国指定天然記念物
「長野県山ノ内町のゲンジボタルの生息する石の湯一帯は、火山性の高原地帯である。石の湯周辺は約25万年前に活動した志賀火山の溶岩が川（角間川）をせき止めてできた湖の中心に当たる。このせき止め湖には厚さ50mほどの土砂が堆積した。その後、角間川の浸食がすすみ湖は干上がり湖底が顔を出す。角間川に流れ込む岩倉沢川※1の水は、志賀山の西部山地にしみこんだ雨水や雪解け水が岩倉沢川に湧きだしたものである。また岩倉沢川沿いの3箇所では温泉水が流入し、河川水の水温を高めている。石の湯のゲンジボタルは、昭和57年※2から三石氏と長野西高等学校生物班により詳しい調査がなされている。この調査によれば石の湯のゲンジボタル生息地の最大の特徴は高標高地であり、湧出する温泉水に依存している点である。標高は1,580m〜1,620mと高く、文献上での最高標高地点である山梨県富士河口湖町、忍野村の840mを大きく上回る。2つめはホタルの発生期間が長く、時には5ヶ月に及んだこともある。この他にも成虫の寿命が長い、明滅周期が長い等他の生息地にはない多くの特長を持っており、ホタルの生息地として重要である。」(文部科学省告示 第36号 平成20年3月28日」)
https://www.shigakogen.gr.jp/hotaru/