昔のメモより抜粋。今でいう「低体温症」について。
凍死とは、体温が20℃以下になって死亡することであり、
凍傷とは根本的に違う。
人間の体温は常に36℃〜37℃前後に保たれているが、
気温が低くなると体内の体温が外へ放散される。
体温を保つために人間の身体は筋肉を引き締めたり、震えを起こしたり、
自発的に身体を動かすことによって熱を発生させ、
体温の低下を防ぐ仕組みになっている。
しかしながら、産熱能力を上回る寒さであったり、
あるいは疲労困憊状態でエナジィが残っていない状態になると、
産熱能力がなくなって体温が低下する。
28℃を下回ると蘇生は難しくなっていき、
(この死の一歩手前の状態のことを凍沍という)
20℃以下になると死亡(凍死)する。
凍死に至るまでの症状は大きく以下の4つに分類される。
※正常な直腸温は37度、血糖値は80mg/dl〜100mg/dl。
・第1期
【体温】36〜34℃
【血糖値】70〜50mg/dl
【症状】
猛烈に寒く、震えが止まらない状態になる。
脈拍、呼吸数増加、血圧上昇。意識ははっきりしているが、
食欲は減退することがある。
・第2期
【体温】34〜27℃
【血糖値】50〜30mg/dl
【症状】
大脳の活動が低下する。脈拍や呼吸が弱まり、血圧下降。皮膚が暗紫色になる。
身体が硬直し、筋肉の痙攣が起こる。
さらに進むと呼吸困難になり、眼前が暗くなり、歩行能力の低下、
意識や感覚も低下する。猛烈な睡魔に襲われてあくびを連発する。
幻想、幻覚を見、時に興奮状態になって暴れたり、衣服を脱いだりする。
所謂よく知られた症状はこの第2期に該当する。
・第3期
【体温】27〜22℃
【血糖値】30〜20mg/dl
【症状】
血圧がさらに低下、筋肉が弛緩し始め、尿や便が体内にあれば失禁する。
意識がなくなり、仮死状態になる。
この状態を凍沍といい、蘇生は困難となる。
・第4期
【体温】20〜18℃
【血糖値】20mg/dl以下
【症状】
死亡。
<予防>
エネルギー源(とりわけ糖質と脂質)を十分摂取するように努め、
体温を逃さないように、スリーレイヤードシステムの概念を効率よく活かして、
保温効果を図りつつ、発汗による放熱を防止できるよう、着衣の着脱を工夫する。
運動時は、36.5℃〜37.5℃が最も効率的に機能する体温帯であり、
このエリアを上回っても、下回っても運動機能が低下、体力を消耗するため、
レイヤードシステムを活用してこの体温帯の維持に努める。
ゴアテックスなどの皮膚を水濡れから守る素材、
ウールなど濡れてもダメージの少ない素材、
保温と保湿を両立させた化学繊維質の素材を活用する。
カイロなどの加温具も効果的。
<行動時の留意点>
道に迷ったり、天候の急変に遭遇したりしたときは、
余力のあるうちにテント設営や雪洞設営適地を探しながら、
早めにビバーク態勢を取る。
ビバーク時において、「眠ったら死ぬ」というのは俗説で、
むしろ暖かいものを十分に摂り、糖分を含んだ場合は、眠ることで体力が回復する。
それでも凍死するような状況下に陥った場合、
いずれにせよ凍死前に寒さのために目が覚める。
<凍沍状態における処置>
脈拍があり、息が残っていれば蘇生する可能性がある。
山小屋やテント、雪洞などに運び入れ、濡れた着衣を脱がせて身体を拭き、
乾いた肌着を着せた上でシュラフか毛布にくるみ、
身体の周囲をカイロや湯たんぽなどで温める。
この時に低温火傷にならないように注意が必要。
シュラフや毛布に入った状態で、体力がある者がスキントゥスキンで温めるのも効果的。
<意識回復後の処置>
意識が戻り、額に汗が出てきたら保温具を除き、暖かい砂糖湯を飲ませる。
糖は多いに越したことはなく、欲しがるだけ与えてよい。
もしあれば、ビタミンB1やC、アミノ酸、クエン酸を含んだ栄養剤を与えると、
糖分燃焼、疲労回復を促進させる。
身体を温めるために酒を飲むという俗説があるが、
これは体温放散が促進されるので、逆効果である。
凍傷とは根本的に違う。
人間の体温は常に36℃〜37℃前後に保たれているが、
気温が低くなると体内の体温が外へ放散される。
体温を保つために人間の身体は筋肉を引き締めたり、震えを起こしたり、
自発的に身体を動かすことによって熱を発生させ、
体温の低下を防ぐ仕組みになっている。
しかしながら、産熱能力を上回る寒さであったり、
あるいは疲労困憊状態でエナジィが残っていない状態になると、
産熱能力がなくなって体温が低下する。
28℃を下回ると蘇生は難しくなっていき、
(この死の一歩手前の状態のことを凍沍という)
20℃以下になると死亡(凍死)する。
凍死に至るまでの症状は大きく以下の4つに分類される。
※正常な直腸温は37度、血糖値は80mg/dl〜100mg/dl。
・第1期
【体温】36〜34℃
【血糖値】70〜50mg/dl
【症状】
猛烈に寒く、震えが止まらない状態になる。
脈拍、呼吸数増加、血圧上昇。意識ははっきりしているが、
食欲は減退することがある。
・第2期
【体温】34〜27℃
【血糖値】50〜30mg/dl
【症状】
大脳の活動が低下する。脈拍や呼吸が弱まり、血圧下降。皮膚が暗紫色になる。
身体が硬直し、筋肉の痙攣が起こる。
さらに進むと呼吸困難になり、眼前が暗くなり、歩行能力の低下、
意識や感覚も低下する。猛烈な睡魔に襲われてあくびを連発する。
幻想、幻覚を見、時に興奮状態になって暴れたり、衣服を脱いだりする。
所謂よく知られた症状はこの第2期に該当する。
・第3期
【体温】27〜22℃
【血糖値】30〜20mg/dl
【症状】
血圧がさらに低下、筋肉が弛緩し始め、尿や便が体内にあれば失禁する。
意識がなくなり、仮死状態になる。
この状態を凍沍といい、蘇生は困難となる。
・第4期
【体温】20〜18℃
【血糖値】20mg/dl以下
【症状】
死亡。
<予防>
エネルギー源(とりわけ糖質と脂質)を十分摂取するように努め、
体温を逃さないように、スリーレイヤードシステムの概念を効率よく活かして、
保温効果を図りつつ、発汗による放熱を防止できるよう、着衣の着脱を工夫する。
運動時は、36.5℃〜37.5℃が最も効率的に機能する体温帯であり、
このエリアを上回っても、下回っても運動機能が低下、体力を消耗するため、
レイヤードシステムを活用してこの体温帯の維持に努める。
ゴアテックスなどの皮膚を水濡れから守る素材、
ウールなど濡れてもダメージの少ない素材、
保温と保湿を両立させた化学繊維質の素材を活用する。
カイロなどの加温具も効果的。
<行動時の留意点>
道に迷ったり、天候の急変に遭遇したりしたときは、
余力のあるうちにテント設営や雪洞設営適地を探しながら、
早めにビバーク態勢を取る。
ビバーク時において、「眠ったら死ぬ」というのは俗説で、
むしろ暖かいものを十分に摂り、糖分を含んだ場合は、眠ることで体力が回復する。
それでも凍死するような状況下に陥った場合、
いずれにせよ凍死前に寒さのために目が覚める。
<凍沍状態における処置>
脈拍があり、息が残っていれば蘇生する可能性がある。
山小屋やテント、雪洞などに運び入れ、濡れた着衣を脱がせて身体を拭き、
乾いた肌着を着せた上でシュラフか毛布にくるみ、
身体の周囲をカイロや湯たんぽなどで温める。
この時に低温火傷にならないように注意が必要。
シュラフや毛布に入った状態で、体力がある者がスキントゥスキンで温めるのも効果的。
<意識回復後の処置>
意識が戻り、額に汗が出てきたら保温具を除き、暖かい砂糖湯を飲ませる。
糖は多いに越したことはなく、欲しがるだけ与えてよい。
もしあれば、ビタミンB1やC、アミノ酸、クエン酸を含んだ栄養剤を与えると、
糖分燃焼、疲労回復を促進させる。
身体を温めるために酒を飲むという俗説があるが、
これは体温放散が促進されるので、逆効果である。
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