基準点成果等閲覧サービス(https://sokuseikagis1.gsi.go.jp/top.html )から三角点データをダウンロードし、スーパー地形、地図ロイドなどの登山地図アプリに表示する方法を説明します。
登山地図アプリに表示させることで、登山道上にある三角点の等級(一等から四等)、名称、標高がわかるようになり、登山の楽しみが広がります。
今回はQGISを使う方法を説明します。
(参考:カシミール3Dを使う方法はこちら https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=3517 )
なお、ヤマノートの制約上、画像が小さく表示されていますが、クリックをすることで拡大できます。
登山地図アプリに表示させることで、登山道上にある三角点の等級(一等から四等)、名称、標高がわかるようになり、登山の楽しみが広がります。
今回はQGISを使う方法を説明します。
(参考:カシミール3Dを使う方法はこちら https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=3517 )
なお、ヤマノートの制約上、画像が小さく表示されていますが、クリックをすることで拡大できます。
QGISをパソコンにインストールする
三角点データの編集・変換をするため、パソコンにQGISというGISソフトをインストールします。
https://qgis.org/ja/site/
QGISのインストール方法は、例えば以下のようなサイトが参考になります。
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/other/QGIS_manual.pdf
デスクトップにできたフォルダにある「QGIS Desktop 3.xx.x」(xx.xはバージョンによって異なります)をダブルクリックし、ソフトが立ち上がることを確認してください。
https://qgis.org/ja/site/
QGISのインストール方法は、例えば以下のようなサイトが参考になります。
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/other/QGIS_manual.pdf
デスクトップにできたフォルダにある「QGIS Desktop 3.xx.x」(xx.xはバージョンによって異なります)をダブルクリックし、ソフトが立ち上がることを確認してください。
三角点座標データのダウンロード
次に「基準点成果等閲覧サービス」から三角点座標データのダウンロードをします。
以下のリンクの下の方にある「PC版基準点検索入口」をクリックしてください。
https://sokuseikagis1.gsi.go.jp/top.html
以下のリンクの下の方にある「PC版基準点検索入口」をクリックしてください。
https://sokuseikagis1.gsi.go.jp/top.html
左側ペインの「詳細検索」タブをクリックし、以下の通り選択。
・等級種別は「一等三角点、二等三角点」or「三等三角点」or「四等三角点」
※一度に1,000データまでしか検索できないため、三等三角点、四等三角点は別々に検索します。
※全選択を2回クリックし、すべてクリアしてから選択すると楽です。
・ダウンロードしたい都道府県を選択(例:山梨県)
・検索件数を1,000に設定
上記の通り選択後、「全国から検索」を押すと地図に三角点の大まかな位置が表示されます。
なお、この時点で検索結果が1000「未満」になっていることを確認してください。
(1000件と表示される場合には1000件を超過している可能性が高いです)
「検索結果をリスト表示」を押すと三角点のリストが表示されます。
CSVファイル出力の前に、緯度経度表示の設定を行う必要があります。
「CSV保存項目設定」を押し、緯度経度表示を「DEG : DD.DDDDDDDD」にしてください。
・等級種別は「一等三角点、二等三角点」or「三等三角点」or「四等三角点」
※一度に1,000データまでしか検索できないため、三等三角点、四等三角点は別々に検索します。
※全選択を2回クリックし、すべてクリアしてから選択すると楽です。
・ダウンロードしたい都道府県を選択(例:山梨県)
・検索件数を1,000に設定
上記の通り選択後、「全国から検索」を押すと地図に三角点の大まかな位置が表示されます。
なお、この時点で検索結果が1000「未満」になっていることを確認してください。
(1000件と表示される場合には1000件を超過している可能性が高いです)
「検索結果をリスト表示」を押すと三角点のリストが表示されます。
CSVファイル出力の前に、緯度経度表示の設定を行う必要があります。
「CSV保存項目設定」を押し、緯度経度表示を「DEG : DD.DDDDDDDD」にしてください。
リストの下にある「CSVファイル出力」をクリックするとログイン画面が出てきます。
ダウンロードするには国土地理院の共通システムにログインする必要があります。登録をしていない場合には、新規登録をしてください。
なお、利用目的を聞かれますが、該当するものがない場合には選択せずともダウンロードできます。
ダウンロードするには国土地理院の共通システムにログインする必要があります。登録をしていない場合には、新規登録をしてください。
なお、利用目的を聞かれますが、該当するものがない場合には選択せずともダウンロードできます。
CSVデータの編集
「一等三角点、二等三角点」「三等三角点」「四等三角点」を別々にダウンロードするため、ファイルを1つにする必要があります。
すべてのCSVファイルを開き、コピー&ペーストで一つのファイルに統合します。
すべてのCSVファイルを開き、コピー&ペーストで一つのファイルに統合します。
まず、不要な列を削除します。
「name」という列を新たに作成し、数式で三角点の等級と三角点名を繋げます。これがGPXポイントの名称になります。
標高列は「ele」という名前に変更します。
また、スーパー地形で三角点をクリックしたときに標高がポップアップするようにするため、「cmt」という列を新たに作成し、標高列のデータをコピーします。これがGPXファイルの備考(または説明)になります。(地図ロイドの場合は不要です)
「name」という列を新たに作成し、数式で三角点の等級と三角点名を繋げます。これがGPXポイントの名称になります。
標高列は「ele」という名前に変更します。
また、スーパー地形で三角点をクリックしたときに標高がポップアップするようにするため、「cmt」という列を新たに作成し、標高列のデータをコピーします。これがGPXファイルの備考(または説明)になります。(地図ロイドの場合は不要です)
「名前をつけて保存」でCSV形式で保存します。以上でCSVファイルの準備は終了です。
(excelに入力した数式はCSV保存時に自動的に削除されます)
(excelに入力した数式はCSV保存時に自動的に削除されます)
CSVファイルをQGISに読み込み
QGISの「レイヤ」メニューから「データソースマネージャ」を選択します。
ダイアログでは以下の通り設定します。
・左ペインの「CSVテキスト」を選択
・ファイル名の右横の「・・・」ボタンをクリックして、開きたいCSVファイルを選択
・文字コードは「Shift_JIS」 ※「サンプルデータ」が文字化けしていないことを確認してください。
・X値は「東経」 ※東経と北緯を間違えないように注意。
・Y値は「北緯」
・ジオメトリは「EPSG:6668 - JGD2011」
ここまでできたら右下の「追加」ボタンを押します。
うまくいっていればQGISにポイントデータのレイヤが追加されるはずです。
・左ペインの「CSVテキスト」を選択
・ファイル名の右横の「・・・」ボタンをクリックして、開きたいCSVファイルを選択
・文字コードは「Shift_JIS」 ※「サンプルデータ」が文字化けしていないことを確認してください。
・X値は「東経」 ※東経と北緯を間違えないように注意。
・Y値は「北緯」
・ジオメトリは「EPSG:6668 - JGD2011」
ここまでできたら右下の「追加」ボタンを押します。
うまくいっていればQGISにポイントデータのレイヤが追加されるはずです。
GPXファイルとして保存する
QGISに追加されたCSVテキストのレイヤを、GPXファイルとして保存します。
レイヤ名を右クリックし、「エクスポート」ー「新規ファイルに地物を保存」をクリックします。
レイヤ名を右クリックし、「エクスポート」ー「新規ファイルに地物を保存」をクリックします。
ダイアログボックスで次の通り設定します。
・形式 → GPS eXchange Format [GPX]
・ファイル名 → 保存したいフォルダを選択し、ファイル名を入力。例えば「山梨県.gpx」
・座標参照系 → EPSG:4326 - WGS 84
・エクスポートするフィールドを選択
一旦「すべての選択を解除」を押したのち、「name」「ele」「cmt」をクリックして選択。
※座標参照系としてWGS84が選択できない場合は、座標参照系の右側にある地球儀アイコンをクリックし、CRS設定ダイアログで「EPSG:4326」を入力し、WGS 84を選択します。
※なお、国土数値情報のJGD2011とWGS84にほとんど誤差はないので、測地系を変換せずにGPX化しても問題ないはずです。
ここまでできたらOKを押します。
・形式 → GPS eXchange Format [GPX]
・ファイル名 → 保存したいフォルダを選択し、ファイル名を入力。例えば「山梨県.gpx」
・座標参照系 → EPSG:4326 - WGS 84
・エクスポートするフィールドを選択
一旦「すべての選択を解除」を押したのち、「name」「ele」「cmt」をクリックして選択。
※座標参照系としてWGS84が選択できない場合は、座標参照系の右側にある地球儀アイコンをクリックし、CRS設定ダイアログで「EPSG:4326」を入力し、WGS 84を選択します。
※なお、国土数値情報のJGD2011とWGS84にほとんど誤差はないので、測地系を変換せずにGPX化しても問題ないはずです。
ここまでできたらOKを押します。
保存先としたフォルダにGPXファイルが出力されていれば成功です。
iPhoneのスーパー地形アプリにGPXファイルを取り込む
iPhoneに取り込む方法として、「スーパー地形」の例を説明します。(スーパー地形アプリのインストールの説明は省略します。)
作成したGPXファイルをicloudなどのストレージに保存、または、自分宛てにメールで送付し、iPhoneからファイルにアクセスできるようにします。
作成したGPXファイルをicloudなどのストレージに保存、または、自分宛てにメールで送付し、iPhoneからファイルにアクセスできるようにします。
取り込みたいファイルをクリックします。スーパー地形以外のアプリが立ち上がる場合には、長押しして「共有」からスーパー地形を選択します。
データの取り込みに成功した場合、「GPS」タブの「ポイント一覧」を開くと、取り込んだ三角点の一覧が表示されるはずです。
複数の県のデータをダウンロードすることを考え、データの種類別・県別のフォルダを作成することをおすすめします。フォルダの横にあるボタンをクリックすると、フォルダ内のアイコンの一括表示・一括非表示を簡単に行うことができます。
複数の県のデータをダウンロードすることを考え、データの種類別・県別のフォルダを作成することをおすすめします。フォルダの横にあるボタンをクリックすると、フォルダ内のアイコンの一括表示・一括非表示を簡単に行うことができます。
アイコンは左下の「全選択」を押して、「選択メニュー」から「複数プロパティ」を選ぶと、フォルダ内のアイコンを一括で変更することが可能です。
例えば、県別の三角点を入れたフォルダで「一等_」と検索すれば、一等三角点のみを表示させることが可能です。左下の「全選択」を押し、右下の「選択メニュー」から複数プロパティを設定することで、三角点の等級に合わせたアイコンにすることも可能です。
例えば、県別の三角点を入れたフォルダで「一等_」と検索すれば、一等三角点のみを表示させることが可能です。左下の「全選択」を押し、右下の「選択メニュー」から複数プロパティを設定することで、三角点の等級に合わせたアイコンにすることも可能です。
出来上がりのイメージです。三角点のアイコンをクリックすると、備考列に入力した標高がポップアップに表示されます。
Androidの地図ロイドアプリにGPXファイルを取り込む
【注意事項】ダウンロードしたCSVファイル及びGPXファイルについて
基準点等閲覧サービスのホームページを見ると
「本サービスで公開している情報を御利用いただく際は、国土地理院コンテンツ利用規約 に従う」ことや「本サービスにて基準点測量成果を出力した場合でも、使用する際は必ず承認を得て」ことなどの注意事項が書かれており、ダウンロードした三角点データを使って良いのか迷うことと思います。
このため、今回ヤマノートの作成にあたって国土地理院に問い合わせを行いました。
回答の要旨は以下のとおりです。
・ダウンロードしたCSVをもとにGPXファイルを作成し、登山地図アプリに入れて閲覧することは、
利用するのが自分のみであれば私的利用の範囲であるため、承認申請は不要。
・GPXファイルの作成方法をHP(ヤマノート)に掲載することも、申請不要。
CSVや作成したGPXを他人と共有することは私的利用の範囲を超えることになるため、申請等の手続きが必要になると思われます。ご注意ください。
「本サービスで公開している情報を御利用いただく際は、国土地理院コンテンツ利用規約 に従う」ことや「本サービスにて基準点測量成果を出力した場合でも、使用する際は必ず承認を得て」ことなどの注意事項が書かれており、ダウンロードした三角点データを使って良いのか迷うことと思います。
このため、今回ヤマノートの作成にあたって国土地理院に問い合わせを行いました。
回答の要旨は以下のとおりです。
・ダウンロードしたCSVをもとにGPXファイルを作成し、登山地図アプリに入れて閲覧することは、
利用するのが自分のみであれば私的利用の範囲であるため、承認申請は不要。
・GPXファイルの作成方法をHP(ヤマノート)に掲載することも、申請不要。
CSVや作成したGPXを他人と共有することは私的利用の範囲を超えることになるため、申請等の手続きが必要になると思われます。ご注意ください。
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※この記事はヤマレコの「ヤマノート」機能を利用して作られています。
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