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ルートID: r954 ☃ 雪山 1泊2日 白馬・鹿島槍・五竜 2017年4月

白馬岳主稜[積雪期バリエーションルート]
はくばだけしゅりょう

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
日本を代表する古典的な積雪期バリエーションルート。
長大な雪稜と山頂へ詰め上がる見事な雪壁、そしてフィナーレの雪庇越えでクライマックスを迎える。
※2017年04月01日更新
ルート長22.8km
登り標高差2089m
下り標高差2089m
行程概要: 猿倉荘(1250m) → 白馬尻荘 → 白馬尻小屋(1560m) → 白馬岳(2932.24m) → 白馬山荘(2832m) → 避難小屋 → 岩室跡(2280m) → 白馬尻小屋(1560m) → 白馬尻荘 → 猿倉荘(1250m)

【後立山北部・雨飾山】白馬岳主稜の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 日本を代表する歴史ある雪稜バリエーションルート
  • 変化に富んだルート構成
  • 山頂からの展望
  • 日本百名山
モデルプラン
1日目
歩行時間:3時間30
二股ゲート〜猿倉山荘〜長走沢〜白馬尻周辺
2日目
歩行時間:13時間
白馬尻〜白馬岳主稜〜白馬岳〜白馬山荘〜白馬大雪渓〜白馬尻〜猿倉〜二股ゲート
コース概要 白馬岳主稜へは白馬尻から主稜末端部に取付く。
白馬沢寄りの斜面を登っていくが、急な上に所々にシュルンドが開き歩きにくい。また、降雪直後には雪崩の可能性が高くなるので十分に注意を払いたい。
主稜の8峰付近に登り上げると胸をすくうような痩せ尾根が山頂まで続いている。
6峰周辺までは雪の状態により難易度が異なり、少なければ脆い岩や藪・スノーブロックなどの処理が難しく危険度が高まる。
4峰周辺まで登ると高度感満点のナイフリッジと急雪壁が続く。
さらに3峰に到着すれば山頂から張り出した雪庇と最後に登る雪壁が見えてくる。
2峰で登攀具を整えて、最後の雪壁に取付く。
ここは60mザイルだと山頂まで届かず、途中でピッチを区切ることになる。
ただし満足な支点は得られないので、スノーバーやデッドマンで構築することになる。
最後に雪庇を乗越せば白馬岳の山頂に到着だ。
あとは大雪渓を下り、白馬尻で幕営用具を回収して猿倉・二股へ下山となる。
計画書提出先 長野県警察本部または大町警察署地域課
※猿倉に登山計画書提出ポストあり
宿泊 白馬尻周辺で幕営または雪洞泊。
交通 JR大糸線白馬駅より二股までタクシーを利用。
※県道白馬岳線は2017年4月28日(金)に開通予定。
※除雪が開通日以前に終わっても開通予定日が早まることはない。
※開通以降は猿倉までアルピコ交通バスが運行する。
駐車場 二股ゲートに駐車場あり。
※積雪のため滑り止めが必要。
※開通後は猿倉周辺の駐車場に停めることになる。
アドバイス 長大な尾根で体力と登攀力が必要。
初心者や雪山を始めて数年の経験で行けるルートではない。
主稜は人が歩けば歩くほど状況が悪くなるので雪の状態を見極めて道路開通前に行きたい。
白馬尻で幕営するとアタック装備(登攀具・ビバーク装備・行動食)での行動が可能になる。
積雪の状況により6峰や4峰などは通過が困難になる場合がある。
ナイフリッジが続くので滑落には要注意。
山頂への雪壁は雪が薄い場合があり岩が露出していると極端に難しくなる。
ここの雪壁は中間支点が取れないのでスノーバー(3-4本)やデッドマンが有効だ。
降雪直後は最後の雪庇を崩すかトンネルを掘らないと突破できない。
降雪直後は各所での雪崩に警戒したい。
スキーを担いで登れば下山の時間を稼ぐことができる。
サブコース 山頂から栂池方面へ。
※白馬山荘で1泊となる。
エスケープルート 同ルートを下降することになる。
入浴 《おびなたの湯》
下山口のすぐそばにある完全かけ流しの露天風呂。
http://hakuba-happo-onsen.jp/obinatanoyu/
おすすめ周辺情報 《白馬飯店》
白馬飯店に外れなしと言われる中華料理店。
https://www.facebook.com/428309253941347/
《炭火焼肉深山》
白馬が本店ながら神戸にも支店を持つ本格的な炭焼き焼肉専門店。
http://www.full-marks.com/miyama/
《おおしも食堂》
定食ならおすすめ。グリンデルと並んで人気の高い店だ。
https://goo.gl/maps/oJcjsRWrvuR2
《リトルアラスカン&スモールキャビン》
炭火で焼いた肉の存在感が凄い本格的なハンバーガー。
https://www.facebook.com/331975743491351/
《Ricca》
白馬で人気のケーキ屋さん。名物の「はくばうむ」はふるさと納税の品に選ばれる逸品。
https://goo.gl/maps/77oiadFYWDv
1
白馬岳主稜は人が登れば登った分だけ状況が悪くなるので県道白馬岳線が開通する前に入山する。
歩き出しは二股ゲートから。
ここの手前右手に駐車スペースがある。
2
猿倉までは約2時間。
除雪が終わった舗装路をひたすら歩く。
3
営業準備に追われる猿倉荘に到着。トイレだけは使えることが多い。
4
猿倉荘の脇から斜面を登り北股入沿いに登る。
5
初日は白馬尻周辺までで行動終了。
幕営は白馬尻右岸の台地か旧キャンプ場の高台が比較的安全だ。時間に余裕があれば主稜8峰周辺でも幕営可だがスペースが無いとその先まで進むことになる。
どちらにしても雪崩には要警戒のこと。
6
翌朝。
アタック装備で早朝からの行動となる。主稜への取付きは白馬沢との合流点に近い尾根の末端からが安全だ。
中途半端に大雪渓を進んだ辺りから右手の斜面に取付くとシュルンドに阻まれて大きく迂回することになり時間をロスする場合がある。
7
朝陽を浴びながら8峰への斜面を登る。
積雪直後は雪崩に注意が必要な斜面。
8
8峰周辺で主稜上に乗る。
6峰までは雪の状態によって難易度が大きく異なる。
9
雪が多ければ気持ちの良い雪稜が続く。
10
雪が少ない場合は非常に脆い岩や藪に悩まされる。
不安定なスノーブロックは足元から崩れるので要注意。
11
6峰周辺から白馬岳の山頂を望む。
まだまだ遠い。
12
5峰への登り。
雪が腐っていると足場が安定しないので確実にキックステップを決めて登る。
13
5峰から3峰の間は爽快なナイフリッジと急雪壁が続く。
右後ろの岩場は白馬岳の名前の由来となる「代掻き馬」の頭部。
14
いよいよ3峰への登りだ。
15
3峰を通過。
左右ともに切れ落ちていて猛烈な高度感だ。
16
2峰への登り。
上部には山頂から張り出す雪庇と突破するためのトンネルが見える。
17
2峰に到着するといよいよ山頂への急雪壁に取付く。
大型連休中は渋滞する箇所でもあり場合によっては1時間以上待たされる。
辛抱強く待つのみ。
18
最後の急雪壁は60mザイルでは頂上まで届かない。
中間部の露岩付近でピッチを区切ることが多い。支点はスノーバーかデッドマンが有効だが氷化していると構築に苦労する。
岩にハーケンも打たれているが効きは甘い。
19
トンネルがない場合は雪庇を崩すか乗越す。
斜度は60-65度程度で奮闘的なクライミングとなる。
20
いよいよ山頂だが出口の処理は意外と難しい。
アックスを打ち込んで身体を引き上げながら気合で登ろう。
21
登りきると山頂はわずかに左手となる。
雪庇の崩壊には気を付けたい。
22
白馬岳の山頂に到着。
充実感と達成感に満たされる感動的なひとときだ。白馬岳主稜は日本の雪稜バリエーションの中でも満足度の高いルートと言えるだろう。
23
劔岳を正面に見ながら白馬山荘へ向けて緩やかに下る。
24
山荘からはひたすら大雪渓を下る。
上部の小雪渓周辺は急な下りとなるので滑落に注意が必要だ。
25
白馬尻で幕営用具を回収すれば後は猿倉・二股まで下るだけだ。
通常であればこの日の行動時間は10時間-13時間となるだろう。
26
【入浴】
下山口の近くに建つ「おびなたの湯」は完全かけ流しの露天風呂だ。
27
【おすすめ周辺情報】
「白馬飯店」はどの料理を頼んでも外れなし。
28
【おすすめ周辺情報】
がっつり肉ならば「炭火焼肉深山」がおすすめ。
白馬が本店ながら神戸にも店舗を持つ本格焼肉店。
29
【おすすめ周辺情報】
定食ならば「おおしも食堂」がコストパフォーマンスに優れる。
大盛を頼む時は覚悟を決めてから。
30
【おすすめ周辺情報】
「リトルアラスカン&スモールキャビン」はテイクアウト専門のハンバーガー店。
外国人が多く住む白馬ならではのクオリティー。炭火で焼いた肉の主張が凄い本格的なバーガーだ。
31
【おすすめ周辺情報】
スイーツと言えば「Ricca」がおすすめ。
各種ケーキも美味しいがオリジナルの「はくばうむ」はふるさと納税の品にも選ばれている逸品。
※上記の情報は記事更新日(2017年04月01日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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