晩秋の涸沢とザイテングラードから奥穂高岳〜前穂は失意の素通り〜
- GPS
- 10:18
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 1,759m
- 下り
- 1,760m
コースタイム
- 山行
- 9:07
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 10:18
紀美子平は風が吹いていたので、吊尾根を奥穂方面少し戻った所で休憩しました。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
☆行きは釜トンネルゲートOPEN時刻5時ちょっと前に通過できて4人以上ならバスより料金の安いタクシーがお勧め。単独客も上手く割り勘相手を見つけると吉(^o^) ☆帰りのバスは先に券売機で乗車券を買ってから列に並ぶこと。券がないのに何となく列に並んで、係員さんがいるし買えるだろうとたかをくくっていたら、いざ乗る段になって乗れなかったです(T_T) |
コース状況/ 危険箇所等 |
よく歩かれているルートなので自分が特に言うべきことはないが、穂高岳山荘から奥穂高岳に上がる最初の岩稜で岐阜側からの冷たい風に晒されたことが印象に残った。しばらく北アルプスに来てなかったので・・・ |
その他周辺情報 | 立ち寄り湯は敢えて諏訪湖SAの温泉を利用。610円。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション
コッヘル
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
筆記用具
日焼け止め
保険証
携帯
タオル
ナイフ
カメラ
|
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備考 | 行く前によく荷物は確認すること。プロトレック(腕時計)、手袋、ジェットボイルを忘れてしまった。ジェットボイル忘れたのは痛かった。 |
感想
娘が生まれて早5ヶ月。フニャフニャの赤ん坊を育てることがどんだけ大変か、身をもって知る毎日、山歩きに割ける時間と気力・体力は限られている。そんな中でも年に1度はしっかりと「登山」がしたい、そんな気持は抑えようもなく(笑)
お母さんになった嫁さんのお許しもいただき、ちょっと過酷だとは思うが日帰りで北アルプスに行くことを決意した。
できれば未踏ルートを歩きたかったが、登山口へのアプローチを考えるとそれも叶わない・・・暫く行っていない山域かつ山屋浪漫をかき立てる山・・・そう、穂高しかない!!
7年も前に岳沢から前穂・奧穂・北穂・大キレットと歩いた事があるが、以後西穂に1回登っただけで穂高には縁がなかった。
時期も時期だけに紅葉見物を兼ねて涸沢からザイテングラード初体験することに決定。奧穂にいって吊尾根歩いて前穂ピストン、重太郎新道で岳沢上高地。そんなルートが頭にすっと入ってきた。
体力的にはちょっと不安だったけど、日帰りと気持を決めたら17時までに上高地に下山できればいいのだと気が楽になるから不思議。小屋泊だと15時には着かないとならないというのが強迫観念にあるので。
10/3(金)仕事をほぼ定時で切り上げ、娘を風呂に入れるという義務を果たして荷物を作る。久しぶりのちゃんとした登山なので、もたもたすることこの上ない。日程的にタイトであるため休憩はミニマムにしなければならないので、久しぶりのハイドレーションも準備。ポカリ1L粉に塩を一つまみ!
カップヌードルチリトマトにオニギリ、コーヒー・・・お馴染みの元気の素も準備。
10/4(土)0時過ぎに目が覚める。卵ご飯をかっこんで1時過ぎに出発。目指すは沢渡第2駐車場。
家を出て数分で気づく・・・あ、プロトレック(腕時計)忘れた・・・戻ってもたいして影響ないが、少しでも先に行きたい気持で振り切ってしまった。
幸先悪いが、道は順調そのもの、ノンストップではあったが3時間で沢渡に到着。オニギリ食べてトイレ行って、早くも客待ちしているタクシーに向かう。
単独は自分だけだったが、3人組がいたので声をかけて4人で上高地に行けることになった。1人1,050円也、バスより安い。
しかも釜トンネルOPENの5時ちょうどに間に合うように沢渡を出てくれる。バスだと始発は5:40だったから、バスより早い。
釜トンネルの中の人は気をつかって10分前に開けてくれたので、5時7分には上高地バスターミナルに着くことができた。
予定より1時間早い到着、今日は時間が宝の行程、心強くなる。
上高地バスターミナルで登山計画書をささっと書く、5時in16時out、その通り行けるかな・・・不安と期待の混じったこの気持、久しぶり。
一路横尾へ。あまり山歩きはしていなかったとは言え、通勤時や丹沢で脚力の維持には努めてきた。そのお陰か、林道歩きは順調そのもの。先行する人を次々にパスしてついに10/4上高地入りした人の先頭に立った。明神・徳沢で優雅に宿泊している人達を横目に先を急ぐ。何時何分なのか分からないまま。
横尾到着。スマホで時間確認すると7時前。理想的なペースだ。ただし、久しぶりの登山靴歩きは足にそれなりのダメージを与えていた。不安を振り切るようにウィダーインゼリーを飲み込み、涸沢に向かう。横尾からは人が多い。これから涸沢に行く人よりも下りてくる人の方が多いのが面白い。クラブツーリズムの団体さんが「いいねえ。今日は晴れて」と言いながら下りてくる。狭い登山道での行き違いもスムーズに統率良くやってくれるのが嬉しい。
平地歩きで筋肉を使い過ぎたようでペースは鈍る。涸沢からが本番なんだから、と思うが大きくペースを落とすこともできないのが辛い。ポカリに入れた塩が効いているのか攣りそうにはならない。
涸沢が近づく頃には辺りはTHE錦秋!カールにガスがかかっているのが気になり、もしかして綺麗な紅葉を周囲の風景と共に見られるのは今だけ?!と思い写真に納める。同様に考える人は他にもいて、登山道はさながら写真撮影会場に。
涸沢ヒュッテへの最後の登りはきつかった。遠く先に登山道が続いているのが見えるのは良くないな・・・
涸沢についてパノラマコースに進路を選ぶ。そこでしばし休憩。ここまでの行程でかなり足が疲労しているのが分かる。それでも行かねばならぬザイテングラード!
ザイテングラードまでの取り付きまでのパノラマコースは、紅葉最盛期であればそれは見事なものだったと思われる。横尾までの軽やかな歩きが吹き飛ぶような歩みの遅さに、我ながら笑える。ザイテングラードは思った以上に傾斜がきつく、岩場ありのちゃんとした岩稜という感じ。高度が増して酸素の薄さが感じられると、ペースはさらに落ちる。この高度への慣れはいくら平地や低山で鍛えても無駄なことだと思う。
亀の様な、それでも着実な歩みで何とか穂高岳山荘に到着。途中、逞しい健脚若者がオッサンや他の登山者を抜くのに苛立ってか登山道を外して抜きにかかり、ちょっと落石をしたのに腹を立てた。もちろん「登山道外したら危ないぞ!」と注意した。その後先着した彼が小屋周辺で新穂高方面への降り口を人に聞いていたのが笑えた。体ばかりが健康で脳みそが足りない登山者・・・遭難者リスト入り目前だ。
しかし奧穂前穂を日帰りでやろうとするなんてのも無謀登山の範疇であって褒められたものじゃない。気を引き締めて無補給で奧穂への岩稜に取り付く。岐阜県側からの冷たい風に晒されながら、素手で岩やハシゴを掴むのは辛いことだった。手袋持って出たはずなのに・・・
奧穂山頂に来てみれば既に到着の登山者がワイワイしている。奧穂山頂は二つの盛り上がった箇所があって、一方がお社が載っていてそこが山頂となっている。狭いので人が3人も乗れば一杯になる。60がらみのおじさん達がなんだかんだと言いながらなかなか山頂を譲って貰えない。そのうち「写真撮って」とせがまれる。ここはあまり良い子良い子していては駄目と、ズイズイと山頂の社に登り記念写真撮影。
山頂から少し離れた眺めの良い場所でしばし休憩したが、ここでカップヌードルを食べるかどうか悩んだ。しかし周りが騒々しいのとそれほど腹が減っていないので、軽く補給して前穂まで進むことにした。頭が痛いので頭痛薬も飲んだ。セルフ撮影の自分、眉間にしわ寄せて苦しそう(笑)
吊尾根は前穂から通ったことがある。天気が良ければ気持いい岩稜歩きが楽しめる場所だと思っている。今回は既に足が一杯一杯でペースが上がらない、決して楽しめる場所ではなかった。完全にアルバイト状態。奧穂に行く登山者に外国人が多いのに驚く。紀美子平に着くと風が吹き上がってきていて、汗をかいている自分には寒かったので少し戻って休憩開始。待ちに待ったカップヌードルチリトマト!この為に運んできたお水1リットルを取り出し、ザックに手を突っ込みバーナーを探す。
・・・ん?ない?・・・ザックから荷物を一つ一つ取り出していく。・・・なっない!バーナーを持ってきてない!なんという失態。
オニギリも食べる気がしない、仕方ないので非常用に取っておこうとしたミニクリームパンを真水で食べるという悪夢のようなランチ。自分に腹が立って前穂なんてどうでもよくなって下山を開始した。重太郎新道は登りの時に「何が新道だ!」と悪態をつきたくなるような道だったのを憶えている。足が疲労している中での我慢の下りとなる。岳沢小屋は上から見えているのに中々着かない、本当に長く感じる箇所。
岳沢小屋では失意の缶ビール(笑)を買う。雪解け水で冷やしているとか書いてあるが言うほど冷えていない。350缶500円也。疲れた体にアルコールが染み渡り、疲労感が抜けていくのが分かる。プラスまだまだ歩けるぞ!との闘志も湧いてくる。少量のアルコールは気付け薬と言うが、本当だと思う。
岳沢小屋から上高地まではそれまでのペースが嘘の様に、軽やかに歩いていけた。
河童橋からは今まで歩いて来た奧穂〜吊尾根〜重太郎新道や岳沢が綺麗に見えている。記念写真を撮るたくさんの旅行客を尻目にバスターミナルに急ぐ。案外と混んでいなくてホッとするものの、沢渡への切符を買わずにバスの列に並ぶという失敗をおかす。しかしバーナーを忘れるという痛恨の失敗に比べるとたいしたことがないと、特に腹も立たなかったから不思議だ。
バスで沢渡に着いてからはどこで風呂に入るか、小10分は調べたがイマイチしっくりくる施設がヒットしない。結局どこかで聞いた諏訪湖SAで風呂があるとの情報が頭にあり、スマホで調べて行くことに決定。
諏訪湖SAのそれは、ただの風呂ではなく温泉とのこと。610円支払い湯船に向かう。先客は2人、すぐに出て行かれたので貸し切り状態に。本来は気持ちいい瞬間なのだが、右足の薬指は豆がむけて赤くなっている状態で、お湯に当たるとしみて少し痛い。他にも潰れてはいないが豆ができている。スカルパの登山靴、自分の足に合ってないないようだ。というか登山靴で歩かな過ぎだったな、この2年は・・・
多くの反省点はあったが、無事に下山し事故もなく家に帰ることが何よりの幸せである。御嶽山の噴火があった後だけに、それを強く思う山行となった。お疲れ様でした。
自分も以前に同じコースを通って、紀美子平でくたびれてしまい前穂は迷いなくスルーしました(笑)
しかし、なんすかyariさんのCT
見間違ったのかと思いました。
登山靴ですよね? 走ってないんですよね?
スタスタと…疾風のごとく歩かれてるのでしょうね〜。
ヤマレコではご無沙汰ですね
今回のコースは1泊2日が普通ですもんね。辛いはずです(笑)
ずっと歩いてきての前穂ピストンは心と体に余裕ないと無理!
この1年、山にはあまり行っていませんでしたが、大倉尾根と通勤の歩きで脚力は維持できていたようでした。
もっとも元気が良かったのは横尾までのことですが・・・
登山靴であって良かったのは、登りでつま先を蹴るように上がらないで済むことです。
これをするとふくらはぎの筋肉がすぐに疲労して攣ってしまうんです。
普段、走っていない人間には登山靴が理にかなっているようです
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