北アルプス 槍穂縦走 (新穂高ルート)
- GPS
- 26:54
- 距離
- 37.1km
- 登り
- 3,885m
- 下り
- 3,884m
コースタイム
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 4:25
- 合計
- 12:14
- 山行
- 10:25
- 休憩
- 3:42
- 合計
- 14:07
天候 | 1日目:晴れのち曇り 2日目:晴れ 3日目:晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
○新穂高〜槍平小屋 →問題なし ○槍平小屋〜南岳 →とんでもない急登 ○南岳〜槍ヶ岳 →特に問題なし ○大キレット →言うまでもなく高難度のルート ○北穂高山荘〜穂高山荘→マップによっては破線部のルート。特に涸沢岳への登りはルート見極め知識が必要かと。 ○穂高山荘〜新穂高 →白出沢出合まではガレた岩場を下る。浮石多く、ルートも不明瞭。新穂高まではフツーの林道なので安心。 |
その他周辺情報 | 新穂高温泉、奥飛騨温泉など |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
この時期にまとまった休み(夏休み的な)を取得できたので、北アルプスへ行く事に。
東京方面からだと上高地を起点とするルートが一般的だが、あえて混雑しているであろうルートは避け、少し遠いが比較的空いているであろう岐阜県側から登ることに決めた。
週の頭の予報では、木、金、土、日と全日、登山はC判定の天気。せっかくの夏休みが台無しになりそうな絶望的な状況だったが、台風はなぜか逸れてくれたので予報は一転して4日間ともA判定に覆った。ただ週明け以降も別の台風の影響で悪化しそうな感じ。日曜に関しては悪化が早まりそうな気がしたので、木〜土曜の3日間でチャレンジすることにした。
水曜日の退勤後、自宅で2時間程度仮眠して出発。
■1日目(新穂高〜槍平小屋〜南岳小屋)
AM 5:50頃にスタート。まずは新穂高から槍平小屋へ向かう。林道のような道なので歩きやすく、スイスイ進む。天気は晴れており、少し気温が高いかな?と感じた。途中、沢を渡る箇所があったりと、単調にはならず、しかも上り勾配も緩かったので気分良く歩けた。
槍平小屋で眠気が襲ってきたので、30分程小屋のデッキで仮眠。
少し眠気が覚めたので南岳新道経由で南岳小屋へ。このルートは勾配がキツいうえに災害の影響なのか階段が破損していたり、ところどころ荒れていた。ピーク近くになると急登なうえ、ルートが不明瞭な箇所や浮石も多く、さらに厳しい状況だった。寝不足もあってか、ペースは乱れまくった。
息も絶え絶えな状態で、何とか14:00過ぎに到着。
山頂付近はガスガスな状態で、眺望はイマイチ。ひとまずテントを設営してからしばらく休憩。夕方になり晴れてきたので、翌日に通る予定の大キレット方面を覗いたり、南岳に登って槍ヶ岳方面を見たりと、散歩しながらゆっくり過ごした。
夕食後、寝不足もあったので19時過ぎ頃には就寝。
■2日目(南岳小屋〜槍ヶ岳〜南岳小屋〜大キレット〜北穂高小屋〜穂高岳山荘)
AM 3:00過ぎに起床。外に出ると満天の星空。素晴らしい。この時間に起きたのは、槍ヶ岳へ登頂する為。目的は大キレットだったけど、せっかくなので踏んでおこうと思って。月は明るく、下界は雲海の様子。今日は良い天気になりそう。
南岳を登ると雲一つない槍ヶ岳の姿がきれいに見えた。それとともにそこまでの稜線もはっきり見えた。結構遠いな・・・と感じた。
大喰岳山頂付近で夜明を迎える。御来光はここから。太陽の光が山々を赤く染めていく。その美しい光景を見ながら、目的の槍ヶ岳直下の山荘まで到着。さすがは人気の山。多くの登山者で賑わっていた。幸いなことに槍穂先への登り口は混みあっておらず、スムーズに登頂。山頂からは360度の大パノラマ。遠くは富士山、南アルプス、八ヶ岳など、自分にとって馴染みの山々が望めた。しばらく山頂にいると続々登山者が登ってきたので、そそくさと退散。下り終わった頃には登り口は渋滞していた。早く登って正解だった。
槍ヶ岳山荘でコーラを購入し一服。その後、AM 7:00過ぎに再スタート。歩いてきた稜線を辿り、南岳小屋まで戻る。結構長い道のりで、アップダウンもそれなりにあった。AM 9:00頃に南岳小屋に到着。テント場は自分のテントだけになっていた。一息入れてからテントを撤収し、いよいよ今回の登山のメインである大キレットへ。
序盤の下りは噂通りの急降下。基本的にガレており、落石させないように細心の注意を払って下る。幸いにも先行者はいないので、変なプレッシャーを感じず、自分のペースで進めた。下りが一旦終わると、一時的に緩やかな稜線を歩く良い道があったりも。長谷川ピークまで通過が厳しい場所は少なく、目の前の北穂高岳と左右のカール?を望みながら気持ちのよいハイクができた。12:00頃、長谷川ピークに到着しここで一息入れる。ここまでのすれ違いは5人。意外とチャレンジャーが多い印象だった。長谷川ピーク以降は岩稜帯をひたすら登っていく場所が多かった。垂直気味に登る箇所も増え、ペースも上がらず。早朝に槍ヶ岳までピストンしたのが今頃効いてきたのか、疲労感を感じることも増えた。決して焦ってはいけない場所なので、「時間はまだ余裕がある」と言い聞かせ、場面ごとに一息を入れつつ慎重に歩を進める。
"飛騨泣き"まで到達したが、ここからほぼ垂直の登り箇所が増えてきて、さらに進みが悪くなる。とにかく焦らずに進むということを念頭に落ち着いて進める。岩稜帯を見上げるとようやく北穂高小屋が見えてきた。もうすぐ終わり。途中、「ピヨピヨ」と鳴いている生き物がいた。周辺を見渡すと、なんと雷鳥の親子がいた!しかも 目の前2〜3m近くにいたので、模様まではっきり確認できた。写真撮ろうとしたら遠ざかってしまったが、何とか押さえることができた。雷鳥の親子の姿に和んだ後、14:20頃、北穂高小屋に到着。大キレットの通過時間は4時間10分程度。4時間は切りたかったので残念だが、これが自分の最大限の実力かと。
北穂高小屋で有名なデッキで大キレットを眺めながらしばし休憩。隣に居合わせたご夫婦はそのデッキでビールを飲んでいた。ゴクリと喉が鳴る。羨ましいがまだ先もあるので断念。ここにはテン場もあるので泊まるという選択もできたけど・・・。
小屋を出発後、すぐに北穂高岳山頂に到着。進む先を見ると、なんだか急峻な岩場が続いてるんですが・・・。ひとまず進んでみたが、特に涸沢岳の登りは大キレットと遜色ないハードなルートだった。岩場を登ったり降りたりと繰り返すうちに左手の人差し指が攣り始めた。握力もかなり落ちてきている様だ。ここも改めて慎重に進む。陽はだいぶ傾いたが、まだ全然明るい。下界を見下ろすと、涸沢カールから見える涸沢ヒュッテには色とりどりのテントが並ぶテン場が見えた。いつか泊まってみたい。そんなことを思いながら、ようやく穂高岳山荘には17:40頃到着。ギリギリまだ明るい時間だった。テン場は良い感じの場所はすでに埋まっていた。とりあえず残りの場所で良さげな場所を選らび設営。約14時間の活動は久々に堪えた。
■3日目(穂高岳山荘〜白出沢出合〜新穂高)
早朝に穂高岳へ登るかどうか悩んだが、今回は大人しく下山することにした。白出沢出合へのルートは山荘の案内にもルート不明瞭、落石等が多数あることから、掲示物で注意喚起されていた。朝食後にテントを撤収し、AM 8:00頃出発。山荘の裏手から一気にカールを下るような道で、かなりでかい岩がゴロゴロしていた。浮石も多く慎重に進む。しかし、どんなに慎重に進んでいても結局転んでしまった。尻もちついた程度なのでケガはないが、序盤から酷い道を選んだものだと後悔。さすがは地図上で破線部分のルートだ。荷継小屋跡辺りでカール部分というか岩場はおしまい。その先は登山道っぽいシングルトラック。ただ道幅は狭く、すぐ隣は崖というロケーションが続く。下には沢が流れていたり。白出沢出合には、AM 11:00頃に到着。ここから新穂高までは林道歩き。実質的なビクトリーロードだった。途中、穂高平小屋がオープンしており、先客がかき氷を食べていた。ここまでほぼ休憩しなかったので、コーラを購入し一服。先客の方達互いの登山話で盛り上がった。この小屋の先に巻き道があることを話し、一緒にそこへ進むことになった。その後は再び林道を下り、PM 12:30頃、新穂高登山指導センターに到着。ケガもなく無事に下山できた。
その後は松本で蕎麦と名物の山賊焼きを食べ帰京。
3日通して天気は崩れることなく、初の北アルプスで素晴らしい稜線歩きができて大変満足できた。
未踏の穂高周辺については、特に難所と言われているジャンダルムなどを研究したうえで、もう少し自分自身のレベルを上げてから挑んでみたいと思った。
最後に、今回は岐阜・高山側からのスタートということもあってか稜線に上がるまでは、私と同じ関東圏の人に出会うことはなく、地元の東海圏や西日本側の人々との交流ができたという貴重な体験も。皆さん総じて言っていたのは、3000m級の山が近い関東が羨ましいと。確かに恵まれてる環境だな、と感じた次第。
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