(はじめに)
この第2部では、北アルプスにある主な山の地質やそのなり立ちについて説明します。
また、一部の山では、高山特有の地形についても説明します。
順番は南側から順に北側の山へと山並みに沿って順に説明します。
また、一部の山では、高山特有の地形についても説明します。
順番は南側から順に北側の山へと山並みに沿って順に説明します。
1)北アルプスの概要
「北アルプス」は「日本アルプス」の代表的な山地であり、この項を読んでいる皆さんには、改めて説明する必要もないほどですが、一応、本連載における北アルプス(飛騨山脈)について、範囲を含め、ざっと説明しておきます。
北アルプスは、イギリス人の化学者であるウイリアム・ガーランド(William Gowland)が、明治時代に、本州中央部の3000m前後の山地を「日本アルプス」と命名したのち、地理学上の「飛騨山脈」が、登山界では「北アルプス」と呼ばれるようになりました。
この連載では、地理学用語である「飛騨山脈」の代わりに、登山界で馴染み深い「北アルプス」という用語を使っていきます。
北アルプスの北端は、日本海に面した「親不知」の断崖から始まり、南北軸に沿って複数の山列を並べています。
南の端は、乗鞍岳を含めることが多いのですが、登山愛好家から見ると、乗鞍岳は安房峠を境にしている独立した火山という印象だと思いますし、北アルプス本体から乗鞍岳へと縦走路が続いているわけでもないので、ここでは、北アルプスの南端を、焼岳、霞沢岳に置くことにします。
東の縁は、松本盆地西部、安曇野〜大町市街部〜白馬村〜姫川沿い〜糸魚川まで、平地、河川域が並んでおり、山地部との境界をなしています。
西の縁は、立山、剣岳の西側は、富山平野が区切りとなっています。薬師岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳などの中南部では、地理的には明確な境界がなく、徐々に低くなって飛騨高原へと続いていますが、ここでは、以下で定義する「立山山脈」(剣岳、立山、薬師岳、黒部五郎岳)および、笠ヶ岳の稜線までを含むことにします。
北アルプスは、イギリス人の化学者であるウイリアム・ガーランド(William Gowland)が、明治時代に、本州中央部の3000m前後の山地を「日本アルプス」と命名したのち、地理学上の「飛騨山脈」が、登山界では「北アルプス」と呼ばれるようになりました。
この連載では、地理学用語である「飛騨山脈」の代わりに、登山界で馴染み深い「北アルプス」という用語を使っていきます。
北アルプスの北端は、日本海に面した「親不知」の断崖から始まり、南北軸に沿って複数の山列を並べています。
南の端は、乗鞍岳を含めることが多いのですが、登山愛好家から見ると、乗鞍岳は安房峠を境にしている独立した火山という印象だと思いますし、北アルプス本体から乗鞍岳へと縦走路が続いているわけでもないので、ここでは、北アルプスの南端を、焼岳、霞沢岳に置くことにします。
東の縁は、松本盆地西部、安曇野〜大町市街部〜白馬村〜姫川沿い〜糸魚川まで、平地、河川域が並んでおり、山地部との境界をなしています。
西の縁は、立山、剣岳の西側は、富山平野が区切りとなっています。薬師岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳などの中南部では、地理的には明確な境界がなく、徐々に低くなって飛騨高原へと続いていますが、ここでは、以下で定義する「立山山脈」(剣岳、立山、薬師岳、黒部五郎岳)および、笠ヶ岳の稜線までを含むことにします。
2)北アルプスを構成する各山脈、山列について
北アルプスは、南北に約100kmと長いだけでなく、東西にも約30kmほどの幅をもち、その中に複数の山列を含んでいます。地理学的な定義のほか、登山用の用語など、山列、山脈の定義には、あいまいな部分がありますが、この連載では、以下の区分、名称を使うこととします。
(1)後立山山脈;通常、登山界の用語では、主要部が「後立山連峰」と呼ばれている山脈です。
ここでは、北は親不知から始まる稜線で、白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳といった、一般に「後立山連峰」と呼ばれている中核部を含み、さらに針の木岳、蓮華岳と続き、その後、やや低い稜線が続きつつ、登山界用語では、「裏銀座コース」と呼ばれる、烏帽子岳、野口五郎岳、鷲羽岳へと延び、三俣蓮華岳にて、立山、薬師岳から続く稜線((立山山脈)という表現にします)と合流するまでを、「後立山山脈」と定義しておきます。
(2)立山山脈;「後立山山脈」と並行し、黒部川の渓谷を挟んで西側に並ぶ山列を、ここでは、「立山山脈」と定義します。
具体的には、毛勝三山の北あたりから稜線が始まり、毛勝三山、剣岳、立山、さらに薬師岳、黒部五郎岳と続き、三俣蓮華岳で、「後立山山脈」と合流するまでの稜線を「立山山脈」と定義しておきます。
(3)常念山脈;常念岳を主峰とする、松本盆地に面した山脈で、登山界用語でも「常念山脈」と呼ばれています。
具体的には、南端(南西端)は霞沢岳から始まり、梓川の流れに沿って主稜線はカーブしながら大滝山、蝶が岳、常念岳、大天井岳、燕岳と人気のある山々を含み、さらにその北の餓鬼岳あたりまで山脈が伸び、その先は、高瀬川で区切られています。この連載でも上記の山列を「常念山脈」と定義しておきます。
(4)槍穂連峰;北アルプス南部にある、短い山脈で、北は槍ヶ岳、そこから南へと、大食岳、南岳、(大キレット)、穂高連峰(北穂高、奥穂高、前穂高、西穂高)へと続きます。西穂高の先の主稜線には火山である焼岳があります。登山界用語的には焼岳は槍穂連峰には含む場合、含まない場合、まちまちのようですが、山列の並びという点から、ここでは、槍ヶ岳から穂高連峰群、焼岳までを「槍穂連峰」と定義しておきます。
(5)その他の山並み、稜線
・「槍穂連峰」の西側には、双六岳を起点として南北方向に延びる短い山列があり、笠ヶ岳が最高峰です。登山界でもこの山列に特に名称は着いていないようです。ここでも、特に山列名称を付けないでおきます。
・大天井岳から槍ヶ岳への通称「東鎌尾根」は、「常念山脈」と「槍穂高連峰」を繋ぐ稜線ですが、目立つ山もあまりないので、特別な名称は付けないでおきます。言及する際は単に「東鎌尾根」と呼称します。
・また槍ヶ岳から西へ、双六岳まで続く稜線は、北アルプス中北部の「立山山脈」、「後立山山脈」と、南部の「槍穂連峰」を繋ぐ重要な尾根ですが、ここでは単に「西鎌尾根」と呼称します。
注)上記の山脈、連峰などの定義は特にオーソライズされたものではなく、本連載において、説明がしやすいように、筆者が定義したものであることを、あらかじめお断りしておきます。
(1)後立山山脈;通常、登山界の用語では、主要部が「後立山連峰」と呼ばれている山脈です。
ここでは、北は親不知から始まる稜線で、白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳といった、一般に「後立山連峰」と呼ばれている中核部を含み、さらに針の木岳、蓮華岳と続き、その後、やや低い稜線が続きつつ、登山界用語では、「裏銀座コース」と呼ばれる、烏帽子岳、野口五郎岳、鷲羽岳へと延び、三俣蓮華岳にて、立山、薬師岳から続く稜線((立山山脈)という表現にします)と合流するまでを、「後立山山脈」と定義しておきます。
(2)立山山脈;「後立山山脈」と並行し、黒部川の渓谷を挟んで西側に並ぶ山列を、ここでは、「立山山脈」と定義します。
具体的には、毛勝三山の北あたりから稜線が始まり、毛勝三山、剣岳、立山、さらに薬師岳、黒部五郎岳と続き、三俣蓮華岳で、「後立山山脈」と合流するまでの稜線を「立山山脈」と定義しておきます。
(3)常念山脈;常念岳を主峰とする、松本盆地に面した山脈で、登山界用語でも「常念山脈」と呼ばれています。
具体的には、南端(南西端)は霞沢岳から始まり、梓川の流れに沿って主稜線はカーブしながら大滝山、蝶が岳、常念岳、大天井岳、燕岳と人気のある山々を含み、さらにその北の餓鬼岳あたりまで山脈が伸び、その先は、高瀬川で区切られています。この連載でも上記の山列を「常念山脈」と定義しておきます。
(4)槍穂連峰;北アルプス南部にある、短い山脈で、北は槍ヶ岳、そこから南へと、大食岳、南岳、(大キレット)、穂高連峰(北穂高、奥穂高、前穂高、西穂高)へと続きます。西穂高の先の主稜線には火山である焼岳があります。登山界用語的には焼岳は槍穂連峰には含む場合、含まない場合、まちまちのようですが、山列の並びという点から、ここでは、槍ヶ岳から穂高連峰群、焼岳までを「槍穂連峰」と定義しておきます。
(5)その他の山並み、稜線
・「槍穂連峰」の西側には、双六岳を起点として南北方向に延びる短い山列があり、笠ヶ岳が最高峰です。登山界でもこの山列に特に名称は着いていないようです。ここでも、特に山列名称を付けないでおきます。
・大天井岳から槍ヶ岳への通称「東鎌尾根」は、「常念山脈」と「槍穂高連峰」を繋ぐ稜線ですが、目立つ山もあまりないので、特別な名称は付けないでおきます。言及する際は単に「東鎌尾根」と呼称します。
・また槍ヶ岳から西へ、双六岳まで続く稜線は、北アルプス中北部の「立山山脈」、「後立山山脈」と、南部の「槍穂連峰」を繋ぐ重要な尾根ですが、ここでは単に「西鎌尾根」と呼称します。
注)上記の山脈、連峰などの定義は特にオーソライズされたものではなく、本連載において、説明がしやすいように、筆者が定義したものであることを、あらかじめお断りしておきます。
(以下のリンクは、第2部「北アルプス」各章へのリンクです)
記載している主要な山;
・霞沢岳、大滝山、蝶ヶ岳
・霞沢岳、大滝山、蝶ヶ岳
記載している主要な山;
・常念岳、大天井岳、燕岳、餓鬼岳、有明山
・常念岳、大天井岳、燕岳、餓鬼岳、有明山
記載している主要な山;
槍ヶ岳、南岳、中岳、南岳
北穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、西穂高岳、涸沢岳、明神岳
六百山
槍ヶ岳、南岳、中岳、南岳
北穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、西穂高岳、涸沢岳、明神岳
六百山
記載している主要な山;
奥穂高岳、ジャンダルム、間の岳、西穂高岳、独標、丸山
奥穂高岳、ジャンダルム、間の岳、西穂高岳、独標、丸山
記載している主要な山;
南岳、槍ヶ岳
南岳、槍ヶ岳
このリンク先は、「日本の山々の地質」の最初の章で、
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【書記事項】
初版リリース;2020年5月1日
△改訂1;北アルプス編、各章へのリンクを追加(2021年9月14日)
△改訂2;文章見直し、章立ての変更、書記事項追記。(2022年1月6日)
△最新改訂年月日;2022年1月6日
△改訂1;北アルプス編、各章へのリンクを追加(2021年9月14日)
△改訂2;文章見直し、章立ての変更、書記事項追記。(2022年1月6日)
△最新改訂年月日;2022年1月6日
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