる。
水晶岳から伸びる手前の尾根は赤牛岳と読売新道だ。なお黒部川に近い眼下には北アルプス最後の秘境とも言える薬師見平の池塘が点在する。
65
南側には北鎌尾根を従えた槍ヶ岳と穂高連峰が連なる。
槍ヶ岳の手前には黒部川源流域のたおやかな山域を望むことができる。
66
山頂での滞在を楽しんだら薬師岳山荘に向かって下ろう。
ザレた道が続くので転倒に気を付けたい。
67
薬師岳山頂から40分ほど下れば薬師岳山荘に到着する。
時間に余裕がない場合にはここに泊まることも考えよう。
68
時間に余裕があれば小屋の名物「白玉あんみつ」を頂こう。
疲れも忘れる優しい甘味に癒される。
69
薬師岳山荘から1時間半ほど下り薬師峠のキャンプ場を通過する。
70
薬師峠からわずかに登り返すと太郎平の一角にたどり着く。
ここからは木道を緩やかに下って太郎平小屋へ向かう。
71
薬師峠から20分ほどで太郎平小屋に到着する。
薬師岳山荘と同様に時間に余裕がない場合には無理をしないで泊まることを考えよう。
72
太郎平小屋から折立に向けて下山を開始する。
しばらくはよく整備された木道を緩やかに下っていく。
73
中間部まで下ってくると眼下に有峰湖が見えてくる。
右手に大きな姿を見せるのは鉢伏山だ。
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太郎平から2時間ほどで三角点ピークのベンチに到着する。
ここから先は樹林帯に入るので視界が利かなくなる。
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立山杉の古木が多い樹林帯を下っていく。
概ね歩きやすいが木の根でつまづいたりしないよう注意したい。
76
太郎平小屋から3時間強で折立に下山となる。
ここから有峰口までは自家用車・タクシー・バスなどを利用することになる。
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【入浴】
「亀谷温泉 白樺ハイツ」は有峰林道料金所の近くにある。完全かけ流しの天然温泉だ。
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【おすすめ周辺情報】
「麺屋いろは」の富山ブラック。
ブラックラーメンと言うと塩気が強いイメージだがここのラーメンは出汁の味がきっちり出て美味い。
79
【おすすめ周辺情報】
「そうめん金龍」は素麺を専門に扱う珍しい店だ。
素朴でシンプルな味わいの素麺は出汁の味わいが素晴らしい一品。
80
【おすすめ周辺情報】
「カレー食堂コロポ」は地元でも人気のカレー店。
週末などは混雑することもあり食材が終わると営業を終了してしまう。
81
【おすすめ周辺情報】
富山駅前の「白えび亭」は富山の特産「白えび」の専門店。
美味しい白えび料理を堪能できる。
82
【おすすめ周辺情報】
「かふぇにこ」は東南アジア系の料理が楽しめるカフェだ。
デザートのパフェ類が充実していて苺のパフェは人気の一品。
※上記の情報は記事更新日(2019年07月01日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

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