20140426
アイテムレポート
イスカ エア810Xショート(2014年04月購入)
私の個人的な主観による例です。内容はともかく、手順と考え方を参考にして下さい。
1.シュラフの必要性
まあ、シュラフ一つで大そうに、との考えもあるでしょうが、冬季のシュラフは、ある意味、宿泊先ホテルのベッドです。山小屋で、一晩を暖かく過ごすか、寒さに耐えるのか、夜を心地よく過ごすためのサービスとしてシュラフの存在価値は高いと思います。
「一夜だけをいかにして暖かく過ごすか」だけなら、服の重ね着、飲食素材の工夫、カイロなどのアイテムの使用など、沢山の方法があります。しかし、現実的には、例えば50Lバックの指定された区画に収まることの出来るシュラフに限定されるので、選択が必要となります。
シュラフの購入にあたり、重要な要素は目的と個人の身体の体質です。そこから、何を重要視するかを決めて、それにあった商品を選ぶのが手順です。目的は明確になりますが、自分の体調は、生ものなので良く見えないとことがあります。自己の身体について以外に知らない事実が分かります。
他方で、体調はある程度変えられることも理解しておくべきです。トレーニングにより基礎代謝を高めて、寒さに強い体をつくるのも、一つの方法です。寒さに強いことは、冬山登山をする上で大きなメリット。肉体が最高の装備になります。それにより経済的にも安価で、荷物も少なくて済みます。
例えば、寒さに強い人は、薄手のシュラフを使用出来きます。寒さに強い人は、M社のダウンハガー3番(リミットはプラス1度)で冬季の山小屋泊まりなら、工夫次第で十分に対応出来るでしょう。それを、2番にすると、リミットはマイナス5度なりますが、5,000円高くなり、重量が300g、容量が1.7L増加します。しかし、前述のとおり、工夫が出来るので、温度は積み上げることが出来ます。商品のスペックだけにとらわれないようにすることが大切です。私も、後で気づきました。
暖かくする為に様々な方法があり、関連商品も沢山ありますが、まずは今の自分の身体を客観的に知ることが基本だと思います。
2.シュラフの選定
(1)身体の特徴、使用条件を書き出し、方針を決める
?身体の特徴
・冬の寒さに対してかなり着込む寒がり。夏はある程度大丈夫。
・活動中の汗は少ないが寝汗は多いように感じる。
・持久力は並、瞬発力は劣。夜は弱く、朝は大丈夫。
・胃腸はデリケート、皮膚は敏感、視力は弱い乱視と老眼。
・耳と鼻は寒風に特に弱い。手足はしも焼けになることがある。
・強い日差しの元では、日焼けして皮膚がめくれることもある。
(4年前は、水行をやっていたので、冬でも水風呂に入れた経験はある。)
?使用想定
・大山厳冬期の山小屋泊まりを最低使用温度とする。
・山小屋の滞在期間は最大3泊とする。
・出来るだけ軽くて、夏山も含め1年間使用できるもの。
・現在のバックは38Lで有る為、今後、60L程度を冬季用として購入する。
?方針
大山厳冬期の山小屋泊まりに対応できる軽量タイプ。
寒がりなので、女性仕様のタイプ
後は、服装、カイロ、小物でカバーする。
(2)商品選定
?参考資料
登山商品のスタンダードであるM社の、パンフレットがよくまとまっている。店舗で、スリーピングバックのカタログが無料でもらうことが出来る。
?必要保持温度
真冬の最低気温の平均は、大山ではマイナス6度。(M社パンフレットより)実際、山小屋の温度計でマイナス10度を確認した。その時の山小屋内温度を、例えばマイナス7度とすると、マイナス7度対応モデルとなる。さらに、個人的な体質で寒がりなら、女性の快適温度(コンフォート温度)を使用し、そうでなければ、リミット温度を目安の温度とする。
?必要ランク
コンフォート温度がマイナス7度なら、ダウンハガーの0番(コンフォート温度マイナス7度)となる。3000m級の冬山モデルとなる。
?商品スペックと他社の商品比較
M社 ダウンハガー800ー0番のダウン量は好評されていないが、 イスカでは、概ねパフ810、エア810に相当するようです。(WEBより)
?商品候補の比較
?M社 ダウンハガー0番 (特徴:○○○、価格×××)
?イスカ パフ810、 (特徴:○○○、価格×××)
?イスカ エア810 (特徴:○○○、価格×××)
?その他の決定要素
クリーニング環境などの保全対応が整っているかなどがある。
?私の決定例
保全対応を評価し、シュラフを主力とするメーカのイスカに決定した。商品は、パフ810が売切れの為、エア810Xショートに決定した。
<参考> エア810特長
・800FPダウン810g、最低使用温度−25℃
・表生地は超八水性のナイロン66使用、身体に沿った3Dシルエット
2.商品テスト
4月10日、外気温マイナス4度で風速15m前後、山小屋内の気温計は0度のまずまずの冷え込み。
床の上に重ねたブルーシートを敷き、単品のシュラフで、服装はフリース2枚重ね+レインウェアで、全然大丈夫と思っていたが、全然暖かくない。室内温度0度で寒く感じたのは少しショックでした。
結局、エア810Xショート単品では、4月10日の体調の場合、0度ではシュラフとして使用出来ない結果となった。
3.課題と対応
課題1:商品を正しく理解し、使用方法を工夫する。
対応:暖かい空気を逃がさないよう、シュラフ内のドローコード2本をシビアに調整する。
トイレ等によるシュラフの着脱方法を改善する。使用して慣れるようにする。特に、トイレに出る場合の手順の統一。
課題2:身体を暖かくする工夫
重ね着、ハクラバ・変え靴下・ダウンジャケット、グローブの使用、カイロを背中や足の裏に張る、アルコール飲料等、シュラフの設営場所の工夫、トイレの回数を少なくする飲食など今後工夫していく。
課題3:シュラフの強化
シュラフの機能を高めるアイテムの使用:シュラフカバーとマット購入(4月19日済み)
それにより、室内温度+4度であれば、フリース1枚でまずまず暖かく眠ることが確認出来た。
済み
課題4:身体の強化
対応:基礎代謝を引き上げる為の工夫、ウオーキング、マラソン、筋肉トレーニング等
とりあえず、4月中に何かをはじめる。
4.最後に
一言にシュラフと言っても、奥が深い。身体・食事・気象等幅広く学べる。暇なのか、熱心なのか、時間も取れて、今回とてもよい機会になった。
現在は、慣れていないせいか、長く眠れないのが事実だ。身体とシュラフとの整合を図るためには、実際に使用する機械をもっと増やし、使い込む。それにより、快眠の状況確認、睡眠の質温度管理を向上させたい。4月も下旬となり気温が上昇しているので、低温でのテスト環境は得にくいが、冬季にそなえた準備期間として、安眠が確実に取れるよう、更なる勉強と検証を継続します。
アイテムレポート
イスカ エア810Xショート(2014年04月購入)
私の個人的な主観による例です。内容はともかく、手順と考え方を参考にして下さい。
1.シュラフの必要性
まあ、シュラフ一つで大そうに、との考えもあるでしょうが、冬季のシュラフは、ある意味、宿泊先ホテルのベッドです。山小屋で、一晩を暖かく過ごすか、寒さに耐えるのか、夜を心地よく過ごすためのサービスとしてシュラフの存在価値は高いと思います。
「一夜だけをいかにして暖かく過ごすか」だけなら、服の重ね着、飲食素材の工夫、カイロなどのアイテムの使用など、沢山の方法があります。しかし、現実的には、例えば50Lバックの指定された区画に収まることの出来るシュラフに限定されるので、選択が必要となります。
シュラフの購入にあたり、重要な要素は目的と個人の身体の体質です。そこから、何を重要視するかを決めて、それにあった商品を選ぶのが手順です。目的は明確になりますが、自分の体調は、生ものなので良く見えないとことがあります。自己の身体について以外に知らない事実が分かります。
他方で、体調はある程度変えられることも理解しておくべきです。トレーニングにより基礎代謝を高めて、寒さに強い体をつくるのも、一つの方法です。寒さに強いことは、冬山登山をする上で大きなメリット。肉体が最高の装備になります。それにより経済的にも安価で、荷物も少なくて済みます。
例えば、寒さに強い人は、薄手のシュラフを使用出来きます。寒さに強い人は、M社のダウンハガー3番(リミットはプラス1度)で冬季の山小屋泊まりなら、工夫次第で十分に対応出来るでしょう。それを、2番にすると、リミットはマイナス5度なりますが、5,000円高くなり、重量が300g、容量が1.7L増加します。しかし、前述のとおり、工夫が出来るので、温度は積み上げることが出来ます。商品のスペックだけにとらわれないようにすることが大切です。私も、後で気づきました。
暖かくする為に様々な方法があり、関連商品も沢山ありますが、まずは今の自分の身体を客観的に知ることが基本だと思います。
2.シュラフの選定
(1)身体の特徴、使用条件を書き出し、方針を決める
?身体の特徴
・冬の寒さに対してかなり着込む寒がり。夏はある程度大丈夫。
・活動中の汗は少ないが寝汗は多いように感じる。
・持久力は並、瞬発力は劣。夜は弱く、朝は大丈夫。
・胃腸はデリケート、皮膚は敏感、視力は弱い乱視と老眼。
・耳と鼻は寒風に特に弱い。手足はしも焼けになることがある。
・強い日差しの元では、日焼けして皮膚がめくれることもある。
(4年前は、水行をやっていたので、冬でも水風呂に入れた経験はある。)
?使用想定
・大山厳冬期の山小屋泊まりを最低使用温度とする。
・山小屋の滞在期間は最大3泊とする。
・出来るだけ軽くて、夏山も含め1年間使用できるもの。
・現在のバックは38Lで有る為、今後、60L程度を冬季用として購入する。
?方針
大山厳冬期の山小屋泊まりに対応できる軽量タイプ。
寒がりなので、女性仕様のタイプ
後は、服装、カイロ、小物でカバーする。
(2)商品選定
?参考資料
登山商品のスタンダードであるM社の、パンフレットがよくまとまっている。店舗で、スリーピングバックのカタログが無料でもらうことが出来る。
?必要保持温度
真冬の最低気温の平均は、大山ではマイナス6度。(M社パンフレットより)実際、山小屋の温度計でマイナス10度を確認した。その時の山小屋内温度を、例えばマイナス7度とすると、マイナス7度対応モデルとなる。さらに、個人的な体質で寒がりなら、女性の快適温度(コンフォート温度)を使用し、そうでなければ、リミット温度を目安の温度とする。
?必要ランク
コンフォート温度がマイナス7度なら、ダウンハガーの0番(コンフォート温度マイナス7度)となる。3000m級の冬山モデルとなる。
?商品スペックと他社の商品比較
M社 ダウンハガー800ー0番のダウン量は好評されていないが、 イスカでは、概ねパフ810、エア810に相当するようです。(WEBより)
?商品候補の比較
?M社 ダウンハガー0番 (特徴:○○○、価格×××)
?イスカ パフ810、 (特徴:○○○、価格×××)
?イスカ エア810 (特徴:○○○、価格×××)
?その他の決定要素
クリーニング環境などの保全対応が整っているかなどがある。
?私の決定例
保全対応を評価し、シュラフを主力とするメーカのイスカに決定した。商品は、パフ810が売切れの為、エア810Xショートに決定した。
<参考> エア810特長
・800FPダウン810g、最低使用温度−25℃
・表生地は超八水性のナイロン66使用、身体に沿った3Dシルエット
2.商品テスト
4月10日、外気温マイナス4度で風速15m前後、山小屋内の気温計は0度のまずまずの冷え込み。
床の上に重ねたブルーシートを敷き、単品のシュラフで、服装はフリース2枚重ね+レインウェアで、全然大丈夫と思っていたが、全然暖かくない。室内温度0度で寒く感じたのは少しショックでした。
結局、エア810Xショート単品では、4月10日の体調の場合、0度ではシュラフとして使用出来ない結果となった。
3.課題と対応
課題1:商品を正しく理解し、使用方法を工夫する。
対応:暖かい空気を逃がさないよう、シュラフ内のドローコード2本をシビアに調整する。
トイレ等によるシュラフの着脱方法を改善する。使用して慣れるようにする。特に、トイレに出る場合の手順の統一。
課題2:身体を暖かくする工夫
重ね着、ハクラバ・変え靴下・ダウンジャケット、グローブの使用、カイロを背中や足の裏に張る、アルコール飲料等、シュラフの設営場所の工夫、トイレの回数を少なくする飲食など今後工夫していく。
課題3:シュラフの強化
シュラフの機能を高めるアイテムの使用:シュラフカバーとマット購入(4月19日済み)
それにより、室内温度+4度であれば、フリース1枚でまずまず暖かく眠ることが確認出来た。
済み
課題4:身体の強化
対応:基礎代謝を引き上げる為の工夫、ウオーキング、マラソン、筋肉トレーニング等
とりあえず、4月中に何かをはじめる。
4.最後に
一言にシュラフと言っても、奥が深い。身体・食事・気象等幅広く学べる。暇なのか、熱心なのか、時間も取れて、今回とてもよい機会になった。
現在は、慣れていないせいか、長く眠れないのが事実だ。身体とシュラフとの整合を図るためには、実際に使用する機械をもっと増やし、使い込む。それにより、快眠の状況確認、睡眠の質温度管理を向上させたい。4月も下旬となり気温が上昇しているので、低温でのテスト環境は得にくいが、冬季にそなえた準備期間として、安眠が確実に取れるよう、更なる勉強と検証を継続します。
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雪崩の危険を考える(アバランナイト in 米子)受講メモ 34 更新日:2014年12月19日
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アイテムレポート01:シュラフ(20140426) 26 更新日:2014年04月26日
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