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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
石祠に導かれて登る戸隠連峰最高峰
高妻山は長野県と新潟県の境にそびえる山で、日本百名山に選ばれています。両県にまたがる戸隠連峰の中では最も高く、標高は2353mです。
戸隠連峰は2つに大別されており、西岳から戸隠山にかけては「戸隠表山」、五地蔵山と高妻山、乙妻山は「戸隠裏山」と称されています。
高妻山は裏山然り、奥まった山地に座しますが、麓からはひときわ高い山頂部が望めます。その形がピラミダルなことから「戸隠富士」「剣の峰」といった別名を持ちます。
十三仏にまつわる霊山
高妻山は古くから信仰の対象です。
平安時代から江戸時代までは、険しい山を歩き通す入峰修行がよく行われていたようです。順路の13箇所には、数字と仏様の名前を組み合わせた地名が付けられています。これらは故人を極楽浄土へ導くとされる十三仏にちなんでおり、そのいくつかには石祠が安置されています。
最初に出合う一不動は、戸隠表山と戸隠裏山の鞍部にあります。そこから高妻山までは二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵、六弥勒、七薬師、八観音、九勢至と設けられています。
高妻山の山頂手前は十阿弥陀で、立派な銅鏡も祀られています。
修験の道のりは更に奥まで続き、十一阿閦、十二大日、そして乙妻山は「十三虚空蔵」です。
北アルプスの好展望地
高妻山の山頂は見晴らしが良く、近隣は黒姫山や飯縄山などを悠々と望みます。
また妙高山や火打山が属する頚城山塊や、北アルプスの山並みもはっきりと確認できます。八ヶ岳の向こうには富士山が見えることもあります。
初夏はシラネアオイが美しい
高妻山には多くの高山植物が自生していますが、シラネアオイが特に注目を集めています。花は淡い紫色の大きな萼片を持ち、清らかながらも強い存在感を放ちます。花言葉は「完全な美」「優美」で、見頃は毎年5月末から6月にかけてです。
高妻山登山は一日がかり
高妻山は一般的には戸隠キャンプ場から登ります。
キャンプ場の奥には戸隠牧場があり、そこから六弥勒までは2つの道に分かれます。どちらを選択しても行動時間は長く、登山中級者以上向けです。健脚であること、早朝に出発することなどが求められます。
ひとつ目のルートは信仰の石祠を順に辿る「高洞沢コース」です。
一不動までは大洞沢に沿った道で、幾度か沢を横切ります。
鎖場が点在しており、滝のすぐ脇に鎖が掛けられた箇所もあります。濡れた岩で足を滑らせないよう、集中力が必要です。
沢筋の上部には、氷清水なる水場があります。
一不動に着くと、一不動避難小屋が建っています。
ここから長い稜線歩きが始まります。尾根は細く、東側が切れ落ちています。
時折、木々の間から三角錐の山頂部が望めます。
六弥勒へのふたつ目のルートは、「弥勒尾根新道」です。
登山道は弥勒尾根に沿っており、途中に水場はありません。危険な箇所は少ないですが、急な傾斜の登りが続きます。
ブナやトチノキが茂る樹林帯で、「ブナ仙人」と名付けられたブナの巨木があります。
高洞沢コースと弥勒尾根新道は、六弥勒で合流します。ここは2つの石祠が並んでいます。
高妻山までは更にアップダウンを繰り返し、石祠を数えて歩きます。修行の気分を味わいつつも、初夏は道すがらシラネアオイに癒されます。
九勢至からはすっくと立つ山頂部を望みます。見た目通りに急な斜面を迎え、十阿弥陀を越えれば間もなく登頂です。
戸隠山の難易度(信州 山のグレーディング)
66. 高妻山(戸隠キャンプ場) 難易度D ★★★★☆(4)67. 周 高妻山(戸隠キャンプ場) 難易度D ★★★★☆(4))
登山口 | 戸隠キャンプ場 |
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周辺の山小屋 | 一不動避難小屋(※緊急時のみ使用可) |
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