大朝日岳 FINAL

- GPS
- 33:00
- 距離
- 37.6km
- 登り
- 2,386m
- 下り
- 2,382m
コースタイム
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 8:37
- 山行
- 8:51
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 11:22
| 天候 | 12日:晴れ 13日:午前は晴れ、午後から曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
根子川林道は除雪されていないので、登山口の日暮沢小屋までは徒歩でアクセス。 約6kmの林道歩きを経て、日暮沢小屋へ到着しました。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
●根子集落〜日暮沢小屋 根子川林道は除雪されていないので、登山口の日暮沢小屋まで約6Kmの歩き。 林道の積雪量は10冂度で、ラッセルの負荷はあまり無かった。 ●日暮沢小屋 小屋の周りに雪は少なく、まだ1階から出入出来る。 小屋内のトイレは使用可能。 ●日暮沢小屋〜ゴロビツ沢源頭 今回の山行で最も辛い区間。 もう夏道は視認できない状態なので、ルートファインディング要。 ルート上に目印は殆ど無く、薮で視界が開けないので進路が判りにくい。 まだ雪量が少ないので灌木は埋まりきっておらず。 P809以降は急登のラッセルに加え、薮漕ぎも強いられるのでかなり辛い。 ゴロビツ沢源頭を過ぎれば薮は疎らになり、幾らか楽になるが・・・ そこに到達する前に心が折れそう。 ●ゴロビツ沢源頭〜ユーフン山 ゴロビツ以降は薮は疎らになり歩きやすくなった。 清太岩山以降は雪がクラストし、更に歩きやすくなった。 ●ユーフン山〜竜門山 ユーフン山から先はナイフリッジ帯が続く。 まだ雪は少なく角度は鈍いが、両側が切れ落ちているので滑落危険有り。 雪は比較的安定した状態で特に困難は無かったが、降雪直後や強風時は危険。 ●竜門小屋 今回の宿。 強風のせいか小屋の周りに雪は少なく、1階から入れる。 小屋内トイレは冬期用が使用可能。 水場はもう利用出来ないので、飲食用水は雪を溶かして調達。 利用料金は1500円、冬期は無人小屋なので小屋内の料金箱に納める。 ●竜門山〜大朝日岳 稜線上は全域クラストしており、ラッセル無し。 天気が良く視界明瞭、且つ風も穏やかだったので、特に困難となる箇所は無かった。 中岳の夏道はピークを通らず、北側を巻くように続いているが、 夏道には豊富に雪が堆積しており雪壁状になっている。 滑落危険がある為、夏道は辿らず、中岳ピークを通って通過した。 ●大朝日小屋 小屋前に雪が堆積しているが、まだドアノブまでは達しておらず、 除雪せずとも1階から入れた。 小屋内のトイレは使用可能。 |
写真
感想
12月にしては珍しいくらいに穏やかな天候に包まれた週末。
今季、最後となる朝日連峰、大朝日岳への登頂を試みた。
大朝日岳は、積雪期ともなると深い雪に閉ざされ、東北において冬期登頂が
最も困難な山の一つとなる。
だが、先週の陽気によるものか、例年に比べると随分雪が少ない。
根子川林道からすでに雪道ではあったが、積雪量は少なくラッセルの負荷は無し。
登山口である日暮沢小屋には呆気なく到着した。
驚くほどに順調な歩き出し。
この調子では大朝日岳登頂は容易いであろう、
そう思いそうになるが、雪が少ない事は必ずしも良い事では無い。
初冬の朝日連峰で、最も辛いのが序盤の樹林帯。
まだ十分な積雪量が無い為、登山道に群生する灌木は埋まりきっておらず、
薮漕ぎを伴うラッセルとなる。
今回選んだ日暮沢コースでは、ゴロビツ沢源頭を抜けるまでの薮が特に酷く、
灌木系の強固な薮には辟易させられ、時には薮に足を取られ転倒して雪まみれ。
なかなかペースは捗らず、夏道であれば1時間もあれば抜けられるルートに、
今回は3時間も費やした。
だが、如何なる苦労にも終わりは訪れる。
ゴロビツを過ぎれば薮は疎らとなり、背の高い木は少なくなる。
そして、開かれた視界の先に見えるのは・・・
真っ白な朝日連峰主稜線。
これまでの苦労が報われる、感動的な瞬間だ。
ここまで到達出来れば、あとは問題ない。
薮は疎らとなり、雪が締まって歩きやすくなる。
もはや歩みを妨げるものは無く、風穏やかで快晴の空の下、気分良く稜線へと進む。
最後に難所が一つ。
ユーフン山のナイフリッジが存在するが、雪の状態の良さと積雪量の少なさに
助けられ、難なく通過。
日没前には、この日の宿泊予定地である竜門小屋に到着出来た。
さて、2日目が正念場。
この日の朝日稜線はヤ●テン情報によれば、午前中は快晴だが、午後から雪。
安全に、そして絶景の主稜線を眺めるには、早い時間の行動が必須となった。
日の出前に竜門小屋を出発し、ヘッドランプの明かりを頼りに稜線を進む。
予報は当たり、早朝から天気は快晴。
稜線上は全域雪で覆われているが、早朝の寒さもあってか雪は硬くクラストし、
ペースは良い。
稜線を進むにつれて、次第に明るくなる空。
地平線が真っ赤に染まる。
やがて、朝日が顔を出し、朝日連峰と周辺の山々のモルゲンロートが始まった。
進路の先へ視界を飛ばせば、そこに見えるは、大朝日岳。
朝日と並んで聳え立つその姿に、目を奪われた。
今年で4度目、となる大朝日岳。
それだけ登れば、その姿は見慣れてしまうようなものだが、
この日の大朝日岳は、一際美しく。
朝日と並んで聳え立つその姿は、言葉に出来ない美しさがある。
朝日と並んでも、決して引けを取らない美しさ。
何故、この山を大朝日岳と呼ぶのか判ったような気がする。
稜線を進む歩みが止まる。
そして、今年最後に目にするであろうその姿を、しばらく眺めるのであった。
今年も良い一年だった。山、に関しては・・・
その光景を見て、ふと、そんな事を思った。
Luske















私が憧れる世界を見せていただき、ありがとうございます!
暖冬の影響か、気象条件は穏やかだったようで何よりです。
朝日連峰の核心部の雪原にいた虫は、何を思っていたのでしょうね。
白い世界の中だからこそ、小さな命も本当に尊く思えます。
12月ともなると、朝日連峰は厳しい世界となりますが、
今回は例外でしょうか。
穏やかな気象条件に恵まれ、無事、今年最後の大朝日岳に登頂出来ました
雪は少ないものの、見応えは十分、
真っ白な主稜線は、何度見ても美しいです。
夏山で虫を見つけても、邪険に振り払うだけですが、
今の時期、生きた虫を見ると思うところがありますね。
寒さ厳しく、食料も無く・・・もう永くは生きられないと思いますが、
そういう状況だからこそ、尊いものに思えてきます。
朝日を浴びながら朝日賛歌の贅沢な時間
Luskeさんの肩に「ネズミに姿を変えられた坊」(千と千尋の神隠し)となっていっしょに山の世界を見てみたいと願いましたが
未だ叶わず…おそらくこれからも叶わず
素晴らしい朝日の姿ありがとうございます。
今年も山の奥深さをレコで紹介していただきありがとうございます。
Luskeさんの季節はまだ始まったばかりですね〜
これから年末にかけて忙しくなりますので、今年の山行は今回が最後になるかと思います。
2015年のFINALに相応しい素晴らしい大朝日岳が見れて、実に良い山行でした。
いよいよ、これから冬本番。
次回の山行は、年末年始のロング山行でしょうか。
今年も南アルプスを考えてますが、無理せず安全第一でガンバろうかと思ってます
冬の朝日連峰、となると登山口に行くまで一苦労なので、同行頂くのは心苦しいですが、
蔵王や泉ヶ岳なんて良さそうですね。
ぜひ一度、雪山教室、という訳ではありませんが、meikenさんと御一緒してみたいものです。
新年会も、もし来年企画があれば参加したいものです
綺麗な画像ありがとうございます
日曜日は泉ヶ岳からみていましたがLuskeさんを発見できず(笑)
今年も色々なレコありがとうございました。
来年は、山以外でもでなく良い年になりますように
日曜日、午前中は良い天気でしたね。
泉ヶ岳からも、染まる朝日連峰が見えましたか。
冬の早起きは辛いですが、こういう日があると報われた気がしますね^^b
今年は、思い出深い1年でした。
今年のベスト3を選ぶとすれば、
岩手山厳冬、飯豊二王子縦走、そして今回の大朝日岳。
この3つが思い浮かびます。
近年稀に見る豊作の1年だったと思います。
でも、思い出に残るのは山ばかりで・・・
それ以外の事は、あまり良い事が無かったかなぁ、と言うのが正直な印象です^^;
来年は、山以外の面でも良い年にしたいですね。
今年も御覧頂き、誠にありがとうございます。
また来年も宜しくお願いします
今年最後の大朝日お疲れ様でした。
平地では今だ雪が見られませんが、高い山ではしっかり雪が積もってますねぇ。それでも例年よりはずっと少ないのでしょうけど。
毎度の事ながら見事な朝日と夕日の写真に感動のお裾分けを頂いております。
いつかは自分も見てみたい風景ですねぇ〜
雪山シーズンも始まったばかり、今シーズンも楽しみましょう〜
今年は雪が少ないですね。
例年であれば、今の時期は蔵王の山へ行くところですが、
この雪量であれば朝日連峰も行ける、と思いまして今回挑戦してみました。
予想通り、雪が少なく大朝日岳登頂は成し遂げられましたが・・・
それでも、やっぱり朝日はキツイです^^;
序盤の薮漕ぎラッセルでは、何度か帰りたくなりました
今季の朝日連峰は、今回の週末が最後のチャンスだったと思います。
今後は深い雪と悪天候に包まれ、登頂叶わぬ厳しい山となるでしょう。
しばし間を置き、残雪期にでも・・・大朝日岳を再訪したく思います。
今後は、例年通りに蔵王メインになるでしょうか。
笹谷峠もちょくちょく御邪魔すると思いますので、またmanimaniさんに
お会いする機会もあるでしょう。
その際は宜しくお願いします!
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