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ルートID: r1023 熟達 2泊3日 剱・立山 特集・夏のアルプスを歩く!前編

黒部川源流域・赤木沢遡行3日間【特集・夏のアルプスを歩く!前編】
くろべがわげんりゅういき / あかぎさわ

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
2月
3月
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6月
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8月
9月
10月
11月
12月
黒部川源流域の支流となる赤木沢。
沢登りのグレードとしては易しい部類になりますが、その渓相の美しさとアプローチの良さから多くの遡行者を迎えています。
夏の沢登り・・・気持ちいいですよ!
※2017年06月16日更新
ルート長27.2km
登り標高差1301m
下り標高差1301m
行程概要: 十三重之塔 慰霊碑(1362m) → 太郎坂 → アラレちゃん(1570m) → 1869m 青淵ベンチ → ベンチ → 五光岩ベンチ(2170m) → 太郎兵衛平(2218m) → 第一徒渉点 → 第二徒渉点 → 薬師沢第2ベンチ(2060m) → 第三徒渉点 → 薬師沢ベンチ → カベッケが原 → 薬師沢小屋(1920m) → 赤木沢分岐(1976m) → ウマノ沢分岐(2010m) → 大滝 → 中俣乗越(2450m) → 北ノ俣岳(2662m) → 神岡新道分岐(2620m) → 太郎兵衛平(2218m) → 五光岩ベンチ(2170m) → ベンチ → 1869m 青淵ベンチ → アラレちゃん(1570m) → 十三重之塔 慰霊碑(1362m) → 折立(1350m)

【特集・夏のアルプス】黒部川源流域・赤木沢遡行の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 美しい渓相
  • 黒部川源流域の大自然を満喫
  • 赤木沢源流付近のお花畑
モデルプラン
1日目
歩行時間:7時間20
折立〜五光岩ベンチ〜太郎平小屋〜左俣出合〜薬師沢小屋
2日目
歩行時間:10時間
薬師沢小屋〜奥ノ廊下〜赤木沢出合〜赤木沢大滝〜中俣乗越〜北ノ俣岳〜太郎平小屋
3日目
歩行時間:3時間10
太郎平小屋〜五光岩ベンチ〜折立
コース概要 初日は折立から薬師沢小屋まで移動する。
2日目は沢装備を整え、薬師沢小屋のテラスにあるアルミ梯子を使って黒部川に降り立つ。
黒部川の本流は渡渉とヘツリを繰り返しながら上流方向に進むが、高巻いたほうがよい部分もある。
60-90分ほどの遡行で赤木沢出合に到着する。
入渓は左岸の高巻きからが一般的だが、水量の条件がよければ水際を進み右へ回り込めば容易なヘツリで済ませることも可能だ。
赤木沢に入るとほどなく赤色の滑床が続きF1へと到着する。
F1-15m(2段)は左右どちらからでも突破できるが、右側の水際を進むのが良いだろう。
これを越すとすぐにF2ナメ-8m(2段)となる。
ここは容易に越すことができる。
左手からウマ沢を合わせればF3-40m(4段)に到着する。
下部は水流を突破できるが、上段の滝は左岸の草付きを小さく巻くことになる。
簡単な6m小滝と5mトイ状を通過してゴーロ帯を進むと2段のトイ状13mを登る。
F4-20m(4段)はどこを登っても楽しく、赤木沢が最も美しいところであろう。
続いてF5-5mは簡単に流芯を登ることができF6-15m(階段状)を通過すると赤木沢もいよいよ大詰めだ。
目の前に圧倒的な迫力で迫るのがF7大滝-25m+10mだ。
これを登ることは不可能なので、左岸の草付きを高巻いて落口に出る。
この先の二股は左に進みナメが続く沢を詰め上がり、続く二股も左にルートを取る。
最後の二股は中心の小尾根か右手の枯れた沢を詰め上げ、草付きを緩く登れば中俣乗越に到着する。
あとは縦走路を太郎平小屋へ戻るだけだ。

※ヘツリ
http://yamare.co/NQQhFu
計画書提出先 富山県警察本部もしくは上市警察署地域課
※登山口に登山計画書提出ポストあり
宿泊 薬師沢小屋:076-482-1917
太郎平小屋:080-1951-3030
http://ltaro.com/
交通 富山地方鉄道有峰口駅より富山地方鉄道バス(折立行き:2,450円)にて折立バス停へ。
※運行日に注意。
http://www.chitetsu.co.jp/
※完全予約制。
※各都市からの直行バスも運行されている。
駐車場 折立登山口に無料駐車場あり。
アドバイス 決して未経験者・初心者だけで取付かないこと。
真夏とは言えど水温は低いので防水・防寒対策を忘れずに。
沢のグレードは低いが天候の判断が大きなポイントとなる。
雨天での行動は慎むように。
2日目の行動は長いので出来るだけ早い時間に出発したい。
初心者や慣れない者がいる場合にはロープで確保するのが望ましい。
サブコース 慣れたパーティーであれば1泊2日の行程でも可能だ。
(太郎平小屋・薬師峠キャンプ場からアタック装備で周回後下山)
エスケープルート 増水などでエスケープするには左岸から赤木平の尾根に詰め上げて赤木岳と北ノ俣岳との鞍部に出ることが可能。
(藪漕ぎあり)
入浴 《亀谷温泉》
有峰林道の料金ゲートからほど近い掛け流し100%の天然温泉。
http://www.shirakaba-toyama.com/
おすすめ周辺情報 《有磯海サービスエリア》
北陸自動車道の有磯海サービスエリアは食事が美味しいことで知られている。
http://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=67
《ますのすし》
お土産にも初日の昼食にも最適だ。
http://www.minamoto.co.jp/
《かれー屋伊東》
富山市内の老舗カレー店。昔ながらのカレーが人気だ。
https://goo.gl/maps/9wFH1LZi7RA2
1
【1日目】
有峰林道の亀谷料金所。
早い時間から開門を待つ車が並ぶので早めに到着したい。
2
折立の駐車場は平日でも大変混み合う。
時には臨時駐車場が開放される場合もある。
3
折立の登山口からスタート。
初日は薬師沢小屋までの行程だ。
4
登山口から赤土で滑りやすい太郎坂の急な尾根を登る。
わずかに進めばアラレちゃんの看板がある肩を通過する。
5
肩から先もしばらくは急登が続く。
6
徐々に傾斜が緩まると青淵三角点に到着する。
左手に薬師岳方面の展望が開けベンチなどもある休憩適地だ。
7
青淵三角点からは緩い登りに変わり展望も開けてくる。
8
白山と有峰湖を望む。
この尾根は太郎平に近づくにつれて傾斜が緩まり登りやすくなる。
9
薬師岳を見ながら気持ちのよい道が続く。
10
五光岩ベンチに到着。
薬師岳から北ノ俣岳方面までを望む休憩適地だ。
11
稜線漫歩と呼ぶに相応しい。
たおやかな尾根道が続く。
12
太郎平小屋が見えてくる。
13
多くの人で賑わう太郎平小屋に到着する。
正面には水晶岳・鷲羽岳など黒部川源流域の山々を望むことができる。
ここに1泊して翌日戻ってくることも可能だ。
14
幕営の場合は太郎平小屋から20分ほど薬師岳方面に進んだ所にキャンプ指定地がある。
ただし非常に混み合うので早い時間に到着したい。
15
太郎平小屋を出発して薬師沢小屋を目指す。
16
わずかに進めば薬師沢分岐。
ここを左に進み薬師沢に向かって下っていく。
17
登山道はよく整備されていて歩きやすい。
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第一渡渉点を通過。
小屋までは渡渉点が三つあるが増水時には渡れなくなるので要注意。
19
第二渡渉点を通過して緩く下れば左俣出合に到着する。
ここが第三渡渉点だ。
20
カベッケが原を通過。
古くから河童が住むといわれている地。
他にも赤ん坊の泣き声・女性の呼び声・念仏を唱える声が聞こえる場所と「黒部の山賊」では紹介されている。
21
カベッケが原から黒部川へ向って急な下りとなる。
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薬師沢小屋に到着。
小さいながらも深山の雰囲気が抜群の山小屋だ。
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小屋に入ればすぐに気づくと思うが傾いている。
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小屋の夕食は山深さを感じさせない。
この小屋は一般的な登山者から沢登りの人・釣り師までが集まる賑やかなところだ。
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【2日目】
沢装備を整えたら小屋のテラスからアルミ梯子を降りて黒部川へ入渓する。
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渡渉とヘツリ・高巻きを交えながら黒部川本流を進む。
水は美しくとても冷たい。
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沢は地形と水流さえ読めればどこを進んでもいい。
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小屋から60-90分ほどで赤木沢出合に到着する。
29
右手から流入する赤木沢へ入渓。
ここは左岸を高巻くか水量によってはヘツリを交えて水際を進む。
30
右へ回り込んでバンド状をヘツリ。
31
入渓してすぐに表れる赤い滑床。
赤木沢の名前の由来だ。
32
F1-15m(2段)は右の水際から直登できる。
左からも巻き気味に登れるがやや面白味に欠ける。
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すぐにF2ナメ-8m(2段)だ。
右から快適に登る。
34
左手からウマ沢を合わせると明るい渓相がひたすら続く。
奥に見えるのはF3だ。
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F3-40m(4段)の下部は水流を突破できる。
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最上段は左岸の草付きを小さく高巻く。
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容易な6mの小滝と5mトイ状を越えると2段のトイ状13mを通過する。
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ゴーロ帯を進む。
この辺りまで来ると目指す稜線が見えてくる。
39
F4-20m(4段)はどこから登っても楽しい。
40
泳いで取付いても大丈夫。
ただし水量をきちんと見極めること。
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シャワークライムも楽しめる!
夏ならではの楽しみだ。
42
続いてF5-5mは簡単に登ることができる。
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右手から流芯へ。
直登できる滝は楽しい。
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F6-15m(階段状)を通過。
いよいよ赤木沢の遡行も大詰めだ。
45
F7大滝-25m+10mが迫力の姿で迫る。
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ここの直登は無理なので少し戻って左岸の草付きから落口へ高巻く。
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高巻きから大滝の落口を俯瞰する。
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連続して現れる二俣は左へ入ったほうがナメが続き快適に登ることができる。
最後の二俣のみ右または中を進む。
49
水流が細くなればまもなく最後の詰め上げになる。
50
水が枯れた沢を稜線へと詰めていく。
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大した藪漕ぎもなく中俣乗越に到着する。
ただしお花畑を歩くところがあるので足元には注意を払おう。
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中俣乗越から赤木岳・中ノ俣岳を越えれば太郎平小屋に到着する。
翌日は折立へ下山するだけだ。
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【入浴】
有峰林道料金所の近くにある亀谷温泉は完全かけ流しの天然温泉だ。
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【おすすめ周辺情報】
北陸自動車道の有磯海サービスエリアは食事が美味しいことで知られている。
白エビ丼や富山ブラックラーメンなどがおすすめだ。
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【おすすめ周辺情報】
富山と言えば「ますのすし」だろう。
お土産にも初日の昼食にも最適だ。
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【おすすめ周辺情報】
「かれー屋伊東」は富山市内でも老舗のカレー店。
小麦粉多めの昔ながらのカレーが人気だ。
※上記の情報は記事更新日(2017年06月16日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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