GarminハンディGPSに自作のjnxファイルを使う方法
今までカシミール3Dのマップカッタープラグインで山行に必要な範囲の地図をkmzファイルに切り出してGPSMAP64Sに入れていた。kmzファイルは一枚の画像データなのでズームイン/アウトすると画像が粗い、ズームアウトすると文字が見えないなど無理が生じる。1/25000地図を表示できれば山行中に困る事は無いが、ズームアウトして俯瞰・山座同定がしにくいのでなんとかならないかと思っていた。
それをなんとかするのがjnx(BirdsEye)だ。jnxは一枚の画像のkmzと違って縮尺によって表示する地図の画像を5段階まで設定出来る。これによりズームインすれば細かい1/12500図が、ズームアウトすれば1/50000図、さらにズームアウトすればYahoo地図を表示できる。しかしjnxを自作するのは難しく、さらにはGarmin端末は自作のjnxファイルは使用できないようにロックがかかっている。現在はGarminのファームウェアのアンロックも簡単にでき、jnxファイルをお手軽に作成出来るツールを作ってくれた方がいてずいぶん手が出しやすくなった。ここではGarmin端末のアンロック手順、jnxファイルの作り方、オマケでGarmin端末をアンロックする際にハマッた時に復旧方法を解説する。
それをなんとかするのがjnx(BirdsEye)だ。jnxは一枚の画像のkmzと違って縮尺によって表示する地図の画像を5段階まで設定出来る。これによりズームインすれば細かい1/12500図が、ズームアウトすれば1/50000図、さらにズームアウトすればYahoo地図を表示できる。しかしjnxを自作するのは難しく、さらにはGarmin端末は自作のjnxファイルは使用できないようにロックがかかっている。現在はGarminのファームウェアのアンロックも簡単にでき、jnxファイルをお手軽に作成出来るツールを作ってくれた方がいてずいぶん手が出しやすくなった。ここではGarmin端末のアンロック手順、jnxファイルの作り方、オマケでGarmin端末をアンロックする際にハマッた時に復旧方法を解説する。
できました。愛する羊蹄の地図を何度も出力して思考錯誤の末に理想のezjnxconf.xmlが完成した。kmzは一枚の画像、jnxは5枚の画像を行ったり来たりするのでjnxの方が動作が大変そうな気がするがjnxの方がサクサク動く。これは嬉しい副作用だ。縮尺を変えても地図を動かしてもkmzを使っていた時とは比較にならないくらいキビキビ表示される。kmzで動かしていたGPSMAPとは別のハードウェアなんじゃないかってくらいすごい。
<pre>
<Layer Zoom="11" Scale="11" WebID="3">
<Color Operate="True" Contrast="0" Gamma="0.5" Bright="+5"/>
<Compression Quality="50"/>
</Layer>
<Layer Zoom="12" Scale="13" WebID="3">
<Color Operate="True" Contrast="0" Gamma="0.5" Bright="+5"/>
<Compression Quality="50"/>
</Layer>
<Layer Zoom="14" Scale="15" WebID="3">
<Color Operate="True" Contrast="0" Gamma="0.5" Bright="+5"/>
<Compression Quality="50"/>
</Layer>
<Layer Zoom="15" Scale="17" WebID="1">
<Color Operate="True" Contrast="+0" Gamma="0.3" Bright="0"/>
<Compression Quality="90"/>
</Layer>
<Layer Zoom="16" Scale="19" WebID="1">
<Color Operate="True" Contrast="+0" Gamma="0.3" Bright="0"/>
<Compression Quality="90"/>
</Layer>
</pre>
<Layer Zoom="11" Scale="11" WebID="3">
<Color Operate="True" Contrast="0" Gamma="0.5" Bright="+5"/>
<Compression Quality="50"/>
</Layer>
<Layer Zoom="12" Scale="13" WebID="3">
<Color Operate="True" Contrast="0" Gamma="0.5" Bright="+5"/>
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<Layer Zoom="14" Scale="15" WebID="3">
<Color Operate="True" Contrast="0" Gamma="0.5" Bright="+5"/>
<Compression Quality="50"/>
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<Layer Zoom="15" Scale="17" WebID="1">
<Color Operate="True" Contrast="+0" Gamma="0.3" Bright="0"/>
<Compression Quality="90"/>
</Layer>
<Layer Zoom="16" Scale="19" WebID="1">
<Color Operate="True" Contrast="+0" Gamma="0.3" Bright="0"/>
<Compression Quality="90"/>
</Layer>
</pre>
Layerタグは「端末側のスケール(ズーム度合い)が○○m以下のときにどの縮尺の地図を表示するか」を表す。Layerで定義していないスケールでは上のスケールの地図が表示される。120mスケールより小さい画面を表示する事は無いので120m以下はすべてZoom Level16で十分。200m~300mはZoom Level15を使う。500mのZoom Leavel14までくると地形図としては使えないが山行中に見る事はあまりないので問題ない。ぶっちゃけ120m, 200m, 300mが正しく表示されていれば後はオマケである。Zoom Level11, 12はYahoo地図を表示するようにしている。これは山座同定に使える。この感覚はGPSMAP64Sの話なので、液晶サイズの異なるetrexやoregonではまた違ってくるだろう。他の端末をお使いの皆さんもぜひ思考錯誤して自分好みのjnxを作ってください。GPSMAP64Sの解像度は160*240だった。対してetrex30は176*220。最新のetrex30xは240*320とかなりの高解像度だ。
羊蹄は等高線がギュッと詰まっているので次はそんなに詰まっていない白金の丸山を見てみよう。Zoom Levelの上限が16だとjnxファイルサイズが小さくて済む。一番よく使うZoom Level15(1/12500図), 16(1/25000図)はクオリティ高めに設定し、後は俯瞰するためのオマケなので50で十分。WebID3の"Yahoo地図(ボールド)"は文字が大きくてとても見やすい。この設定でjnxファイルを出力すると1次メッシュ単位で出力したjnxファイルのサイズが1GB前後となる。eTrexやGPSMAPシリーズはmicroSDを入れれば容量はガバガバあるので北海道全域(15枚ほど)なら16GBのmicroSDに余裕で納まる。試しに1次メッシュ単位でjnxファイルを作り本体に入れてみたところ問題無くサクサク表示出来た。GPSMAP64Sは32GBまでのmicroSDしか認識しない。日本全土を埋めるには1次メッシュ70枚が必要なので32GB一枚で全部は厳しい。私はGPSMAP64Sは雪山でしか使わないので、雪の積もる東日本の地図だけなら32GBのmicroSDに収まった。雪の積もらないところではiPhoneでスーパー地形と高原地図を愛用している。
場所によっては「1次メッシュの領域のほとんどが海」みたいなところもあるが、そういう場所も1次メッシュで切り出して問題無い。海は地形図が用意されていないので広範囲で切り出してもファイルサイズが膨れ上がることはなく小さいサイズで済む。その場合、ezjnxwinで地図を取り込むときにオプションで404エラーを無視するようチェックを入れておくこと。
参考にしたページはこちら。感謝致します。
場所によっては「1次メッシュの領域のほとんどが海」みたいなところもあるが、そういう場所も1次メッシュで切り出して問題無い。海は地形図が用意されていないので広範囲で切り出してもファイルサイズが膨れ上がることはなく小さいサイズで済む。その場合、ezjnxwinで地図を取り込むときにオプションで404エラーを無視するようチェックを入れておくこと。
参考にしたページはこちら。感謝致します。
GPSMAP64Sが起動してもすぐに落ちる時の対処法
jnxファイルを端末に転送してPCから外し電源を入れるとGARMINロゴが出た後にシャットダウンするようになった。再びPCにUSB接続しても電源が入るがロゴが出て終了。原因はわからない。jnxファイルが破損していたのか、転送中に破損したのか。ファームを書き換えてサポートされていないデータを扱うのは一定のリスクがある。
Page+Enterを押しながら電源を入れ、シャットダウンする前にマスターリセットを試みるとマスターリセットは成功した(画面の配色がリセットされていた)。それでも症状は直らなかった。マスターリセットは設定を初期化するだけでカスタムマップやログ、jnxファイルは残る。これはマスターリセットとは言わんだろう。万事休すか。GPSMAP64Sが高価な文鎮化した。出費を覚悟したが以下の方法で復活した。
1. 上キーを押しながらUSBケーブルを挿しPCと接続する。
2. updater.exeから一番古いファームウェアを流し込む。
3. PCに接続し、問題がありそうなファイルを削除する。
やる事はこれだけ。その後再びPathced 4.50でファームウェアを更新して無事jnxが読めるようになった。
■過去のファームウェア(gawisp.com)
まず過去のファームウェアを探してくる。GARMIN公式には置いていないので探した。GPSMAP64シリーズの最古のファームウェアは2.20だ。
#2020/12/10リンク切れなので他で探すしかない。どうしても見つからない場合は私にDMすれば送ります。
■updater.exe(台湾GARMIN公式)
updater.exeが含まれている適当なファームウェアを入手。解凍してupdater.exeだけ使う。updater.exeなら何でも良いというわけではなく、古いupdater.exeだとGPSMAP64Sのファームをドラッグ&ドロップしてもエラーが出たりUSBによるデータ転送に対応していない。updater.exeは新しい方がよい。
#2020/12/10リンク切れなので他で探すしかない。どうしても見つからない場合は私にDMすれば送ります。
■gcd-rgn変換ツール(turboccc)
USB経由でファームウェアを転送する場合はファームウェアのgcdファイルをrgnファイルに変換する必要がある。変換ツールを起動してgcdファイルを開き、何も設定を変えずにrgnで保存ボタンを押せばOK
■手順
まずPCでエクスプローラーを開き、updater.exeのアイコンにrgnファイルをドラッグ&ドロップする。updater.exeが立ちあがり出力先を選ぶ画面になる。端末の上キーを押したままUSBケーブルを挿しPCと接続する。端末に電源が入るが、普通に電源ボタン長押しで起動したときより起動が遅い。そのスキにマウスを操作してupdater.exeの出力先にUSBを選択するとGPSMAP64Sが検出される。迅速にStartボタンを押すと端末の画面に「LOADER」と表示される。ここで端末の上キーを離してOK. あとはファームウェアが最古の2.20に更新される。更新が完了したら勝手に再起動しマスストレージとしPCが認識するので、危険なjnxファイルを削除する。削除後はPatched4.50でファームウェアを更新する。
実は2.20に戻す前にこの手順でPathcedから公式の4.50に戻したがそれでも直らなかったので試しに一番古い2.20に戻したらうまくいった。GPSが起動しない、USBでも接続できなくなったときの最後の手段として自己責任でお試しください。
Page+Enterを押しながら電源を入れ、シャットダウンする前にマスターリセットを試みるとマスターリセットは成功した(画面の配色がリセットされていた)。それでも症状は直らなかった。マスターリセットは設定を初期化するだけでカスタムマップやログ、jnxファイルは残る。これはマスターリセットとは言わんだろう。万事休すか。GPSMAP64Sが高価な文鎮化した。出費を覚悟したが以下の方法で復活した。
1. 上キーを押しながらUSBケーブルを挿しPCと接続する。
2. updater.exeから一番古いファームウェアを流し込む。
3. PCに接続し、問題がありそうなファイルを削除する。
やる事はこれだけ。その後再びPathced 4.50でファームウェアを更新して無事jnxが読めるようになった。
■過去のファームウェア(gawisp.com)
まず過去のファームウェアを探してくる。GARMIN公式には置いていないので探した。GPSMAP64シリーズの最古のファームウェアは2.20だ。
#2020/12/10リンク切れなので他で探すしかない。どうしても見つからない場合は私にDMすれば送ります。
■updater.exe(台湾GARMIN公式)
updater.exeが含まれている適当なファームウェアを入手。解凍してupdater.exeだけ使う。updater.exeなら何でも良いというわけではなく、古いupdater.exeだとGPSMAP64Sのファームをドラッグ&ドロップしてもエラーが出たりUSBによるデータ転送に対応していない。updater.exeは新しい方がよい。
#2020/12/10リンク切れなので他で探すしかない。どうしても見つからない場合は私にDMすれば送ります。
■gcd-rgn変換ツール(turboccc)
USB経由でファームウェアを転送する場合はファームウェアのgcdファイルをrgnファイルに変換する必要がある。変換ツールを起動してgcdファイルを開き、何も設定を変えずにrgnで保存ボタンを押せばOK
■手順
まずPCでエクスプローラーを開き、updater.exeのアイコンにrgnファイルをドラッグ&ドロップする。updater.exeが立ちあがり出力先を選ぶ画面になる。端末の上キーを押したままUSBケーブルを挿しPCと接続する。端末に電源が入るが、普通に電源ボタン長押しで起動したときより起動が遅い。そのスキにマウスを操作してupdater.exeの出力先にUSBを選択するとGPSMAP64Sが検出される。迅速にStartボタンを押すと端末の画面に「LOADER」と表示される。ここで端末の上キーを離してOK. あとはファームウェアが最古の2.20に更新される。更新が完了したら勝手に再起動しマスストレージとしPCが認識するので、危険なjnxファイルを削除する。削除後はPatched4.50でファームウェアを更新する。
実は2.20に戻す前にこの手順でPathcedから公式の4.50に戻したがそれでも直らなかったので試しに一番古い2.20に戻したらうまくいった。GPSが起動しない、USBでも接続できなくなったときの最後の手段として自己責任でお試しください。
Invalid JNX Filesの対処方法
原因は不明だが起動時にInvalid JNXというメッセージが表示されることがある。長くjnxファイルを使っていると出てくるようになる。2~3年くらいか。SDカード内のjnxは読み取りでしかアクセスしていないはずだが、どうもSDカードアクセス中に何らかの書き込み処理をしているのか、SDカード自体の経年劣化なのかわからないがデータが破損するらしい。SDカードをFATで初期化してjnxファイルを入れ直すと解決した。今のところデータ入れ替えだけで解決している(20200401現在)。SDカード自体の交換はしていないが問題ない。
今後の話
自作のjnxを表示できるようになるパッチはその後更新されていない(201905で止まっている)。風の噂によると作者が亡くなったらしい。リチウムイオン電池が使える最新の端末GPSMAP66iがとても欲しいが66i用のpatcherが無いためjnxが使えないので買う気はない。むこう10年くらいはGPSMAP64Sでいけそうな気はしている。その間に代替案が出るだろう。
#2021年1月追記 解決しました。
#2021年1月追記 解決しました。
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※この記事はヤマレコの「ヤマノート」機能を利用して作られています。
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