日本産スミレ類検索表(全面改定版)
日本産スミレ類検索表(全面改訂版)
オリジナルシートからのコピペで大きく段落が崩れ、修正してもUPで崩れてしまうので、見にくいかと思います。ご希望であればオリジナルWordシートをお送りしますので、ご連絡下さい。
ご指摘頂ければ幸いです。更に精度を上げたいと思います。
次回の全面改定はキク科を予定しています。
本検索表は「増補改訂日本のスミレ」(いがりまさし,1996)と以降の追加を基本としている.学名は基本的に「日本産スミレ属の一覧」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia),最終閲覧 20.XII.2023)を採用した.和名の別名は全てを網羅していない.日本の野外で見られるスミレ類(属)が対象で,園芸や農作及び交雑種は除外した.検索は種を基本としており,その中で亜種を検索させた.var.やf.は基本と明確に区別出来ない事もあり,これらは列挙した.整理の便宜上,f.はvar.の下位として扱った.検索で使う特徴は、時間を掛けずに見た目で同定出来る部分を使用し,根・果実など短時間のその場では観察しにくい特徴は避けた.黄色の花を除いて,ほぼ全てのタクサには白花が存在し,葉の形状も種内で変化が多い.検索は種の標準的な形質に基づいて進行しており,亜種以下の変異では適合しない場合が出てくる.先ずは種の確定を行い,その特徴を踏まえて,亜種以下を確認して欲しい.この検索は決定的な同定手段ではなく,あくまでも正確な同定への手引きと考えて頂きたい.使用については,1株だけの観察ではなく,複数株の観察による平均的な特徴を踏まえるのが望ましい.var.やf.については,特定の限定された地域の固有群以外、特に考慮する必要性を感じない.しかし,これらはそれなりの特徴を示したものであり,将来の検証によっては独立した種や亜種として認められる場合があり.決して軽視すべきものでもない.
この検索では作成時の分類で表示している.植物の分類は日進月歩であり,更に分類が進展する可能性が高く、最新の情報をもって判断されたい.
<用語>
主にいがりまさし(1996)及び増村征夫(2006)を参照した.
草体=株全体.葉=花期の主たる茎葉を指す.舟形(葉の形状)=楕円形-長楕円形で基部はやや狭まって葉先が細まって尖る.浅裂=深い鋸歯縁.中裂=葉の片幅の1/2まで裂ける,深裂=葉の片幅の2/3まで裂ける,全裂=主脈まで裂ける(以上、葉の裂け状態の境界は明瞭ではない).楓葉状に裂ける=全体的に半円形-広楕円形で掌状に深裂-全裂.菊葉状に裂ける=全体的に長楕円形-広卵形で縁が中裂-深裂.シダ葉状=主脈に対して左右対称に深裂-全裂.走出枝=地に這う枝.
1a.花は黄色・・・2.
1b.花は黄色以外・・・7.
2a.葉は円形で葉先は突出したり尖ったりしない,紛らわしい場合は明瞭な粗い鋸歯縁ではなく,上部の葉は三角形にならない・・・3.
2b.葉は卵形-心形で葉先は突出するか尖る,紛らわしい場合(腎形)は明瞭な鋸歯縁で,上部の葉は三角形になる・・・4.
3a.花柱の先端はV字に開く.花の唇弁の先方は徐々に狭まり尖る.高山帯.北海道、本州(紀伊半島以北)、四国(四国山地)、南西諸島(屋久島)・・・キバナノコマノツメ(ケタカネスミレ) Viola biflora
・葉肉に厚みがある.至仏山や谷川岳など上越地方=ジョウエツキバナノコマノツメ(ケタカネスミレ) V.b.f.glabrifolia
・大型.北海道=オオタカネスミレ V.b.var.vegeta
・果実は有毛.南アルプス=アカイシキバナノコマノツメ V.b.var.akaishiensis
3b.花柱の先端は水平に開く.花の唇弁の先方は急に狭まるか裁断状で中央は小さく尖る.高山帯・・・タカネスミレ Viola crassa s.l.
1.葉の表面に光沢が無い・・・2.
− 葉の表面に光沢が有る・・・3.
2.葉の表面は無毛.北海道・・・エゾタカネスミレ V.c.borealis
− 葉の表面は有毛.本州(八ヶ岳)・・・ヤツガタケキスミレ V.c.yatsugatakeana
3.葉の表面は無毛.本州(北アルプス、中央アルプス)・・・クモマスミレ V.c.alpicola
− 葉身の基部と葉柄は有毛.本州(岩手山、秋田駒ケ岳、薬師岳)・・・タカネスミレ V.c.s.str.
4a.上部以外の葉は横位の楕円形-腎形,縁は片側15程の粗い鋸歯,葉先は直線か時に湾入する.花唇弁の模様は網目状.北海道(大雪山、札幌市付近)・・・ジンヨウキスミレ V.alliariifolia
4b.葉は心形-披針形,縁は細かい鋸歯か切込み,葉先は通常伸長して尖る.花唇弁の模様は線状・・・5.
5a.萼片の基部に小突起(付属体)を持つ.葉の両面は全面に細毛を密布して粉をふいたように見える.太平洋側の低山帯,中国地方では近年の記録が無い.本州(山梨県以西)、四国(愛媛県)、九州(霧島山以北)・・・キスミレ(イチゲスミレ) V.orientalis
・葉の縁の鋸歯が深い.九州=ノコギリバキスミレ V.o.f.laciniata
5b.萼片の基部の付属体は目立たない.葉は縁や葉脈上に細毛がある程度で光沢がある・・・6.
6a.花側弁の内側基部の毛は疎らで少ない.蛇紋岩やカンラン岩などの崩壊地の下部.北海道(夕張山地)・・・シソバキスミレ V.yubariana
6b.花側弁の内側基部の毛は密布する.日本海側の多雪地域の山地帯・・・オオバキスミレ V.brevistipulata s.l.
1.葉は3枚が輪生状に付く.蛇紋岩やカンラン岩などの岩場.北海道・・・エゾキスミレ V.b.hidakana var.hidakana (下記ミヤマキスミレは基亜種オオバキスミレに含まれるが,ここでは重要な特徴に踏まえて扱った)
・葉の縁や葉脈に毛がある.高山帯.北海道(大雪山、日高山脈、夕張山地)=ケエゾキスミレ V.b. h. var.yezoana
・花が小型=コバナエゾキスミレ V.b. h.var.y.f. parviflora
・葉は厚みがあり,披針形に近い.北海道(主に日高山脈南部)=トカチキスミレ V.b. h. var.y.f. glabra
・葉の縁は粗い鋸歯-細かく雑に浅裂する.北海道(主に夕張山地)=フギレキスミレ V.b. h. var.incisa
・葉は薄く,心形に近い.亜高山-高山帯.北海道、本州(白山以北)=ミヤマキスミレ V.b.brevistipulata f. acuminata
− 葉は輪生状に付かない(最下部の茎葉は離れて付く)・・・2.
2.特に根生葉は光沢が鈍く,葉脈が凹まない(葉肉が平坦).北海道、本州(京都府北部以北)・・・オオバキスミレ V.brevistipulata s.str.
・茎-葉柄-葉脈-花柄に粗毛を持つ.本州(中部地方、東北地方)=アラゲキスミレ V.b. b.f. pubescens
・白花=シロバナオオバキスミレ V.b. b.f. albescens
・葉は明瞭に鋭く浅裂する.山地帯でオオバキより高所.北海道(南西部)=フギレオオバキスミレ V.b.b.var.laciniata
・葉の縁や裏の葉脈に顕著な細毛がある.太平洋側の山地帯.北海道(南部)、本州(青森県、岩手県、宮城県)=フチゲオオバキスミレ
(キタカミキスミレ) V.b.b.var.ciliata
・茎は赤紫色.葉は厚く光沢が有る.亜高山帯.本州(東北地方南部-北アルプス)=ナエバキスミレ V.b.b.var.kishidae
・白花=シロバナフギレオオバキスミレ V.sp.
− 葉は厚く光沢が有り,葉脈が凹む(葉肉が浮く).茎は紅紫色.本州(中国山地800m以上)・・・ダイセンキスミレ V.b.minor=ナエバキスミレ?
7a.花は白色で中心部が黄色-黄緑色.標高1300m前後の山地帯.北海道(知床半島、択捉島)・・・シレトコスミレ V. kitamiana
7b.花は薄紫色で中心部が黄色-黄緑色.人里.九州(長崎県、熊本県、鹿児島県)、南西諸島(沖縄本島)・・・ツクシスミレ(ハイスミレ) V. diffusa var.glabella
7c.対のような配色の花ではない・・・8.
8a.丈30cm以上.葉は披針形で基部は心形.花は白く直径1cm程度.アシ原-湿原.本州(関東地方平野)、九州(大分県、鹿児島県)・・・タチスミレ V.raddeana
8b.丈は足元程度(湿地では丈が高くなる)・・・9.
9a.葉は裂ける・・・10.
9b.葉は裂けない・・・11.
10a.葉は基部から3裂する.太平洋側の低山に多く,日陰を好む.本州、四国、九州・・・エイザンスミレ(エゾスミレ) V. eizanensis
・白花=シロバナエゾスミレ V.e.f.candida
・葉が2裂-単葉.本州、四国=ヒトツバエゾスミレ V. e.var. simplicifolia
・白花=ナルカミスミレ V. e.var.s.f. leucantha
10b.葉は基部から5裂する, 裂片は長楕円形.対馬・・・ナンザンスミレ V. chaerophylloides var.chaerophylloides
・葉の裂片は広線形.本州中部の内陸部中心.本州(秋田県以南)、四国、九州=ヒゴスミレ V. c.var. sieboldiana
11a.葉柄は無く,舟形.花は白色,花弁は細く先細りする.湿り気を好む.本州(長野県)・・・タデスミレ V.thibaudieri
11b.葉柄は有り,基部は様々な形状・・・12.
12a.葉柄は葉身より明瞭に長い.花は白色・・・13.
12b.葉柄は葉身より短い-僅かに長い程度・・・14.
13a.葉は菱形.河川上流の渓流沿いの岩場.南西諸島(西表島)・・・ヤエヤマスミレ V.tasiroi
・葉脈に沿って白色の斑が入る=フイリヤエヤマスミレ V.t.f.alboreticulata
・葉は心形.八重山=イリオモテスミレ V.t.f.takushii
・葉は三角形.石垣島=イシガキスミレ V.t.var.tairae
13b.葉は明瞭に縦長.,北海道(低地)、本州(愛知県以北,本州中部では標高1000m以上)・・・シロスミレ V.patrinii
・花弁の模様を欠く.北海道(十勝地方中川郡豊頃町大津原生花園長節沼湿原)=トヨコロスミレ V.p.f.toyokoroensis
・葉は披針形で基部は楔形.高地帯.本州(滋賀県比良山系以西)、四国、九州・・・ホソバシロスミレ V.p.var.angustifolia
14a.葉柄に翼を持つ.日当たりを好む.北海道、本州、四国、九州・・・スミレ V.mandshurica
・日本海側の海岸帯.北海道、本州(鳥取県以北)=アナマスミレ V.m.f.crassa
・花が重弁=コモロスミレ V.m.f.plena
・白花=シロガネスミレ V.m.f.hasegawae
・(詳細不明)ノコギリスミレ V.m.f.dispar
・花側弁の基部が無毛=ワカシュウスミレ V.m.f.glabripetala
・葉に白色-黄色-薄赤色の不規則な斑が入る=ニシキスミレ V.m.f.albo-variegata
・海岸の藪.葉柄の翼は狭い.太平洋側の海岸帯.本州(房総半島以西)、四国、九州=アツバスミレ V.m.var.triangularis
・白花=ニイジマスミレ V.m.var.t.f.niijimensis
・葉柄や花柄は有毛=ケアツバスミレ V.m.var.t.f.pubigera
・葉が細く鉾形.高標高の草原.本州(栃木県以西)、四国、九州=ホコバスミレ V.m.var.ikedaeana
14b.葉柄に翼を持たない(不明瞭に持つ場合がある)・・・15.
15a.横から見て距の長さは幅より僅かに長いか楕円形・・・16.
15b.横から見て距の長さは幅より2倍以上・・・32.
16a.花は薄紫色で線状の模様が目立.葉は明瞭に縦長.温暖地域の低地で日当たりを好む.本州、四国、九州・・・アリアケスミレ V.betonicifolia var.albescens
・葉は明瞭に三角披針形,基部は切形であるが時に両端が伸長する(紛らわしい場合,葉先は直線的に狭まって尖る).日当たりを好む.
九州(鹿児島県市来町、甑島以南)、南西諸島(沖縄北部の粘土質)・・・リュウキュウシロスミレ(エナガスミレ、ヤノネシロバナスミ
レ) V.b.var. oblongosagittata
16b.花が紫色系の場合でも唇弁に網目状の模様が入る程度・・・17.
17a.南西諸島・・・18.
17b.九州以北・・・19.
18a.花は白色.葉は卵形.渓流沿いの岩場.南西諸島(奄美大島 、沖縄本島)・・・アマミスミレ V.amamiana
18b.花は薄紫色.葉は心形,基部両側の張り出しは長い.標高100mあまりの石灰岩場.南西諸島(沖縄本島南部)・・・シマジリスミレ V.
okinawensis,nom.nud.
19a.葉は明瞭に縦長の披針形(紛らわしい場合,葉先は直線的に狭まって尖る).花は薄紫色.主に太平洋側.本州(福島県以西)、四国、九州・・・ナガバノスミレサイシン V.bissetii
・白花=シロバナナガバノスミレサイシン V.b.f.albiflora
・葉に斑が入る.四国、九州=フイリナガバノスミレサイシン V.b.var.kiusiuana
19b.葉は心形-卵形-横位・・・20.
20a.花弁は丸味が強く,特に上弁は重なる(紛らわしい場合,花の色は紫色ではない).花は紅紫色(明赤紫色).太平洋側の内陸部,明るい乾燥地.北海道(南部)、本州、四国、九州・・・アケボノスミレ V.rossii
・花は黒紫色=クロバナアケボノスミレ V.r.f.atropurpurea
・花は白色=シロバナアケボノスミレ V.r.f.lactiflora
20b.花弁は縦長気味,特に上弁は重ならない・・・21.
21a.萼片の先端は鈍く丸まる.葉は卵形.水はけを好む.北海道、本州(中部地方以北)・・・エゾアオイスミレ(マルバケスミレ、テシオスミレ、ニオイケスミレ) V.collina
・白花=シロバナエゾアオイスミレ V.c.f.albiflora
21b.萼片の先端は尖る・・・22.
22a.萼片は小型,後方に巻くように反り返る.花は白色.太平洋側の山地で湿気を好む.本州(福島県以西)、四国、九州・・・コミヤマスミレ
V.maximowicziana
・葉裏が暗紫色を帯びる=アカコミヤマスミレ V.m.f.rubescens
・葉の色は明るく,毛が少ない.沢の源流域.九州(宮崎県)=ヒュウガスミレ V.sp.
22b.萼片は弱く開出する程度・・・23.
23a.距は白色,距の裏側に会合線がある.花は薄紫色.寒冷地帯.北海道、本州(岡山県以北)・・・エゾノタチツボスミレ(イヌスミレ、モリタチツボスミレ) V.acuminata
・白花=シロバナエゾノタチツボスミレ V.a.f.alba
・草体はほとんど無毛=ケナシエゾノタチツボスミレ V.a.f.glaberrima
23b.距の裏側の会合線は目立たない・・・24.
24a.花は薄紫色,特に上弁は裏面の方が色が濃い.太平洋側の落葉樹林帯.本州(神奈川県以西)、四国・・・トウカイスミレ V.tokaiensis
24b.花の色の濃さは表面と裏面は同じか表面が濃い・・・25.
24a.花は白色.葉は円心形,鋸歯縁は低く平滑.亜高山帯.紛らわしい場合,花唇弁の模様はほぼ線状・・・25.
24b.紛らわしい場合,花唇弁の模様は細かい網目状になる.主に山地帯・・・26.
25a.葉の鋸歯は小さく折り重なる.亜高山帯.北海道、本州(南アルプス-白山以北)・・・ウスバスミレ V.blandiformis
25b.葉の鋸歯は重ならない.高層湿原帯.北海道(東部)、本州(長野県以北)・・・チシマウスバスミレ V.hultenii
26a.花は薄紫色でムラが無い,唇弁の模様は線状.葉は円心形.高山帯の湿原.北海道・・・タニマスミレ(オクヤマスミレ、カラフトスミレ、イワスミレ、チシマコマノツメ) V.epipsiloides
26b.花が薄紫色の場合は中心に向って白味が強くなる.葉は通常葉先が明瞭に尖る.紛らわしい場合,唇弁の模様は網目に近い・・・27.
27a.花弁全体に細い線状の模様が入る,花は薄紫色・・・28.
27b.主に花唇弁に5本程の濃い模様が入る・・・29.
28a.湿気を好む.北海道低地、本州(長野県以北)・・・オオバタチツボスミレ V.kamtchadalorum
・草体に毛を生やす=ケオオバタチツボスミレ V.k.f.pubescens
28b.高山帯.北海道(知床半島)・・・タカネタチツボスミレ V.langsdorfii s.str.
29a.花唇弁の模様は細かく分岐した網目状.距は白色.葉の基部両端は弱く伸長する.湿気を好む.北海道、本州、四国、九州(屋久島以北)・・・ニョイスミレ(ツボスミレ) V.verecunda
・紫条のない白花=シラユキスミレ V.v.f.candidissima
・(詳細不明)サルクラスミレ V.v.f.lilacina
・花後に匍匐する=ハイツボスミレ V.v.f.radicans
・(詳細不明)マダラツボスミレ V.v.f.variegata
・花の色はやや濃い目.葉は円形.湿地=ムラサキコマノツメ V.v.f.violascens
・花は白色-薄紅紫色.葉は基部両端が伸長し,明瞭なブーメラン形.湿地.北海道、本州(中部地方以北)・・・アギスミレ V.v.var.semilunaris
・花は薄紫色.葉は円形,葉先は尖らない.高山帯.本州(白山以北)・・・ミヤマツボスミレ V.v.var.fibrillosa
・花は白色-薄紅紫色.葉は基部両端が伸長し,弱いブーメラン形.湿地.西日本.本州(愛知県以西)、四国、九州・・・ヒメアギスミレ V.v.var.subaeguiloba
・花は白色.葉は心形.湿地.南西諸島(屋久島山頂)・・・コケスミレ V.v.var.yakushimana
29b.花唇弁の模様は分岐の少ない線状・・・30.
30a.萼片の付属体に切れ込みが入らない.標高1800m前後の亜高山帯.本州(中部、関東)・・・ヒメスミレサイシン V.yazawane
30b.萼片の付属体に切れ込みが入る・・・31.
31a.花柱の柱頭に小さいが明瞭な嘴状の突起がある,花は薄紫色.主に日本海側斜面.北海道、本州、四国・・・スミレサイシン V.vaginata
・花は薄紫色=ウスジロスミレサイシン V.v.f.albescens
・白花=シロバナスミレサイシン V.v.f.albiflora
・葉が細い.本州(山陰に多い)=サンインスミレサイシン V.v.var.satomii,nom.nud
31b.花柱の柱頭の突起は目立たない,花は白色.太平洋側のブナ林.本州(埼玉県以西)、四国、九州・・・シコクスミレ V.shikokiana
32a.横から見て距は花弁より長い(斜め上を向き,花の正面から先末端が見える)・・・33.
32b.横から見て距は長くても花弁と同長-より短い(紛らわしい場合は斜め上を向かない)・・・34.
33a.葉の基部は心形,表面の光沢は弱い.北海道、本州(島根県以北の主に日本海側)、四国・・・ナガハシスミレ(テングスミレ) V.rostrata
・白花=シラユキナガハシスミレ V.r.f.albiflora
・花の色が濃い.北アルプス北部の標高1500m付近の蛇紋岩地帯=ミヤマナガハシスミレ V.r.f.alpina
33b.葉の基部は切形,表面の光沢は強い.日当たりの良い崩壊地に限られる.本州(新潟県粟ヶ岳)・・・アワガタケスミレ V.awagatakensis
34a.距の長さは幅の4倍以上,ほぼ真っ直ぐ.丘陵地性.中部地方以北の低地に多く,西日本の低地に少ない.本州、四国、九州・・・アカネスミレ V.phalacrocarpa
・白花=コボトケスミレ V.p.f.chionantha
・花が薄紅色=ウスアカネスミレ V.p.f.pallescens
・花弁が重なる=ナガワスミレ V.p.f.plena
・花側弁以外は無毛=オカスミレ V.p.f.glaberrima
・疎らに毛が生える=ウスゲオカスミレ V.p.f.subpubescens
・ウスゲオカスミレの白花=シロバナウスゲオカスミレ V.p.f.leucantha
34b.距の長さは幅の4倍以下(紛らわしい場合,屈曲する)・・・35.
35a.距の裏側に会合線がある.北海道、本州(白馬岳以北)・・・アイヌタチツボスミレ V.sacchalinensis
・白花.北海道=シロバナアイヌタチツボスミレ V.s.f.chionantha
・葉は光沢の強い深緑色,縁が表に巻く.蛇紋岩やカンラン岩などの岩場.北海道(アポイ岳、夕張山地、天塩地方)=アポイタチツボスミレ V.s.f. alpina
・アポイタチツボスミレの白花=シロバナアポイタチツボスミレ V.s.f. albialpina
・さく果に赤い斑点がある=イワマタチツボスミレ(イワマスミレ) V.s.var.miyakei
35b.距の裏側の会合線は目立たない・・・36.
36a.花柱は棒状で先端は膨らまない(下向きに折れ曲がる場合がある)・・・37.
36b.花柱の先端は膨らむ・・・46.
37a.花柱の先端は雄蕊から出ている部分から下に折れ曲がる.葉は円心形.湿り気を好む.北海道、本州、四国、九州(宮崎県以北)・・・アオイスミレ(ヒナブキ) V.hondoensis
37b.花柱の先端は折れ曲がらず,せいぜい下側に小さい突起を持つ程度・・・38.
38a.葉は披針形,根生葉は心形.本州(茨城県以西)、四国、九州・・・ナガバノタチツボスミレ V.ovato-oblonga
・白花=シロバナナガバノタチツボスミレ V.o.f.albiflora
・葉脈に沿って赤紫色の斑が入る=マダラナガバノタチツボスミレ V.o.f.variegata
・葉や茎などは有毛=ケナガバノタチツボスミレ V.o.f.pubescens
・花は薄紫色=アサギケナガバノタチツボスミレ V.o.f.luteoviridflora
38b.葉は円心形-腎形,茎葉と根生葉は同形・・・39.
39a.花弁は細長く,中央部の両端は平行.花は白色.南西諸島(沖縄本島北部)・・・オリヅルスミレ V.stoloniflora
・葉は無毛=テリハオリヅルスミレ(現存する個体群に当てはめられている) V.sp.
39b.花弁は丸味がある・・・40.
40a.葉は厚味があり,縁が表側に巻く.距は白色.海浜砂丘-接続する松林,株を形成する.北海道(南西部)、本州(主に丹後半島以北の日本海側)・・・イソスミレ(セナミスミレ、イソタチツボスミレ) V.grayi
40b.葉の縁は巻かず開く.特殊な種や型品種以外は内陸・・・41.
41a.花柱の先端の下部は単純(下縁が小さく張り出す場合があるが,突起状にならない)・・・42.
41b.花柱の先端の下部に小突起を持つ(柱頭が明瞭)・・・45.
42a.葉は心形,表に強い光沢がある(根生葉は円心形の場合がある)・・・43.
42b.葉は通常,心形より広くて表の光沢は弱い(海岸域や渓流域では対の特徴に似る)・・・44.
43a.標高1000m以下の低山地帯.本州(青森県-福井県)・・・テリハタチツボスミレ V.faurieana
・白花=シロバナテリハタチツボスミレ V.f.f.albifaurieana
43b.沿岸の石灰岩の断崖.南西諸島(沖縄本島中部)・・・オキナワスミレ V.utchinensis
44a.花唇弁の模様は細かい網目状になる(3分岐).多雪地帯.北海道、本州、四国、九州(福岡県)・・・オオタチツボスミレ V.kusanoana
・白花=シロバナオオタチツボスミレ V.k.f.alba
・花の赤味が強い=モモイロオオタチツボスミレ V.k.f.rosea,nom.nud.
・花茎が斜上,距の長さは3-4mm.北海道(襟裳岬)・・・ヒダカタチツボスミレ V.k.f.brevicalcarata
・花柄は有毛=ケオオタチツボスミレ V.k.f.pubescens
44b.花唇弁の模様は単純な網目状になる(2分岐).日本全土・・・タチツボスミレ(ヤブスミレ、ミツバタチツボスミレ) V.grypoceras var.grypoceras
・白花で距は薄紫色=オトメスミレ V.g.f.purpurellocalcarata
・オトメスミレに近縁,距が淡紫色で花柄は有毛=ケオトメスミレ V.g.f.hemileuca
・白花で距は白色=シロバナタチツボスミレ V.g.f.albiflora
・シロバナタチツボスミレに近縁で草体が有毛=シロバナケタチツボスミレ V.g.f.leucantha
・花が紅紫色=サクラタチツボスミレ V.g.f.rosipetala
・葉に紅紫色の斑が入る=アカフタチツボスミレ V.g.f.variegata
・茎や葉に目立つ毛がある=ケタチツボスミレ V.g.f.pubescens
・海岸.葉に光沢がある.伊豆半島南部、伊豆七島=シチトウスミレ(ツヤスミレ、ヤクシマタチツボスミレ) V.g.var.hichitoana
・距は明瞭に先細る.本州(秋田県-中国山地の日本海側)=ツルタチツボスミレ(クモノススミレ) V.g.var.rhizomata
・小型,茎の節間が伸びない.九州(佐賀県以南の小型集団)=コタチツボスミレ V.g.var.exilis
・白花=シロバナコタチツボスミレ V.g.var.e.f.chionantha
・中流域の河川敷.花弁は細め.本州=ケイリュウタチツボスミレ V.g.var.ripensis
・距は平行.葉の基部は水平-切断形.本州(鳥海山以南)、四国、九州(佐賀県以北)=サンインタチツボスミレ V.sp.
45a.葉は卵形,葉先は尖らない.明るい乾燥地を好む.北海道(南部)、本州、四国、九州・・・ニオイタチツボスミレ V.obtusa
・白花=シロバナニオイタチツボスミレ V.o.f.chibai
・距が紫色の白花=オトメニオイタチツボスミレ V.o.f.hemileuca
・草体特に花柄は無毛,葉の表面に光沢がある=ケナシニオイタチツボスミレ(テリハニオイタチツボスミレ) V.o.f.nuda
45b.葉は円心形,葉先は尖る.主に灰岩地帯を好む.北海道、本州(広島県以北)・・・イブキスミレ V.mirabilis var.subglabra
・白花=シロバナイブキスミレ V.m.var.s.f.seiichii
46a.花の中心部は開かず,花柱の先端が見えない(花柱の先端は両翼が前方に向く),唇弁は細長い.葉は披針形.明るさを好む.北日本では太平洋側,西日本では高所に点在.北海道、本州、四国、九州・・・サクラスミレ V.hirtipes
・葉の主脈に沿って紅紫色の斑=チシオスミレ V.h.f.rhodovenia
・白花=シロバナサクラスミレ V.h.f.lactiflora
・葉-葉柄や花柄がほとんど無毛=ケナシサクラスミレ V.h.f.glabra
・(詳細不明)ワタゲスミレ V.h.f.grisea
・草体は無毛=ケントクスミレ V.h.f.nudipes
46b.花の中心部は開いて,花柱の先端は見える・・・47.
47a.花柱の両翼は三角形で斜め前方に向く,花弁は細長い.葉は心形で基部両側は内側に巻く.寒冷地帯.北海道、本州、四国・・・ミヤマスミレ V.selkirkii
・葉脈沿いに白い斑が入る=フイリミヤマスミレ V.s.f.variegata
・白花=シロバナミヤマスミレ V.s.f.alba
・葉身の基部と葉柄の上端のみ短毛がある=ハダカミヤマスミレ V.s.f.subglabra
・葉の縁の切れ込みが深い=フギレミヤマスミレ V.s.f.lacinaata
47b.花柱の先端は全体的に球形や三角形に膨らむ・・・48.
48a.葉は半円形-心形,葉先は丸く,側縁は2-3対の丸い鈍歯になる.花は白色.九州(屋久島-奄美大島の山地の半日陰)、沖縄(本島北部の渓流沿い)・・・ヤクシマスミレ V.iwagawae
48b.葉の側縁は全縁-小さな鋸歯縁・・・49.
49a.花柱の先端下側の小突起(柱頭)はやや目立つ・・・50.
49b.花柱の先端下側の小突起(柱頭)は微少な突起で目立たない・・・51.
50a.柱頭は両翼とほぼ同大,正面から見ると3方に膨らむ.花は極薄い紫色.葉は卵形.日当たりの良い乾燥地を好む.本州(青森県-岩手県の太平洋側、中部-関東地方の内陸、岡山県)、四国(愛媛県)・・・ゲンジスミレ(イヨスミレ) V.variegata var.nipponica
50b.柱頭は両翼よりやや小さく,正面から見ると大きな突起になる.花弁は丸味があり,白色.葉は卵形-円形.太平洋側の内陸部に多い.北海道、本州、四国、九州・・・マルバスミレ V.keiskei
・花側弁の内側基部は有毛=ヒゲケマルバスミレ V.k.f.barbata
51a.花唇弁の模様は斜め下に向けて密に細分する,唇弁の先端は中央で小さく切れ込む傾向がある.湿度の高い半日陰を好む.北海道、本州、四国、九州・・・ヒカゲスミレ V.yezoensis
・葉の表面が濃紫色=タカオスミレ V.y.f. discolor
・葉は基部で両側に張出し瓢箪形(鉾形).本州(広島県)、九州(阿蘇外輪山)=アソヒカゲスミレ V.y.var. asoana
51b.花唇弁の模様が細分する場合(通常2分岐),模様の下地が紅色に染まる・・・52.
52a.花は白色,花弁の奥に模様がある.九州(対馬)・・・シロコスミレ V.lactiflora
52d.花は極薄い紅紫色(白花がある).本州、四国、九州・・・フモトスミレ V.sieboldii s.l.(以下の分類はいがりまさし(1996, 2008)に従った)
1.葉側縁の鋸歯は鈍い,葉の裏は紫色.低山-亜高山帯.本州(岩手県以南)、四国、九州、南西諸島(屋久島以北)・・・フモトスミレ V.sieboldii s.str.
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリフモトスミレ V.s.s.f.variegata
・白花=シラユキフモトスミレ V.s.s.f.albiflora
− 葉側縁の鋸歯は明瞭,葉の裏は緑色.主に照葉樹林帯.本州(関東地方以西) 、四国、九州・・・ヒメミヤマスミレ V.s.boissieuana
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリヒメミヤマスミレ V.sp.
・小型.南西諸島(屋久島)=ヤクシマミヤマスミレ V.s.b.var.pseudoselkirkii
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリヤクシマミヤマスミレ V.s.b.var.p.f.albovariegata
52b.花は赤紫色(白花がある),全ての花弁に濃い赤紫色の模様が入る・・・53.
52c.花は薄紅紫色(白花がある)・・・55.
53a.葉の裏は常に緑色,長さは幅の3倍以上.人里の日当たりの良い乾燥地を好む.本州(秋田県以南)、四国、九州(屋久島以北)・・・ノジスミレ V.yedoensis
・草体は無毛.暖地.九州や八丈島など暖地=ケナシノジスミレ V.y.f.glaberrima
・白花=シロノジスミレ V.y.f.albescens
・花側弁に毛を持つ=オトコノジスミレ V.y.f.barbata
・葉の長さは幅の2.5倍以下.人里の日当たりを好む.南西諸島(黒島、屋久島以南)、沖縄・・・リュウキュウコスミレ V.y.var.pseudojaponica
・白花=シロバナリュウキュウコスミレ V.y.var.p.f.sonohsrse
53b.葉の裏は紫色掛かるものが多い・・・54.
54a.葉の縁の鋸歯は不規則で不明瞭.人里で日当たりを好む.本州(秋田県以南)、四国、南西諸島(口之島以北)・・・ヒメスミレ V.inconspicua
nagasakiensis
・花が薄紫色=ウスイロヒメスミレ V.i.n.f.albescens
・下側の葉の鋸歯が粗い=ツクシヒメスミレ V.i.n.f.serrato-dentata (synonym?)
54b.葉の縁の鋸歯は均一で細かい.低地-低山地の人里で日当たりを好む.北海道、本州、四国、九州・・・コスミレ(ツクシスミレ) V.japonica
・白花=シロバナツクシコスミレ V.j.f.albida
・花側弁の基部は有毛=ヒゲコスミレ V.j.f.barbata
・葉に斑が入る=フイリコスミレ V.j.f.variegata
55a.葉は卵形-心形,裏面に毛を生やす.花側弁の内側基部の毛は疎ら.湿り気を好む.本州(栃木県-群馬県の日光-足尾山地周辺)・・・フジスミレ V.tokubuchiana var.tokubuchiana
・白花=シロバナフジスミレ V.t.f.lactiflora
・葉に斑が入らない=ミドリフジスミレ V.t.f.concolor
・葉は長卵形,葉先は狭まって尖る.側弁の内側基部の毛は密.半日陰を好む.太平洋側の山地に多い.北海道(南部)、本州、四国、九州(中部以北)=ヒナスミレ(アラゲスミレ) V.t.var. takedana
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリヒナスミレ V.t.var. t.f.variegata
・白花=シロバナヒナスミレ V.t.var. t.f.albiflora
・小型.北海道南部=エゾヒナスミレ V.t.var. t.f.austroyezoensis
・落花後に根を伸ばして子株を作る=イヌガタケスミレ V.t.var. t.f.yoshiokai
55b.葉は長心形-長披針形で葉先は斜め上を向く,長披針形では裏面に毛を生やす場合がある.花側弁の内側基部は無毛(時に僅かな毛がある).山地帯.本州、四国、九州・・・シハイスミレ V.violacea var.violacea
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリシハイスミレ V.v.f.versicolor
・葉の中央線に斑が入る=コンピラスミレ V.v.f.pictifolia
・白花=シロバナシハイスミレ V.v.f.albida
・葉の裏面が紫色を帯びない淡緑色=ミドリシハイスミレ V.v.f.concolor
・葉は長披針形,葉先は上を向く.東日本中心.本州(青森県-兵庫県)=マキノスミレ(ホソバスミレ) V.violacea var. makinoi
・葉に斑が入る=フイリマキノスミレ V.v.var. m.f.variegata
・葉の表面に細毛を密生する=シナノスミレ V.v.var.tanakaeana
・葉の表面が濃色=ハグロシハイスミレ V.sp.
《主な参照文献等》
船迫吉江,2013.樺太・クリルのスミレを描く −北大総合博物館タイプ標本から−.北方山草,(30): 47−56.
五十嵐博,1996.北海道におけるオオパキスミレ類の分布(予報).北方山草,(14):27−35.
いがりまさし,1996.山渓ハンディ図鑑6 増補改訂日本のスミレ.248 pp.山と渓谷社.
いがりまさし・遠藤雄一・大野利男・黒沢高秀,2017.アケボノスミレとスミレサイシンの雑種と推定されるアケボノスミレサイシン(新称)の生育環境,形態的特徴および増殖様式.分類,17(1): 89−94.
神奈川県植物誌調査会 編,2018.神奈川県植物誌 電子版.1803 pp.神奈川県立生命の星・地球博物館.
増村往夫,2006.ひと目で見分ける320種 ハイキングで出会う花 ポケット図鑑.190 pp.新潮文庫. 中井猛之進,1928.「新二我ガ國籍二入ルすみれ類」ノ解説.THE BOTANICAL MAGAZIN,42(50): 591−595.
埼玉県絶滅危惧植物種調査団,2016.図説 植物検索ハンドブック 埼玉2882種類.524 pp.さきたま出版会.
高橋英樹,2013.千島列島のスミレ.北方山草,(30): 5−14.
高橋秀男,1977.日本産キバナノコマノツメ群とタカネスミレ群の染色体数.Bulletin of the Kanagawa Prefectural Museum (Natural Science),(10):
43−50.
高橋誼,2013.ヒダカタチツボスミレ再発見の記.北方山草,(30): 21−22.
竹内亮,1932.きすみれノ一新變種ニ就キテ. Shokubutsugaku Zasshi,46(549): 587.
山崎敬,2001.アワガタケスミレは独立した種である.植物研究雑誌,76(3): 176−177.
著者:齋藤昌弘 heteromerasaito@fork.ocn.ne.jp
Saito554@docomo.ne.jp
18.I. 2024
オリジナルシートからのコピペで大きく段落が崩れ、修正してもUPで崩れてしまうので、見にくいかと思います。ご希望であればオリジナルWordシートをお送りしますので、ご連絡下さい。
ご指摘頂ければ幸いです。更に精度を上げたいと思います。
次回の全面改定はキク科を予定しています。
本検索表は「増補改訂日本のスミレ」(いがりまさし,1996)と以降の追加を基本としている.学名は基本的に「日本産スミレ属の一覧」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia),最終閲覧 20.XII.2023)を採用した.和名の別名は全てを網羅していない.日本の野外で見られるスミレ類(属)が対象で,園芸や農作及び交雑種は除外した.検索は種を基本としており,その中で亜種を検索させた.var.やf.は基本と明確に区別出来ない事もあり,これらは列挙した.整理の便宜上,f.はvar.の下位として扱った.検索で使う特徴は、時間を掛けずに見た目で同定出来る部分を使用し,根・果実など短時間のその場では観察しにくい特徴は避けた.黄色の花を除いて,ほぼ全てのタクサには白花が存在し,葉の形状も種内で変化が多い.検索は種の標準的な形質に基づいて進行しており,亜種以下の変異では適合しない場合が出てくる.先ずは種の確定を行い,その特徴を踏まえて,亜種以下を確認して欲しい.この検索は決定的な同定手段ではなく,あくまでも正確な同定への手引きと考えて頂きたい.使用については,1株だけの観察ではなく,複数株の観察による平均的な特徴を踏まえるのが望ましい.var.やf.については,特定の限定された地域の固有群以外、特に考慮する必要性を感じない.しかし,これらはそれなりの特徴を示したものであり,将来の検証によっては独立した種や亜種として認められる場合があり.決して軽視すべきものでもない.
この検索では作成時の分類で表示している.植物の分類は日進月歩であり,更に分類が進展する可能性が高く、最新の情報をもって判断されたい.
<用語>
主にいがりまさし(1996)及び増村征夫(2006)を参照した.
草体=株全体.葉=花期の主たる茎葉を指す.舟形(葉の形状)=楕円形-長楕円形で基部はやや狭まって葉先が細まって尖る.浅裂=深い鋸歯縁.中裂=葉の片幅の1/2まで裂ける,深裂=葉の片幅の2/3まで裂ける,全裂=主脈まで裂ける(以上、葉の裂け状態の境界は明瞭ではない).楓葉状に裂ける=全体的に半円形-広楕円形で掌状に深裂-全裂.菊葉状に裂ける=全体的に長楕円形-広卵形で縁が中裂-深裂.シダ葉状=主脈に対して左右対称に深裂-全裂.走出枝=地に這う枝.
1a.花は黄色・・・2.
1b.花は黄色以外・・・7.
2a.葉は円形で葉先は突出したり尖ったりしない,紛らわしい場合は明瞭な粗い鋸歯縁ではなく,上部の葉は三角形にならない・・・3.
2b.葉は卵形-心形で葉先は突出するか尖る,紛らわしい場合(腎形)は明瞭な鋸歯縁で,上部の葉は三角形になる・・・4.
3a.花柱の先端はV字に開く.花の唇弁の先方は徐々に狭まり尖る.高山帯.北海道、本州(紀伊半島以北)、四国(四国山地)、南西諸島(屋久島)・・・キバナノコマノツメ(ケタカネスミレ) Viola biflora
・葉肉に厚みがある.至仏山や谷川岳など上越地方=ジョウエツキバナノコマノツメ(ケタカネスミレ) V.b.f.glabrifolia
・大型.北海道=オオタカネスミレ V.b.var.vegeta
・果実は有毛.南アルプス=アカイシキバナノコマノツメ V.b.var.akaishiensis
3b.花柱の先端は水平に開く.花の唇弁の先方は急に狭まるか裁断状で中央は小さく尖る.高山帯・・・タカネスミレ Viola crassa s.l.
1.葉の表面に光沢が無い・・・2.
− 葉の表面に光沢が有る・・・3.
2.葉の表面は無毛.北海道・・・エゾタカネスミレ V.c.borealis
− 葉の表面は有毛.本州(八ヶ岳)・・・ヤツガタケキスミレ V.c.yatsugatakeana
3.葉の表面は無毛.本州(北アルプス、中央アルプス)・・・クモマスミレ V.c.alpicola
− 葉身の基部と葉柄は有毛.本州(岩手山、秋田駒ケ岳、薬師岳)・・・タカネスミレ V.c.s.str.
4a.上部以外の葉は横位の楕円形-腎形,縁は片側15程の粗い鋸歯,葉先は直線か時に湾入する.花唇弁の模様は網目状.北海道(大雪山、札幌市付近)・・・ジンヨウキスミレ V.alliariifolia
4b.葉は心形-披針形,縁は細かい鋸歯か切込み,葉先は通常伸長して尖る.花唇弁の模様は線状・・・5.
5a.萼片の基部に小突起(付属体)を持つ.葉の両面は全面に細毛を密布して粉をふいたように見える.太平洋側の低山帯,中国地方では近年の記録が無い.本州(山梨県以西)、四国(愛媛県)、九州(霧島山以北)・・・キスミレ(イチゲスミレ) V.orientalis
・葉の縁の鋸歯が深い.九州=ノコギリバキスミレ V.o.f.laciniata
5b.萼片の基部の付属体は目立たない.葉は縁や葉脈上に細毛がある程度で光沢がある・・・6.
6a.花側弁の内側基部の毛は疎らで少ない.蛇紋岩やカンラン岩などの崩壊地の下部.北海道(夕張山地)・・・シソバキスミレ V.yubariana
6b.花側弁の内側基部の毛は密布する.日本海側の多雪地域の山地帯・・・オオバキスミレ V.brevistipulata s.l.
1.葉は3枚が輪生状に付く.蛇紋岩やカンラン岩などの岩場.北海道・・・エゾキスミレ V.b.hidakana var.hidakana (下記ミヤマキスミレは基亜種オオバキスミレに含まれるが,ここでは重要な特徴に踏まえて扱った)
・葉の縁や葉脈に毛がある.高山帯.北海道(大雪山、日高山脈、夕張山地)=ケエゾキスミレ V.b. h. var.yezoana
・花が小型=コバナエゾキスミレ V.b. h.var.y.f. parviflora
・葉は厚みがあり,披針形に近い.北海道(主に日高山脈南部)=トカチキスミレ V.b. h. var.y.f. glabra
・葉の縁は粗い鋸歯-細かく雑に浅裂する.北海道(主に夕張山地)=フギレキスミレ V.b. h. var.incisa
・葉は薄く,心形に近い.亜高山-高山帯.北海道、本州(白山以北)=ミヤマキスミレ V.b.brevistipulata f. acuminata
− 葉は輪生状に付かない(最下部の茎葉は離れて付く)・・・2.
2.特に根生葉は光沢が鈍く,葉脈が凹まない(葉肉が平坦).北海道、本州(京都府北部以北)・・・オオバキスミレ V.brevistipulata s.str.
・茎-葉柄-葉脈-花柄に粗毛を持つ.本州(中部地方、東北地方)=アラゲキスミレ V.b. b.f. pubescens
・白花=シロバナオオバキスミレ V.b. b.f. albescens
・葉は明瞭に鋭く浅裂する.山地帯でオオバキより高所.北海道(南西部)=フギレオオバキスミレ V.b.b.var.laciniata
・葉の縁や裏の葉脈に顕著な細毛がある.太平洋側の山地帯.北海道(南部)、本州(青森県、岩手県、宮城県)=フチゲオオバキスミレ
(キタカミキスミレ) V.b.b.var.ciliata
・茎は赤紫色.葉は厚く光沢が有る.亜高山帯.本州(東北地方南部-北アルプス)=ナエバキスミレ V.b.b.var.kishidae
・白花=シロバナフギレオオバキスミレ V.sp.
− 葉は厚く光沢が有り,葉脈が凹む(葉肉が浮く).茎は紅紫色.本州(中国山地800m以上)・・・ダイセンキスミレ V.b.minor=ナエバキスミレ?
7a.花は白色で中心部が黄色-黄緑色.標高1300m前後の山地帯.北海道(知床半島、択捉島)・・・シレトコスミレ V. kitamiana
7b.花は薄紫色で中心部が黄色-黄緑色.人里.九州(長崎県、熊本県、鹿児島県)、南西諸島(沖縄本島)・・・ツクシスミレ(ハイスミレ) V. diffusa var.glabella
7c.対のような配色の花ではない・・・8.
8a.丈30cm以上.葉は披針形で基部は心形.花は白く直径1cm程度.アシ原-湿原.本州(関東地方平野)、九州(大分県、鹿児島県)・・・タチスミレ V.raddeana
8b.丈は足元程度(湿地では丈が高くなる)・・・9.
9a.葉は裂ける・・・10.
9b.葉は裂けない・・・11.
10a.葉は基部から3裂する.太平洋側の低山に多く,日陰を好む.本州、四国、九州・・・エイザンスミレ(エゾスミレ) V. eizanensis
・白花=シロバナエゾスミレ V.e.f.candida
・葉が2裂-単葉.本州、四国=ヒトツバエゾスミレ V. e.var. simplicifolia
・白花=ナルカミスミレ V. e.var.s.f. leucantha
10b.葉は基部から5裂する, 裂片は長楕円形.対馬・・・ナンザンスミレ V. chaerophylloides var.chaerophylloides
・葉の裂片は広線形.本州中部の内陸部中心.本州(秋田県以南)、四国、九州=ヒゴスミレ V. c.var. sieboldiana
11a.葉柄は無く,舟形.花は白色,花弁は細く先細りする.湿り気を好む.本州(長野県)・・・タデスミレ V.thibaudieri
11b.葉柄は有り,基部は様々な形状・・・12.
12a.葉柄は葉身より明瞭に長い.花は白色・・・13.
12b.葉柄は葉身より短い-僅かに長い程度・・・14.
13a.葉は菱形.河川上流の渓流沿いの岩場.南西諸島(西表島)・・・ヤエヤマスミレ V.tasiroi
・葉脈に沿って白色の斑が入る=フイリヤエヤマスミレ V.t.f.alboreticulata
・葉は心形.八重山=イリオモテスミレ V.t.f.takushii
・葉は三角形.石垣島=イシガキスミレ V.t.var.tairae
13b.葉は明瞭に縦長.,北海道(低地)、本州(愛知県以北,本州中部では標高1000m以上)・・・シロスミレ V.patrinii
・花弁の模様を欠く.北海道(十勝地方中川郡豊頃町大津原生花園長節沼湿原)=トヨコロスミレ V.p.f.toyokoroensis
・葉は披針形で基部は楔形.高地帯.本州(滋賀県比良山系以西)、四国、九州・・・ホソバシロスミレ V.p.var.angustifolia
14a.葉柄に翼を持つ.日当たりを好む.北海道、本州、四国、九州・・・スミレ V.mandshurica
・日本海側の海岸帯.北海道、本州(鳥取県以北)=アナマスミレ V.m.f.crassa
・花が重弁=コモロスミレ V.m.f.plena
・白花=シロガネスミレ V.m.f.hasegawae
・(詳細不明)ノコギリスミレ V.m.f.dispar
・花側弁の基部が無毛=ワカシュウスミレ V.m.f.glabripetala
・葉に白色-黄色-薄赤色の不規則な斑が入る=ニシキスミレ V.m.f.albo-variegata
・海岸の藪.葉柄の翼は狭い.太平洋側の海岸帯.本州(房総半島以西)、四国、九州=アツバスミレ V.m.var.triangularis
・白花=ニイジマスミレ V.m.var.t.f.niijimensis
・葉柄や花柄は有毛=ケアツバスミレ V.m.var.t.f.pubigera
・葉が細く鉾形.高標高の草原.本州(栃木県以西)、四国、九州=ホコバスミレ V.m.var.ikedaeana
14b.葉柄に翼を持たない(不明瞭に持つ場合がある)・・・15.
15a.横から見て距の長さは幅より僅かに長いか楕円形・・・16.
15b.横から見て距の長さは幅より2倍以上・・・32.
16a.花は薄紫色で線状の模様が目立.葉は明瞭に縦長.温暖地域の低地で日当たりを好む.本州、四国、九州・・・アリアケスミレ V.betonicifolia var.albescens
・葉は明瞭に三角披針形,基部は切形であるが時に両端が伸長する(紛らわしい場合,葉先は直線的に狭まって尖る).日当たりを好む.
九州(鹿児島県市来町、甑島以南)、南西諸島(沖縄北部の粘土質)・・・リュウキュウシロスミレ(エナガスミレ、ヤノネシロバナスミ
レ) V.b.var. oblongosagittata
16b.花が紫色系の場合でも唇弁に網目状の模様が入る程度・・・17.
17a.南西諸島・・・18.
17b.九州以北・・・19.
18a.花は白色.葉は卵形.渓流沿いの岩場.南西諸島(奄美大島 、沖縄本島)・・・アマミスミレ V.amamiana
18b.花は薄紫色.葉は心形,基部両側の張り出しは長い.標高100mあまりの石灰岩場.南西諸島(沖縄本島南部)・・・シマジリスミレ V.
okinawensis,nom.nud.
19a.葉は明瞭に縦長の披針形(紛らわしい場合,葉先は直線的に狭まって尖る).花は薄紫色.主に太平洋側.本州(福島県以西)、四国、九州・・・ナガバノスミレサイシン V.bissetii
・白花=シロバナナガバノスミレサイシン V.b.f.albiflora
・葉に斑が入る.四国、九州=フイリナガバノスミレサイシン V.b.var.kiusiuana
19b.葉は心形-卵形-横位・・・20.
20a.花弁は丸味が強く,特に上弁は重なる(紛らわしい場合,花の色は紫色ではない).花は紅紫色(明赤紫色).太平洋側の内陸部,明るい乾燥地.北海道(南部)、本州、四国、九州・・・アケボノスミレ V.rossii
・花は黒紫色=クロバナアケボノスミレ V.r.f.atropurpurea
・花は白色=シロバナアケボノスミレ V.r.f.lactiflora
20b.花弁は縦長気味,特に上弁は重ならない・・・21.
21a.萼片の先端は鈍く丸まる.葉は卵形.水はけを好む.北海道、本州(中部地方以北)・・・エゾアオイスミレ(マルバケスミレ、テシオスミレ、ニオイケスミレ) V.collina
・白花=シロバナエゾアオイスミレ V.c.f.albiflora
21b.萼片の先端は尖る・・・22.
22a.萼片は小型,後方に巻くように反り返る.花は白色.太平洋側の山地で湿気を好む.本州(福島県以西)、四国、九州・・・コミヤマスミレ
V.maximowicziana
・葉裏が暗紫色を帯びる=アカコミヤマスミレ V.m.f.rubescens
・葉の色は明るく,毛が少ない.沢の源流域.九州(宮崎県)=ヒュウガスミレ V.sp.
22b.萼片は弱く開出する程度・・・23.
23a.距は白色,距の裏側に会合線がある.花は薄紫色.寒冷地帯.北海道、本州(岡山県以北)・・・エゾノタチツボスミレ(イヌスミレ、モリタチツボスミレ) V.acuminata
・白花=シロバナエゾノタチツボスミレ V.a.f.alba
・草体はほとんど無毛=ケナシエゾノタチツボスミレ V.a.f.glaberrima
23b.距の裏側の会合線は目立たない・・・24.
24a.花は薄紫色,特に上弁は裏面の方が色が濃い.太平洋側の落葉樹林帯.本州(神奈川県以西)、四国・・・トウカイスミレ V.tokaiensis
24b.花の色の濃さは表面と裏面は同じか表面が濃い・・・25.
24a.花は白色.葉は円心形,鋸歯縁は低く平滑.亜高山帯.紛らわしい場合,花唇弁の模様はほぼ線状・・・25.
24b.紛らわしい場合,花唇弁の模様は細かい網目状になる.主に山地帯・・・26.
25a.葉の鋸歯は小さく折り重なる.亜高山帯.北海道、本州(南アルプス-白山以北)・・・ウスバスミレ V.blandiformis
25b.葉の鋸歯は重ならない.高層湿原帯.北海道(東部)、本州(長野県以北)・・・チシマウスバスミレ V.hultenii
26a.花は薄紫色でムラが無い,唇弁の模様は線状.葉は円心形.高山帯の湿原.北海道・・・タニマスミレ(オクヤマスミレ、カラフトスミレ、イワスミレ、チシマコマノツメ) V.epipsiloides
26b.花が薄紫色の場合は中心に向って白味が強くなる.葉は通常葉先が明瞭に尖る.紛らわしい場合,唇弁の模様は網目に近い・・・27.
27a.花弁全体に細い線状の模様が入る,花は薄紫色・・・28.
27b.主に花唇弁に5本程の濃い模様が入る・・・29.
28a.湿気を好む.北海道低地、本州(長野県以北)・・・オオバタチツボスミレ V.kamtchadalorum
・草体に毛を生やす=ケオオバタチツボスミレ V.k.f.pubescens
28b.高山帯.北海道(知床半島)・・・タカネタチツボスミレ V.langsdorfii s.str.
29a.花唇弁の模様は細かく分岐した網目状.距は白色.葉の基部両端は弱く伸長する.湿気を好む.北海道、本州、四国、九州(屋久島以北)・・・ニョイスミレ(ツボスミレ) V.verecunda
・紫条のない白花=シラユキスミレ V.v.f.candidissima
・(詳細不明)サルクラスミレ V.v.f.lilacina
・花後に匍匐する=ハイツボスミレ V.v.f.radicans
・(詳細不明)マダラツボスミレ V.v.f.variegata
・花の色はやや濃い目.葉は円形.湿地=ムラサキコマノツメ V.v.f.violascens
・花は白色-薄紅紫色.葉は基部両端が伸長し,明瞭なブーメラン形.湿地.北海道、本州(中部地方以北)・・・アギスミレ V.v.var.semilunaris
・花は薄紫色.葉は円形,葉先は尖らない.高山帯.本州(白山以北)・・・ミヤマツボスミレ V.v.var.fibrillosa
・花は白色-薄紅紫色.葉は基部両端が伸長し,弱いブーメラン形.湿地.西日本.本州(愛知県以西)、四国、九州・・・ヒメアギスミレ V.v.var.subaeguiloba
・花は白色.葉は心形.湿地.南西諸島(屋久島山頂)・・・コケスミレ V.v.var.yakushimana
29b.花唇弁の模様は分岐の少ない線状・・・30.
30a.萼片の付属体に切れ込みが入らない.標高1800m前後の亜高山帯.本州(中部、関東)・・・ヒメスミレサイシン V.yazawane
30b.萼片の付属体に切れ込みが入る・・・31.
31a.花柱の柱頭に小さいが明瞭な嘴状の突起がある,花は薄紫色.主に日本海側斜面.北海道、本州、四国・・・スミレサイシン V.vaginata
・花は薄紫色=ウスジロスミレサイシン V.v.f.albescens
・白花=シロバナスミレサイシン V.v.f.albiflora
・葉が細い.本州(山陰に多い)=サンインスミレサイシン V.v.var.satomii,nom.nud
31b.花柱の柱頭の突起は目立たない,花は白色.太平洋側のブナ林.本州(埼玉県以西)、四国、九州・・・シコクスミレ V.shikokiana
32a.横から見て距は花弁より長い(斜め上を向き,花の正面から先末端が見える)・・・33.
32b.横から見て距は長くても花弁と同長-より短い(紛らわしい場合は斜め上を向かない)・・・34.
33a.葉の基部は心形,表面の光沢は弱い.北海道、本州(島根県以北の主に日本海側)、四国・・・ナガハシスミレ(テングスミレ) V.rostrata
・白花=シラユキナガハシスミレ V.r.f.albiflora
・花の色が濃い.北アルプス北部の標高1500m付近の蛇紋岩地帯=ミヤマナガハシスミレ V.r.f.alpina
33b.葉の基部は切形,表面の光沢は強い.日当たりの良い崩壊地に限られる.本州(新潟県粟ヶ岳)・・・アワガタケスミレ V.awagatakensis
34a.距の長さは幅の4倍以上,ほぼ真っ直ぐ.丘陵地性.中部地方以北の低地に多く,西日本の低地に少ない.本州、四国、九州・・・アカネスミレ V.phalacrocarpa
・白花=コボトケスミレ V.p.f.chionantha
・花が薄紅色=ウスアカネスミレ V.p.f.pallescens
・花弁が重なる=ナガワスミレ V.p.f.plena
・花側弁以外は無毛=オカスミレ V.p.f.glaberrima
・疎らに毛が生える=ウスゲオカスミレ V.p.f.subpubescens
・ウスゲオカスミレの白花=シロバナウスゲオカスミレ V.p.f.leucantha
34b.距の長さは幅の4倍以下(紛らわしい場合,屈曲する)・・・35.
35a.距の裏側に会合線がある.北海道、本州(白馬岳以北)・・・アイヌタチツボスミレ V.sacchalinensis
・白花.北海道=シロバナアイヌタチツボスミレ V.s.f.chionantha
・葉は光沢の強い深緑色,縁が表に巻く.蛇紋岩やカンラン岩などの岩場.北海道(アポイ岳、夕張山地、天塩地方)=アポイタチツボスミレ V.s.f. alpina
・アポイタチツボスミレの白花=シロバナアポイタチツボスミレ V.s.f. albialpina
・さく果に赤い斑点がある=イワマタチツボスミレ(イワマスミレ) V.s.var.miyakei
35b.距の裏側の会合線は目立たない・・・36.
36a.花柱は棒状で先端は膨らまない(下向きに折れ曲がる場合がある)・・・37.
36b.花柱の先端は膨らむ・・・46.
37a.花柱の先端は雄蕊から出ている部分から下に折れ曲がる.葉は円心形.湿り気を好む.北海道、本州、四国、九州(宮崎県以北)・・・アオイスミレ(ヒナブキ) V.hondoensis
37b.花柱の先端は折れ曲がらず,せいぜい下側に小さい突起を持つ程度・・・38.
38a.葉は披針形,根生葉は心形.本州(茨城県以西)、四国、九州・・・ナガバノタチツボスミレ V.ovato-oblonga
・白花=シロバナナガバノタチツボスミレ V.o.f.albiflora
・葉脈に沿って赤紫色の斑が入る=マダラナガバノタチツボスミレ V.o.f.variegata
・葉や茎などは有毛=ケナガバノタチツボスミレ V.o.f.pubescens
・花は薄紫色=アサギケナガバノタチツボスミレ V.o.f.luteoviridflora
38b.葉は円心形-腎形,茎葉と根生葉は同形・・・39.
39a.花弁は細長く,中央部の両端は平行.花は白色.南西諸島(沖縄本島北部)・・・オリヅルスミレ V.stoloniflora
・葉は無毛=テリハオリヅルスミレ(現存する個体群に当てはめられている) V.sp.
39b.花弁は丸味がある・・・40.
40a.葉は厚味があり,縁が表側に巻く.距は白色.海浜砂丘-接続する松林,株を形成する.北海道(南西部)、本州(主に丹後半島以北の日本海側)・・・イソスミレ(セナミスミレ、イソタチツボスミレ) V.grayi
40b.葉の縁は巻かず開く.特殊な種や型品種以外は内陸・・・41.
41a.花柱の先端の下部は単純(下縁が小さく張り出す場合があるが,突起状にならない)・・・42.
41b.花柱の先端の下部に小突起を持つ(柱頭が明瞭)・・・45.
42a.葉は心形,表に強い光沢がある(根生葉は円心形の場合がある)・・・43.
42b.葉は通常,心形より広くて表の光沢は弱い(海岸域や渓流域では対の特徴に似る)・・・44.
43a.標高1000m以下の低山地帯.本州(青森県-福井県)・・・テリハタチツボスミレ V.faurieana
・白花=シロバナテリハタチツボスミレ V.f.f.albifaurieana
43b.沿岸の石灰岩の断崖.南西諸島(沖縄本島中部)・・・オキナワスミレ V.utchinensis
44a.花唇弁の模様は細かい網目状になる(3分岐).多雪地帯.北海道、本州、四国、九州(福岡県)・・・オオタチツボスミレ V.kusanoana
・白花=シロバナオオタチツボスミレ V.k.f.alba
・花の赤味が強い=モモイロオオタチツボスミレ V.k.f.rosea,nom.nud.
・花茎が斜上,距の長さは3-4mm.北海道(襟裳岬)・・・ヒダカタチツボスミレ V.k.f.brevicalcarata
・花柄は有毛=ケオオタチツボスミレ V.k.f.pubescens
44b.花唇弁の模様は単純な網目状になる(2分岐).日本全土・・・タチツボスミレ(ヤブスミレ、ミツバタチツボスミレ) V.grypoceras var.grypoceras
・白花で距は薄紫色=オトメスミレ V.g.f.purpurellocalcarata
・オトメスミレに近縁,距が淡紫色で花柄は有毛=ケオトメスミレ V.g.f.hemileuca
・白花で距は白色=シロバナタチツボスミレ V.g.f.albiflora
・シロバナタチツボスミレに近縁で草体が有毛=シロバナケタチツボスミレ V.g.f.leucantha
・花が紅紫色=サクラタチツボスミレ V.g.f.rosipetala
・葉に紅紫色の斑が入る=アカフタチツボスミレ V.g.f.variegata
・茎や葉に目立つ毛がある=ケタチツボスミレ V.g.f.pubescens
・海岸.葉に光沢がある.伊豆半島南部、伊豆七島=シチトウスミレ(ツヤスミレ、ヤクシマタチツボスミレ) V.g.var.hichitoana
・距は明瞭に先細る.本州(秋田県-中国山地の日本海側)=ツルタチツボスミレ(クモノススミレ) V.g.var.rhizomata
・小型,茎の節間が伸びない.九州(佐賀県以南の小型集団)=コタチツボスミレ V.g.var.exilis
・白花=シロバナコタチツボスミレ V.g.var.e.f.chionantha
・中流域の河川敷.花弁は細め.本州=ケイリュウタチツボスミレ V.g.var.ripensis
・距は平行.葉の基部は水平-切断形.本州(鳥海山以南)、四国、九州(佐賀県以北)=サンインタチツボスミレ V.sp.
45a.葉は卵形,葉先は尖らない.明るい乾燥地を好む.北海道(南部)、本州、四国、九州・・・ニオイタチツボスミレ V.obtusa
・白花=シロバナニオイタチツボスミレ V.o.f.chibai
・距が紫色の白花=オトメニオイタチツボスミレ V.o.f.hemileuca
・草体特に花柄は無毛,葉の表面に光沢がある=ケナシニオイタチツボスミレ(テリハニオイタチツボスミレ) V.o.f.nuda
45b.葉は円心形,葉先は尖る.主に灰岩地帯を好む.北海道、本州(広島県以北)・・・イブキスミレ V.mirabilis var.subglabra
・白花=シロバナイブキスミレ V.m.var.s.f.seiichii
46a.花の中心部は開かず,花柱の先端が見えない(花柱の先端は両翼が前方に向く),唇弁は細長い.葉は披針形.明るさを好む.北日本では太平洋側,西日本では高所に点在.北海道、本州、四国、九州・・・サクラスミレ V.hirtipes
・葉の主脈に沿って紅紫色の斑=チシオスミレ V.h.f.rhodovenia
・白花=シロバナサクラスミレ V.h.f.lactiflora
・葉-葉柄や花柄がほとんど無毛=ケナシサクラスミレ V.h.f.glabra
・(詳細不明)ワタゲスミレ V.h.f.grisea
・草体は無毛=ケントクスミレ V.h.f.nudipes
46b.花の中心部は開いて,花柱の先端は見える・・・47.
47a.花柱の両翼は三角形で斜め前方に向く,花弁は細長い.葉は心形で基部両側は内側に巻く.寒冷地帯.北海道、本州、四国・・・ミヤマスミレ V.selkirkii
・葉脈沿いに白い斑が入る=フイリミヤマスミレ V.s.f.variegata
・白花=シロバナミヤマスミレ V.s.f.alba
・葉身の基部と葉柄の上端のみ短毛がある=ハダカミヤマスミレ V.s.f.subglabra
・葉の縁の切れ込みが深い=フギレミヤマスミレ V.s.f.lacinaata
47b.花柱の先端は全体的に球形や三角形に膨らむ・・・48.
48a.葉は半円形-心形,葉先は丸く,側縁は2-3対の丸い鈍歯になる.花は白色.九州(屋久島-奄美大島の山地の半日陰)、沖縄(本島北部の渓流沿い)・・・ヤクシマスミレ V.iwagawae
48b.葉の側縁は全縁-小さな鋸歯縁・・・49.
49a.花柱の先端下側の小突起(柱頭)はやや目立つ・・・50.
49b.花柱の先端下側の小突起(柱頭)は微少な突起で目立たない・・・51.
50a.柱頭は両翼とほぼ同大,正面から見ると3方に膨らむ.花は極薄い紫色.葉は卵形.日当たりの良い乾燥地を好む.本州(青森県-岩手県の太平洋側、中部-関東地方の内陸、岡山県)、四国(愛媛県)・・・ゲンジスミレ(イヨスミレ) V.variegata var.nipponica
50b.柱頭は両翼よりやや小さく,正面から見ると大きな突起になる.花弁は丸味があり,白色.葉は卵形-円形.太平洋側の内陸部に多い.北海道、本州、四国、九州・・・マルバスミレ V.keiskei
・花側弁の内側基部は有毛=ヒゲケマルバスミレ V.k.f.barbata
51a.花唇弁の模様は斜め下に向けて密に細分する,唇弁の先端は中央で小さく切れ込む傾向がある.湿度の高い半日陰を好む.北海道、本州、四国、九州・・・ヒカゲスミレ V.yezoensis
・葉の表面が濃紫色=タカオスミレ V.y.f. discolor
・葉は基部で両側に張出し瓢箪形(鉾形).本州(広島県)、九州(阿蘇外輪山)=アソヒカゲスミレ V.y.var. asoana
51b.花唇弁の模様が細分する場合(通常2分岐),模様の下地が紅色に染まる・・・52.
52a.花は白色,花弁の奥に模様がある.九州(対馬)・・・シロコスミレ V.lactiflora
52d.花は極薄い紅紫色(白花がある).本州、四国、九州・・・フモトスミレ V.sieboldii s.l.(以下の分類はいがりまさし(1996, 2008)に従った)
1.葉側縁の鋸歯は鈍い,葉の裏は紫色.低山-亜高山帯.本州(岩手県以南)、四国、九州、南西諸島(屋久島以北)・・・フモトスミレ V.sieboldii s.str.
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリフモトスミレ V.s.s.f.variegata
・白花=シラユキフモトスミレ V.s.s.f.albiflora
− 葉側縁の鋸歯は明瞭,葉の裏は緑色.主に照葉樹林帯.本州(関東地方以西) 、四国、九州・・・ヒメミヤマスミレ V.s.boissieuana
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリヒメミヤマスミレ V.sp.
・小型.南西諸島(屋久島)=ヤクシマミヤマスミレ V.s.b.var.pseudoselkirkii
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリヤクシマミヤマスミレ V.s.b.var.p.f.albovariegata
52b.花は赤紫色(白花がある),全ての花弁に濃い赤紫色の模様が入る・・・53.
52c.花は薄紅紫色(白花がある)・・・55.
53a.葉の裏は常に緑色,長さは幅の3倍以上.人里の日当たりの良い乾燥地を好む.本州(秋田県以南)、四国、九州(屋久島以北)・・・ノジスミレ V.yedoensis
・草体は無毛.暖地.九州や八丈島など暖地=ケナシノジスミレ V.y.f.glaberrima
・白花=シロノジスミレ V.y.f.albescens
・花側弁に毛を持つ=オトコノジスミレ V.y.f.barbata
・葉の長さは幅の2.5倍以下.人里の日当たりを好む.南西諸島(黒島、屋久島以南)、沖縄・・・リュウキュウコスミレ V.y.var.pseudojaponica
・白花=シロバナリュウキュウコスミレ V.y.var.p.f.sonohsrse
53b.葉の裏は紫色掛かるものが多い・・・54.
54a.葉の縁の鋸歯は不規則で不明瞭.人里で日当たりを好む.本州(秋田県以南)、四国、南西諸島(口之島以北)・・・ヒメスミレ V.inconspicua
nagasakiensis
・花が薄紫色=ウスイロヒメスミレ V.i.n.f.albescens
・下側の葉の鋸歯が粗い=ツクシヒメスミレ V.i.n.f.serrato-dentata (synonym?)
54b.葉の縁の鋸歯は均一で細かい.低地-低山地の人里で日当たりを好む.北海道、本州、四国、九州・・・コスミレ(ツクシスミレ) V.japonica
・白花=シロバナツクシコスミレ V.j.f.albida
・花側弁の基部は有毛=ヒゲコスミレ V.j.f.barbata
・葉に斑が入る=フイリコスミレ V.j.f.variegata
55a.葉は卵形-心形,裏面に毛を生やす.花側弁の内側基部の毛は疎ら.湿り気を好む.本州(栃木県-群馬県の日光-足尾山地周辺)・・・フジスミレ V.tokubuchiana var.tokubuchiana
・白花=シロバナフジスミレ V.t.f.lactiflora
・葉に斑が入らない=ミドリフジスミレ V.t.f.concolor
・葉は長卵形,葉先は狭まって尖る.側弁の内側基部の毛は密.半日陰を好む.太平洋側の山地に多い.北海道(南部)、本州、四国、九州(中部以北)=ヒナスミレ(アラゲスミレ) V.t.var. takedana
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリヒナスミレ V.t.var. t.f.variegata
・白花=シロバナヒナスミレ V.t.var. t.f.albiflora
・小型.北海道南部=エゾヒナスミレ V.t.var. t.f.austroyezoensis
・落花後に根を伸ばして子株を作る=イヌガタケスミレ V.t.var. t.f.yoshiokai
55b.葉は長心形-長披針形で葉先は斜め上を向く,長披針形では裏面に毛を生やす場合がある.花側弁の内側基部は無毛(時に僅かな毛がある).山地帯.本州、四国、九州・・・シハイスミレ V.violacea var.violacea
・葉の葉脈に沿って白い斑が入る=フイリシハイスミレ V.v.f.versicolor
・葉の中央線に斑が入る=コンピラスミレ V.v.f.pictifolia
・白花=シロバナシハイスミレ V.v.f.albida
・葉の裏面が紫色を帯びない淡緑色=ミドリシハイスミレ V.v.f.concolor
・葉は長披針形,葉先は上を向く.東日本中心.本州(青森県-兵庫県)=マキノスミレ(ホソバスミレ) V.violacea var. makinoi
・葉に斑が入る=フイリマキノスミレ V.v.var. m.f.variegata
・葉の表面に細毛を密生する=シナノスミレ V.v.var.tanakaeana
・葉の表面が濃色=ハグロシハイスミレ V.sp.
《主な参照文献等》
船迫吉江,2013.樺太・クリルのスミレを描く −北大総合博物館タイプ標本から−.北方山草,(30): 47−56.
五十嵐博,1996.北海道におけるオオパキスミレ類の分布(予報).北方山草,(14):27−35.
いがりまさし,1996.山渓ハンディ図鑑6 増補改訂日本のスミレ.248 pp.山と渓谷社.
いがりまさし・遠藤雄一・大野利男・黒沢高秀,2017.アケボノスミレとスミレサイシンの雑種と推定されるアケボノスミレサイシン(新称)の生育環境,形態的特徴および増殖様式.分類,17(1): 89−94.
神奈川県植物誌調査会 編,2018.神奈川県植物誌 電子版.1803 pp.神奈川県立生命の星・地球博物館.
増村往夫,2006.ひと目で見分ける320種 ハイキングで出会う花 ポケット図鑑.190 pp.新潮文庫. 中井猛之進,1928.「新二我ガ國籍二入ルすみれ類」ノ解説.THE BOTANICAL MAGAZIN,42(50): 591−595.
埼玉県絶滅危惧植物種調査団,2016.図説 植物検索ハンドブック 埼玉2882種類.524 pp.さきたま出版会.
高橋英樹,2013.千島列島のスミレ.北方山草,(30): 5−14.
高橋秀男,1977.日本産キバナノコマノツメ群とタカネスミレ群の染色体数.Bulletin of the Kanagawa Prefectural Museum (Natural Science),(10):
43−50.
高橋誼,2013.ヒダカタチツボスミレ再発見の記.北方山草,(30): 21−22.
竹内亮,1932.きすみれノ一新變種ニ就キテ. Shokubutsugaku Zasshi,46(549): 587.
山崎敬,2001.アワガタケスミレは独立した種である.植物研究雑誌,76(3): 176−177.
著者:齋藤昌弘 heteromerasaito@fork.ocn.ne.jp
Saito554@docomo.ne.jp
18.I. 2024
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
masa554さんの記事一覧
- 日本産アザミ属植物検索表(全面改定版) 4 更新日:2024年09月18日
- 日本産キク科植物検索表(全面改定版、後半) 3 更新日:2024年09月08日
- 日本産キク科植物検索表(全面改定版、前半) 6 更新日:2024年08月06日
※この記事はヤマレコの「ヤマノート」機能を利用して作られています。
どなたでも、山に関する知識や技術などのノウハウを簡単に残して共有できます。
ぜひご協力ください!
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する