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最終更新:へろぞー
火山湖と樹氷が魅せる「東のお山」
蔵王山は山形県と宮城県にまたがる火山群の総称で、「蔵王連峰」と呼ばれることもあります。主に17の山で構成され、最高峰は標高1841mの熊野岳です。日本百名山の一座で、火山ならではのダイナミックな山岳風景と、冬季に見られる巨大な樹氷がみどころです。
蔵王山のエリアは大別されることがあり、その分け方は多種に及びます。
山形県側を「山形蔵王」、宮城県側を「宮城蔵王」と二分したり、「北蔵王」「南蔵王」といった東西南北を割り当てた見方などがあります。
常時観測対象の活火山
蔵王山の火山活動歴は、約100万年に及ぶと推測されています。
何度も噴火を繰り返し、噴出物の堆積や山体崩壊により今の山の形が作られました。有史以降は30回以上の噴火の記録が残っており、現在は気象庁の常時観測対象の活火山です。
山頂部は森林限界を越えており、火山砕屑物や溶岩石があちこちにごろついています。露出した地層もよく観察でき、その縞模様から何度も爆発があったことが分かります。
火山の恩恵を受けて、麓は温泉がいくつか湧出しています。温泉の周辺はスキー場も多く、一帯はリゾート地が形成されています。
火山が作り出したシンボル「御釜」
五色岳直下にある火口湖「御釜」は、蔵王山を象徴する存在です。
切れ落ちた火口壁と、宝玉のように輝く湖面のコントラストは息を呑む美しさです。湖水の色彩は独特で、エメラルドグリーンや瑠璃色など多様に変化します。「五色沼」の別名があるほどで、これは太陽光の加減や水質によるものです。硫黄分を含んだ水は強酸性で、動物は棲めず藻類が生えるのみです。
出羽三山に相対する信仰の山
蔵王山は山岳信仰の山で、"蔵王"の山名は蔵王大権現の分霊をお迎えして祀ったことから定着したようです。
「東のお山」として崇められており、それと対峙する「西のお山」は同じく霊山の出羽三山(山形県の月山・羽黒山・湯殿山)です。
山域はあちこちに石像が置かれており、厚く信仰を集めていたことがうかがわれます。
蔵王スカイケーブル駅そばには蔵王大権現堂が建っています。ここには「蔵王大権現」が祀られており、山形市宝沢(ほうざわ)地区に鎮座する蔵王大権現の礼拝所です。
地蔵岳山頂には、江戸時代に建立された「蔵王地蔵尊」が据えられています。これが祀られてから遭難者が減ったことから、災難除けの御利益があると伝わります。
また、鳥兜山山頂には「蔵王大黒天」が鎮座しており、これら三神は「蔵王三大神」と呼ばれています。
熊野岳山頂には「蔵王山神社」が、刈田岳山頂は「刈田嶺神社奥宮」がそれぞれ鎮座しています。
「蔵王古道」は、登拝のために開かれた道です。
古くは山伏らのみが入山していましたが、江戸時代には庶民にも御山詣りが浸透し、大勢の信者が通行するようになりました。
今は地元の有志らにより維持されており、歴史を辿りながら歩くことができます。
いにしえの道は、山形県側は山形市の宝沢地区から熊野岳へと、宮城県側は遠刈田温泉(とおがったおんせん)の刈田嶺神社里宮から刈田岳へと通じています。
巨大な樹氷「スノーモンスター」
蔵王山は、日本最大級と謳われる樹氷原でも有名です。
氷や雪で覆われたアオモリトドマツは、怪物を思わせる造形で「スノーモンスター」の異名があるほどです。その巨大な群立はどこまでも広がり、まるで別世界にいるような体験ができます。
樹氷原を巡る雪上車ツアーや、ライトアップイベントも開催されており、一般観光客もよく訪れて賑わいます。
夏季のコマクサも見逃せない
一方で夏は、可憐な高山植物に出会うことができます。熊野岳から刈田岳を結ぶ稜線「馬の背」は、コマクサが一斉に咲き誇るスポットです。
秋の紅葉や、雪を被った御釜も風情があり、蔵王山は季節ごとに魅力に溢れる山です。
歌に詠みたくなるほどの名山
かつての山名は「刈田嶺(かったみね、かったね、かりだのみね)」または「不忘山(わすれずのやま)」でした。"不忘山"は万葉集など和歌によく詠まれた名所で、歌枕の山とされています。
また歌人の斎藤茂吉(さいとうもきち:1882-1953年)も、ふるさとの蔵王にちなんだ短歌をいくつも発表しました。山中や麓には、彼の歌が刻まれた歌碑が数多く設置されています。
モデルコース
4時間1分 10.1km
地蔵山頂駅(9分)→地蔵岳(12分)→ワサ小屋跡(12分)→熊野岳避難小屋(44分)→刈田岳(50分)→熊野岳(19分)→ワサ小屋跡(24分)→御田神様(22分)→イロハ沼(20分)→樹氷高原駅
※行き:蔵王ロープウェイ山麓線・山頂線を利用、帰り:蔵王ロープウェイ山麓線を利用
(登山口:地蔵山頂駅、樹氷高原駅)
蔵王山は交通網が発達しており、アプローチがしやすく比較的登りやすい山と言えます。
地蔵山は山頂手前までロープウェイが設置されており、瞬く間に登頂することができます。また、刈田岳の山頂まではドライブウェイが整備されています。
地蔵山と刈田岳、その間にある最高所の熊野岳を並ぶ稜線は、特に人気のルートです。見晴らしは良く、迫力のある御釜を眼下に、稜線漫歩を楽しむことができます。
遠くの山々も良く見え、月山や鳥海山、安達太良山、飯豊連峰などが望めます。
登山口 |
地蔵山頂駅 樹氷高原駅 鳥兜駅 蔵王刈田山頂バス停 刈田峠登山口 刈田峠大駐車場 蔵王ライザワールドセンターハウス 大黒天登山口 |
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基本情報
標高 | 1841m |
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場所 | 北緯38度08分36秒, 東経140度26分23秒 |
蔵王山という山はない。熊野岳や刈田岳などの総称として使っている。地元では通常「山」は付けずに「蔵王」と呼ぶ。またエコーライン以南を「南蔵王」、名号峰以北を「北蔵王」と区別する場合もある。
最高峰の熊野岳は宮城県、山形県の県境で山頂部は山形県内に入っているように見えるが正確には県境未定となっている。
■火山防災情報
・気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/212.html
最高峰の熊野岳は宮城県、山形県の県境で山頂部は山形県内に入っているように見えるが正確には県境未定となっている。
■火山防災情報
・気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/212.html
山頂 | |
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展望ポイント |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
-->蔵王連峰(ざおうれんぽう)は、東北地方の中央を南北に連なる奥羽山脈の中にあって、宮城県と山形県の両県南部の県境に位置する連峰。奥羽山脈において時と場所を移しながら次々と繰り返された火山活動によって形成された複合火山群である。
玄武岩、安山岩の成層火山群の活火山であり、気象庁の常時観測火山に含まれている。火口湖である御釜や噴気口が見られる。裾野には温泉やスキー場があり、両県における主要観光地の1つである。