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バール・デ・ゼクラン(Barre des Ecrins) / バール・デ・エクラン

最終更新:ベルクハイル
ゼグラン山群のブラン氷河(Glacier Blanc)と奥にバール・デ・ゼクラン 写真一覧へ バール・デ・ゼクラン(中央)、ドーム・デ・ゼクラン(右の雪のドーム)、バール・ノアール(左の岩峰)(wiki) 写真一覧へ バール・デ・ゼクランの南面(南壁)wiki) 写真一覧へ 東上空から望む、バール・デ・ゼクランとブラン氷河(wiki) 写真一覧へ このバスケットバール公園の下を左に入ります。
基本情報
標高 4102m
場所 北緯44度55分19秒, 東経06度21分33秒
カシミール3D
バール・デ・ゼクラン(“Barre des Ecrins”;4102m)は、ヨーロッパアルプスのうち、フランス南東部、グルノーブルの街の南東部にある、「ドフィーネアルプス」(“Alpes du Dauphine”
(仏)、/ “The Dauphine Alps”(英)と呼ばれる山地の中核部をなす、「ゼクラン山塊」(“Massif des Ecrins”(仏))の一峰であり、かつ最高峰である。(文献1)、(文献2)、(文献3)、(文献4)。

 ヨーロッパアルプスは、北にやや緩い弧を描きつつ、東西に約2000kmも伸びる長大な山脈であるが、フランス南東部からフランス/イタリア国境部にかけての、いわゆる「フレンチアルプス」(“The French Alps”)は、その南西部を構成している(文献2)、(文献3)、(文献4)、(文献6)。

「フレンチアルプス」は多数の山地、山塊で構成されているが、このうち、グルノーブル(”Grenoble”)の街の南東部に広がる山地を「ドフィーネアルプス」(“Alpes du Dauphine”
(仏)、/ “The Dauphine Alps”(英))と呼ぶ(文献4) 。
(ドフィーネ;“Dauphine“ とは、(文献4)によると、古い時代のフランス南東部の地域名)。

「ドフィーネアルプス」は多数の3000m以上の峰を有しているが、特にその中核部、3500mを越える高峰が集まっている山群は、「ゼクラン山塊」(”Massif des Ecrins”)と呼ばれる(文献4)。
「ドフィーネアルプス」及びその中核部の「ゼクラン山塊」は全てフランス国内に属する。
またバール・デ・ゼクラン(“Barre des Ecrins”)は、長大なヨーロッパアルプスのうち、最も南の、かつ最も西にある4000m峰でもある(文献2)、(文献3)。

「バール・デ・ゼクラン」(“Barre des Ecrins”)という山の名称のうち、“Barre”は、日本語で「かんぬき」を意味する。また”Ecrins”は、日本語で「宝石箱」を意味する。すなはち「宝石箱のかんぬき」という意味の山名である(文献5)。
この山は、元々は「ポアント・デ・ザルシール」(”Pointe des Arsine”)と地元では呼ばれており、ウインパー(E. Whynper)らが登頂した1864年頃は、「ポアント・デ・ゼグラン」と呼ばれ、19世紀後半の書物で初めて「バール・デ・ゼクラン」(“Barre des Ecrins”)という名称になった、という(文献3)、(文献5)。

バール・デ・ゼクランを含む、ゼグラン山群は、フランスの国立公園(”Parc des Nasional Ecrins”;「エクラン国立公園」)となっている(文献6)。

バール・デ・ゼクランの標高は、文献によってやや違いある。
(文献1)と(文献3)では、4101mと記載されている。
(文献2)、(文献5)、(文献6)では、4102mと記載されている。
本稿では、ウイキペディア英語版(文献2)に記載の、4102mを採用した。

バール・デ・ゼクランという山の地質は複雑である。
この山は、ミグマタイト化した片麻岩(migmatized gneiss)、角閃石(amphibolic)を含む岩石、及び、花崗岩質の深成岩(granite pluton)などの地質から成っている(文献2)。

バール・デ・ゼクランの初登頂は、1864年6月に、E. Whymper, A. W. Moore, H. Walker, M. Croz(guide), C. Almer(guide)による、5人パーティにより、北壁から東稜を経由するルート(北壁から東稜へ抜ける部分は「ウインパ―コリドー」;“The Whymper corridor” と呼ばれる難路)で達成された(文献1)、(文献2)、(文献3)、(文献5)。
この登攀記は、後にウインパーが著した「アルプス登攀記」で知ることができる(文献2)、(文献5)。

バール・デ・ゼクランへの一般的な登攀ルートについて、(文献1)に基づいて説明する。
まずこの山群の南東部に位置する、エールフロワード集落(“AileFroide” ;標高 約1500m)に、車などを使ってアクセスし、そこからスタートする。
エールフロワード集落から北西へと続く谷沿いに進み、セザンヌ小屋(”Ref. Cezanne” ; 標高 約1870m)の先からは谷の斜面をジグザグに登り、グラシェ・ブラン小屋(”Ref. Glacier Blanc” ; 標高約2500m)に至り、一泊する(あるいは、その先のエクラン小屋まで行って一泊する)。
ブラン小屋からは、長大なブラン氷河(”Glacier Blanc”)沿いに西へと登攀し、途中のエクラン小屋(”Ref. Ecrins” ; 標高約3200m)を経由し、ブラン氷河の源頭部から稜線上のコル(コル・デ・エクラン;“Col des Ecrins”)に至る。コルからは氷雪と岩で形成された西稜を登攀し、バール・デ・ゼクランの頂上に至る。

セザンヌ小屋からエクラン小屋まで約5時間、標高差は約1350m。
エクラン小屋から山頂まで、登りで約4時間。標高差は約1000m。

登攀ルートの難易度は、フレンチグレードで、PD。
西稜部を除くと大部分が氷雪歩き。西稜のピッチグレードは、ほとんどが気如部分的に供


本稿は、「アルプス4000m峰登山ガイド」リヒャルト・ゲーゲテ著、島田 訳、山と渓谷社 刊 (1997)のうち、「バール・デ・ゼクラン」の項(文献1)、
ウイキペディア英語版の “Barre de Ecrins” の項(文献2)、
ウイキペディア フランス語版の、“Barre de Ecrins” の項(文献3)、
ウイキペディア英語版の、”Dauphine Alps“ の項(文献4)、
「アルプスの名峰」近藤 著、山と渓谷社 刊(1984)のうち、「バール・デ・ゼクラン」の項(文献5)、
及び、フランスの公的地形図(Geo portail) (文献6)を参照して記載した。


※ ウイキペディア英語版の、バール・デ・ゼクラン(”Barre des Ecrins”)の項

 https://en.wikipedia.org/wiki/Barre_des_%C3%89crins

※ ウイキペディア フランス語版の、バール・デ・ゼクラン(”Barre des Ecrins”)の項

https://fr.wikipedia.org/wiki/Barre_des_%C3%89crins

※ ウイキペディア英語版の、ドフィーネアルプス(”Dauphine Alps”)の項

 https://en.wikipedia.org/wiki/Dauphin%C3%A9_Alps

※ フランスの、公的な、インターネット地形図(Geo portail)のサイト

  https://www.geoportail.gouv.fr/carte
山頂

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