山ごはん 焼き肉
みんな大好きな焼き肉を山で食べよう!
山ごはんでの焼き肉と言うのは、実はかなりラク。
切って炒めて煮込んでなどと言った調理の過程がなく、基本的にはただ焼くだけと至ってシンプル。
もちろん、ただ焼くだけなので、普段から料理をされない方や自信のない方でも失敗は少ない。
ワンバーナーとフライパン、そしてお肉があれば直ぐに出来る山ごはんです。
山で食べる焼き肉
やり方としては大きく分けると、
・炭火での網焼き
・フライパンで焼く
の二つに分類されます。
さらに炭火を分けると
・コンロタイプを用いる
・焚き火台を用いる
・使い切りの簡易BBQコンロを用いる
・直での炭焼き
あるいは七輪を担ぎ上げるぜッ!と言う猛者もいるでしょうか。
ちなみに炭火を使う上での最強コンロは七輪。
注:沢での焚き火や、小枝を薪にしたネイチャーストーブを熱源にする場合はフライパンに分類。
同じくフライパンの代わりに
・鉄板で焼く
・スキレットを用いる
・溶岩プレート・岩塩プレートを用いる
・スコップで焼く
・平たい石を熱した石焼き
あるいはジンギスカンの場合は専用鍋を持つ事もあるでしょう。
尚、肉を焼く鉄板は厚ければ厚いほど、あるいは蓄熱性が高いもの(要は重いモノ)ほど美味しく焼ける傾向があります。
ダッチオーブンの蓋でジンギスカン
フチの高さがあるユニフレーム社のダッチの蓋を代用。鉄なので重さはあるものの、蓋だけなら山へ持つには許容の範囲内。
厚みもあるので素材への火の通り、焼け具合は文句なし。
注:これは実際に山へ持って行きましたが、現地では行わずに下山後にやったものです。
山でのルール
細かく分類すれば上記のような手段が考えられますが、山では守るべきルールもある。
現地で見つけた平たい石や、直で炭火にするのは、山を汚したり、匂い残して野生動物を引き寄せるなど、場合に寄ってはマナー違反になります。
山では自分で背負って登り全て持ち帰る事が原則。
食材の持参方法
夏場でも日帰り〜1泊なら、お肉を冷凍したり、別途ヤマノートの山ビールにもあるように、凍らせた缶ビールやペットボトル飲料を保冷剤代わりに持参するのが一般的かつ現実的でしょう。
数日くらいの冷凍なら、お肉の味が落ちたかどうかなんてわかりません。
写真は冷凍された北海道ちっくなジンギスカン。
何日もの縦走や遠征では、凍らせたうえ更に断熱性能のフードコンテナなどを用いれば、数日持たせることが出来るようです。
焼き肉ノートを作成しおきながら、申し訳ありません
実は私にも毎週のようにテント背負って山を歩いていた時代があるのですが、いかんせんペミカン世代。
長期縦走時でも初日か二日目までしか生肉を使った事がなく、その後はレトルトや常温保存可の動物性蛋白質な食材しか経験がないので現代の事情は良くわかりません。
そしてご存じの通り現在は頑張っても1泊までしか出来ないヘタレでございます(゜-゜)
と言う訳で、長期山行時の保冷については適切なのーがきを垂れる事は出来ませんが、上記のような冷凍肉+保冷フードコンテナを用いれば、1週間の山旅のハイライトや中日辺りの晩餐でステーキを焼くなんて事も不可能な話ではなさそうです。
写真のようなお肉を特売時(通常の半額)に買いだめしておき、冷凍しておくのも経済的でございます。
注:これと上記写真のみ山で撮ったものではありません
下準備について
お肉によっては事前に下味を付けて置く場合もあります。
特に鶏肉やラム肉、あるいは牛肉でも高級焼き肉店で仕入れた場合は事前の漬けダレを推奨される事もある。
これらは事前(冷凍前)にやっておくと良いでしょう。
特に鶏肉やジンギスカンなどは、下準備が大きく味を左右する。味付きジンギスカンなどはレトルトのパスタソース同様(唯一の例外で一部の明太子系を除く)、そのままでは食べれないので、自分でタレを漬け込む必要がある。
山焼き肉
フライパンで焼くのが一般的
やはりフライパンで焼くのがポピュラー
ただ焼くだけなので料理の腕はあまり関係ない。
良い肉を用意するに越した事はないのでしょうが、リーズナブルなお肉でも山では美味しくいただけます。
味付けは塩コショウなどの他、お好みでタレなども用意すると良い。
私は山ではこのようなフライパンでしか焼いた事はありませんが、こだわりたい人なら、厚めの鉄板や、スキレット、あるいは溶岩プレートを持ってやれば更に美味しく焼けますね。
これは別件ヤマノートで作ったホットサンドでも触れていますが、料理の極意は熱の通し方であり、通り方。厚い材質なほど美味く焼ける傾向がある。
飛騨牛焼き
その土地でお肉を仕入れて各地の名牛を食するのも山の愉しみ
これは我らがa○by隊長の溶岩プレートでのステーキ焼き。
スゴイ!素晴らしい!そして美味いッ!
しかしその代償に難点が二つ。
コレ山に持って行くの?と言う重さッ!
そしてッ!その蓄熱性の高さゆえ使用後の温度がなかなか下がらない事。ヘタに雪上に放り投げれると、奥深くまで沈み込んで困った事態になるやも知れないとの事。
これは焼き肉を楽しむと言うより、生きるために喰らうといった感じ。
普段は肉を食べない同行者もペロリと平らげた。
山での肉の力は絶大
焚き火でのフライパン焼き
渓流釣りにて
人物は信州が誇る伝説のアニキ、元ハチロク乗りの頭文字H氏。
頭文字H氏から一言
一緒に山焼き肉してくれる山ガールさん大募集中です!
尚、焚き火は全て真っ白な灰になるまで燃やし尽くし、痕跡を残さないか最小限にとどめるのが山でのマナー。
写真は足を川ポチャさせてしまい、残り火で乾かしている図
大昔の古いデジカメ写真で恐縮です
炊きたてのご飯に、チタンのフライパンで何とか焼いたカルビを乗せた焼き肉丼。
飯綱山にて
炭火で焼く
焼き肉の王道は炭火焼き
やはり焼き肉は炭火での網焼き。
難点は装備が重くなる事。
こればかりはチカラ技で行くしかない。仲間と行く場合は荷物を分担して協力し合うと良いでしょう。
我らがa○by隊長やウチのボスのlucy氏のように、1人で全て担いでくれるパワフルな人が居れば有難い。
炭おこし
チャコスタや炭おこし器、七輪の使い勝手の良さに慣れていませんか?
材料を濡らした、着火剤が少ないor火が付く前に切らした、備長炭がガチガチでビクともしない、煙突状に組めるほど炭が多くない、焚き火台(コンロ)が煙突効果を発揮できる形状ではない、など、道具や物資も限られる山では下界のようには行くとは限らない。
チャコールスターターはともかく、上の炭おこし機なら山へも持って行くと言う手もあるにはある。
しかし、山ではそれらに頼らず効率よくスムーズに着火できるよう、そして不備の事態でも対応出来るスキルを身に付けるべし。
着火に失敗してバーナーで直接炙ってる姿、あるいはホワイトガソリンぶっかけて大きく炎を燃え上がらせたが着火しておらずにアタフタしてる姿など、シェルパS藤さん風に言えば人には見られたくない光景ですよ。
炭が熾きたら好きに焼くべし
私の場合は火力調節を兼ねて一発目はスルメを焼く。
涸沢にて
この時はちょうど涸沢フェスティバルとやらが開催中で、山と渓谷社の取材を受けて、後日、雑誌に掲載されていました。
尚、取材は我々を代表してc-boyさんが受けました!
ドン!(゜゜;)
極上ホルモン焼き。
日本一美味い某焼き肉屋さんから仕入れて持参。
同店で仕入れた肝心の牛肉は撮影し忘れるくらいケタが違う美味さ!
蛇骨岳(浅間山外輪山黒斑山の先)にて
野郎どもなら、コテコテの肉でも食わせておけば問題ないでしょう。
しかしレディがご一緒なら、野菜やアルコール以外の飲み物、そして美味しいスイーツも準備しておくべし。
白馬岳(村営宿舎幕営地)にて
同白馬
この時は私もまだ若かったぬぇ。
幕営登山装備一式+登攀用具一式+食材&調味料+焚き火台&炭火焼きセット+ビール10リットルと強烈な荷物を背負っても、日帰り装備のハイカーを全員ブチ抜いて登ったモンでした(゜゜;)
これは山小屋で開催していただいた山焼き肉
最強の七輪が使われる
ただし、七輪は大人数分を一気にまかなうには不向き。まぁ酒飲みにはゆっくり焼くくらいで丁度良いですが。
風吹山荘にて
こんな感じで、天場で行われた
手前は私、奥の黄色は信州山遊びねっとサンの幕
打ち上げBBQと称してバカ騒ぎして顰蹙かった有名山岳地の某山小屋などもありますが、ここは四方数キロ〜十数キロは誰も居ない北アルプスの秘境風吹大池。
とは言え、分別ある大人ですので別に羽目を外す事はありません。
いや、信州山遊びねっとサンが羽目を外したか!まぁ他に迷惑を掛けなければ多少は羽目を外しても良いんじゃない?
同じく風吹山荘の室内にて
写真右の名物ご主人はやる事なす事すべて豪快です
その他の焼き肉
お肉は必ずしも炭火の網焼きが良いとは限らない
例えば、ステーキやハムステーキなどがそう。
フライパンや厚い鉄板、溶岩プレートなどで焼いた方が良い場合もある。
高級ステーキ屋さんでは、必ず厚い鉄板で焼いています。
奇跡の鍋倉にて
焼き肉者:a○by隊長
モデル:sakusakuさん
写真提供:kintakunteさん
我らがan●y隊長による溶岩プレート焼き
料理長自ら切り分けるッ!
じゅわァぁあぁぁッ!
思わず歓喜の声もあがります!
写真提供:kintakunteさん
朴葉ステーキ
写真提供:anby隊長。撮影地は上高地との事
極上ハムステーキ焼き
100g1000円を超えるような極上ハムだともはやステーキです。
注:写真は別フライパンで焼いたモノを取り皿代わりのチタンコッヘルのフタで撮影したもの。チタン素材は焼き肉には不向き。
写真はfireboltさんの極上ハムステーキ焼き。
とても美味しゅうございました!
テフロン加工などが施されたフライパンが使いやすい。
八子ヶ峰にて
こちらは北海道ちっくなジンギスカンをフライパンで焼いたモノ。
それぞれ別のフライパンを用意し、お肉のタレにある程度火が通ったら野菜にかけて焼く戦法。
同ジンギスカン
苗場山にて
焼き肉にはビールや山おむすびも良く合います。
冒頭の『フライパンの代わりに』でも触れていますが、ダッチの蓋で代用するジンギスカン。
熱効率を高めるため、途中から写真のゴトクは使わずにバーナーに直置きで焼きました。
また、下準備の項目でも述べた通り、ジンギスカンはタレも重要。これは上質な生ラムに、ニンニクとショウガをすりおろし、ラム専用と焼き肉のタレを配合し、日本酒やみりんで前夜から漬け込んだもの。ワサビや胡椒なども少量。
orz
結局は下山後に食べた訳ですが、おむすびは、炊き立てをにぎって、熱湯ボトルで保温して山へ持参していたものです。
また、ダッチのフタが焦げ付いたため、2回戦目からはスキレットを使用しましたorz
妄想商会流の焼き鳥
さすがはヤマレコに冠たる忍者さんの妄想商会
焼き鳥をバーナーで豪快に焼くkimidoriさんの荒技
八ヶ岳本沢温泉にて
ジビエ焼き肉
獲れたての鹿肉をさばいて準備するaonuma1000さん
山ではありませんが、廻り目平キャンプ場にて
同ジビエの焼き肉
山では獲物を仕留めてのサバイバルちっくな焼き肉もありうるでしょうか。
(゜゜)
済みません
実は直に炭火しました
有名山岳地にて
通常、焼き肉の後は焼きそばがバーベキューでは定番。
これも時と場合に寄っては山でも有効。
焼きそばには豚肉が合い、余った野菜などもここで消費です。
飯綱山にて
お肉をたらふく食べると、私のような中年オヤジには流石に脂っこいorz
そんな時はきゅうりでサッパリですよ。
焼き肉に限らず、夏山ではキリッと冷やしたきゅうり味が美味いッ!
参考
山焼き肉に欠かせない山ビールのノートも合わせてご覧ください
その他のヤマノートは下記の記事一覧からどうぞ
年代別に作った山ごはんのページもあります
2015年総集編 - YouTube
焼き肉動画は特に編集しませんが、anby隊長が溶岩プレートで極上ステーキを振る舞うシーンがある上記動画をどうぞ。
そのシーンは1分17秒からです。
(゜゜)
以上、山ごはん焼き肉でした。
掲載写真はウインナー焼き(焼き肉の副菜時を除く)や、その他の焼き物系は使用せず、全て山での純粋な焼き肉時の写真を使っております。
また、普通のキャンプや下山後の焼き肉なども対象外にしておりますが、何枚か使用した写真はその旨表記し、自分で撮影以外の写真もその旨表記。
ざわっ・・
需要があるようなので取り急ぎ作成してみました。
必要に応じて追記して行きます。
それでは皆様も美味しい焼き肉山行を!
そして得意の一言・・・
かかってこいやぁ!
待っとるでぇ〜ッ!
最後に、勝手に(゜゜;)、ご協力頂いたfireさん、kinta兄さん、そして我らがa●by隊長、ありがとうございました。
うむ。
一晩で公開に踏み切っただけあって、さすがに急仕上げ感は否めんな。
動画と違って、後でも修正出来るなんて余裕こいてるから墓穴を掘るのだよ。
山岳武闘派クマーとして恥ずかしくない模範的な行動を頼むで
それは失礼仕った。
見直してみました。
それでは山での焼き肉ごはん、楽しんで頂きたくござ候
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