川を一切渡らず百名山制覇！-ヤマレコ

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更新日：2020年05月01日　訪問者数：2179

川を一切渡らず百名山制覇！

外出自粛のため暇つぶしに作成した大人の自由研究です。

過去にもいくつか自由研究したり路線図書いたりしております。

【北にここ以上高い山がない山】
https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=2281
【海から一番遠い百名山】
https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=2311

今回は、川を渡らず100名山を全て歩いてみようと思います。（地図上で）

そもそも川を渡らず百名山全て登るなんてできるのか？

結論から言うとできます。
左の絵のように360°川で囲まれた山がない限りは、どこかしら侵入口はあるので遠回りすれば必ず山頂にたどり着くことができます。（水路は除く）

但し！あくまで地図上の話です。実際に歩けるかは別問題です。実際地図で調査したら、空港、自衛隊基地、踏み切り以外の線路立ち入り等、不法侵入のオンパレードでした(笑)

逆に川に囲まれた山なんてあるのか？と言われると、
千葉県のほぼ全域が実は川に囲まれています。
（江戸川は水路といえば水路ですが・・・）
幸い千葉県に百名山はないのでこの自由研究は成り立ちます。
※私はたまたま埼玉県人ですが決して悪意で言っているわけではないのであしからずお願いします。

基本は中央分水嶺を歩きます。

分水界（ぶんすいかい、drainage divide）とは、異なる水系の境界線を指す地理用語である。山岳においては稜線と分水界が一致していることが多く、分水嶺（ぶんすいれい）とも呼ばれる。（Wikipedia）

中央分水嶺は、日本の太平洋側と日本海側とを分かつ分水界です。
つまり中央分水嶺を歩けば北海道から九州まで川を渡らずに行けます。
中央分水嶺上に無い山は寄り道しながらですべての100名山を制覇します。
といってもひたすら地図上に線をたどって目指すだけですが・・・
利尻山～北海道本土、本州、四国、九州、宮之浦岳への移動のみやむおえず海を横切ります。

利尻山から北海道

最初から離島ですがとにかくスタート。

【写真】利尻山山頂付近の風景

所々写真をアップしてみます。

中央分水嶺は赤線。その他の寄り道の分水嶺は紫線で書いてあります。すみません。見づらい場合は画像を拡大お願いします。

利尻島から稚内に移動、大雪山手前まで中央分水嶺を歩きます。
大雪山手前で寄り道して「阿寒岳」、「斜里岳」、「羅臼岳」に登って戻ります。

長万部の手前あたりは海200m付近まで太平洋側に寄ってます。

途中千歳空港の敷地がほぼ中央分水嶺上にありました

東北

東北北部

海をわたって竜飛崎よりまずは八甲田山に登ります。
岩木山は県境付近から岩木川を避けるように行きます。

早池峰山へのアクセスはなかなか厄介で、八幡平付近から北上川とその支流を横切らないように大回りします。北側は馬淵川水系で八戸に流れています。

北上川源流

源流は、いわて沼宮内駅からちょっと北にある御堂観世音境内の「弓弭の泉」（ゆはずのいずみ）です。北上川源流は山ではなく標高もたった360m程度です。
日本第五位の249 kmの長さの北上川の流れは非常に緩やかです。

余談と寄り道が長くなりましたが岩手山に寄ってひたすら中央分水嶺を南下です。ちなみに宮城県県境まで百名山はありませんが稜線上付近には二百名山の秋田駒ケ岳、和賀岳、焼石岳、栗駒山と100名山に劣らない絶景の山があります。
写真は私の大好きな場所、秋田駒ケ岳のムーミン谷です。

東北南部

鳥海山は秋田県と山形県の県境から、そして同じく山形県にある月山ですが最上川に阻まれ西吾妻山、磐梯山、飯豊山、朝日岳を登頂後ようやくたどり着けます。
最後に安達太良山で東北終了（尾瀬エリア除く）。ここまで22座

北関東、尾瀬、越後エリア

三本槍岳

福島県との県境の山です。百名山ではありませんが
北関東、尾瀬、越後エリアのスタート地点となります。
この山塊ではお隣茶臼岳が那須岳の山頂として有名ですが
三本槍岳は中央分水嶺上にあり阿武隈川の源流にもなっているので地理上では重要な山です。そして標高も茶臼岳よりちょっぴり高かったりします。

北関東、尾瀬、越後エリア

なぞの三本槍押しがありましたがまずは那須岳。その次の筑波山に向かいますがその道はかなりの寄り道で難関です。（調査的な意味で）

筑波山への道

筑波山に行く途中、結構市街地を通ります。なかでも利根川支流の鬼怒川と那珂川支流の荒川の隙間を水没しないようにマウスを身長に動かし線を引くのが大変でした・・・
「あっ川に落ちた。引き直し」
今更ですが地図は国土地理院の地図を使用しています作図ツール的なもので利尻島からひたすら地図上に線を引いています。

戻って群馬県境を歩く

筑波山から戻るとあとは群馬県境がそのまま中央分水嶺となっているのでそこを起点に日光→尾瀬→越後エリアと進みます。
赤城山は皇海山と尾根で繋がってたんだなーとかちょっとした発見がありました。

利根川源流碑

源流シリーズその2利根川源流。
群馬最北端の大水上山付近にあります。
存在感のある立派な源流碑です。

群馬県県境をひたすら歩いて100名山を回収しつつ最後に両神山を登るとこのエリアは終了です。

南関東、奥秩父

甲武信ヶ岳から雲取山→大菩薩嶺→富士山です。
丹沢山と天城山へのルートはちょうど富士山で分岐しています。

千曲川（信濃川）源流碑

源流シリーズその3信濃川源流。
甲武信ヶ岳は小屋から10～20分下ると荒川の源流碑もあります。

この辺りの水系

この辺りは水源が豊富です。それだけに尾根道も複雑に分岐しています。
神流川（利根川水系）
荒川
信濃川
笛吹川（富士川水系）
多摩川
相模川

ルートとしては甲武信ヶ岳に戻って金峰山、瑞牆山へ進みます。ここは登山道が整備されているので縦走する方も多いと思います。

八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス

八ヶ岳でちょうど半分。ここから南下して一気に南アルプス10座を回収します。
その後、蓼科→霧ヶ峰→美ヶ原と経由し、中央アルプス3座→御獄、北アルプス方面というルートです。
作図は県境や市町村の境がほとんどなので楽でした。

南アルプス

南アルプス放置の私が唯一登った鳳凰三山からの北岳方面です。

木曽駒ケ岳

木曽駒ケ岳の北側の稜線です。

御獄、北アルプス、頚城山塊

御獄山三ノ池

中央アルプスが終わるとまずは御獄山。ここから北アルプス、妙高方面へと進みます。

中央分水嶺は乗鞍岳から岐阜県を横断してますが、北アルプスの山々と、新潟エリアへは、分水嶺からはかなり長い距離の寄り道を強いられます。

北アルプス内区域ではいくつか分岐点はありますが全て登山道で接続されています。折角なので写真で紹介します。

分岐1　槍ヶ岳

常念岳への分岐です。
登ったことないので遠くからの望遠写真です。

分岐2　弓折乗越

笠ヶ岳、鷲羽方面の分岐です
笠ヶ岳に行くためにはここを南下します。

双六小屋で一休み・・・

分岐3　三俣蓮華岳

気を取り直して分岐3つ目です。
三俣蓮華岳を左折すると黒部五郎～槍ヶ岳
右折すると鷲羽岳～白馬岳になります。
重要な分岐点です。
そしてこの2つの高い稜線を隔てているのは黒部川です。

黒部川源流

源流シリーズその4　黒部川源流
源流牌は稜線から30分ほど下ったところにありますが9月の時点でも稜線の雪渓から川の流れが有りました。
最初の一滴は三俣山荘付近の雪渓あたりでした。

分岐4　五竜岳

北アルプス最後の分岐点です。
白馬岳と、妙高火打方面の分岐になります。
残念ながらガスってました・・・

妙高山山頂と火打山

久しぶりに新潟県入りして
このエリア終了です。ここまで86/100

ほぼ終了？いえいえ作業量的にはまだ半分ぐらいです。

北陸、近畿エリア

岐阜県を横断して白山、荒島岳を登って琵琶湖手前を南下。伊吹山を経由して紀伊山地の大台ケ原、八経ヶ岳を登頂後そのまま四国入りします。

八経ヶ岳山頂

八経ヶ岳山頂から見える弥山小屋。
ちなみにこの山に登るルートの一つに100名瀑（滝の100選）で最も過酷で危険な双門の滝があります。
滝マニアとして別の日に行ってきましたが心が病みました。

四国

四国の100名山は石鎚山と剣山の2つです。
剣山に向かってグルッと回っているのは
吉野川が四国内部に食い込んでるからです。

石鎚山

写真は石鎚山最高峰天狗岳
ちなみにこの山に下るルートの一つに100名瀑（滝の100選）でそこそこ過酷で危険な御来光の滝があります。
もちろんこちらも滝マニアとして行ってきましたが
なかなか厳しい道のりでした。

そうそうこの山を降りるときにサンシャイン池崎さんとすれ違いました。流しそうめんの企画だったみたいです。
ジャ～スティス！

穴内川ダムから吉野川（瀬戸内海）と太平洋両方に川が流れて四国が2つに分断しているように見えましたがここは水路でした。ホッ・・・
このダムからは両方に水が流れるようになっているようです。

中国

中国地方に入る前に

琵琶湖まで戻って京都、兵庫を横断します。
この区間中央分水嶺がかなり複雑で地図をかなり
拡大しないと正しいルートがわかりませんでした。

岡山県と鳥取県区間は県境をたどればいいので非常に楽でした。その間に大山に寄ります。
ひどいのは広島県で江の川が島根県との県境を乗り越えて三次市で爆発したかのごとく支流が拡散してます。
説明がなんか水の流れと逆ですがこの作業をやってるとそう見えてくるのです。

広島県ほどではないですが山口県もなかなかに大変でした。

九州

関門海峡を超えていよいよ九州に上陸です。
ここも難度が高く最初の久住山まで行くのに一苦労でした。自衛隊演習地侵入してます。

久住山

山頂です。

阿蘇のお釜

えらく煙が多いなと思ったらこのあと一時避難指示発令

阿蘇山、祖母岳は中央分水嶺より少し寄り道し
あとは県境を下ると霧島山です。中央分水嶺は大隅半島（東側）に伸びてますが開聞岳は薩摩半島（西側）にあるためここで大別れです。

鹿児島県内を縦走し開聞岳に登った後海をわたって屋久島の宮之浦岳で100/100終了です！
長かった～～～。

まとめ

全ルート

こちらが全ルートになります。
国土地理院地図で書いた作図は保存ができます。
但し、一点一点座標がテキストで保存されるので
一度にたくさん書き込むと非常に動作が重くなります。
いくつかに分けて結合しました。

白地図バージョン

折角なのでほぼ中央分水嶺上にある山を書き出してみました。
12　八幡平　　　16　蔵王山　　　22　安達太良山
30　至仏山　　　31　平ヶ岳　　　34　巻機山
35　谷川岳　　　38　四阿山　　　39　浅間山
42　甲武信ヶ岳　49　瑞牆山　　　50　八ヶ岳
61　蓼科山　　　62　霧ヶ峰　　　68　乗鞍岳
95　久住山　　　98　霧島山
計17座です。

以上で自由研究はおしまいです。
ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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