【動画】槍・穂高連峰 完全縦走(西穂高岳〜槍ヶ岳)/テント泊
- GPS
- 80:00
- 距離
- 31.5km
- 登り
- 3,627m
- 下り
- 3,620m
コースタイム
- 山行
- 2:09
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 2:19
- 山行
- 15:05
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 15:05
- 山行
- 9:24
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:24
- 山行
- 15:19
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 15:19
天候 | 1日目:ガスと晴 2日目:晴〜ガス〜晴 3日目:晴〜ガス〜一時雨 4日目:ガス〜晴〜ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
7月31日(金):朝7時半の時点で、6割程埋まっていた。 8月03日(月):夕3時半の時点で、9割程埋まっていた。 平日とは言え、夏山シーズンの開幕を物語っている。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◼西穂〜奥穂 基本的に全てが危険。 浮石が本当に多く、間ノ岳周辺に限らず、どこの岩も落ちるかもしれないと意識して行動しなければならない。 ◼奥穂〜南岳 涸沢岳から北穂に向けての最初の下りは要注意。 大キレットも基本的に全てが危険。 長谷川ピークは足を滑らせると谷底に垂直落下。 このルートも浮石が多く、落石を意識した行動が必要。 ◼南岳〜槍ヶ岳 中岳周辺、特に中岳からの下りのハシゴは要注意。 ◼槍ヶ岳 整備が行き届いており登りやすいが、濡れたハシゴは非常に緊張した。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
◼写真:編集中!
細かなコメントは随時UPします。
◼感想:一部編集中!
【実施まで】
「西穂高岳から奥穂高岳、そして槍ヶ岳まで縦走する。」
登山を始めて少し経ったころから"憧れ"として抱いていたが、技術や体力面から実現不可能と思い箪笥の奥に仕舞い込んでいた。
そんな中、今年のゴールデンウィークの遠征の為に体力作りに勤しんでいたが、それがコロナの影響で頓挫してしまった時に、今回の縦走を夏に行うことを心に決めた。
【1日目】
7月31日(金)は昼頃まで雨の予報だったが、当初の予報よりも天気の回復が早く新穂高の駐車場に着くまでに雨が上がり、テンションが上がる。
西穂高口から1時間程で「西穂山荘」に到着。
予約済みのテントの受付を行い、テントを設営し、別館で「西穂ラーメン」をいただく。
基本的に、今回の山での食事は自身で持ち込んだ食料と行動食で済ます覚悟だったが、「西穂ラーメン」だけは"特別"ということで、美味しくいただいた。夏山は楽しまなくては!
食後は丸山まで行き身体を慣らせておく。テントに戻り夕食を済ませ、17時頃早めの就寝とした。
【2日目】
0時10分起床。2時30分頃出発。
テント泊は、お湯を沸かし朝食を作る所から始まる。フリーズドライにお湯を注ぎ15分待っている間にパッキングを済ませる。
暗い中、丸山を過ぎ、独標で少し明るくなり始め、ピラミッドピークで完全に夜が明けた。
西穂山頂の手前で1名のソロと4名のグループの方と出会う。全ての方が奥穂へと進んで行った。
西穂までの道のりも十分危険な道だが、西穂山頂からP1に向かうと早速急な下りがあり、”ガラリと雰囲気が変わる。
その後も「一瞬のミスが死につながる」所を延々と超えていく。
間ノ岳までの途中、非常に大きな岩がルート上を落下していくのを目撃する。
落下した岩はルート上を一度バウンドし、他の石を巻き込みながら遥か下まで落ちて行った。恐ろしい、、、。
天狗のコルのビバーク箇所も2年前に見た時よりも狭くなっているように感じた。(※小さなテントが一張ぎりぎりぐらい。)
その後、逆層スラブを登りジャンダルムに着く頃にはガスが出てきてしまい、残念ながら景色は拝めなかった。
ジャンダルムの長野県側のトラバースはヒヤっとしたし、ロバの耳の下降は正直かなり怖かった。どうしてあそこに鎖がないのだろうか、、、。
"馬の背"は登りであったということもあり、それほど恐怖心はなかったが、一歩間違えると垂直落下なので、それなりにハラハラした。
奥穂の山頂に着く頃にはガスが切れ始め青空と雲海が広がり始める。
穂高岳山荘で予約済みのテントの受付を済ませ、設営と夕食を済ませ20時頃就寝。
【3日目】
3時起床、5時30分出発。
涸沢岳までゆっくり登り、これから向かう北穂と大キレットを眺める。
涸沢岳から北穂に向けて進むとしょっぱなからエキサイティング急な下りがあり、朝一からはなかなかにキツイ。
その後も”ミス=死の”危ない箇所を越えて「北穂(南峰〜北峰)」に向かう。
北穂高小屋で20分程休憩し、本日の核心の「大キレット」へと歩みを進める。
A沢のコルまでもハシゴや鎖の急なハシゴがあるが、そこから先、特に「長谷川ピーク」を含むその周辺は度肝を抜くレベルの連続だった。
西穂〜奥穂同様、「一瞬のミスが死につながる」レベルで足に疲れが出始めているのも重なり、緊張の連続となった。
その後、南岳直下の長いハシゴと鎖場のあたりでは、脚の疲労が限界に達し、「こういう時に事故が起こるのだ」と実感した。
休憩とこまめな栄養補給で集中力を切らさないように努め、南岳小屋に無事に到着した。
山荘でテントの受付をし、売店にあった「カップ焼きそば」が堪らなく食欲をそそり、つい買ってしまった。「最高に美味しかった。」
夕食を済ませ18時頃就寝。
【4日目】
0時起床、2時出発。
まだまだ暗い中、槍ヶ岳に向けて出発する。
南岳を越え、中岳、大喰岳と越えて行く。
一部、中岳の下りのハシゴなど、危ない所もあり、油断大敵は勿論、暗い中での通行も推奨出来ない。
中岳を過ぎた辺りからガスが出始める。
大喰岳ではオコジョを発見!最高に可愛かった。
槍ヶ岳山荘に着くと、初日に西穂山荘に向かうまでにすれ違ったソロの方に再会する。
こちらを覚えていて下さり声をかけていただき、嬉しかった。
槍ヶ岳山荘に着いて、荷物をどうするかパートナーと相談し、折角なのでそのまま担いで登ることにする。(人も殆ど居なかったので)
穂先への岩場やハシゴはガスの影響で濡れており気が抜けない。
ガスで包まれていた為、山頂からの景色は期待できなかったが、最後のハシゴを登り切ると、そこには360度の大雲海が広がっていた。
「数々の難所を超えて、ここまでやって来た。」
涙こそながれてはいなかったが、目の奥が熱くなるのを感じた。
続いて再会したソロの方も登ってこられ、互いの健闘を称えあった。
「終わりましたね」ソロの方のその一言にこれまでの4日間の苦労や達成感など様々な想いが込められているのを感じた。
ザックを担いで登った事に、"ド変態"という嬉しい称号をいただいた。
山では褒め言葉として成立してしまうから不思議だ。
帰りも長いので早々に下山する。
西鎌尾根から槍平を経由して新穂高へと歩みを進めた。
【総称】
最後にこのルートに対して思ったことを記しておく。(※当たり前の内容を含むが、自身への反省や、私と同じようなレベルの方への参考になればと思い記しておきます。)
1.何より体力ルートであること。
技術は勿論だか、やはり体力が求められる。
難所の通過、延々と続くアップダウン、そして緊張感がより一層体力を削って行く。
ミスが即本当の命取りとなるこのルートでは、集中力を欠くことが出来ない。
私自身、3日目の大キレットの終わりの南岳の直下の辺りで疲労による集中力の低下を感じ、「あぁ、こういう時に事故が起こるんだ」と実感した。
また西穂〜槍まで縦走する場合、日に日に疲労感が溜まって行く。
少しでも疲労感を溜めない為には、基本に乗っ取った歩行法や、1日の終わりのストレッチ、こまめな行動食や水分の摂取などはかかせない。
2.確実な岩場の技術
高度なクライミング力は必要ないが、
「3点支持」「クライムダウン」「トラバース時の体重移動」等は確実に行えることが必須。
私が思ったポイントは、全身に疲労感が漂っている状態でも、ブレない技術が必要。
3.他人とは適切な距離を取る。
地震の影響もあり、落石が本当に起こりやすくなっている。実際にルート上で人が死ぬレベルの落石を目撃した。
落石が起こった際の落下ラインに自分が入ってはいけない。
パートナーや他人を含め、1人ずつ通過し、声掛けをする等、状況に応じて小まめに行った方がよい。
4.天気の判断をしったかり行う
「西穂〜奥穂」「奥穂〜大キレット〜南岳」はやはり天気が良い日の方が良いだろう。
軽装や体力に自信のある場合であれば、少々の雨やガスなどで岩や鎖が濡れていても問題ない場合もあるかもしれないが、重荷を背負っている場合や疲労が出始めた頃には危険な要素となりうるだろう。
特に垂直に近い鎖場や梯子が連続するルートなので、天候判断は慎重に行いたい。
5.メンバー(パートナー)の技術も伴っていること。
これは2人以上で行く場合であるが、一緒にあるくメンバーの体力・技術も伴っていることを確認しておく必要がある。
私と相方も今年は成功したが、3年前に奥穂〜西穂を歩いた際、事前の山行歴から"行ける"と判断したが、中盤以降に体力切れを起こし、かなり危険な状態で抜けきることとなった。
"西穂〜奥穂"も"大キレット"のどちらも一定以上進むと進むも戻るも危険な箇所となり、疲労が現れるのも中程まで来た頃となるだろう。
テントを担いでのゴールデルート、まさに山ヤとしての最高峰ですね、踏破おめでとうございます😄
コロナ禍や悪天候、地震などで今年は断念・延期された方も多く、しっかり状況を伝えてあげることも必要と思うので素晴らしいレコだと思います✋
お疲れ様です〜!
haruhiyoさん、コメントありがとうございます!
この縦走路をテント泊で縦走するのは、数年来の憧れだったので、完遂できた嬉しさで一杯ですが、
仰る通り今年は様々な理由で延期や中止される方が多い中、挑戦する機会に恵まれ、無事に終えることが出来たことに感謝しています。
私自身が先人方のレコを参考にしてきたので、そのお返しが出来ればと思い、微力ながらレコを残させていただきました。
お疲れ様でした!
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