槍ヶ岳〜鷲羽岳〜雲ノ平〜薬師岳〜五色ヶ原(新穂高〜室堂)
- GPS
- 152:00
- 距離
- 59.4km
- 登り
- 6,129m
- 下り
- 4,819m
コースタイム
- 山行
- 4:13
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 4:20
- 山行
- 7:31
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 8:42
- 山行
- 9:38
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 10:45
- 山行
- 5:23
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 6:13
- 山行
- 5:14
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 5:53
天候 | 行動中は5日以外はほぼ晴れ、5日は曇りがち 2日は夜に雨、3日〜5日は夕方にわか雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・西鎌尾根の下り、双六岳〜三俣蓮華岳、薬師岳〜北薬師岳と軍人霊碑からの下りが山と高原地図のコースタイムよりだいぶ時間がかかった。 ・北薬師岳は山頂標識がないピークのほうが薬師岳のカールがよく見えてすばらしい。 ・行程的に油断してしまいそうだが、五色から室堂までの道も決して侮れない。 ・槍平小屋…トイレの臭いはかなりキツイ。水は豊富。テント場は広いけど結構埋まってた。 ・槍ヶ岳山荘…アルファベットがふられたテントサイトは景色がいいけど、焼却炉が近く空気が悪い。ミネラルウォーターは500mlのペットしか売ってない。 ・三俣山荘…外トイレがなく、テントでも山荘内のトイレ使用。キレイだが以前より劣化気味。テント場に水場あり。テント場、山荘ともに混んでた。 ・薬師沢小屋…意外!?にもトイレは超キレイ。 ・薬師峠キャンプ場…トイレはバイオでキレイ、紙あり。 ・スゴ乗越小屋…外トイレで大はする気がしない。テントでも小屋内のトイレ使用可。昔ながらのタイプだが臭いは大丈夫だった。水場は小屋前で豊富。テント場は狭いが空いていた。小屋の方は混雑していた。 ・五色ヶ原キャンプ場…トイレは臭いはさほどでもないがハエは多い、紙なし。水は豊富。テント場は広いが張れそうな場所は限られる。空いていた。山荘には風呂あり(温泉ではない、小屋泊のみ)。 ・みくりが池温泉…脱衣場が狭い。洗い場も6箇所?あるけどシャワーがあるのは3箇所しかない。9時オープン狙いが一巡したあとが空いてるかも。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
去年は中房温泉から表銀座で槍へ登って西鎌から雲ノ平を抜けて室堂まで行く計画をしていたが天候不良で断念。結局10月になってから小屋泊で燕から蝶まで縦走して終わった(表銀座敗退)。
さて今年はどうしたものか。南もいいし北海道も行ってみたい、でも去年計画した所がどうしても気になる。やっぱり西鎌はもう一度歩きたかったし、薬師から立山までの道も歩いてみたかった。そこで表銀座を飛ばす代わりに黒部五郎を追加した7泊8日の山行を計画した。
今回の山行で最大の不安はやはり8日連続で山を歩き切ることができることができるかどうかだった。テニスからゴルフに転向してから運動というものを知らなくなったし、一時より山行も減っている。
ということで無理のない計画をしたかったけど、雲ノ平で一泊は外せないと薬師から五色は一気に歩く計画になってしまった。
この無理のない計画といいながら雲ノ平を欲張った計画がのちのち仇となる。
8/1
松本からの直通バスで新穂高に12時に着いて槍平へ向かった。12時から歩き出して槍平まで行くことに抵抗があったが日程の都合でやむを得なかった。バスには20人以上乗っていたが大半は双六方面の道へ行ってしまった。鏡平までか、一気に双六まで行ってしまったのだろうか。まさか笠まで行った者はいないと信じたい。残りはロープウェイの方へ行ってしまい、右俣林道へ歩き出したのは自分一人だけだった。やはりこんな時間から歩くのは非常識だよなーと思いながらゆっくり歩き出した。
白出沢出合を過ぎてから登山道になって時々見える穂高の稜線が良かった。例によって藤木レリーフは見逃した。テント場は混んでいたが、一番奥の隅っこに平な所があったのでそこに張った。
8/2
槍ヶ岳山荘までなので急ぐ必要はないのだが起きてしまったので5時前に出発した。出発してすぐに15人ぐらいの高校生のパーティに追い抜いてもらったが、そのうちの一人がすぐにキジ打ちに入り、ブリブリ聞こえるところに遭遇してしまった。そこでキジ打ちに付き添っていた先生に「双六まで?」と聞かれて「槍までです」と答えたら「槍登って降りるの?」とさらに聞かれたので「槍でテントです」と答えたら「へぇ、そういうのもアリなんだ」とつぶやかれた。まあ確かにその時間に歩いてて槍で行動終了を決めてる人は中々いないわな。ちなみにその高校生のパーティは千丈の分岐から西鎌のほうへ行ってしまった。てっきり槍を登って双六かと。そういうのもアリなんだね。まあ安全配慮なのかな。
穂先へ登って降りてきたら急に頭痛がしてきた。やはり自分は高所に弱いことを再確認。横になって休みたいのだが、テントの中は暑くてとてもいられない。小屋の中の椅子や小屋の周りの日陰ができた所をウロウロして辛い時間を過ごした。日が落ちてから雷鳴や稲光でテントの中で心配になったが雷雲が接近することはなかった。
8/3
軽い高山病の影響で頭痛と吐き気がする。いつも高度が下がればすぐに回復するのだが、今回はちょっと時間がかかった。
槍からの最初の下りはかなり慎重に下った。6年前に登った時に落石に遭っているのだ。落石に遭ったといっても当たったわけではないのだが、ラークッという声が聞こえて、見上げたら人の頭よりは大きい石がこちらに向かってきていて、このままでは確実に当たると感じた。幸い途中で止まってくれたが、当たっていたら致命傷になる可能性は大だったと思う。今までの山行歴でも一番の危機だった。しかし今思えばあの斜面でよく止まったものだ、ラッキーだった。
割と長い印象だった最初の下りは30分もかからなかった。一安心。しかし、ここからが意外と辛かった。まだまだなのは硫黄尾根が特徴的なのでよく分かる。樅沢岳の登りだけちょっと大変なぐらいでコースタイムより早く歩けると踏んでいたので、水をあまり持っていなかったのはまずかった。幸いしたのは、槍の山荘で頼んだお弁当にお茶が付いていたこと。紙パックのものだったのでゴミになるから一瞬返そうかと思ったけど、受け取っておいて良かった。これも途中で飲んだので実質マイナス発生orz…
同じ道を何年かぶりに歩いて、アレ?こんな所あったっけ?なんてことはよくあるけど、逆走になるとなおさらだった。前回はかなり気持ちよく歩けたので楽勝な印象しかなかった。一度しか歩いたことのない道で経験があると自惚れてはいけない。反省した。
さて、体調もあまり芳しくないしコースも予想以上にハードで暑さもしんどいと、今後の行程が不安になってくる。気になるのは7日目の薬師岳山荘から五色ヶ原までだ。コースタイムで9時間40分。多くの山行記録で設定が厳しい区間があると言われており、10時間超はみておかなればならない。この暑さで10時間超、しかも今より体力を消耗している状態。やはり見直さなければならない。
五郎を飛ばすか…そればかり考えながら三俣蓮華まで歩く。五郎を優先すると今後のメンタル次第で折立で下山も考えるかもしれない、それだけは回避せねば。室堂まで歩くこと第一に考え五郎は飛ばすことに決めた。三俣山荘へ下っていくと雨が降ってきた。五郎の涙かな!?
8/4
計画では三俣の次は雲ノ平で休養日にするつもりでいたけど、黒部五郎を飛ばしてしまったので今日は一気に薬師峠まで行くことにして行程も一日減らすことに決めた。雲ノ平…また来るぜ。
鷲羽の展望はもちろんだけど、祖父岳(じいだけ)も地味に展望が素晴らしい。祖父岳を降りたところで同年代とおぼしきお兄ちゃんに出会う。見た目によらず弱気で、鷲羽も双六も巻いて双六小屋まで行くという。おぉそりゃ勿体ないよ。とりあえず三俣山荘に到着した時の状況で双六岳を巻くか決めた方がいいよと声をかけて別れる。別れてすぐにアレ?祖父岳も巻くのか?と気づく。振り向いて祖父岳の登りを見ても彼の姿はなかった。双六岳はどうしただろうか?
雲ノ平はルンルンで通過できたが、急坂の下りでやられる。ヨレヨレ気味で薬師沢小屋に到着。あの居候の池上さんの小屋だ。何気に今回の山行で楽しみにしていた場所の一つ。トイレのキレイさには驚愕した。大便器も覗いてくればよかった。
小屋前でフルーツ缶を食べていると、大東新道ってどうなんですかね?なんていきなり聞かれる?いやいや、まず歩いてきたか聞いてよ。大東新道については別の場所でも他の人に聞かれる。オレ知らないから。
薬師沢から工事現場スタイルのオヤジ二人組とデッドヒートになる。荷物もほぼ空身で一瞬本当に工事関係者かと思ったが、登山客でなんと薬師峠にテントを張っていた。太郎山を巻く辺りの登りでなんとか振り切った。
ヘロヘロの体で太郎平小屋到着。売店のかわいいおねえさんに軽く癒される。
薬師峠でテントの受付をしようとすると小屋のおっちゃんはお昼寝中。起こして受付してもらう。「雲ノ平から?」「いえ、三俣からです。」「おぉ、それはがんばったねぇ。」そう言ってもらえると素直にうれしい。小屋の人の応対で、ここは街のコンビニじゃないんだからさぁ、と言いたくなるような時がときどきあるけど、小屋で働く人はこういうの見習ってほしいと思う。いいんだよ昼寝してたって。ヨレヨレの登山者に気の利いた一言が言える仕事ができれば。
テン場には相当にレベルの低い学生グループがいてちょっとがっかり。新入生に指導してる先輩がトンチンカンなんだもんな、ある意味かわいそうだった。
8/5
前日の疲れが残っているけど薬師岳までは歩いたことがあるのでメンタル的には余裕があるし歩き易い道で助かる。この日は曇りがちで遠くの展望はイマイチ。それでも北薬師のピークから見る薬師岳が素晴らしかったし、間山への登りの稜線もいい雰囲気だった。やっぱり薬師岳は眺めてもいいし歩いてもいい。間山の辺りで五色出発で薬師峠に向かう人に出会い始める。すでにふうふう言ってる人もいて励ます。スゴに着くと既に張られたテントがあったけど連泊の人とこれから撤収の人で多分テント場一番乗り。
テントで昼寝をしていると小さな子供がいるファミリーが近くに来てしまった。いろいろと話声が聞こえてくる。だいぶ子供に気を使っているご様子、とにかくおだてまくっている。基本子供の登山には否定的なのだが、その考えはさらに深まった。そこまでしてここに来る必要あるかね?とツッコミたかった。
テント場のほうはそうでもなかったけど小屋は混んだらしい。おかげでお弁当を注文していたのに受け取れなかった。約束の時間に行ったらまだ出来てなくて5分もかからないと言うから待っていたのに全然こない。その間に受付が閉まってしまう。おぉ、どうなってるねん。作る時間がないならそう言ってくれればいいのに。お粗末な対応だった。
帰ってから知ったのだが小屋とテン場の間にある池にはサンショウウオがいたらしい。マジか?カエルがいることには気付いたけど、まさかサンショウウオがいたとは。
8/6
この日は五色ヶ原まで。楽しみにしていた場所だ。越中沢岳の登りの途中で外国人の男2女1パーティのナイスバディお姉さんに声をかけられる。「Oh! this one!」と「2hours?」だけ分かった。要はもう歩きたくなくてスゴ乗越までどれくらいか聞きたかったようだ。折立下山かなと思ってたけど、他のレコによるとなんと槍まで行ったらしい。薬師から五色までの間には他にも外国の方とは結構すれ違った。どうやら有名なガイドブックにこのルートが載っているらしい。
越中沢岳の山頂では、高天原まで行ってブナ立尾根を下山する計画だというおっちゃんに出会った。どうも五色で他の登山者に薬師沢の橋が壊れたままで渡れないと教えられたらしくしきりに心配していたが、直ってますよと教えてあげるととても喜んでいた。温泉入れたかな?
五色のキャンプ場では水場の近くにテントを張ってボケっとして過ごした。
8/7
最終日。みくりが池の温泉が9時からなのでそれに合わせて4時前に出発。結果的にはもう少し遅くてもよかった。なんか立山というと観光地のイメージがあって完全に侮っていたけど、ハシゴはあるし雪渓はあるしで侮れない登山道だった。龍王岳付近までは出会う人もなく静かに歩けて良かった。
軍人霊碑のところでライチョウの群れに出会って気を取られてルートロスでタイムロス。ロープがあってバツ印もあったのにそっちに行っちゃった。最後の最後でやっちまった。それからここからの下りは結構急なので一ノ越経由のほうがいいのかも。
慰霊碑のところでゴール宣言してみくりが池へ。温泉には学生4人組がいてあまりゆっくりできなかったけど、7日分の汗を流せて大満足。温泉の後はお約束のソフトクリーム。ついついミックスを頼んでしまったが味がよく分からなかった。
計画崩れにはなってしまったけど7日間無事歩き通せてよかった。黒部五郎岳は笠ヶ岳あたりとセットにしてまたいつか行きたい。
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