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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
3県にまたがる「東北アルプス」
飯豊山は、福島県、新潟県、および山形県にまたがる巨大な山脈です。狭い意味では主峰の飯豊山を指すこともあり、これらを区別するために山域を飯豊連峰、主峰を飯豊本山と呼ぶこともあります。
最高峰は標高2128mの大日岳です。飯豊山(主峰)はそれに次ぐ高さで、標高は2105mです。
山塊は南北約20kmにおよび、花崗岩の隆起で誕生したと考えられています。
朝日連峰と合わせて「東北のアルプス」と称されており、登頂というよりロングトレイルが目的とされることも多く、日数をかけた縦走も人気です。
不思議な形の県境
明治時代、主峰の所在地を巡り、福島県と新潟県との間に領地争いがありました。現在は福島県に属していますが、三国岳から飯豊山(主峰)、御西岳にかけての稜線上に、飛び出したように県境が定められています。
雪渓と花、ブナを巡る山旅
飯豊山は日本海側気候のため積雪が多く、遅くまで雪が残ります。夏季は雪渓とお花畑が雄大な山岳風景を形成し、日本百名山に選ばれるものうなずけるほどです。
随一の大雪渓スポットは「石転び沢」です。
約2kmにわたって続く様は、白龍が天に昇る姿に例えられることもあります。雪渓を登り詰めて主稜線に乗ることができますが、雪面の見極めや、アイゼンを使った急傾斜の歩行技術が必要です。
イイデリンドウは固有種で、絶滅危惧種に指定されています。
花は爽やかな青紫色で、ミヤマリンドウよりやや大きく咲きます。
中腹は美しいブナの原生林が広がります。
森林浴を気軽に楽しむなら、山形県側の山麓「温身平(ぬくみだいら)」です。森林セラピー基地が設けられ、遊歩道が整備されています。
成人の通過儀礼に参拝された山
飯豊山は山岳信仰の山です。
開山は652年で、修験道の開祖とされる役小角(えんのおづぬ、えんのおづの:634-701年)になされたとする説があります。その際に、一王子から五王子の五神が祀られました。飯豊山(主峰)の山頂は五王子がおわすとされ、手前の四王子には飯豊山神社の奥宮と、本山小屋が建っています。
かつては修験者のみが入峰していましたが、江戸時代に入ると庶民による信仰登山が盛んになりました。五穀豊穣を祈念するほか、「飯豊詣」なる習わしがあり、成人男子と認められるために飯豊山へ登拝していました。
門内岳山頂には赤い屋根の祠があり、北股岳の山頂には小さな祠と立派な鳥居が建っています。
信仰は地名からもうかがうことができます。
御秘所(おひそ)は、鎖が掛けられた岩場で最大の難所です。日頃の行いが悪いと、神隠しに遭ったり天狗にさらわれると伝えられていました。
山中に置かれた姥権現の石像は、「小松のマエ」なる女性を祀ったものです。彼女は女人禁制の時代に入山したため、神の怒りに触れ石に変えられてしまったとする伝説が残ります。
草履塚は、登頂前に信者らが草履を替え心身を整えていた場所です。かつて、古い草履はうず高く積まれ、塚を築いていました。
佐渡島も望む眺望
稜線上は見晴らしに優れています。
大パノラマが展開され、鳥海山や朝日連峰、蔵王山など東北地方南部の名山が勢揃いです。飯豊連峰の山々を結ぶ長い尾根も目を喜ばせます。
また、日本海に浮かぶ佐渡島も確認することができます。
泊り掛けで奥深い山へ
飯豊山(主峰)へ至る登山道はいくつかありますが、どれも長丁場です。
1泊以上の計画が望ましいですが、山中で宿泊できる小屋は最低限の設備のみです。そのため、自分で寝具や食糧を背負い、2日間以上を歩き通す体力が求められます。
登山口 |
東俣彫刻公園(大石ダム) 飯豊山荘(天狗平) 足の松尾根コース登山口(奥胎内) 実川口 弥平四郎登山口(祓川駐車場) 弥平四郎バス停 御沢登山口 ブドウ沢登山口 五枚沢登山口 大日杉登山小屋(中津川口) |
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周辺の山小屋 |
朳差小屋 頼母木小屋 門内小屋 梅花皮小屋 湯ノ島小屋 御西岳避難小屋 祓川山荘 三国岳避難小屋 切合小屋 本山小屋(飯豊山避難小屋) 飯豊山荘 天狗平ロッジ 奥胎内ヒュッテ 大日杉登山小屋 |
基本情報
標高 | 2105m |
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場所 | 北緯37度51分17秒, 東経139度42分25秒 |
長大な尾根の縦走が楽しい。豊かな水は銘酒を育てます。東北一の名峰だと思います。
山頂 |
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山の解説 - [出典:Wikipedia]
飯豊山(いいでさん)は、飯豊山地の標高2,105.1 mの山である。主峰は、通称飯豊本山とも呼ばれることもあるが、国土地理院地図における表示は飯豊山のみである。磐梯朝日国立公園内に位置し、可憐に咲く高山植物が有名で、日本百名山や東北百名山、やまがた百名山のひとつに数えられている。飯豊連峰の最高峰は、標高2,128 mの大日岳である。
飯豊山の山体は、福島県・新潟県・山形県の3県県境に位置する。飯豊山南東の三国岳から、飯豊山山頂を経て御西岳に至る登山道付近は福島県所属とされており(このため、福島県は三国岳から飯豊山方面へ細長く突出した県境を有している)、飯豊山山頂は福島県喜多方市に所属する、山岳信仰の対象とされてきた飯豊山(飯豊山神社)の帰属をめぐって明治時代に紛争が発生し、それを落着させるため生じたものである。