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更新日:2013年08月09日 訪問者数:10035
ジャンル共通 技術・知識
方位を定めて目標に進む方法
冬山や道無き道での、コンパスを使って方位を定めて歩くための方法です。
BOSS
コンパスを使っているのに、目標がズレる
冬山や藪山、あるいは沢登りなどでは道無き道を進むことがよくある。こういう場合は手持ちの地図と併せてコンパスを駆使して方向を定め、前進するというのが登山においてはもっぱらのやり方である。

しかしせっかく方向を定めたにもかかわらず、知らないうちにとんでもない方向に導かれてしまい、にっちもさっちもいかなくなるということはよくある。

「図1a」を見てもらおう。A点は現在地点で、P点が目標点である。またA点からP点は見えないような距離で、起伏もあるとする。
A点からP点に行くには、この図だと「北西」に向かえばいいことになる。通常、ここで誰もが行うことは、A点でコンパスを振って「北西方向」を定め、その方向に向って進行する、というやり方だと思う(図1a)。が、しかし実際にこれをやってみると思わぬ方向に迷い込むことがある。すなわち、いくら(P点までの途中で)コンパスを振って方向を導き出したとしても、目指すP点からだんだんと外れてしまうことがあるのだ。しかも本人はズレていることがまったくわからない。

なぜこのようなことが起きるのか。

これは人間側の「感覚の狂い」が原因である。真っ直ぐ進んでいると思っても、実はけっこうフラフラしながら歩いている。

人間は顔が向いた方向を「正面(この場合の進行方向)」と勘違いするすることがよくあり、それがこの目標物との「ズレ」を生むことが多い。こうなると途中でコンパスを振って示す方向に進んでも、歩行中の「勘違いの繰り返し」によって目標物(P点)と大きくかけ離れてしまうことがあるのだ。これを示したのが「図1b」である。自分はコンパスの示す方向に進んでいると思っても、実はそうではないことが多い。

危険なのは、この勘違いに本人がまったく気づかない点だ。しかも進めば進むほど修正も不可能で、いわゆるドツボにはまり込む。コンパスの正しさをよく知っているだけに、心理的にまったく無防備になってしまうことも原因だ。こうなるともうどうにもならない。「方向は間違っていないのに…」と思った時は、時すでに遅しということになってしまう。

これを回避する方法は実は簡単だ。「正しい方向に進めばいい」。ではそれをどうやって実現させるか。
A点からP点に行くには、この図だと「北西」に向かえばいいことになる。通常、ここで誰もが行うことは、A点でコンパスを振って「北西方向」を定め、その方向に向って進行する、というやり方だと思う(図1a)。が、しかし実際にこれをやってみると思わぬ方向に迷い込むことがある。すなわち、いくら(P点までの途中で)コンパスを振って方向を導き出したとしても、目指すP点からだんだんと外れてしまうことがあるのだ。しかも本人はズレていることがまったくわからない。

なぜこのようなことが起きるのか。

これは人間側の「感覚の狂い」が原因である。真っ直ぐ進んでいると思っても、実はけっこうフラフラしながら歩いている。

人間は顔が向いた方向を「正面(この場合の進行方向)」と勘違いするすることがよくあり、それがこの目標物との「ズレ」を生むことが多い。こうなると途中でコンパスを振って示す方向に進んでも、歩行中の「勘違いの繰り返し」によって目標物(P点)と大きくかけ離れてしまうことがあるのだ。これを示したのが「図1b」である。自分はコンパスの示す方向に進んでいると思っても、実はそうではないことが多い。

危険なのは、この勘違いに本人がまったく気づかない点だ。しかも進めば進むほど修正も不可能で、いわゆるドツボにはまり込む。コンパスの正しさをよく知っているだけに、心理的にまったく無防備になってしまうことも原因だ。こうなるともうどうにもならない。「方向は間違っていないのに…」と思った時は、時すでに遅しということになってしまう。

これを回避する方法は実は簡単だ。「正しい方向に進めばいい」。ではそれをどうやって実現させるか。
中間目標物を作って、それをつなげてゆく
まず単独行の場合は、A点でコンパスを振ったら、その方向線上にある一番遠くに見える目標物を見つける。「樹木」がいちばん手っ取り早いだろう(図2a)。
「あの樹木が進行方向」と決めたら、その樹木目がけて前進する。そして樹木に到達したら、そこで再度コンパスを振って方向を探り、さっきと同じく方向線上にある目標物を定め、それに向かって前進する。これを繰り返えせばいい。これによって目標物へ限りなく近づくことができる。方向の誤差も最小限で済む。(図2b) またこの時、コンパスを目線の高さまで持ち上げ、目標物とコンパスの目盛り(この場合方向)を同時に見るようにするといい。レンザチックコンパスを使ったことがあるなら、こういう使い方を知っていると思う。
パーティーで行動する場合
パーティーの場合は、A点で方向を定めたら、そこでコンパスを手にしたまま待機し、もう一人を先行させる。そして、先行者の方向がずれたら、後ろから正しい方向を指示するようにする(例=もっと右!)。声の届く距離でストップコールをかけて止まってもらい、今度はA点にいる者が止まってる者を追い越して先行して、方向ズレの指示を受けながら進む。こうして互いにコンパスを出して繰り返す。これで単独行の時と同じく、誤差の少ない目標物への到達が可能となる。(図3)。
この方法は灌木帯や背丈を超す笹藪での藪漕ぎ中によく使う方法で、2名が担当して方向を割り出すので、あとのメンバーはその指示に従うだけとなり、複数人がいても機敏に行動できるという利点がある。全員がコンパスを振って方向を協議する方法とは、比べものにならないほど機動力がある。

コンパスを見ながら進むと案外時間がかかるし、そもそも注意が散漫となる。しかし上記の方法であれば、途中目標物地点まではコンパスを見る必要がなくなり、歩行に専念もできて安心だ。是非こういうコンパスの使い方をおすすめしたい。

それとコンパスの使い方の基本だが、方向を探る場合はコンパスを手の平に載せて、手首を動かすのではなく、からだを動かして方向を見るのが正しい。手首だけ動かして方向を決めると、いざ歩き出すとらだが向いた方向に歩き出してしまうことがあるので注意したい。基本は「からだを動かす」、である。
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