福井県
最終更新:ヤマレコ/YamaReco
明媚なブナ林をまとった奥越の独立峰
荒島岳は福井県に聳える標高1523mの山です。独立峰で、大野盆地から見る姿は端麗で「大野富士」とも呼ばれます。日本百名山の一座ですが、選定者の深田久弥は能郷白山とどちらにするか悩んだというエピソードがあります。荒島岳に決したのは、気品が上回っていたからだそうです。
山名の由来は定かではなく、平安時代に編纂された法令集「延喜式」には「阿羅志摩我多気(あらしまがたけ)」の表記で登場しています。
山腹はブナの原生林が広がっており、山頂は360度の眺めが魅力の山です。
約2000万年前は巨大なカルデラ火山でした。現在の山容は、浸食を受けて火山体の形を成さなくなった残骸で、「コールドロン」と呼ばれます。
雪山登山でも知られる山
ブナの新緑や紅葉も見どころですが、積雪期の登山やバックカントリースキーでも人気の山です。日本海側気候のため降雪日は多いですが、天気に恵まれれば青空と銀世界の絶景に出会えます。ブナ林の樹氷も一見の価値があります。
白山の眺望が秀逸
山頂部は遮るものがなく、白山の眺めが素晴らしいとされます。
ほかにも銀杏峰(げなんぽ)、能郷白山、経ヶ岳や赤兎山が見え、遠くは北アルプスの山々や乗鞍岳、御嶽山、中央アルプスや南アルプスも望めます。
翻って見る大野盆地は田園風景が広がり、その向こうは日本海です。
古くより信仰の山で、荒島大権現の祠が鎮座しています。開山は白山と同じく泰澄(たいちょう:682-767年)によると伝えられます。
ポピュラーな2コースを行く
7時間48分/10.2km
勝原スキー場跡駐車場(76分)→リフト終点跡(77分)→深谷ノ頭(45分)→シャクナゲ平(82分)→荒島岳(51分)→シャクナゲ平(20分)→小荒島岳(117分)→中出コース駐車場
荒島岳山頂へは四本の登山道が伸びており、「勝原(かどはら)コース」「中出(なかんで)コース」「佐開(さびらき)コース」「新・下山コース」と名前が付いています。
よく選ばれているのは「勝原コース」と「中出コース」です。これらをつないだ行程は縦走の定番です。(登山口:勝原スキー場跡、中出コース登山口)
スタートは旧スキー場の開けたゲレンデを歩きます。リフト終点跡を過ぎると、やがてブナの原生林に入ります。
巨木も見られる立派な森は、神秘的な雰囲気です。
地面は粘土質の土に、木の根が張り出しています。そのため滑りやすく、降雨などで濡れている場合は特に注意します。また夏期はアブやブヨが多く、忌避剤を使用するなどの対策が必要です。
樹木に囲まれていますが、「白山ベンチ」からは白山が望め、気分が上がります。
急坂が続き、木製の階段を登り詰めると「シャクナゲ平」です。中出コースとの合流地点で、広いスペースがあり休憩に適しています。
やや下ると「もちがかべ」と呼ばれる岩場に差し掛かります。ここは傾斜が強い登りで、鎖場もあり慎重に進みます。
またお花畑が点在しており、カタクリやショウジョウバカマ、シャクナゲなどの鮮やかな花々が目を楽しませてくれます。
次第に笹の草原に変わり、見晴らしが良くなります。道の先に荒島岳権現の祠が現れると、山頂は間もなくです。
下りは中出コースを利用します。深田久弥が歩いたルートで、勝原コースよりは距離が長いですが傾斜が緩やかとされています。
小荒島岳は展望が良いピークで、眼前には大野盆地、振り返って望むのは風格のある荒島岳本峰です。
登山口 |
勝原スキー場跡 中出コース登山口 新下山コース登山口 佐開コース登山口 |
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基本情報
標高 | 1523.5m |
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場所 | 北緯35度56分03秒, 東経136度36分04秒 |
山頂 | |
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危険個所 | おたけり坂(鎖場) |
展望ポイント | リフト終点・白山展望台・小荒島岳山頂・荒島岳山頂 |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
荒島岳(あらしまだけ)は、福井県大野市にある標高1,523mの山である。別名大野富士(おおのふじ)。福井県内で唯一日本百名山に選定されている。白山と同様に泰澄が開山したという説と行基が聖観音菩薩を祀るため開山した説の2つの説がある。山頂には延喜式内小社荒島神社があり、信仰の山とされてきた。山域は奥越高原県立自然公園区域に指定されている。付近の山
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