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ルートID: r1036 熟達 2泊3日 剱・立山 「特集!夏に歩きたいおすすめルート・前編」

剱岳北方稜線縦走【特集!夏に歩きたいおすすめルート・前編】
つるぎだけほっぽうりょうせん

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
岩と雪の殿堂「剱岳」の山頂から岩稜を連ねて伸びる北方稜線。
脆く危うい岩場の処理や草付きでのルートファインディングなど、総合的に高い能力を求められるバリエーションルートです。
※2018年07月01日更新
ルート長23.2km
登り標高差564m
下り標高差1521m
行程概要: みくりが池(2407m) → 雷鳥荘(2370m) → 剱御前小舎(2760m) → 剱沢キャンプ場(2511m) → 剱澤小屋(2400m) → 剱澤小屋(2400m) → 剣山荘(2475m) → 一服剱(2616m) → 前剱(2813m) → 前劔の門(2785m) → カニの縦バイ(2873m) → カニのヨコバイ(2883m) → 剱岳(2999m) → 長次郎のコル(2879m) → 長次郎ノ頭 → 長次郎ノ頭 → 池ノ谷乗越(2850m) → 池ノ谷ガリー(2730m) → 三ノ窓(2654m) → 小窓ノ王(2750m) → 小窓(乗越)(2341m) → 小窓氷河(2130m) → 旧鉱山道取付き(2120m) → 池の平小屋(2040m) → 仙人峠(2100m) → 仙人新道ベンチ(1939m) → 二股 → ハシゴ谷乗越(2035m) → 内蔵助平(1700m) → 内蔵助谷出合(1250m) → ダム下(1280m)

剱岳北方稜線縦走【特集!夏に歩きたいおすすめルート・前編】の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 総合的な力を問われる変化に富んだルート
  • 稜線上からの大パノラマ
  • 日本百名山
モデルプラン
1日目
歩行時間:4時間
室堂〜みくりが池〜雷鳥荘〜雷鳥平キャンプ場〜雷鳥沢〜剣御前小屋〜剱沢(泊)
2日目
歩行時間:9時間
剱沢〜一服剱〜前剱〜剱岳〜長次郎のコル〜池ノ谷乗越〜三ノ窓〜小窓〜池ノ平小屋(泊)
3日目
歩行時間:11時間
池ノ平小屋〜仙人峠〜二股吊橋〜梯子段橋〜梯子段乗越〜内蔵助平〜黒部川出合〜黒部ダム〜黒部ダム駅
コース概要 初日は室堂から雷鳥沢を登り、剱澤小屋で1泊となる。
翌日は剱岳へ登り、ここから剱岳北方稜線への縦走が始まる。
山頂からよく踏まれた道を進むと長次郎谷左俣へのコルへと下り始める。
浮石の多いガリー状の岩場を下るが落石には十分注意したい。
長次郎谷左俣のコルからはガレ場をわずかに登り返し、右手の顕著なランペをたどる。
リッジ状の岩場を左へ回り込むとテラスとなり、そのままルンゼへと導かれる。
右手に外傾したテラスをたどるルートがあるが、ここはそのままルンゼを直上した方が早く安全だ。
残置スリングのある大岩の手前を右に進み、ザレた稜線上を進む。
バンド状の岩場からスリングが設置された悪いトラバースを終えると二枚岩に到着する。
ここからは急なルンゼ状をわずかに下るが、すぐに左手の小リッジを越えて稜線上に復帰する。
これを過ぎると間もなく池ノ谷乗越への下りとなる。
上部からやや左手にルートを取り、眼下にコルが見えてきたら右へトラバース気味にクライムダウンする。
ルンゼの抜け口から階段状の岩場を下れば池ノ谷乗越だ。
ここから三の窓までの池ノ谷ガリーの下りは岩の墓場のようなガレ場の下りとなる。
落石も多く岩雪崩の危険性もあるので、休まず迅速に下ってしまいたい。
三の窓からは「発射台」と呼ばれるランペを左上して小窓王の肩に詰め上がる。
稜線に近い踏み跡を歩いていくが、やがて岩混じりの急な下りとなる。
バンド状の岩場をしばらく進むと雪渓に出合う。
ここは非常に急な傾斜があり、滑落したらまず助からない。前爪がある10本歯以上のアイゼンを用意したい。
これを越えると草付きから急なルンゼを下り、やがて小窓に到着する。
小窓からは小窓雪渓を下るが、鉱山道の入口がわかりにくい。
目安は右側の岩壁に掛かる2つ目の滝だ。
ここの対面が鉱山道の入口となっている。しばらくは崩落個所を含めて荒れた道だが、展望台を過ぎると歩きやすい道に変わり、やがて池ノ平小屋に到着する。
宿泊 剱澤小屋 / 080-1968-1620
http://home.384.jp/tsuruqi1/
池ノ平小屋 / 090-8967-9113
https://ikenotairagoya.amebaownd.com/
交通 立山黒部アルペンルートにて室堂駅へ。
(扇沢駅-室堂間:5,860円 / 立山駅-室堂間:2,430円)
駐車場 アルペンルートの入口となる扇沢駅・立山駅ともに無料駐車場がある。
アドバイス 登攀具必携。
剱岳山頂から長次郎のコルへの下りは落石に注意すること。
長次郎ノ頭へは正面のルンゼを登って稜上に登った方が効率的だ。
池ノ谷ガリーの下りは落石と岩雪崩に要警戒。
小窓王ノ肩から小窓までの下りはルートを見失わないように注意すること。
小窓までは2箇所の雪渓を通過する。どちらも急斜面の横断となるので10本歯以上のアイゼンとピッケルを持参すること。
鉱山道は滑落・落石に注意。
サブコース 剱沢を登り返して室堂へ戻るコースも可。
阿曾原温泉小屋で1泊すると欅平方面へ下山が可能。
エスケープルート 長次郎谷や三ノ窓雪渓を下ることができるが雪の状態によっては難しい場合もある。
おすすめ周辺情報 《剱澤小屋》
古くから多くの岳人や山岳ガイド達に愛されている剱澤小屋。シャワーが完備されており部屋も清潔なので快適に過ごすことができる。
http://home.384.jp/tsuruqi1/
《剱澤小屋の夕食》
揚げ物は着席してから揚げたてが運ばれてくる徹底ぶり。数ある山小屋の中でもトップクラスの美味しさだろう。
《池ノ平小屋》
裏剱の奥深いところに建つ山小屋。昔ながらの雰囲気が心地よく数日の滞在にも向いている。収容人数が少ないので宿泊には予約が必要だ。
https://ikenotairagoya.amebaownd.com/
《池ノ平小屋からの絶景》
小窓王と三の窓尾根。モンローの唇も一望だ。条件が整えば素晴らしいモルゲンロートを見ることができる。
《黒部ダムカレー》
信濃大町は「黒部ダムカレー」推しの街だ。駅前の「豚のしっぽ」や「黒部ダムレストラン」などで食べることができる。
http://buta3.jp/index.php
1
剱澤小屋からスタート。
剱岳北方稜線は池ノ平小屋までの長丁場になるので午前3時半頃には出発したい。
2
前剱周辺は事故の多いところだ。
落石や転落などに細心の注意を払って行動したい。
3
平蔵ノ頭周辺も転落などには注意したい。
4
カニノタテバイを登る。
取付きの1歩目が遠いが足場には杭が設置してあるので問題ない。
リッジ状をやや右方向に回り込んで鎖沿いに直登する。
5
垂壁に突き当たったらバンドを右へトラバースする。
正面のガリー状を登って岩場を抜ける。
6
リッジを回り込んでルンゼ状を登るとカニノヨコバイとの分岐だ。
7
早月尾根を合わせて簡単な岩場を登れば剱岳の山頂に到着する。
遅くても午前7時-7時半には到着しておきたい。
8
いよいよここからが本番。
装備を整えて北方稜線へと足を進める。
9
山頂からしばらくはよく踏まれた稜上を進む。
10
やがてザレたガリー状の急な下りとなる。
難しくはないが落石を引き起こすことのないよう注意したい所だ。
11
正面右手には八ッ峰の荒々しい岩峰が連なる。
12
長次郎谷左俣のコルへの急な下降が続く。
ガリー内の状況が悪い場合は左手のリッジ状を下ることもできる。
13
左手の岩場からガリー状のガレを下れば長次郎谷左俣のコルに降り立つ。
14
コルからは長次郎ノ頭へ登り返しとなる。
ここはいくつかのルートがあるので自分の力量にあったルートを選択したい。
15
ガレ場を登り右手の顕著なランペ状の岩場を登る。
16
リッジを左手に回り込むように進むとテラス上に出る。
ここは1段下に降りてバンド状の岩場を進む。
右手に見える外傾したバンドをたどるルートがあるが取付きとトラバースが悪い。
17
バンドをたどるとルンゼの入口にたどり着く。
ここは1段上のテラスに登ってそのままルンゼ内へと進んでいく。
18
長次郎ノ頭南面のルンゼを直上する。
難しくはないがやや滑りやすいので足元には注意したい。
19
右手にスリングが残置された大岩が見えてくる。
この手前を右に進めば長次郎ノ頭直下の稜上に出る。
20
ザレた稜線上をたどり二枚岩を目指す。
浮石が積み重なったようなところもあるので落石には十分注意したい。
21
快適で気持ちの良いバンド状の岩場を進む。
22
二枚岩の手前にある岩場のトラバース。
浅いギャップをまたぐ箇所だが足元が見えず高度感もある。残置スリングがあるので手掛かりにするとよい。
23
やがて快適なビバークサイトがある二枚岩を通過する。
24
二枚岩を通過するとルンゼ状の下りとなるが直ぐに左手のリッジを回り込む。
ここで回り込まずに下り過ぎるとルートに復帰できなくなるので注意が必要だ。
25
ハイマツと岩の稜線を快適に登高する。
26
正面にチンネと三ノ窓ノ頭が見えてくると池ノ谷乗越への下りとなる。
上部はガレ場を下り下部は岩場をクライムダウンする。
27
池ノ谷乗越へは上から見てやや左手にルートを取る。
下方にコルが見えたら右手にトラバースしてルンゼ下に出るイメージで下るとよい。
登攀具を持参していれば懸垂下降で下るのが最も安全で早い。
28
池ノ谷乗越に到着。
安定した場所で休憩に最適だが落石に注意したい。
29
池ノ谷乗越から三の窓までは悪名高い池ノ谷ガリーの下りとなる。
安定しないガレの下りは岩雪崩や落石の危険もあるので休まず迅速に下ること。
30
ガリーを下りきると三の窓に到着する。
ここに10時-10時半頃までに到着できれば安定したペースと言えるだろう。
31
三の窓から下ってきた池ノ谷ガリーを見上げる。
岩の墓場のようなところだ。
32
三の窓からは発射台と呼ばれる小窓ノ王直下のランペをたどる。
33
遠望すると難しそうな登りに見えるが技術的には容易だ。
冬期に使用されるフィックスロープが散見されるが痛んでいる物も多いので使わないこと。
34
発射台を登り詰めると小窓尾根を乗越す小窓王の肩を通過する。
ここから小窓まではルートファインディングに細心の注意を払って行動したい。
35
しばらくは稜線直下の踏跡をたどるが徐々に高度を下げ始める。
36
草付きに踏み跡を探りながら進む。
下り過ぎるとこのバンド状のルートに出れないので注意が必要だ。
37
やがて急な雪渓を横断する。
8月下旬頃まで残ることもあるので10本歯以上のアイゼンとピッケルは必携だ。
ここで滑落するとまず助からないのでフィックスロープを張るのも一つの方法だ。
38
ハイマツ帯を進む。
この先にもう1箇所雪渓が残ることがある。
39
草付きに出ると右手に小窓雪渓が見えてくる。
ただし小窓まではまだまだ遠い。
40
稜線上をたどると急なルンゼの下りとなる。
ここは苔が生えていて滑りやすいので足元に要注意だ。
41
ルンゼを下ると眼下に小窓が見えてくる。
この辺りは熊が多く目撃されている箇所なので防衛策を忘れずに講じたい。
42
小窓に降り立つ。
ここからしばらくは小窓雪渓を下っていくが右手の滝に注目しておきたい。
43
小窓雪渓から鉱山道への入口は分かりにくい。
小窓から下っていくと右手の小窓王側から大きな滝が掛かっている。
2つ目の滝の対岸辺りが鉱山道への入口となる。
44
よく見ると大岩にペンキ印もあるので注意深く探そう。
45
鉱山道は小窓雪渓から展望台までは整備されていない。
崩落個所もあるのでルートを見極めて歩くこと。
46
鉱山道展望台の手前は高度感を伴う岩場のトラバースがある。
通過には十分注意したい。
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クロムモリブデン鉱が転がる展望台に到着する。
ここまで来ると道も整備されて歩きやすくなる。
48
やがて正面に池ノ平小屋が見えてくる。
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昔ながらの雰囲気を色濃く残す池ノ平小屋に到着する。
順調に来れば13-14時頃には到着できるだろう。
50
翌日の下山は幾つかの方法が考えられる。
仙人峠から剱沢へ下り梯子段乗越〜内蔵助平〜黒部ダムのルートは長い行程だがより充実した山行になるだろう。
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梯子段乗越から内蔵助平まではコースタイム以上に長い下りが続く。
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丸山東壁直下をたどる道は悪い箇所も多いので滑落などに注意したい。
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急な梯子の下りもある。
全体的に荒れが進んでいるので実力のある登山者向きのルートだ。
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黒部川から長く急な登り返しを終えると黒部ダム駅に到着する。
池ノ平小屋から9-10時間ほどの行程となる。
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【おすすめ周辺情報】
古くから多くの岳人や山岳ガイド達に愛されている剱澤小屋。
シャワーが完備されており部屋も清潔なので快適に過ごせる。
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【おすすめ周辺情報】
剱澤小屋の夕食。
揚げ物は着席してから揚げたてが運ばれてくる徹底ぶり。数ある山小屋の中でもトップクラスの美味しさだろう。
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【おすすめ周辺情報】
池ノ平小屋は裏剱の奥深いところに建つ山小屋だ。
昔ながらの雰囲気が心地よく数日の滞在にも向いている。
収容人数が少ないので宿泊には予約が必要だ。
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【おすすめ周辺情報】
池ノ平小屋から見る小窓王と三の窓尾根。
モンローの唇も一望できる。
条件が整えば素晴らしいモルゲンロートを見られる。
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【おすすめ周辺情報】
信濃大町は「黒部ダムカレー」推しの街だ。
駅前の「豚のしっぽ」や「黒部ダムレストラン」などで食べれる。
※上記の情報は記事更新日(2018年07月01日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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