奥大勘場から人形山、岩長谷滑降



- GPS
- 10:42
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,313m
- 下り
- 1,269m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
降雪後丸1日過ぎて雪も締まりスキーでは登り易い状態。三ヶ辻山分岐になるピークへの急坂は、正面ルート氷化斜面でクトー必要だが、南側(岩長谷側)に回り込み気味に行くと比較的容易に通過できた。岩長谷滑降斜面は上部クラスト気味の曲がり難い雪面、下部は緩んで重雪だった。 |
写真
感想
当初3人パーティーの計画だったが、1人Dちゃんが直前急用のためキャンセル、前日に続いてNishidenとUさんの二人組で、富山県の東から西に移って人形山を目指した。
前日(22日) 夕方富山市内を自家用車で出発し、途中買い出しして八尾から国道471号経由で利賀村へ、利賀川沿いの最奥地である奥大勘場まで行って泊まる予定だったが、終点手前1kmの地点で道路上雪崩で進入不能、その少し手前に駐車場所を見つけて夕食、就寝とした。
23日 駐車場所から1kmを歩く必要があると思っていたが、明け方5時過ぎにブルドーザーが到着して雪崩の開通作業をしてくれた。作業終了後車で奥大勘場の除雪終点まで進んで、当初予定より約1時間遅れたがスキーを履いて出発できた。
標高730mの奥大勘場からは先ず林道歩き、出発直後の沢越えは雪が切れていて板を外して渡った。去年は雪がつながっていたところだ。県道を東に分けて牛首林道に入り、橋を渡って利賀川の左岸を進む。スノーシューのトレースが先行していたが、渓流釣り師の物で間も無く追いつき、そのおじさんは川へ下りて行って僕らの道はノートレースとなった。1136mの標高点に上がる尾根に取り付くのだが、その尾根を回り込んだ標高850mの沢沿いから取り付く。沢筋入口にある二股になった大木(たぶんミズナラ)が目印になっている。
沢から尾根へ、1136m標高点まではキックターンを繰り返す急坂だ。急坂ターンをやや苦手とするUさんだが今日は少し慣れたか、頑張っている。このルートは概ね上に行くほど緩やかになって歩き易くなる。1345mの標高点の上には痩せ尾根部分があるが、昨日の僧ヶ岳に比べれば易しく、Uさんも問題なく越えて来た。
Nishidenに起こったトラブルはシールへの雪付き団子化だった。林道歩行時の湿り雪で濡れたのがその後雪温低下で付きやすい状態になったのだろうが、Uさんには起きてない。これが起きるとスキーが滑らないし重くて辛くなり、酷くなると蹴飛ばしても落ちてくれない。時々Uさんに先頭をお願いし、3度ほどスキーを裏返して雪を綺麗にこそぎ落として対処した。1500m以上の稜線に達して漸く起きなくなった。
利賀村と平村の境になる稜線に上がると標高1530mから1620mの間で5個ほどのピークを通って行く。大概のピークは横腹をトラバースして通過できる。晴れて見晴らしがよく、進む正面に目指す人形山が見えて来て、次第に大きくなる。人形山に着く前には三ヶ辻山との分岐になるピークに上がらなくてはいけないが、その標高差100mの斜面がいかにも急で難しそうであり、それも次第に大きく迫ってくる。
さて、分岐ピーク直前の鞍部まで来た。一部は氷化しているが、乗れる雪面がつながっているルートを求めて正面を登ってみる。しかし遂に、どちらに進んでも氷化斜面でクトーが上手く使えないと登れない。これでは今日も登頂は無理かなとUさん戻って行き、さらに滑降斜面となる岩長谷側に逸れて行くと、ありゃ、突然Uさんの姿が見えなくなった。ヒドンクレバスに落ちてしまったのである。昨日に続いて今日も、全身すっぽり落ちてしまったが、幸い怪我も何もなく、Uさん自力で這い上がって来た。
益々敗退ムードになって岩長谷側に回り込んで行ったが、雪面は硬くなくなり、登って行けるではないか。気を取り直して再び登りに入り、ほどなく緩い斜面になってピークに達した。もっと地図と地形をよく読めばより早くから良いルートを見つけられたろうと反省だ。
午後1時近くだがまだ大丈夫だろう、人形山への最後の稜線を進む。一つ手前のピークが割れ目が入って危そうだったが、登ってみると特に難所ではなかった。
遂に人形山の小広い山頂に到達。登り7時間の頑張りだった。若干霞んでいるが白山方面が展望できる。
さて人形山頂から分岐ピークに戻るのには若干痩せた部分と3箇所ほどの登り返しがある。Nishidenは山頂でシールを外したが、Uさんは分岐ピーク近くまでシールのまま戻った。
Uさんもシールを剥がして2人とも滑降モードとなり、先ず水平トラバースで岩長谷の源頭になる緩い鞍部へ。そして大斜面に突入する。立木少なく真っ白な雪面であるが、歓喜のパウダーとは行かずクラスト気味の曲がり難いものであった。Nishidenは斜滑降長めの大きなターン、Uさんは斜滑降キックターンで下りて行く。しばらく下りて斜度も少し緩くなり、雪面も少しは軟らかくなりNishidenは小回りターンが出来るようにはなったが、やはり重いので力を使い疲れる。
雪崩のデブリも一部にあったが問題なく回避して進めた。次第に谷が狭まり、標高1000mで作業林道に出会うが、その少し手前で、動物が僕ら2人の間を駆け抜けて沢横の窪みに逃げ込んだ。体長50cm位の幼いカモシカだ。可愛い! 窪みからは僕らが居る方に戻らないと逃げられずじっとしてくれたので、写真を撮ることが出来た。
作業林道は、去年ここを辿ると雪崩斜面となり、結局川床に下りたので今回はずっと川床を行く。しかし去年は殆ど見えなかった流れは今回は出ていて、落ちない注意が要るし、右岸か左岸かを間違うと行き詰る。どうにか雪がつながって岩長谷橋の手前まで来たが、最後の難所として堰があった。手前は雪がつながって壁の上には上がれたが、その向こうは切れ落ちている。一ヵ所だけスノーブリッジが残っていたが狭くて薄い。落ちないでくれと念じながら、そろりそろりと渡り終えた。その後は雪原状となって容易に橋の上に達した。
林道上はじゅくじゅくの雪となりあまり滑らない。トレースまで戻れば楽になるだろうと40分頑張って朝のトレースに合流したが、トレース上も同じように沈んで抵抗はあまり変わらない。朝より雪が緩んだからなのだ。それでも後半の方が下りが多いので楽にはなった。橋を渡って県道までの緩い登りを一頑張り、奥大勘場に戻って来た。
天竺温泉の湯に入って富山市に戻り、キャンセルDちゃんも加わって打ち上げ飲み会、Uさんは夜行バスで東京に戻るのだが、明日は朝から普通に仕事だと元気いっぱいで帰って行った。
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