モンベルの昔のスノースパイク6クイックフィットのバンド交換
モンベルの昔のスノースパイク6クイックフィットの樹脂製バンドが経年劣化により硬化して今にも分解しそうだったのと,このバンドとアイゼン本体をつなぐ金具の一つが破断してしまった.それに,このクイックフィットバンドは,かさばるため収納しにくく,バンドも細く硬いため3シーズン用登山靴(いわゆる夏靴,トレッキングシューズ)に装着すると足が痛くなりやすく不満が多かった.硬い冬靴ならば痛くはならないが,冬靴にこうした軽アイゼンをつけることはまずない.また,今,販売されているものは改善されているようだが,当時のものは,雪が付着するとバンドをリリースしにくくなる問題があった.
まずは,夏靴にスノースパイク6を取り付けた様子.バンドの黄色の部分を押すとリリースできるが,雪がつまると押せなくなる問題があった.また,冬靴にはちょうどいいが,トレッキングシューズ用には青色の樹脂製バンドが長すぎる.ナイロンバンドのように末端処理ができるわけでもないし.
まずは,夏靴にスノースパイク6を取り付けた様子.バンドの黄色の部分を押すとリリースできるが,雪がつまると押せなくなる問題があった.また,冬靴にはちょうどいいが,トレッキングシューズ用には青色の樹脂製バンドが長すぎる.ナイロンバンドのように末端処理ができるわけでもないし.
アンチスノープレートも傷だらけになったせいか,雪が付着しやすくなってきた.いずれは取り外して自作することになるかも.
何はともあれ,厄介な樹脂製バンドを切り離した.
切り離された樹脂製バンド
詳しい説明は後でするとして,いきなり完成した全体像.
まずは,外側(左側の左側)から見た写真.バンドが長すぎる気がするが,冬靴につけるとこれでぎりぎりの長さになってしまう.冬靴につけるかはわからないが念のため.
まずは,外側(左側の左側)から見た写真.バンドが長すぎる気がするが,冬靴につけるとこれでぎりぎりの長さになってしまう.冬靴につけるかはわからないが念のため.
内側(左側の右側)から見た写真.
上から見た写真.
下から見た写真.あまり意味がないか.
外側ジョイント部分.以前,ヤマノートでスノーシューやワカンの修理の記事を掲載した際,ナイロンバンドの接続にミシンやリベッターを使ったが,そんなものを持っていないし使えないので代替手段はないかと問い合わせがあった.そこで,今回は,ミシンやリベッターを一切使わず,接着剤(セメダイン スーパーXシリーズ)のみを使って作ることにした.このジョイント部分は4本のナイロンバンドを接続しているが,接着剤しか使っていないが正しく接着剤を使えば十分な強度がある.
正しく接着剤を使うというのは,圧着が必要ということである.小型の万力やクランプがあるとある程度乾いて固定されるまで手で持っている必要がないので楽である.
内側は,直径30mmの丸カンを使った.
アイゼンが靴に対して前方にずれるのを防ぐため,ワンタッチアイゼン用のコバではないが,ヒールのちょっとした凹みにバンドが来るように設計し,バックルで締め付け強度を変えられるようにした.
アイゼン単体では,こんな感じ.バンドだけなので,非常にコンパクトに収納できるようになった.アイゼン本体と樹脂製バンドを接続する金具は,後部はすべて外して,前部はそのまま使うことにした.破断したのも後部だった.
そういえば,もう一つ,スノースパイク6の不満があった.靴がアイゼンに対して前方にずれることを防ぐために,ヒールをひっかける小さな突起があるのだが,この突起が小さすぎて,靴によっては簡単にこの突起を乗り越えてしまい意味をなさない.モンベルの登山靴は,このアイゼンとの相性を考えられて作られているのかもしれないが.それに,男性の靴の場合,靴に対してアイゼンが後ろに来すぎる気がする.現行のモデルでは突起の位置が後ろにつけられる改善がなされているようだ.そこで,9mm角のL型のアルミの棒?を買ってきて適切な長さにカットして接着剤でアイゼンにつけてみた.
装着したらこんな感じになる.うまく引っかかってくれている.
とまあ,これで完成なのだが,アイゼンと樹脂製バンドを接続する金具を取り払ってしまったので,その接続は,アイゼン本体の金属とナイロンバンドを直接,接着剤で止めている.底部なので岩などで傷がつく可能性があり,強度が弱いとすれば,この部分である.
そこで,ここからはやや中級レベルのDIYが必要になるのだが,この部分の形に合うように適当な金属板をディスクグラインダーで切り出し,もともとアイゼン本体についている固定穴に合わせて電動ドリルで穴をあけ,M4のねじで固定した.事前に接着剤でも固定した.
表側はこんな感じ.ありあわせのねじを使ったため不揃いであるが問題はない.
今回は,ナイロンバンドの接続に接着剤のみを使ってみたが,全てを同時に接着することは困難で,工程ごとに接着して乾かしてから次の工程に移るということをしなければならないため,正直,時間がかかった.作業自体にはそれほど時間はかかっていないが,完全に接着剤が乾き固定されるまで24時間なので,放置している時間が多く,完成までには結構な時間がかかってしまった.ミシン(私は裁縫道具ではなく電動工具だと思っている)やハンドリベッター(そんなに高くない)を使ったほうが正直,楽である.
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