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ルートID: r636 熟達 1泊2日 甲斐駒・北岳 「特集・夏のアルプスを歩く!後編」

甲斐駒ヶ岳・鋸岳縦走【特集・夏のアルプスを歩く!後編】
かいこまがたけ / のこぎりだけ

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
アンサウンドな岩場の処理と的確なルートファインディングを求められる南アルプス屈指の難路。どんなことにも対処できる、十分に経験を積んだ熟達者におすすめしたい岩稜ルートです。
※2017年07月27日更新
ルート長16.6km
登り標高差928m
下り標高差1989m
行程概要: 北沢峠 こもれび山荘(2036m) → 双児山のルックアウト → 駒津峰(2752m) → 六方石(2700m) → 甲斐駒ヶ岳(2967m) → 六合石室(2500m) → 三ッ頭(2589m) → 中ノ川乗越(2512m) → 第2高点(2675m) → 鹿窓 → 鋸岳(2685m) → 角兵衛沢渡渉点(1320m) → 戸台登山口(1050m) → 戸台大橋バス停

【南アルプス北部】甲斐駒ヶ岳・鋸岳縦走の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • ルートファインディングを楽しむ
  • 岩稜をたどる楽しみ
  • 南アルプスの大展望
モデルプラン
1日目
歩行時間:5時間40
北沢峠〜双児山〜駒津峰〜六方石〜甲斐駒ヶ岳〜六合石室
2日目
歩行時間:11時間10
六合石室〜三ツ頭〜中ノ川乗越〜第二高点〜大ギャップ〜第一高点〜鋸岳〜角兵衛沢のコル〜大岩下ノ岩小屋〜角兵衛沢出合〜白岩堰堤〜戸台大橋
コース概要 1日目は北沢峠から甲斐駒ヶ岳を経て六合石室へ向かう。
特に問題になる箇所はないが、甲斐駒ヶ岳山頂から六合石室間の鎖場では慎重に行動しよう。
この日は六合石室にて宿泊となる。
2日目は行動時間が長いので、早出を心掛けよう。
六合石室から三ツ頭の間は道迷いが多いので要注意。
踏跡はしっかりしているのだが、見落としたり獣道に迷いこまないように注意したい。
三ツ頭からはしばらく樹林帯を進み、崩壊地の脇を抜ければ中ノ川乗越への急な下りが始まる。
滑落に注意しながら慎重に下れば中ノ川乗越に到着する。
ここからは左手の熊ノ穴沢を下ることができるので、エスケープルートとして覚えておくといいだろう。
中ノ川乗越からはガレ場を歩き、踏み跡に導かれながら草付きのルンゼを登る。
ハイマツ帯に入ればまもなく第二高点に到着する。
第二高点のわずかに手前、左手に大ギャップへ下る踏み跡がある。
ここは分かりづらいので注意が必要だ。
ここからは樹林帯を大きく下るが、かなりの高度差を下るので感覚的に惑わされないように注意したい。
ガレ場を横断して左上する岩場から右手へ回り込めば、鹿窓へのルンゼへと導かれる。
鎖が設置された岩場を通過して鹿窓を越えれば、甲州側のバンドを進み小ピークへと到達する。
小ピークからは小ギャップへの下りとなり、長い鎖が設置された岩場を下る。
さらに小ギャップからの岩場を登れば鋸岳(第一高点)の山頂に到着となる。
山頂から角兵衛沢のコルまでは急な下りで、足元も安定しないので滑落には注意したい。
角兵衛沢の下りはガレ場の下りが続き非常に長く感じるが、樹林帯に入れば間もなく角兵衛沢出合に到着する。
ここから戸台までは長い河原歩きが続く、約2時間半の行程となる。
山と高原地図 《ヤマプラ》
http://yamare.co/4kYMBD
計画書提出先 長野県警察本部または伊那警察署地域課
※北沢峠に登山計画書提出ポストあり
宿泊 六合石室
※収容人数が少ないため週末等は混雑する場合がある。
交通 JR飯田線伊那市駅より長谷循環バス(戸台行き:310円)にて仙流荘バス停へ。
仙流荘バス停より南アルプス林道バス(北沢峠行き:1,220円)にて北沢峠バス停へ。
※仙流荘へは高速バスを含めて数多くのバスが運行されている。
http://www.inacity.jp/kankojoho/sangaku_alps/minamialps/minamialps_jikokuhyo.html
駐車場 仙流荘付近および林道終点に無料駐車場あり。
アドバイス 甲斐駒ヶ岳〜六合石室間は鎖場やザレ場があるので足元に注意のこと。
六合石室は改築されて綺麗になったが寝具と食事に関わる用具は持参のこと。
中ノ川乗越〜鋸岳間は全域にて落石・転落・滑落に要注意。
ヘルメットや万一の脱出に必要なロープ・カラビナ・スリング・下降器は必携。
何かが起きても切り抜けられる技術(自己確保・懸垂下降)を身に付けていない場合は経験者同行でも立ち入らない方が無難。
角兵衛沢出合から南アルプス林道の1,719mへ直接登って歌宿よりバスに乗ることが可能だ。藪や岩場もほとんどない登りだが、昭和初期に廃道となっているので留意のこと。
サブコース 鋸岳より横岳峠へ抜けて釜無川沿いに下るコースは容易だが距離が長い。
エスケープルート 中ノ川乗越から熊ノ穴沢を下ることが可能。
入浴 《仙流荘》
北沢峠行きのバス停前にある宿泊施設。もちろん日帰り入浴も可能だ。
http://yamare.co/trglSh
おすすめ周辺情報 《たけだ》
精肉店が経営するソースカツ丼と馬刺しの名店。
https://www.tonkatu-takeda.com/
《うしお》
伊那のB級グルメ「ローメン」の人気店。汁気が少ないものが好みであればこちらへ。
https://goo.gl/maps/oMJy9z56nX42
《菓匠Shimizu》
独創的なスイーツを販売する老舗の人気店。
http://www.kasho-shimizu.com/
1
【1日目】
北沢峠より登山を開始する。
一般車両は伊那市側の仙流荘前の無料駐車場に停めることが可能だ。
2
北沢峠から双児山までは樹林帯の急登が続く。
つづら折れで標高を稼ぐが展望の利かない辛い登りだ。

3
尾根上へ出ると背後に仙丈ヶ岳がそびえる。
4
双児山を通過。
ここは甲斐駒ヶ岳の四合目となる。
5
双児山から樹林帯を抜けるとハイマツの尾根を進む。
正面奥に見えるのが甲斐駒ヶ岳だ。
6
ハイマツの斜面をひと登りすれば駒津峰に到着する。
後方に見えている尖峰が鋸岳となる。
7
駒津峰から甲斐駒を望む。
8
駒津峰から岩稜を下ってハイマツの稜線を進めば間もなく六方石を通過する。
9
魔利支天への分岐を分けて直登ルートを登る。
巨岩が累々と積み重なる岩場が続く。
10
1箇所だけ足場の悪い岩場がある。
明日の予行練習だと思って登ろう。
11
岩場が終わると花崗岩が風化した砂れきの道をたどる。
12
間もなく甲斐駒の山頂だ。
13
甲斐駒ヶ岳の山頂に到着。
ここからの展望は素晴らしい。
14
山頂付近よりこれから向かう鋸岳への稜線を望む。
15
甲斐駒より六合石室への稜線を歩く。
気持ちのよい尾根歩きだ。
16
途中には長めの鎖場が設置された岩場がある。
ここは慎重に下る。
17
鎖場を終えてハイマツの尾根をたどれば六合石室に到着する。
今日はここで1泊となる。
18
内部は清潔で快適だ。
なお連休などは多くの人で混雑することもある。
19
【2日目】
今日は行程が長いので早出をしよう。
六号石室から鋸岳へ向かうと5分弱でコルに出る。ここから信州側へ10分ほど下ると水場があるが涸れている場合もあるので注意が必要だ。
20
石室から三ッ頭へ向かう。
この間は道に迷う人が多いので十分に注意すること。道は主に甲州側に付けられている。
21
石室を出て1時間ほどで三ッ頭分岐を通過する。
22
三ツ頭分岐からは比較的明瞭な道が続いている。
23
要所要所でこの道標が現れる。
歴史を感じる古いものだ。
24
三ッ頭からは甲州側を巻ながら中ノ川乗越へ下る。
ここは足元が悪く急な斜面が続くので滑落に要注意だ。
25
中ノ川乗越に到着。
エスケープする場合にはここを左へ折れば熊ノ穴沢を下ることが可能だ。
26
ルンゼ上部の草付きを登る。
踏み跡は明瞭でそのまま上部へ導かれる。
27
岩混じりの尾根をたどると間もなく第二高点に到着する。
28
第二高点に到着。
正面に見えるのが鋸岳本峰だ。
29
第二高点のわずかに手前から信州側へ下り大ギャップを迂回する。
ここは入口が判りづらいので注意が必要。
30
樹林帯を大きく下る。
下り過ぎたような感覚になるが踏み跡を忠実にたどるようにしよう。
31
ガレたルンゼを横断して左手から左上する踏み跡をたどる。
32
岩場を右へ回り込みながらザレ混じりの道を登っていく。
踏み跡は明瞭だ。
33
視界が開けると鹿窓ルンゼの入口に到着する。
上方には鹿窓が見える。
34
ルンゼ内には鎖が設置されているが傾斜が無いので難しくはない。
ただし岩は脆いので落石やホールド剥がれには気を配りたい。
35
鹿窓に到着。
風の抜け道になっているので強風時は注意が必要だ。
36
鹿窓から甲州側のバンドを進む。
高度感のあるトラバースが続く要注意個所だ。
37
小ギャップへの下りは長い鎖が設置された岩場を下る。
巻道は急でザレているので懸垂下降で降りてしまうのが一番安全で早い。
38
懸垂下降で小ギャップに降り立つ。
ロープで石を落とさないに注意したい。
39
小ギャップからは鎖が設置された岩場を登る。
傾斜は強いがホールドや足場は豊富だ。
40
小ギャップ上から尾根をたどると待望の鋸岳(第一高点)に到着する。
41
第一高点から角兵衛沢のコルまでは恐ろしく急な下りだ。
信州側は切れ落ちているので足元には十分注意すること。
42
高度感のある尾根筋の道を進む。
危険な箇所も多いので慎重な行動を心掛けるようにしよう。
43
角兵衛沢のコルに到着。
ここから果てしない下りが待っている。
44
角兵衛沢は長くて辛いガレ場の下りだ。
落石には要注意。
45
大岩下ノ岩小屋付近には水場がある。
水量は比較的豊富だ。
46
水場の下は樹林帯の出入りとなる。
47
角兵衛沢の出合に到着。
ここから戸台までは長い河原歩きだ。
48
堰堤を越えながらひたすら下る。
数回の渡渉があるのでペンキ印を見落とさないように気を配りたい。
49
最後の堰堤を越えてしばらく進むと工事用林道となる。
50
角兵衛沢出合から2時間半ほどで戸台の駐車場に到着だ。
51
【入浴】北沢峠行きのバス停にある宿泊施設。もちろん日帰り入浴も可能だ。
52
※上記の情報は記事更新日(2017年07月27日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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