【初/雪山&高山病】はキツかった!!「木曽駒ヶ岳」
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- GPS
- --:--
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 1,451m
- 下り
- 1,451m
コースタイム
天候 | 晴れ時々曇り 山頂駅(10時の段階で-7℃)山頂の気温は-15℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
菅の台BC駐車場(約1000台の駐車スペース/駐車料金 1回500円/トイレあり) 中央自動車道 駒ヶ根IC→菅の台P(23分) 【住所】長野県駒ケ根市赤穂759-489 【電話】0265-83-3107 ※菅の台BCからはマイカー規制により、バスで移動。 〜しらび平駅(バス利用30分) 〜千畳敷駅(ロープウェイ利用8分) 【料金】往復3900円 【URL】http://www.chuo-alps.com/ropeway/index.html ※バス・ロープウェイは時期によって運行間隔・時間が異なります。 詳細は以下のURLで確認してください。 ┗・菅の台BC発 始発08:15(1時間間隔) ┗・千畳敷駅 発 最終15:55 【詳細】http://www.chuo-alps.com/ropeway/fare/pdf/timetable_2014.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
▼登山ポスト 千畳敷駅に設置されています。 ▼電波 Docomo⇒○ Au⇒× |
その他周辺情報 | ▼温泉 駐車場から8分にある「こまくさの湯」を利用。 【住所】長野県駒ヶ根市赤穂759-4 【電話】0265-81-8100 【料金】610円(※HPを印刷して持っていくと50円割引) 【URL】http://www.komakusanoyu.com/ |
写真
感想
今回の山行は、僕にとって強く印象に残るものになった。
何年か経って振り返った時のために記しておこうと思う。
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夏頃から毎週のように山を登り始め、初の冬が来た。
僕は、低山を中心に冬山を楽しむつもりでいたのだが、同じ頃から登山を始めた仲間は
そうでなかったみたいだ。
「冬の富士山で雪山講習があるらしい!行こうよ!!」と熱い口調で誘われたのだが、
高山は危険なイメージが強かったので、即座に断った。
ただ一方で「富士山」には強く惹かれていた。
登山を初めてすぐに、富士山はいつか登ってみたいと思ったが、渋滞する山が嫌いだったので、なかなか踏み切れずにいたらあっという間に夏が終わってしまい、来年へ持越しとなっていたからだ。
別の友人も同様に誘われており、僕と同じように冬山への恐怖と富士山を登りたい気持ちで
葛藤しているようだった。
漠然とした不安を抱えていても仕方がないので、とことん調べてから結論を出すことにした。
・冬山の本を購入
・冬山の机上講習に参加
・低体温症の講習に参加
・冬山の天気講習に参加
この1ヶ月…自分でもたくさんの場に足を運んだと思う(笑
色々と情報収集してく中で、いつの間にか雪山に対する恐怖心が、
「結局は体験してみないことには分からない!」と挑戦したい気持ちへと変化していった。
そして僕は講習に参加する決意をした。
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決意してからというもの、今まで悩んでいたのが嘘のように人は前向きになるもんだ。
今度は当日までに揃える必要がある冬山のギアについて片っ端から調べた。
まず驚いたのが値段だ。靴1つとっても今までの倍以上の値段がするではないか。
ただでさえ、揃えなくてはならない物が多いというのに…。
過去に何度か、金を渋って場当たり的なギアを購入し、結局買いなおす苦い経験を積んできたことがあり、また行き先の危険度を考え、今回は慎重にギアを購入していった。
そんな中、行き先が木曽駒ヶ岳へ変更という連絡が入った。
寒波が押し寄せ、富士山の登頂が難しいという理由だった。
富士山だったから雪山へ興味を持ったのに…とボヤいても天候には文句を言えない。
少し肩透かしを食らった気分だったが、どちらも3000m級の雪山には変わりない。
そして準備が整った。
期待と不安が入り混じった気持ちで落ち着かない夜が続いた。
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【雪山講習 初日】
待合せの新宿駅に到着すると、僕ら3名を含め、参加者は8名だった。
軽い自己紹介を済ませ、講師の車に乗り込む。
乗車して約2時間後、「到着!」と言われ皆で降りる。
ただ見渡してもどこにも雪がない…。
訳が分からない中、講師に言われるままにアイゼンを履き、ピッケルを持ち山へ向かった。
そして歩き出して15分程で、ある岩壁の前に到着した。
今日はピッケルとアイゼンで登るドライクライミングをすると、そこで初めて聞かされた。
ツアーの予定表には「雪上訓練」としか書いてなかったので、
まさかクライミングをすることになるとは誰もが想像していなかった。
僕自身、ここ数年ボルダリングに勤しんでいたが、
高い所が苦手だったのでルートは数えるほどしか経験がなかった。
アイゼンを履いて登ることへの不安、初めて使うバイルに少し緊張したが、
次第に馴れ、ボルダリングとは違った動きや感覚を楽しむことができた。
今回10〜20m程の高さがあったが、全く恐怖を感じなかった。
今後リード、マルチ、アイスなど幅を広げてみるのもいいかもしれない。
行ける場所の可能性と夢が広がりワクワクする気持ちと、
もし始めたらまたギアで金がかさむのか…といった現実問題とで葛藤した初日となった。
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【雪山講習 2日目】
朝起きてコテージのデッキに出ると雪がついて白くなった金峰山や瑞牆山が見える。
天気も良好なようだ。心の帯を締め、木曽駒ケ岳と向かった。
ロープウェイで一気に2600mの世界へ駆け上がる。
下車し、千畳敷カールを見上げるとガスっており展望が悪かった。
秋の紅葉時に訪れた時は天候にも恵まれ、黄金色に輝き美しさを漂わせていたが、
たったの数カ月で一変し、人を寄せ付けない厳しい表情を浮かべていた。
無雪期の乗越浄土までの登山道は、ジグザグに切られた整備された道のため、いたって簡単で登山者ばかりではなく大勢の観光客さえ目にしていた。
しかし、冬季のルートは一直線上に登り上げるため、傾斜も強く、過去に行った経験から
軽く考えて臨むと滑落の事故に繋がりかねない場所へと変化していた。
ガイドからはとくに雪山の登り方へのアドバイスもなく、ロープを持たされ、
雪崩の可能性があるからと急かされ、がむしゃらに登っていたらすぐにバテてしまった。
なんとか稜線に上がると、今度は寒冷な強風が吹き荒れていた。
気温は-15℃、風速15mぐらいだろう、人生初の体感温度-30℃の世界が待っていた。
雪の斜面はアイスバーン状態になっている所が随所にあり、ときおり耐風姿勢をとりながら
慎重に頂上を目指した。
山頂に着くとガスも引き、360℃の展望が待っていた。
雪化粧した山と青空の素晴らしいコントラストが、ただただ美しかった。
「危険な雪山を何故登るのか?」という問いに対し、僕の中での答えがそこにあった。
下山を始めて数分後、身体の異変に気付き始めた。
息をしてても苦しくて仕方がない。バラクラバをかぶっているせいか?と思った矢先、
窒息するのではと感じるぐらい呼吸が困難になり、急いでバラクラバをはずす。
深呼吸をしてもなかなか呼吸が整わず、ネックウォーマーもはずし、ハードシェルのジッパーを下げてなんとか落ち着くが、顔に強風が吹き付けられて寒いし頭痛もする。
講師に伝えたくても、ロープにつながれて歩いていたためだいぶ先におり、
強風のせいで数m離れると声が届かない。
仕方がないので後ろから来た仲間にその旨伝えると、雪を渡され食べるよう勧められた。
登山中、特に飲み水を欲していなかったので1度も水分を摂っていなかったが、
雪から水分を吸収すると体力が回復していくのを感じた。その後も足元がフラフラし
何度か転びそうになったが、千畳敷駅に着く頃には体調も回復し、無事に下山した。
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今思えば高山病になっていたのだろう。
以前にも木曽駒ケ岳は登ったこともあり、高山病というと頭痛や吐き気の症状だけかと思っていたので、その時は気付かなかった。
翌日気がつくと頬に軽い凍傷ができていた。仲間の1人は指先、1人は耳が軽い凍傷に
なっていたという。
冬山の初心者向けと言われいる木曽駒ケ岳で、体力のなさを痛感し、高山病、凍傷と
色々と歯がゆい結果になった。
毎週のように山を登り始め少しは自信があったが、3000mの雪山の洗礼を受け
僕の心は全て打ち砕かれた。
だけど負けずに少しづつスキルアップを目指していこうと思う。
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