乗鞍岳の古くから山スキーコースとして多くの登山者が利用している所での雪崩、 気象データ、地形図から危険を読みとる。
〇乗鞍岳雪崩の場所はどこ?
〇雪崩発生区はどこ?
SNSの情報から雪崩は位ヶ原山荘分岐の注意の看板がある北側、
発生地点はエコーライン(車道冬期閉鎖)の標高2450m附近
発生区は地形図読み取りで傾斜43度(2450〜2420m)斜面の向き南南東
県警へリより発生区の状況
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf86c49adb533a3ec97cfa867b3d79e9ff54b4f4/images/000
SNSの情報から雪崩は位ヶ原山荘分岐の注意の看板がある北側、
発生地点はエコーライン(車道冬期閉鎖)の標高2450m附近
発生区は地形図読み取りで傾斜43度(2450〜2420m)斜面の向き南南東
県警へリより発生区の状況
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf86c49adb533a3ec97cfa867b3d79e9ff54b4f4/images/000
〇雪崩発生区で何が起こった?
〇雪崩発生区で何が起こった?
1,気象データおよびヤマレコ、ヤマップの山行記録から見ると3月9日〜11日は良く晴れて
発生区の南南東斜面は日射により雪面が融解凍結が繰り返されザラメ化していたと推測される。
更に10日北海道を通過した低気圧により南西の強風が吹き風成雪(風で転がされたザラメ雪、気温低下で表面が板状に凍り脆い層を作る・ウインドスラブ)可能性がある。(滑り台の形成)
2,13日南岸を通過した低気圧により水分の多い雪が降った推定40〜50cm(滑った雪)
3,14日南岸低気圧の通過後、寒気流入による北西の強風により位ヶ原の平坦地の雪が
平坦地の風下側の縁辺の崖である発生区に大量に吹き溜まり(雪崩の発生の引き金)
頭でっかちになり重量バランスが崩れて、晴天でできたザラメ層から上が雪崩た。面発生表層雪崩である。
1,気象データおよびヤマレコ、ヤマップの山行記録から見ると3月9日〜11日は良く晴れて
発生区の南南東斜面は日射により雪面が融解凍結が繰り返されザラメ化していたと推測される。
更に10日北海道を通過した低気圧により南西の強風が吹き風成雪(風で転がされたザラメ雪、気温低下で表面が板状に凍り脆い層を作る・ウインドスラブ)可能性がある。(滑り台の形成)
2,13日南岸を通過した低気圧により水分の多い雪が降った推定40〜50cm(滑った雪)
3,14日南岸低気圧の通過後、寒気流入による北西の強風により位ヶ原の平坦地の雪が
平坦地の風下側の縁辺の崖である発生区に大量に吹き溜まり(雪崩の発生の引き金)
頭でっかちになり重量バランスが崩れて、晴天でできたザラメ層から上が雪崩た。面発生表層雪崩である。
地形図・気象データから安全ルートの見分け方?
〇地形図から見る安全ルートはどこ?
上部に立木のない傾斜40度以上の急斜面があるところの下は危険
更にその斜面に雪が吹きだまるような強風が吹いる時は最も危険。
安全ルートはどこ?このツアーコースで言うならば
標高2330m附近から南の沢よりの小尾根に早く移って登るべきであるだろう。
さらに安全を求めるなら上部に急斜面のない一本南側の尾根をルートとすべき。だと思う。但し2260m附近の樹林帯の中の沢を渡る地点は注意が必要です。
更にその斜面に雪が吹きだまるような強風が吹いる時は最も危険。
安全ルートはどこ?このツアーコースで言うならば
標高2330m附近から南の沢よりの小尾根に早く移って登るべきであるだろう。
さらに安全を求めるなら上部に急斜面のない一本南側の尾根をルートとすべき。だと思う。但し2260m附近の樹林帯の中の沢を渡る地点は注意が必要です。
〇気象データから
晴天が続いたあとの低気圧によるまとまった雪の後は要注意!
平坦地の縁辺の崖(傾斜40度以上の急斜面)の下を通るときは強風の風向きに注意!
平坦地の縁辺の崖(傾斜40度以上の急斜面)の下を通るときは強風の風向きに注意!
アメダスポイント松本、高山の過去の気象データを見ると3月9日から11日にかけて長時間の日照が記録され晴れていたことが分かる。
南岸低気圧が13〜14日に通過しまとまった降水がアメダスポイント奈川で38.5mm上高地で27.5mm降った。湿った雪の場合1mmの降水は約1cmの積雪とみると約40cm降ったことになる。
奈川の標高は1168mで雪崩発生区とは約1400mの標高差があり100m上昇による気温低下を0.6度とすると奈川が8度でも雪崩発生区は氷点下で雪が降ったことは間違いないだろう。
奈川の標高は1168mで雪崩発生区とは約1400mの標高差があり100m上昇による気温低下を0.6度とすると奈川が8度でも雪崩発生区は氷点下で雪が降ったことは間違いないだろう。
Medium Range Forecasts for East Asiaの850ヘクトパスカル面(約1500mの高度)の気温を見ると14日21時でも氷点下4度であり、低気圧通過後の冬型気圧配置により14日朝は北西の強風が吹いていたことがわかる。
他人のトレースを通ることはその人のリスク認識度を承継するだけで安全とは限らない。
雪山においては他人のトレース(ラッセル跡)は有難いもの。
しかし、その人たちの危険認識が甘ければ危険なルート取り、トレースを残していることになる。
今回の事例で多くの人が通っているから安全という神話は崩れさった。
登山者自身が危険認識を高め、酷いトレースはさっさと捨てて、自ら安全と思うルートをラッセルすべきだと思う。
しかし、その人たちの危険認識が甘ければ危険なルート取り、トレースを残していることになる。
今回の事例で多くの人が通っているから安全という神話は崩れさった。
登山者自身が危険認識を高め、酷いトレースはさっさと捨てて、自ら安全と思うルートをラッセルすべきだと思う。
NPO法人日本雪崩ネットワーク調査報告が19日に発表されたがガッカリだった。(21日追加)
NPO法人日本雪崩ネットワーク調査報告
https://snow.nadare.jp/news/2021/000034.html
「数箇所でデータ採取などを行った。その結果、以前の降雨(3月13日以前)で形成した融解凍結クラストの上に載ったスラブ内には、十分に結合力を高めていない箇所があり、新雪及びこしまり雪が観察された。硬度の高いスラブに結合力の弱い雪が薄く挟まり、雪崩発生の原因となることがある」と発表。
3月2日に現場で雨が降ったことはアメダス奈川の気象データの降水、気温よりわかるが、その上の積雪強度が問題だろう。
自ら積雪強度の場所によるバラツキを「積雪の空間的多様性」といいます。と言っておきながらhttps://snow.nadare.jp/magazines/2020/000012.html
SPIN積雪観察情報の発表は一ヵ所だけ、しかも破断面南東部脇(ピットNo1)http://spin.nadare.jp/profiles/3755/chart
数箇所でデータ採取したとのことであるから標高の一番高い部分もSPIN積雪観察情報があるはずであるが公開しなかった事に疑問がのこる。
「積雪の空間的多様性」は日射や風の影響で積雪の状況は著しく変化する。
発生地点と脇では雲泥の差じゃないだろうか。
NPO法人日本雪崩ネットワークは国民を雪崩事故から守るボランティア活動が目的だろう。
全ての情報を公開して登山者やバックカントリー愛好家を雪崩から守る情報は公開すべきだと思う。
しかし、個人のボランティア活動は全て自腹であるが。
NPO法人は関連の営利事業も認められている。
理事さんの給料も出さなきゃいけないので採算を度外視しては出来ないことはわかる。
それならば、有料でもいいから情報は提供するべきだと考えるがいかがでしょう。
https://snow.nadare.jp/news/2021/000034.html
「数箇所でデータ採取などを行った。その結果、以前の降雨(3月13日以前)で形成した融解凍結クラストの上に載ったスラブ内には、十分に結合力を高めていない箇所があり、新雪及びこしまり雪が観察された。硬度の高いスラブに結合力の弱い雪が薄く挟まり、雪崩発生の原因となることがある」と発表。
3月2日に現場で雨が降ったことはアメダス奈川の気象データの降水、気温よりわかるが、その上の積雪強度が問題だろう。
自ら積雪強度の場所によるバラツキを「積雪の空間的多様性」といいます。と言っておきながらhttps://snow.nadare.jp/magazines/2020/000012.html
SPIN積雪観察情報の発表は一ヵ所だけ、しかも破断面南東部脇(ピットNo1)http://spin.nadare.jp/profiles/3755/chart
数箇所でデータ採取したとのことであるから標高の一番高い部分もSPIN積雪観察情報があるはずであるが公開しなかった事に疑問がのこる。
「積雪の空間的多様性」は日射や風の影響で積雪の状況は著しく変化する。
発生地点と脇では雲泥の差じゃないだろうか。
NPO法人日本雪崩ネットワークは国民を雪崩事故から守るボランティア活動が目的だろう。
全ての情報を公開して登山者やバックカントリー愛好家を雪崩から守る情報は公開すべきだと思う。
しかし、個人のボランティア活動は全て自腹であるが。
NPO法人は関連の営利事業も認められている。
理事さんの給料も出さなきゃいけないので採算を度外視しては出来ないことはわかる。
それならば、有料でもいいから情報は提供するべきだと考えるがいかがでしょう。
那須雪崩事故との共通点! 平坦地縁辺崖! 南岸低気圧通過後の北西強風!
雪崩原因としてあまり言われていない強風と地形的平坦地(緩やかな傾斜があっても風を乱す要因が少ない地形)
乗鞍は位ヶ原の平坦地と南岸低気圧通過後の北西強風で雪が吹きだまる崖地形で発生。
那須は溶岩が冷え固まった末端の崖に溶岩台地を駆け下った北西強風で雪が吹きだまった。
(3月27日追加)
乗鞍は位ヶ原の平坦地と南岸低気圧通過後の北西強風で雪が吹きだまる崖地形で発生。
那須は溶岩が冷え固まった末端の崖に溶岩台地を駆け下った北西強風で雪が吹きだまった。
(3月27日追加)
那須雪崩事故は自然発生か?原因は? 2023年2月18日追加
立山真砂沢雪崩の防災科研の積雪観測(ピット)を見て。うん〜と思ったので調べて見た。
那須雪崩事故の原因を考える
1.原因は晴れた日が続いたことにより発生区の南東向き斜面の雪面が融解凍結ができた
2.南岸大気圧の接近により南東の強風が吹き融解凍結層の表面が風で飛ばされ氷の粒が斜面に堆積した
3.雪崩発生直前に南岸大気圧通過による北西風が強くなり南東向き斜面の崖下に大量に吹き溜まり雪崩が発生した。
2.南岸大気圧の接近により南東の強風が吹き融解凍結層の表面が風で飛ばされ氷の粒が斜面に堆積した
3.雪崩発生直前に南岸大気圧通過による北西風が強くなり南東向き斜面の崖下に大量に吹き溜まり雪崩が発生した。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
taityooooさんの記事一覧
- また起きたガイドツアーの雪崩事故 気象予報士解説 利尻 2024年 23 更新日:2024年03月21日
- 井原山 洗谷。 警察署長が遭難おきると勝手に登山禁止にした看板は福岡県警察本部長によって変えられた❣ なぜ❓「禁止」は強制と誤解され不法行為になるから❣ 11 更新日:2023年06月13日
- 糸島市が作った登山者通行禁止の看板・HPは福岡県警察本部長によって変えられた❣ なぜ❓ 管理者に法定管理権がなく不法行為になるから❣ 23 更新日:2023年06月14日
※この記事はヤマレコの「ヤマノート」機能を利用して作られています。
どなたでも、山に関する知識や技術などのノウハウを簡単に残して共有できます。
ぜひご協力ください!
はじめまして。
情報整理ありがとうございます。
私も今後の検討のために整理しようと思っていましたので、大変助かりました。
今回の雪崩事故の一報を聞いた際、昨年の雪崩事故を思い出しました。
以下、私が日記にて過去2件の雪崩事故を整理したURLです。
https://www.yamareco.com/modules/diary/303466-detail-202937
今回の事故含め、3件の事故で共通して言えることは、以下の2点かと思います。
1.東側に向けた急斜面(斜度30-50度)
2.北西風が吹いた時の雪の吹き溜まり
位ヶ原山荘付近の急斜面は上記のような場所が多いですね。
今回は数日前の南東風?でウインドクラストが形成→弱層形成 となったようですが、南、東からの太陽光線が当たりやすく、太陽高度が低い冬〜春に太陽光線が直角に照射する急斜面であったことも温度上昇し易い条件がそろっている区間だと思いました。
先行者のトレース利用のご意見、全く同感です。
先行された方の時の雪の状況やその方の力量によっては、先行者は問題なく通過できたとしても、自分が通過する際は危険なことも多々あるかと思います。
ですので、各人が勉強した上で、自己責任でトレース利用、ルーファイをすべきだと再認識しました。特に人が多い雪山では重要視すべきことかと感じました。
コメントありがとうございます。
落石に当たるような確率の事故でお気の毒です。
「備忘録:乗鞍岳、雪崩発生箇所」拝見いたしました。
雪崩ヶ所を風化させないため良い事だと思いました。
樹林限界を越えると風の影響が雪崩に大きな役割をしていると思います。
低気圧前面、降水(雪)が降るまでの暖気移流による南東の強風は斜面の変わり目(エッジ)附近を磨きをかけウインドクラスト(風がつよけりゃアイスバーン)
低気圧が通過すると寒気移流による北西の強風が南東斜面に吹き溜まり、頭でっかちの不安定積層をつくる。
今回はアイスバーンの下斜面も晴天が続いたため融解凍結層となりと滑り易い状況だったと推測されます。
全山全層ザラメになるまでは要注意ですね。
ご返答、ご解説ありがとうございます。大変勉強になります。今後も山ノートへのご投稿、ご解説を宜しくお願い致します。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する