《北アルプス初心者》上高地→奥穂高→大キレット→槍ヶ岳「3000m峰 8峰周回」
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 34.6km
- 登り
- 3,113m
- 下り
- 3,102m
コースタイム
- 山行
- 9:01
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 9:29
- 山行
- 10:34
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 12:07
天候 | 1日目 晴 2日目 晴のち曇時々霧雨 3日目 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
上高地まではバスを利用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道を外さない限り、足場は安定していて鎖・ステップ・杭(ピン)・梯子は良く整備されているようで安定感あり。白丸のペイント・矢印が近間隔であるため道を外しにくい。万一ルートを外すと崩れやすいガレ場・岩場が多々あり! ±疎岳〜北穂高岳間で5〜6分沢沿いにルートミスしたところ崩れやすいガレ岩場に急変⇒顔面蒼白でリターン 大キレットで1〜2分(進行方向)左にルートを外したところ右手をかけた大岩?が1.5〜2mごっそり剥がれて轟音を伴い大落石・・・火事場のギアチェンジで岩がぐらついた瞬間に反射的に左上に逃れて自分は難(死?)を逃れ、また(ルートを外していたこともあり)後続がいなかったことで事故にはなりませんでしたが背筋が凍りついた瞬間 (注意)核心部でのルートミスは命とりになる可能性大、常に自分のコンディションと向き合い無理をしない事とともに、マーキング(ペイント)を強く意識して登山道を絶対に外さないという気持ちが重要 ※経験豊富でバリエーションルートにあえて挑戦する人は除く ※※ルートは手書きのためルートミスは反映していません |
写真
予定では初日に北穂高小屋までいくはずでしたが、ここからコースタイムで更に3時間先でその行程も険しさを増します。このヘロヘロの状態で進めば到着が19時頃で、翌日の登山に影響が出ること必至です。日帰りと違って無理はできないので初日は、穂高岳山荘に停滞・宿泊することにしました。
この後、大キレットを南下してきた男女の2人組に話を伺うと、「自信が無ければ大キレットにいくべきではない」と諭されます。しばらく大キレットを迂回して槍へいく場合を検討してみますが迂回すると距離が2倍以上になるとともに、3000m峰が3峰減ってしまいます・・・。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ヘルメット
|
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感想
初めての小屋泊(今まで日帰りのみ)で、初めての北アルプス。初心者が北上コースの槍穂・大キレットに挑戦するとこんな感じになるでしょう。
健脚や高所の縦走に慣れたベテランなら1泊2日の行程ですが、私のように過去最高の重装備となり高所でパフォーマンスが落ちてしまう人(空気の薄いところでパワーダウンの自覚がある人)だと2泊3日以上が絶対条件、無理を通すと事故につながるのでゆとりを持った計画がお勧めです。
●ザックについて
30Lながら上、下、真ん中にポケットが付いた比較的上下に長く沢山の荷物を入れやすい汎用性の高いザックでしたが2泊3日の小屋泊登山では(自分にとって)容量不足。一部装備(チェーンスパイクと食料品、行動食)を減らさないと荷物がおさまりませんでした。30Lで妥協せずに荷物を積んだ場合1泊2日が限界な感じでした
●グローブについて
4〜5回の日帰り登山に使用した程度の普通の高グリップ透湿手袋でしたが高グリップのゴムっぽいコーティングは全て剥がれて10本中7本の指に穴が空き最終的には穴あき手袋状態になっていました。グローブはへたれていない新品と予備の2セット用意する必要がありました
●今回使用した靴、トレランシューズについて:インプレ
昨年12月初め頃購入した「SALOMONのXA PRO 3D GTX」《ガレ場から土路面まで多様な状況に対応、更にゴアテックス仕様⇒トレランシューズの中では比較的固いソールで重量もあるしっかりしたつくりで防水性能も良いというもの》
◇◇トレランシューズでの奥穂、大キレット、槍ヶ岳踏破
賛否両論あるかもしれませんが個人的にはギリギリ支障がありませんでした。但し私の足の強さだともう4〜5kg重いテント泊装備では足の裏が痛くなりそうな気配でした。とはいっても健脚ならばトレランシューズで余裕で夏の北アルプス縦走ができると思われます。※日頃登山以外に運動の習慣がない人はトレランシューズを避けてノーマルな登山靴をお薦めします
◇トレランシューズの耐久性について
やはり弱くて消耗が激しいと実感。使用して9ヶ月目で毎回登山に使用しているわけではないのに今回の北アルプス岩稜縦走でソールの一部、左右で2〜3箇所に亀裂がはいり軽く裂けてしまいました。
◇トレランシューズの歩行感覚 in 北アルプス
ガレ場・岩場・梯子・鎖場・杭(ピン)でのグリップは全く支障なく登山靴以上。
(空気の薄い)高所の急登やガレ場・岩場での歩きやすさは(個人的には)登山靴と同等ながら若干のしなりが疲労感へ⇒重量装備でも疲労感が少なくて保護性も高いノーマル登山靴のほうがベターだったと体感。一方でおおよそ標高2300m以下の空気が濃い傾斜の緩い登山道に入るとギアが一つ上がった感覚で見違えるような歩きやすさに急変(^_^)
傾斜のある高所の登山では登山靴に軍配が、2000m以下の傾斜の緩い登山道では完全にトレランシューズに軍配があるといった感覚でした
※※個人の脚力の程度と、高所(空気の薄い場所)の得手不得手などで全く印象が変わる可能性が高いため参考程度でお願いします
●自己最大の積載量での険しい3000m峰登山
今まで日帰り登山しかしたことがなく、(水5Lは自分にとって夏の必要最低限の水量で削減の対象外)2泊3日の装備を積めるだけ詰め込むといまだかつてない重量感、予想以上に歩きに影響がでました。初めて重いと重いほど動けなくなる・・・という経験をしました。前穂高に登る時ザックをデポすると明らかにパフォーマンスが上がり登り安く(^^)、それまでの苦労が嘘のように普通に急登が登れました。
⇒ 今回のように途中に山小屋が多く、飲食共に補給可能な山域では、水と行動食は少なめが合理的でベター
■決断その1《穂高岳山荘で停滞》
当初の計画では北穂高岳を越えて北穂高小屋に宿泊予定でしたが、上高地出発が始発バスを逃した関係で30分の遅れ、またザックの重量に負け気味で穂高岳山荘に到着したのが15時30、疲労した体で(一般登山道では)国内有数の困難ルート、コースタイム3時間の穂高稜線をいくのは危険でもし行けても翌日に支障が出ると判断。穂高岳山荘にチェックイン。
■決断その2《大キレット撤退か挑戦か》
2日目!水を2L減らして行動食も少し消化、ザックを軽くして若干動きが良くなったにもかかわらず、穂高岳山荘〜北穂高小屋への行程でその険しさに疲労困ぱい→大キレット北上に迷いが発生。大キレットを南下してきた一組に話を聞くと、自信が無いなら撤退すべきと諭されます(失態→滑落→死と隣り合わせで気軽に挑戦していい場所ではないとのこと)、そのあと涸沢岳で知り合い途中まで行動を共にしたパーティーに話を聞くと彼らはこれで満足して帰路につくとの事(元々大キレットの予定無し)。自分はこの後、槍ヶ岳まで登る予定でもし大キレットを迂回して槍へ向かうとなると槍までの距離が2倍以上に・・・、3000m峰8峰周回も単なる5峰縦走になってしまいます(×_×)。大キレットを諦めきれない気持ちを抱えて安全と挑戦の天秤が釣り合ってにっちもさっちもいかない状況が続きます。状況を打開すべく再び大キレットを南下してきた女性2人組(50代と推定、間違っていたら申し訳ありません)に話を伺います。すると初めての大キレットで踏破した喜びに満ちあふれている感じで「私たちのような女性でも行けたのだから、無理せずに慎重に行けば大丈夫よ〜」とのこと!これで気持ちに踏ん切りがつきました。ザックも軽量化して動きが少し良くなり難ルートである穂高稜線を北上したことでウォーミングアップも十分です。ちょっとばかし自信も出てきて十分なモチベーションで大キレットに突入しました。
■決断その3《槍ヶ岳山荘まで進む》
危機一髪の大落石等でドキドキの大キレットを越えて南岳小屋でゆっくりしていると14時40分を回ってしまいます。ここから槍ヶ岳山荘まではコースタイムで3時間、疲弊して一息ついてしまった体では槍ヶ岳山荘につくのは18時過ぎが想定されます。南岳小屋にチェックインして翌日に槍ヶ岳でも日程的には問題ありません、さあどうしましょう。今回は多少無理をしても槍ヶ岳山荘まで行ければ、翌日の核心は空荷での槍の穂先のみ!後は厳しい行程のないハイキング道で上高地へ下るだけ。今回はそれ程迷わずに南岳小屋をあとに槍ヶ岳山荘へGO GO GO! 遅いですけどね(^^)
★奥穂高岳(吊尾根)
上高地から奥穂高岳への最短ルート。単純標高差約1690mで後半は岩場の稜線歩き。初のお泊まり登山で自分史上最重量のザックではかなり厳しいものでした。事前にザックを重くした練習登山ができていたらベターです。
★穂高岳山荘〜北穂高小屋(穂高稜線)
一般登山道では国内有数の困難ルートの1つ。鎖や梯子が多く三点支持が必須の岩登りも多く高度感も抜群。大キレット前のウォーミングアップに丁度よい。ここで本当にいっぱいいっぱいで心が折れたのなら大キレット回避が妥当。
★大キレット(北上)
深く切れ落ちた岩稜帯で国内では上級の難ルート。あらかじめ難ルートということで気持ちを引き締めてマイペースで無理のない進み方ができればけして攻略できないルートではない感じ。過去に滑落事故もあるとはいえ、その割合は当然1%もないはず。普通の登山好きが油断なく慎重に行けば何とかなるルートです
※ルートを外した場合はその限りではないです・・・
★南岳〜槍ヶ岳(山荘)
岩場が一部あるほかは穏やかな3000m級の天空稜線。天気が良ければ絶景が期待できます。
※個人的には疲弊した状態で霧雨交じりの稜線は堪えてノロノロ歩き・・
★槍ヶ岳山荘〜槍の穂先(槍ヶ岳頂上)
空荷でのぞめば(普通のハイカーはザックをデポして空荷で挑戦)、1箇所右足を高く上げて岩に足をかけて登る難所?があるものの他は慎重に3点支持で登れば問題無し、重いザックを背負っての穂高稜線や大キレットに比べたら登りやすいです。
※個人的には山頂で軽くビビって頂上にあまり留まりませんでした(>_<)
★槍ヶ岳山荘〜天狗原分岐
程々の急登が延々と続く良く整備された歩きやすい登山道。槍ヶ岳を目指す最も一般的なコースで見晴らしが良い。
★天狗原分岐〜槍沢ロッヂ
次第に傾斜が緩くなり、トレランシューズ等を履いていて体力にゆとりがあればトレランに最適な登山道。
★槍沢ロッヂ〜上高地
ランニングシューズでもいけそうな観光登山道。
《まとめ》
北アルプス初心者でも、2泊3日の日程で高いモチベーションをもって慌てず焦らずマイペースで慎重に進めば『槍穂、大キレットの3000m峰8峰周回縦走』は十分可能です。
※間違っても登山初心者向けのコースではありません、あくまでも北アルプス初心者ということである程度の登山経験がある事が前提条件です
晴れていれば展望も素晴らしく、上高地起点の贅沢でミーハーで肉厚な縦走を満喫できる素晴らしいルートです。何年か後に機会があれば再び周回したいと思わせてくれる行程でした。
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