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ルートID: r301 中級 3泊4日 白馬・鹿島槍・五竜 「特集!夏に歩きたいおすすめルート・後立山編」

【特集!夏に歩きたいおすすめルート・後立山編】白馬岳から栂海新道縦走
はくばだけ(しろうまだけ) / つがみしんどう

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
北アルプスの稜線から日本海を目指す長大な縦走コース。栂海新道は体力的にきついのですが、それだけに大きな達成感を得ることができるでしょう。できれば盛夏ではなく9月に入ってからのほうがおすすめです。
※2018年08月07日更新
ルート長43.5km
登り標高差1692m
下り標高差2856m
行程概要: 猿倉荘(1250m) → 白馬尻荘 → 白馬尻小屋(1560m) → 岩室跡(2280m) → 避難小屋 → 白馬山荘(2832m) → 白馬岳(2932.24m) → 鉱山道分岐(2490m) → 雪倉岳避難小屋(2390m) → 雪倉岳(2611m) → 小桜ヶ原(2033m) → 水平道分岐(2043m) → 水谷のコル(2124m) → 水谷のコル(2124m) → 朝日岳(2418m) → 吹上のコル(2227m) → 照葉ノ池 → アヤメ平 → 黒岩平 → 黒岩山(1623.6m) → サワガニ山(1612m) → 犬ヶ岳(1593m) → 栂海山荘(1540m) → 黄蓮山 → 菊石山(1209.8m) → 下駒ヶ岳(1241m) → 白鳥山避難小屋(1286.9m) → 白鳥山(1286.9m) → 山姥平(1171m) → シキワリの水場 → 金時坂ノ頭(935m) → 坂田峠(611m) → 尻高山(677m) → 二本松峠 → 入道山(415m)

【後立山北部・雨飾山】白馬岳・朝日岳・栂海新道縦走の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 充実感満点!終了点が日本海
  • まだまだ手付かずの自然が多く残る栂海新道
  • 日本百名山
モデルプラン
1日目
歩行時間:6時間30
猿倉登山口〜白馬尻〜白馬大雪渓〜村営白馬岳頂上小屋〜白馬山荘
2日目
歩行時間:7時間
白馬山荘〜白馬岳〜三国堺〜雪倉岳〜ツバメ平〜小桜ヶ原〜朝日水平道〜朝日小屋
3日目
歩行時間:9時間10
朝日小屋〜朝日岳〜吹上のコル〜アヤメ平〜黒岩山〜サワガニ山〜犬ヶ岳〜栂海山荘
4日目
歩行時間:9時間
栂海山荘〜黄連山〜菊石山〜白鳥山〜坂田峠〜尻高山〜二本松峠〜栂海新道口(親不知)
計画書提出先 長野県警察本部または大町警察署地域課
※登山口に登山計画書提出ポストあり。
宿泊 白馬山荘 / 0261-72-2002
https://www.hakuba-sanso.co.jp/
朝日小屋 / 080-2962-4639
http://www.asahigoya.net/
栂海山荘 / 025-545-2885
※朝日小屋は完全予約制です。
※栂海山荘の予約先は個人宅なので時間や言葉使いに配慮のこと。
※栂海山荘は避難小屋なので寝具と食事類は持参のこと。
※栂海山荘の利用料(篤志金)として2,000円を料金箱に投入のこと。
交通 JR大糸線白馬駅より松本電鉄バス(猿倉行き:1,000円)にて猿倉へ。
駐車場 登山口に駐車場あり。
※猿倉の駐車場が満車の場合、八方第5駐車場に停めてバスで猿倉へ向かうことになる。
アドバイス 標高が低く湿度が高いので盛夏ではなく9月に入ってからがおすすめ。
大雪渓は秋になると道が付け替って一部ガレ場を進む様になるので落石には要注意。
栂海新道は全てのピークを巻かずに登る大変なルートだ。体力&気力を充実させて登ろう。
坂田峠から海に出るまでが非常に長く特に辛い所だ。
日程に余裕があれば白鳥小屋に泊まって4泊にする事も考えられる。
サブコース 蓮華温泉から五輪尾根を登って朝日小屋へ向かうルートがある。
エスケープルート 朝日岳(吹上のコル)から五輪尾根を蓮華温泉へ。
黒岩山から中俣新道を下ることができる。
白鳥小屋の先から山姥ノ洞を経由、または坂田峠から林道に出ることが可能。
入浴 《親不知観光ホテル》
栂海新道登山口の正面に建つ。日帰り入浴が可能だ。
https://www.oyasirazu.net/
おすすめ周辺情報 《すし活》
糸魚川でも人気の鮨店。都内などでは味わうことのできない新鮮な地魚が絶品。
http://www.terumori.jp/sushikatsu/
《ひすいの海》
ボリューム満点でリーズナブルな定食が楽しめる。
https://www.facebook.com/221978264879032/
《月徳飯店》
糸魚川のB級グルメ「ブラック焼きそば」の発祥の地。駅からも近く気軽に立ち寄れる。
http://www.tsukitoku-hanten.com/tsukitoku.html
《フェルエッグ》
卵料理専門店。半熟卵が乗ったライスベネディクトやシフォンケーキなどが絶品。
https://f-agg.biz/
1
【1日目】
猿倉荘から登山を開始する。
夏山シーズンには登山相談所が開設され北アルプス北部地区遭難対策協議会の隊員が詰めている。
登山届を提出するときに情報を聞いてみるのもよい。
2
山荘の左手から道標に従って登山道に入る。
ブナの林が気持ちいいところだ。
3
わずかに登ると林道に出る。
正面に小蓮華岳を望みながら緩やかに登っていく。
4
長走沢は左手の木橋を渡る。
すれ違いには注意したい。
5
猿倉から40分ほどで御殿場と呼ばれる林道の終点に到着する。
ここから本格的な登山道となる。
6
ほどなく追上沢を渡る。
悪天候時には増水することがあり重篤な事故も発生しているので注意したい。
7
猿倉から1時間強で白馬尻小屋に到着する。
雪崩による破損を避けるため積雪期前に取り壊されて春に再度立てられる珍しい山小屋だ。
8
白馬尻小屋から樹林帯の道を進む。
大雪渓ケルンを通過すると白馬大雪渓だが8月中旬以降は雪渓が後退しているので指示に従って秋道を進む。
9
秋道はザレや浮石が多く歩きにくい。
転倒には十分に注意したい。
10
指示に従って進むと大雪渓へ導かれる。
状況は日ごとに変わるのでロープの規制通りに歩くこと。
11
雪渓を登り対岸へ向かう。
8月中旬以降は雪渓上を歩く距離は短い。
12
大雪渓の左岸に取り付いてガレ場を進む。
右手からの落石には十分警戒したい。
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途中には仮橋があり沢を渡るが大雨時には濁流となるので引き返す勇気も必要だ。
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石室跡を通過して大きく右手から回り込んで葱平への小尾根に上がる。
ここからはしばらく急登が続く。
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九十九折りを交えながら尾根を登る。
正面に見えるのは杓子岳から東に派生する尾根の末端にある天狗菱だ。
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葱平から右手に進むと小雪渓を通過する。
雪が残っていない事がほとんどだ。
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小雪渓を渡りわずかに登ると避難小屋を通過する。
雪渓から吹き降ろす風が涼しく休憩に最適なところだ。
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杓子岳を背にお花畑付近を登る。
高山植物の開花ピークは7月-8月上旬だ。
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お花畑の看板を過ぎると枕木で作られた階段となる。
長く厳しい登りが頂上宿舎まで続く。
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階段が終われば頂上宿舎まではもう一息だ。
21
村営白馬岳頂上宿舎を通過する。
白馬山荘が混雑している時はこちらに泊まってもよい。
食事はバイキング形式で美味しいと評判だ。
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宿舎からわずかに登れば北アルプスの主稜線上に出る。
正面には剱岳と立山連峰の大パノラマが広がる。
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正面に白馬山荘を望みながら北アルプスの主稜線上を緩やかに登っていく。
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本日の宿泊先となる白馬山荘に到着。
第1と第2の新館に分かれておりそれぞれ長野県と富山県に建っている。
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できれば小屋は素泊まりにして、夕食はスカイプラザで食べるとよい。
料金もそう大きくは変わらない。
26
【2日目】
2日目は朝日小屋までの行程だ。距離が長いので早出を心掛けたい。
白馬岳山頂への道は多くの人で賑わう。
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白馬山荘から15分ほどで白馬岳の山頂に到着だ。
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山頂には新田次郎の著作となる強力伝で知られる山頂同定標が鎮座する。
これ(190kg)は人力で運び上げられたものだ。
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山頂を後にして稜線を緩く下り三国境へ向かう。
一部岩場もあるので足元に注意したい。
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長野・新潟・富山の県境となる三国境に到着する。
これから向かう雪倉岳と朝日岳方面が見える。
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雪倉岳への稜線は穏やかでとても気持ちのいい所だ。
正面の鉢ヶ岳は山腹の右手を巻いて進む。
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蓮華温泉へと下る鉱山道との分岐を過ぎて鉢ヶ岳を巻き終えると雪倉岳避難小屋を通過する。
緊急時にはありがたい清潔な小屋だ。
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避難小屋から雪倉岳への登りは緩急交えた登りとなる。
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肩と呼ばれる偽ピークを越えると雪倉岳の山頂に到着する。
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雪倉岳山頂から望む白馬岳と小蓮華岳。
歩いてきた稜線を俯瞰することができる。
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雪倉岳から燕岩への下りはザレた斜面が続く。
正面には赤男山と朝日岳が大きくそびえる。

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下りきるとツバメ岩を通過する。
周辺にはガレ場があるので落石には注意したい。
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水場を過ぎると小桜ヶ原だ。
木道が整備された高層湿原帯を進む。
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ほどなく水平道分岐に到着する。
朝日小屋へ直接向かう水平道をたどるがアップダウンが多くコースタイムよりも時間が掛かる場合がほとんどだ。
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一部足場が悪い所もあるので滑落や転倒に注意したい。
41
水平道を進むと木道となり水谷のコルを通過する。
ここから朝日小屋まではわずかな距離だ。
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水谷のコルから5分強で朝日小屋に到着だ。
2日目はここで宿泊となる。
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朝日小屋はきめ細かい気配りと御飯が美味しいことでファンが多い。
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【3日目】
3日目は行程が長いので早朝に出発したい。
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木道とよく整備された道を1時間ほど登ると朝日岳の山頂に到着する。
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朝日岳より吹上のコルへと下る。
ザレた斜面が続くので転倒に注意したい。
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朝日岳から下りきると吹上のコルに到着する。
いよいよ栂海新道の縦走が始まる。
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コルに設置された栂海新道の案内板。
終点はもちろん日本海だ。
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長栂山へと続く湿地帯の木道をたどる。
50
照葉ノ池を通過する。
後方に白馬岳と旭岳を遠望できる。
51
長栂山。
縦走路から50mほど離れた場所にあるが展望が良いので立ち寄りたい所だ。
52
長栂山から緩く下りアヤメ平を通過する。
前方には長く連なる尾根と日本海が見える。
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アヤメ平からさらに下れば池塘が点在する黒岩平だ。
この周辺は栂海新道の中で最も美しいところ。
54
黒岩平には水場もある。
不足のないよう常に補給するよう心掛けよう。
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黒岩山の手前が中俣新道の分岐だ。
余りいい道とは言えないがエスケープルートとして使う事が可能。
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分岐から木段を登れば黒岩山に到着する。
ここからは犬ヶ岳と栂海山荘を一望できる。
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すべてのピークに登り小ピークですら巻くことは無い。
これが栂海新道の厳しさだ。
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さわがに山に到着。
まだまだ先は長い。
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尾根上に日陰は無い。
標高を下げているため天気が良いと暑さと湿気でつらいところだ。
60
さわがに山から小ピークを一つ越えて下った鞍部が北又ノ水場だ。
年によっては涸れてしまうこともある。
61
犬ヶ岳の手前はちょっとしたヤセ尾根が続く。
斜度も急で体力的にも疲れが出てくる頃なので注意が必要だ。
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細かな小ピークを越えて登れば犬ヶ岳に到着する。
ステンレス製の山頂標識は手作りで「岳」の部分が犬の顔になっている。
63
山頂からわずかに下ると栂海山荘が見えてくる。
64
犬ヶ岳の山頂から10分ほどの下りで栂海山荘に到着する。
3日目はここで宿泊となる。
65
栂海山荘は無人の小屋だが予約が必要。
(繁忙期には管理人常駐)
中は複数の部屋があり広く清潔だ。
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無人の場合には献金箱に料金を忘れずに入れること。
67
【4日目】
最終日。
この日の行程も長いので早い時間に出発すること。
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山荘周辺から白鳥山を遠望する。
最終日はその遙か先の日本海を目指す。
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全てのピークを巻く事なく忠実に尾根上を進む。アップダウンが多く体力が消耗する所だ。
栂海山荘〜白鳥山間が最も大変な区間となる。
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山荘からピークを1つ越えて緩く登り返すと黄連山。
山頂からの展望はない。
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黄連山からわずかに下ると黄連の水場だ。
水流がある場合には補給を忘れずに行いたい。
72
ここの水量は残雪状況に大きく左右される。
事前に情報を得ておくようにしたい。
73
この周辺はブナ林が美しいところだ。
74
水場の鞍部から登り返すと菊石山だ。
アンモナイトの化石が出ることから名づけられた山名だ。
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下駒ヶ岳の直下は露岩とガレ場の急登だ。
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山頂直下にはロープが設置されている。
短いが体力が削られていく様な急な登りが続く。
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登り切ると下駒ヶ岳の山頂に到着する。
78
ここまで来ても白鳥山はまだまだ遠い。
この後も容赦ないアップダウンが続く。
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下駒ヶ岳を出発するとすぐに崩壊地脇を通過する。
転落に注意だ。
80
下駒ヶ岳から3つの小さなピークを越えるとようやく白鳥山の登りとなる。
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急な登りを終えると白鳥山に到着する。
山頂には白鳥小屋が建つ。
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屋根が展望台になっているので登ってみるとよい。
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展望台から望む日本海。
糸魚川の街並みが眼下に見える。
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白鳥小屋の中は栂海山荘と同様に清潔で使い易い。
85
白鳥山からはしばらく緩い下りが続く。
86
小1時間ほどでシキ割の水場だが水量は細く温い。
87
シキ割を通過すると金時坂に差し掛かり坂田峠までは急な下りとなる。
88
舗装された林道が交差する坂田峠に到着する。
ここにタクシーを呼ぶことも可能だ。
89
坂田峠からもまだまだ行程は長い。
90
車道を渡ったすぐ先に坂田峠の道標がある。
ここから尻高山への登りとなるが細かなアップダウンが続く道だ。
91
坂田峠から緩く登り返して尾根上を進めば尻高山に到着する。
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山頂からは日本海が見える。
いよいよ終わりが近い。
93
尻高山から緩く下ると再度林道に出る。
そのまま林道を横切って二本松峠へと向かう。
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植林地を下っていく。
ここまで来ると北アルプスの主稜線という印象はない。
95
下り終えると二本松峠だ。
ここから日本海に向けて最後の登りが始まる。
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二本松峠から登ると入道山だが判然としないピークだ。
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入道山を越えて細かいピークを2つ越えると九十九折りの急降下となり車の音も聞こえ出す。
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国道8号線に出れば栂海新道のフィナーレとなる親不知に到着だ。
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北アルプスの終了点に相応しいウォルター・ウェストン氏の碑が建つ。
100
親不知観光ホテルの脇から日本海へ向けて下ることができる。
往復するのは少々大変だがぜひ行っておきたい。
101
標高差で約80m下るとそこは日本海。
大縦走の終了点だ。
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【入浴】
栂海新道登山口の正面に建つ親不知観光ホテルでは日帰り入浴が可能だ。
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【おすすめ周辺情報】
「すし活」は糸魚川でも人気の鮨店。
都内などでは味わうことのできない「オコゼ」「マトウ」「クロソイ」「コチ」などの新鮮な地魚が絶品だ。
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【おすすめ周辺情報】
「ひすいの海」ではボリューム満点でリーズナブルな定食が楽しめる。
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【おすすめ周辺情報】
糸魚川のB級グルメ「ブラック焼きそば」の発祥の地となる「月徳飯店」は駅から近く美味しい。
106
【おすすめ周辺情報】
「フェルエッグ」は卵料理専門店。半熟卵が乗ったライスベネディクトは絶品だ。
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【おすすめ周辺情報】
同じく「フェルエッグ」のシフォンケーキ。
デザート類も豊富でどれも美味しい。
※上記の情報は記事更新日(2018年08月07日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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