ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 432745
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
中国山地西部

地形図「臥龍山」の県境完全踏破を振り返る

2014年04月09日(水) [日帰り]
 - 拍手
kariogaryu その他1人
GPS
04:49
距離
18.6km
登り
975m
下り
904m
過去天気図(気象庁) 2014年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
地形図 2.5万分の1「臥龍山」の県境走破

日時:2011年9月〜2014年4月

地形概略


地形図 2.5万分の1「臥龍山」に記されている島根と広島の県境の縦走。全体の8

割近くは全く道のないヤブ山である。あるのは鷹ノ巣山から大佐スキー場近くの榜示峠ま

でで、その中でも八幡三方辻までははっきりしない(時には消えてる)踏み跡があるだけ。

 そのため無雪期にはほとんど不能に近く、雪のある時にのみ歩けるコースと言えよう。

山容は西中国山地特有のなだらかな山地で険しい所はない。しかし桧や杉の人工林の他、

ブナやミズナラなどの自然林も多く、そのため視界が遮られて地形が掴みにくい。

おまけになだらかな尾根だけに支尾根が多く、上りはともあれ下りの場合、とくに迷い易

い。そのため地図と磁石は必携であるが、これだけで現在地などを特定するのは至難の技

でとくに小人数の場合、GPSは不可欠となる。今回の縦走にしても少ないときは、一人

多いときでも3人だったが、私以外はほとんど地図が読めないので最後の頼りはGPSとな

った。



 ただ今回の県境縦走は初めから目指していたものではなかった。桑原良敏氏の「西中国

中国山地」を完登すると、かねてより歩いてみたかった高岳から虫送垰(国道191号線が

県境を跨いでいる峠)を踏破した。すると次なる目的として県境尾根が視野に入って来たのである。



コース概略

今回の縦走は聖湖の西の県境尾根から大佐山および大原山登山口まで合計7回(大佐山

登山口から大佐スキー場までははっきりした道もあり、過去何回も登っているので省略)。

それを回数ごとに簡単にまとめて見ると以下の通り。


2011年9月24日(土) 

 木束原オモ谷(木束峠一つ手前の谷)入口〜県境尾根〜嶽(989.1)〜191スキー場〜車

道歩き〜オモ谷入口


 嶽は191スキー場の奥にあって20数年かけて目指した 「西中国山地」最後の山。

本当は木束原(きつかはら)集落入口のヒノキ谷から 取っ付くつもりが一つ奥のオモ谷か

ら入ってしまう。古い林道が終わると道がなくなり、ヤブを漕いで県尾根に出るが、期待

した踏み跡は全く見あたらない。以後嶽山まで腰まで浸かってのひどいヤブ漕ぎの連続。

おかげで出発点から嶽まで3時間余りかかる。下山はスキー場を使うが、スキー場を下る

だけでも30分かかった。・


2012年3月4日(日) 積雪 50兪宛

 虫送峠(国道191号線が県境を跨いでいる峠)〜911.3m西峰〜ナガ谷最深部(虫送峠と

高岳とのほぼ中間点の県境鞍部)までの往復


高岳までの往復を目指すが、ナガ谷最深部の県境鞍部まで2時間30分もかかったので引

き返す。積雪は50兪宛紊任△辰燭、それほど足はとられなかった。途中なめらかなコの

字型に曲がっている稜線は分かりにくかった。


 2012年3月15日(木) 単独  積雪多い所で1m以上

 聖湖湖畔〜ナガ谷最深部の県境鞍部〜840m〜961m〜高岳(1054.3)〜高岳登山口〜聖湖

湖畔  (実歩行時間 約4時間15分)


 前回折り返した地点から取り付く。ナガ谷最深部の県境鞍部一帯はなだらかな源流地帯

となっており、とくにミズナラの純木林が素晴らしく桃源郷と言った感じ(雪の無いとき

に訪れてみたいと思い後日出かけてみたが、ひどいブッシュで近づけなかった)。

 この鞍部から高岳までの稜線は小さなアップダウンが続き、支尾根も多くなりさらに地

形も複雑となるので注意が必要。また961m峰手前の上りは急で直登は難しい。凍結すると

広島県内では珍しいが、ピッケルやアイゼンが欲しくなるほど。

 高岳から湖畔の高岳登山口までの下りは尾根がいろいろ派生しているので迷い込み易い。

登山口に出る手前の橋には幅が15儖未嚢發気40儖未寮磴積もっており、渡るのにヒ

ヤヒヤだった。


ぁ2014年3月8日(土) 積雪1m前後

 木束原ヒノキ谷入口〜生山(なまやま)頭〜荷卸峠〜木束峠〜木束原ヒノキ谷入口

(実歩行時間 約4時間15分)        今回のコース中、コース取りが最も難しい場所。地形が複雑な上、人里から離れた最も神

秘的な山域。果たして無事目的が達成できるかどうか一番心配していたが、実際登ってみ

ると思ったほどでもなかった。

 稜線上は自然林が多く落葉のため意外と明るく雪もそれなりに積もっていたので歩きや

すかった。とくにヒノキ谷林道(仮称)が県境と交差する手前から取っ付き稜線に出たが、

ここから生山頭までは、左手の島根県側には所々ブナの大木も見られ、さらには展望も開

けたので快適な尾根歩きを堪能することが出来た。

 また荷卸峠からの上りは笹とブッシュの中の急登できつかったが、小ピークに登りきり

次の899mのピークまでの稜線もブナやミズナラの林が続き、心が癒された。ただ最後の木

束峠に近づくに従ってなだらかになると下るべく尾根が分からず、オモ谷へ出てしまった

が、はじめのうちは県道へ出たと勘違いしていた。


ァ2014年3月24日(月) 積雪30〜40僉―蝓甲枠あらわれる
 
 木束原〜木束峠〜900m峰〜794m峰〜芸北100年牧場(旧滝の平牧場)〜車道歩き〜

八幡出張所〜木束原 (全行程 所要時間 5時間余り)


 予定コースの半分を過ぎた頃からどんどん下るとなんと予想だにしなかった川(それも

3〜4回)にぶっつかり、渡るのに一苦労する。県境はすべて尾根伝いだと思っていたが、

まさか川を渡るとは!しかもみな島根県へと流れているのだ。もう少しの所で今回のゴー

ル地点であったが、もし渡れなっかったらどうしよう。今更引き返すわけにも行かず、最

悪の場合、膝まででも浸かって渡らなければならないと半ば覚悟も決めていたが、上流に

向かって歩いていると何とか枯れかかった立ち木を使って渡れる事が出来たのは不幸中の

だった(もっとも連れの二人は危なかったが)。

 いずれにしても一風変わった県境であったが、川の周りは雪原状態で雪が融けると湿地

帯になるのではないかと思われ、ここも一度は訪れて見たい気に駆り立てられた。

 川をどうにか渡り終えたものの地図上に見られる林道は果たしてあるのか心配だった。

小ピークを越えても、小尾根が入り組み県境尾根がどれなのか掴めない。自分で判断しな

がら下っていると樹間から小さな林道らしきものが見えてひとまず安心。しかし地図上の

林道と違うような気がしたが、不安を抱きながらもとにかく歩いてみた。左手下の谷に沿

って走っているものの一体どこに出るのだろうか?不安は募るばかりであったが、そのう

ち明るい場所に出ると道幅の広い林道に出た。これこそが地図上の林道に違いないと思い

つつ歩いていると周囲の景観から「西中国山地」に記されてる滝の平牧場(芸北100年農

場)に出たことがわかった。


2014年4月1日(火) 積雪ほとんど無し

 芸北100年農場〜林道歩き〜県境尾根取っ付き〜905m峰〜897m峰〜鷹ノ巣山(943.3)

〜本坪谷林道〜車道歩き〜芸北100年農場 

             所要 県境尾根取っ付き〜鷹ノ巣山 約2時間20分

 
 予想していた雪がなかったのでかなりのヤブ漕ぎが強いられると覚悟をしていた。とこ

ろが、クマザサにしても周りの木々にしても成長前で背丈が低かったり、落葉したままだ

ったので 思いの外、歩きやすかった(もっとも部分的には歩きにくい所もあったが)。

 また県境沿いには古い牧柵や有刺鉄線が所々で残っていたので助かった。



2014年4月9日(水) 積雪50〜60

 大佐山・大原山登山口〜県境尾根〜八幡三方辻〜鷹ノ巣山(943.3)〜本坪谷林道〜車道歩

き〜大佐山・大原山登山口

 所要時間  大佐山・大原山登山口〜鷹ノ巣山 1時間40分位

       鷹ノ巣山〜本坪谷林道〜あさぎ荘(林道入口) 40数分

       林道入口〜車道歩き〜大佐山・大原山登山口  50数分(ただし八幡洞門

       は歩いて6分だった)



  今回は道迷いや地形のことを考えて逆コースからの縦走。前回ほとんど無かった雪が

今回は全体の7割前後残っていた。中でも特に多かったのは最初の取っ付きである大佐山

登山口から県境尾根に出るまで。あるはずの夏道が雪に隠れ、そのためルートを踏み外し

県境尾根へと直登する。県境尾根に出ても同じように隠れていたので人工林と自然林との

境を登る。最初に登ったピークを八幡三方辻と間違え、しばらく島根県側を歩く(おかげで素晴らしい樹林帯を歩かせてもらった)。

 全体としてクマザサの背丈が低く、しかも後半は踏み跡らしきものがあったので今回の

縦走中一番歩きやすかった。しかし上りがほとんどではないかと思っていた縦走路も小さ

なアップダウンが繰り返され、意外と読図が難しく前者を含めて3回ばかり迷い込んだ。


─‖膾柑魁β膰胸嚇仍蓋〜1011m峰(大原山)〜大佐山(1069.0)〜大佐スキー場〜榜示峠

  しっかりした登山道がありなんかも何回も登っているので省略。
お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:693人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら