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更新日:2024年09月08日 訪問者数:149
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日本産キク科植物検索表(全面改定版、後半)
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日本産キク科植物検索表(全面改定版、後半)
25b.花序の周囲に対のような目立つ苞葉は開かない.紛らわしい場合,苞葉は広線形で白い綿毛が密生せず緑色に見える・・・26.
26a.葉はへら形,尖らないが明瞭な鋸歯縁.頭花は汚れた白か赤褐色・・・イズハハコ属 Eschenbachia
   1.本州(関東以西),四国,九州,琉球列島・・・イズハハコ E.japonica
    − 先島諸島にはこの2種が知られているが,詳細不明・・・キクバイズハハコ E.aegyptiaca,ネバリイズハハコ E leucantha
26b.葉の縁は明瞭な鋸歯にならない・・・27.
27a.雄花は数本の黄色い雄蕊を突き出す・・・エゾチチコグサ属 Antennariase
1.雌花は鮮やかな紅色,雄花は白色.北海道(大雪,阿寒,知床,北見周辺)の高山の砂礫地・・・エゾチチコグサ A.dioicae
    − 雄花と雌花は白色・・・オオバコチチコグサ A.plantaginifolia
27b.雄花は雄蕊を突き出さない・・・ヤマハハコ属 Anaphalis
1. 葉は広線形-線形.葉の幅は6-15mm.北海道,本州(長野県-石川県以北)・・・ヤマハハコ A.margaritacea (種内の分類は混沌として決着が付いていない.どうやら,その要因は分類基準を葉の形状に頼っている事によるらしい.ここではWikipediaに従ったが、subsp.japonica が何に相当するのか不明)
   ・葉の幅は2-6?.本州(福井県-愛知県以西),四国,九州・・・ホソバノヤマハハコ A.m.var.angustifolia
   ・葉の幅は2mm以下.河原性.北海道,本州,四国,九州・・・カワラハハコ A.m.var.yedoensis
− 葉は舟形-へら形・・・2.
2.丈40cm以上.葉は平開する.山地性.全体に白毛に覆われる.本州(関東,中部,近畿,中国),四国,九州・・・ヤハズハハコ A.sinica
       ・全体に白毛が多く,更に白い綿毛が覆い,草体が白くみえる.本州(関東,中部)・・・トダイハハコ A.s.var.pernivea
− 丈30cm以下.葉は斜開する.総苞片は薄紅色.北海道(高山帯),本州(中部以北)・・・タカネヤハズハハコ(タカネウスユキソウ) A.alpicola
       ・総苞片は白色.北海道(アポイ岳)・・・アポイハハコ A.a.f.robusta
   

C群:頭花は舌状花だけで構成される
1a.頭花は小さく目立たず,舌状花は白色で三角形-舟形.棍棒状の集合果が目印・・・ノブキ属 Adenocaulon
1.日本全土・・・ノブキ A.himalaicum
1b.舌状花は線形で目立つ・・・2.
2a.舌状花は捻じれるか巻く.総苞は通常筒形で明らかに縦長・・・3.
2b.舌状花は変形しない・・・4(以降は属が含まれるが,一般外観では属の区別すら困難である為,属種を混在させて検索させた.尚、keyの花弁=舌状花の数は1-2個のバラツキがある).
3a.舌状花は後ろ側に巻き,中心から長い花柱が伸びる,紫色・・・クサヤツデ属 Diaspananthus
1.本州(神奈川県-近畿の太平洋側),四国,九州・・・クサヤツデ(ヨシノソウ) D.uniflorus
3b.舌状花は捻じれ,花柱は短く目立たない・・・モミジハグマ属 Ainsliaea
    1.舌状花は先端が同じ向きにカールし,整然とする・・・2.
− 舌状花は中央-全体が不規則にカールする・・・5.
2. 沖縄県以南・・・3.
− 屋久島以北・・・4.
3. 葉は長卵形-楕円形.南西諸島(沖縄島北部,西表島)・・・ナガバハグマ A.oblonga
    − 葉は卵形-心形.南西諸島(トカラ列島,奄美大島以南-沖縄)・・・オキナワハグマ A.macroclinidioides var.okinawensis
    4.葉は舟形.南西諸島(屋久島)・・・ホソバハグマ A.faurieana
    − 葉は円形-広卵形.北海道(南部),本州,四国,九州・・・キッコウハグマ A.apiculata
       ・葉は両側で中裂し3裂片の鉾形.南西諸島(屋久島)・・・リュウキュウハグマ(モミジバキッコウハグマ) A.a.var. acerifolia
・葉は卵形.南西諸島(屋久島)・・・タマゴバキッコウハグマ A.a.var.ovatifolia
・葉が円形.南西諸島(屋久島)・・・マルバキッコウハグマ A.a.f.rotundifolia
    5.葉は全縁,長卵形,葉先は丸い.茎に茶色の細毛を密に生やす.四国と九州(南部)・・・マルバテイショウソウ A.fragrans
    − 葉は裂ける-数個の粗い鋸歯縁・・・6.
    6.葉は3-5全裂,各裂片は鋸歯縁の卵形.本州(静岡県-愛知県)・・・エンシュウハグマ A.dissecta
  − 葉は楓葉状の中裂,裂片は先端で浅裂,各辺は鋭く尖る.本州(関東地方以西の太平洋側),四国,九州・・・モミジハグマ A.
acerifolia
     ・葉は中裂,裂片は裂けない.本州(中部地方から西側では日本海側),九州(北部)・・・オクモミジハグマ A.a.var.subapoda
   − 葉は数個の粗い鋸歯縁.葉に斑が入る.本州(千葉県-近畿南部の太平洋側),四国・・・テイショウソウ A.cordifolia
    ・葉に斑が入らない.本州(静岡県西部以西),四国・・・ヒロハテイショウソウ A.c.var.maruoi
4a.舌状花は1-3列が重なる程度・・・5.
4b.舌状花は5列以上が中心へ小さくなりながら上下に重なる・・・9.
5a.頭花は紫色-赤紫色・・・6.
5b.頭花は白色・・・7.
5c.頭花は黄色(各タクサに白花が有り,変種名が設けられている)・・・8.
6a.頭花は薄赤紫色.総苞は花弁より長い.頭花は花軸に複数垂れ下がる.・・・ムラサキニガナ属 Paraprenanthes
   1.花柄-花軸は無毛.本州,四国,九州(種子島辺り)・・・ムラサキニガナ P.sororia
   − 花柄-花軸に細毛を密に生やす・・・ケムラサキニガナ P.s.var.elata
6b.頭花は薄紫色・・・アキノノゲシ属 Lactuca
   1.径3-4cm.北海道(東北部)・・・エゾムラサキニガナ L.sibirica
7a.花柱は突出し,総苞と同長かより長い.花弁は総苞より明瞭に短い.葉は楓葉状に全裂する・・・フクオウソウ属 Nabalus
   1.総苞に白い細毛を密生する.本州,四国,九州・・・フクオウソウ N.acerifolius
      ・総苞に毛が無い・・・フクオウニガナ N.a.f.nipponica
7b.花柱は総苞より長く突出しない.花弁は総苞と同長か長い・・・タカサゴソウ属 Ixeris,ニガナ属 Ixeridium,アゼトウナ属 Crepidiastrum
   1.舌状花は20個以上.本州,四国,九州・・・タカサゴソウ Ixeris strigosa
   − 舌状花は8個以下・・・2.
2.北海道,本州(尾瀬ヶ原,青森県十和田).上部の葉は広線形,基部は茎を抱かない・・・オゼニガナ Ixeridium
dentatum ozense
   − 小笠原諸島.常緑小低木.葉は頂部に密集する・・・3.
3.花期は1月頃・・・ユズリハワダン C.ameristophyllum
   − 花期は11月頃・・・ヘラナレン C.linguifolium
8a.舌状花は6個以下・・・アゼトウナ属 Crepidiastrum,ニガナ属 Ixeridium
1.葉は柄が有る・・・2.
− 葉に柄が無い・・・3.
2.葉は明瞭に全裂,各裂片は舟形.本州(関東地方-近畿地方),四国・・・クサノオウバノギク C.chelidoniifolia
   − 葉は明瞭に全裂しない.本州(岡山県西部-広島県東部)・・・イワヤクシソウ(ナガバヤクシソウ) C.yoshinoi
3.茎葉は線形.全縁で糸棘状の歯を持たない,基部は茎を抱かない・・・4.
− 葉は広線形-舟形・・・5.
4.舌状花は通常6個,径9mm以下.葉は通常3個,本州(関東地方以西),四国,九州・・・ホソバニガナ I.makinoanum
− 舌状花は通常5個,径15-19mm.根出葉の数が多くロゼット状.九州(熊本県)屋久島・・・コスギニガナ I.yakuinsulare
5.葉は全縁,糸棘状の歯を持たない・・・6.
− 基部付近に糸棘状の歯を持つ・・・7.
6.本州(千葉県-静岡県)・・・ワダン C.platyphyllum
− 小笠原諸島・・・コヘラナレン C.grandicollum
7.通常,葉の基部付近の糸棘状の歯は5対以上・・・ニガナ I.dentatum s.l.
1(2).黒紫色の葉を持つ.南西諸島(屋久島),標高1600-1700m付近の湿地帯.・・・クロニガナ I.d.nipponicum var.albiflorum
f.atropurpureum
2(1).葉は緑色・・・3.
3(4).広域分布.茎葉は舟形.舌状花は通常5個.日本全土・・・ニガナ I.dentatum s.str.
・茎葉は広線形,葉の基部付近の糸棘状の歯を持たない.走出枝を出す.本州,四国,九州・・・ハイニガナ I.d.s.str.
f.stoloniferum
       ・舌状花は6個.渓流沿い.本州(神奈川県)・・・サガミニガナ I.d.s.str.var.sagamiensis
   4(3).関東地方北部の白根山・・・シラネニガナ I.d.shiranense
− 葉の基部付近の糸棘状の歯は少なく3対程度.茎葉は広線形.南西諸島(屋久島)・・・ヤクシマニガナ I.parvum
8b.舌状花は10前後-15個以下・・・ニガナ属 Ixeridium,オニタビラコ属 Youngia,アゼトウナ属 Crepidiastrum,タカサゴソウ属 Ixeris,アキノノゲシ属 Lactuca,ヤブタビラコ属 Lapsanastrum,
1. 葉は裂けない・・・2.
− 下部の葉は全裂する・・・8.
2.茎葉はほとんど無く,根生葉は舟形で縁は浅裂か歯が有る.九州(南部),沖縄・・・ヤナギニガナ Ixerid.laevigatum
− 葉は単純な卵形-長卵形・・・3.
3.葉先は丸い・・・4.
− 葉先は尖り,基部は猪首状に狭まらない・・・6.
4.葉は卵形,基部手前で猪首状に狭まり,基部で膨らんで茎を抱く.北海道,本州,四国,九州・・・ヤクシソウ Y.
denticulata
− 葉の基部は単純・・・5.
5.葉は柄状の部分を除いて,幅より僅かに長い.本州(伊豆半島-紀伊半島),四国,九州・・・アゼトウナ C.keiskeanum
       ・葉が羽状に中-浅裂する・・・ソテツバアゼトウナ C.k.f.pinnatilobum
− 葉は柄状の部分を除いて,幅より明らかに長い.本州(島根県-山口県)-南西諸島・・・ホソバワダン C.lanceolatum
   ・根出葉が羽状に切れ込む・・・ハマナレン C.l.f.pinnatilobum
   ・葉腋から多数の枝を放射状に出す.南西諸島(沖縄,北大東島,南大東島)・・・ダイトウワダン C.l.var.daitoense
6.葉の基部は細く鋭く矢尻状に尖って茎を挟む.本州,四国,九州・・(ニガナ属)ノニナガ Ixeris polycephala
− 葉の基部は尖って茎を抱かない・・・7.
7.葉は短卵形,基部は弱い心形で茎へ狭く柄状に続き,茎の接点で小さく丸く茎を抱く.北海道,本州(関東,中部)・・・ミヤマアキノノゲシ(北海道産はカラフトミヤマアキノノゲシとされ詳細不明) Lac.triangulata
− 葉は茎との接点で小さく丸く茎を抱かない・・・ニガナ Ixerid.dentatum s.l.
   1(2).葉の基部は茎を抱かない・・・3.
2(1).葉の基部は茎を抱く・・・5.
3(4).高地の荒地.北海道,本州,四国,屋久島・・・タカネニガナ Ixerid.d.alpicola
      4(3).湿地帯.北海道東部に黄花がある・・・北海道,本州(尾瀬ヶ原,青森県十和田)・・・オゼニガナ Ixerid.d.ozense
   5(6).高山帯.花径15mm.北海道,本州(中部)・・・クモマニガナ Ixerid.d.kimuranum
   6(5).平地-低山地帯・・・7.
   7(8).紀伊半島,熊野川と古座川の川岸・・・ドロニガナ Ixerid.d.kitayamense
   8(7).新潟県柏崎市の海浜帯.花径は10mm・・・イソニガナ Ixerid.d.nipponicum
・低山地帯.花の直径は20-22mm.日本全土・・・ハナニガナ(オオバナニガナ) Ixerid.d.n.var.albiflora f.amplifolia
8.葉の裂けは鉾状に全裂し,頂裂片の葉先は尖る.上部の葉は単純.本州(中国),九州(北部)・・・チョウセンヤマニガナ Lac.
raddeana
・痩果以外に外観上では基本型との区別は困難.日本全土・・・ヤマニガナ Lac.r.var.elata
      ・伊豆諸島青ヶ島.葉の縁に切れ込みが無い・・・ヤマアキノノゲシ Lac.r.var.aogashimaensis
− 葉の裂けは羽状に全裂する・・・9.
9.茎葉の葉先は丸い.舌状花は9個以下.本州,四国,九州・・・コオニタビラコ Lap.apogonioides
    − 茎葉の葉先は尖る.舌状花は10個以上.北海道,本州,四国,九州・・・ヤブタビラコ Lap.humile
8c.舌状花は15個以上・・・タカサゴソウ属 Ixeris,オニタビラコ属 Youngia,アキノノゲシ属 Lactuca,
1.葉は細かく縮れる.一般には栽培種・・・レタス(チシャ) Lactuca sativa
    − 葉は縮れない・・・2.
2.草体は砂地に這うように伏せる.葉は円形に3深裂し,一見して丸い葉の集合に見える.海浜.日本全土・・・ハマニガナ I.
repens
− 葉は円形に3深裂しない.草体は多少とも立ち上がる・・・3.
3.下部(根性葉)は羽状に深裂-全裂する・・・4.
− 根生葉は羽状に深裂しない・・・7.
   4.頭花径は3.5-4cm・・・オオニガナ属
1.花期は秋.葉は葉先と基部両端は尖る.本州(近畿以北)・・・オオニガナ (多くの国内ネットサイトではフクオウソウと同属扱いされているが,海外のリストでは同属とされていない.確かに両種は似ても似付かない容姿をしている.正確な所属が確かめられない.ここでは和名のみで扱った)
   − 頭花径は1cm以下・・・5.
   5.根生葉の頂裂片は卵形・・・ナタネタビラコ L.communis
− 根生葉の頂裂片は三角形・・・トゲヂシャ L.serriola
− 根生葉の頂裂片は楕円形・・・6.
6.毛が少ない.根生葉の先が尖がる.多くは茎の色が緑色で花茎は紫色を帯びない.日本全土・・アオオニタビラコ Y.japonica
   − 毛が多い.根生葉の先が尖らず,多くは茎の色が赤く花茎は紫色を帯びる.日本全土・・アカオニタビラコ Y.akaoni
   7.根生葉は基部側に数対の裂片を持つ・・・8.
   − 根生葉の基部側はほぼ全縁・・・9.
   8.根生葉は広線形-舟形,基部側の裂片は細く尖る.日本全土・・・アキノノゲシ L.indica
   − 根生葉は基部が伸びた卵形,基部側の裂片は鈍く尖る.日本全土(屋久島以北)・・・オオジシバリ I.japonica
      ・葉が菊葉状に裂ける・・・キクバジシバリ I.j.f.dissecta
   9.根生葉は卵形,基部は線状に長く伸びる.日本全土・・・ジシバリ(イワニガナ) I.stolonifera
      ・根生葉は長卵形.亜高山帯-高山帯の砂礫や岩礫地.本州(東北,中部)・・・ミヤマイワニガナ I.s.var.capillaris
   − 根生葉の基部は線状に長く伸びない・・・9.
   10.葉は広線形.本州(中部以北)・・・カワラニガナ I.tamagawaensis
   − 葉は舟形,基部は柄状に細まる・・・11.
   11.葉先は尖る.南西諸島(沖縄)・・・ウサギソウ I.chinensis chinensis
− 葉先は尖らない.小笠原・・・ツルワダン I.longirostrata
9a.葉は根生葉のみ,深裂-全裂する.花茎は分枝せず,頂点に1個の頭花を付ける・・・タンポポ属 Taraxacum
1. 頭花の外周は薄黄色-白色,中央部の黄色とは明瞭に異なる・・・2.
− 頭花の外周は中央部の黄色と同色・・・4.
2.総苞片の先端に褐色の突起を欠く.東本州.本州(東北-関東北部)・・・オクウスギタンポポ(ウスギタンポポ,ナンブシロタンポポ)
T.denudatum
    − 総苞片の先端に褐色の突起を持つ・・・3.
    3.総苞片はやや開く.本州(新潟県-関東以西),四国,九州・・・シロバナタンポポ T.albidum
 − 総苞片は圧着する.本州(中国)・・・キビシロタンポポ T.hideoi
4. 総苞外片は反返る・・・5.
− 総苞外片は斜上する・・・6.
    5.そう果は薄茶色.日本全土・・・セイヨウタンポポ T.officinale
    − そう果は赤茶色.日本全土・・・アカミタンポポ(外来種) T.laevigatum
6.総苞外片の長さは内片とほぼ同長.本州(千葉県-東海,千葉県-和歌山県潮岬,和歌山県北部・中部や大阪府,兵庫県,岡山県,鳥取
県)・・・トウカイタンポポ(ヒロハタンポポ) T.longeappendiculatum
− 総苞外片の長さは内片より短い・・・7.
7.総苞外片は短卵形(明らかに幅広),先端は短く尖る,長さは内片の半分-半分以下・・・8.
− 総苞外片は楕円形-長楕円形,先端は伸びて尖る・・・10.
8.葉は均一に羽状に深裂する.本州(近畿地方,中国地方)・・・クシバタンポポ T.pectinatum
− 葉の深裂は基部に向って間隔が狭くなる・・・9.
9.総苞片の先端は内側に巻かない.北海道(羊蹄山と檜山管内の高山帯),本州(福井県-岐阜県-三重県以北)・・・エゾタンポポ T.
venustum
− 総苞外片の先端は内側に巻く傾向がある.本州(長野,山梨県)・・・シナノタンポポ T.hondoense
10.北海道・・・11.
− 本州以南・・・14.
    11.総苞片の先端に角状突起がある.北海道(胆振-根室地方の太平洋側)・・・シコタンタンポポ(ネムロタンポポ) T.shikotanense
     − 総苞片の先端に突起がない・・・12.
    12.総苞片は密着する.総苞は釣鐘形。夕張,日高山脈.北海道(夕張,日高山脈)・・・タカネタンポポ(ユウバリタンポポ) T.
yuparense
・総苞は僅かに縦長.低山の蛇紋岩地に生育する・・・オオタカネタンポポ T.y.var.grandisquamatum
    − 総苞片はやや開出する・・・13.
    13.北海道(大雪山系,芦別岳,増毛山地)・・・クモマタンポポ(アシベツタンポポ) T.trigonolobum
    − 北海道(島牧村大平山)・・・オオヒラタンポポ T.ohirense
    14.隠岐島.本州(島根県隠岐島)・・・オキタンポポ T.maruyamanum
    − 隠岐島以外・・・15.
15.総苞外片の長さは内片の半分-半分以下・・・16.
    − 総苞外片の長さは内片の半分以上・・・22.
    16.総苞片に小さいながらも角状突起を持つ・・・17.
    − 総苞片に角状突起を欠く・・・20.
    17.長野県戸隠山,亜高山帯の開けた岩場帯.総苞の高さは1-1.5cm,総苞外片は卵形,総苞内片の長さの半分より短い・・・トガクシ
タンポポ T.togakushiense
    − 平地-低山地帯・・・18.
    18.総苞の高さは1.5cm以下.葉先は広く鈍く丸まる.本州(長野県),四国(愛媛県,高知県),九州(熊本県,大分県,宮崎県)・・・ツ
クシタンポポ T.kiushianum
− 総苞の高さは1.5cm以上.葉先は狭く小さく丸まるか尖る・・・19.
    19.総苞内片は線状に伸びず,先端が尾状に伸長する.本州(関東地方-東海地方)・・・カントウタンポポ T.platycarpum
     ・花の色が薄い・・・ウスジロタンポポ T.p.f.alboflavescens
    − 総苞内片は線状に伸びる.本州(愛知県〜岡山県)・・・ヤマザトタンポポ(ケンサキタンポポ T.ceratolepisを同物とする) T.arakii
     20.総苞は僅かに縦長.本州(富山県-長野県-静岡県以西),四国,九州,琉球・・・カンサイタンポポ T.japonicum (近畿北東部-福井県ではセイタカタンポポ T.elatum とされる)
    − 総苞は椀形・・・21.
    21.本州中部地方(八ヶ岳,南アルプス)の高山帯・・・ヤツガタケタンポポ T.yatsugatakense
    − 本州東北地方(岩手県区界高原)の山地帯・・・クザカイタンポポ T.kuzakaiense (エゾタンポポに近似)
    22.本州中部地方の高山帯.総苞外片に角状突起を持たない.本州(戸隠山,妙高,北ア,白山)・・・ミヤマタンポポ T.alpicola
       ・総苞外片に角状突起を持つ.本州(白馬岳,荒川岳,赤石岳)・・・シロウマタンポポ T.a.var.shiroumense
− (本州西端)-四国-九州北部の低地.総苞外片に角状突起を持つ・・・モウコタンポポ T.mongolicum
 9a.通常は茎や花茎は分枝し,頂点に複数の頭花を付ける・・・10.
10a.ほとんど茎葉を持たない,茎葉を持つ場合は頭花は紅色,紛らわしい場合は花茎は短く分枝しない(数個の頭花が密集しない)・・・エゾコウゾリナ属 Hypochaeris
1. 頭花は紅色.茎葉を持つ.茎は分枝するが花茎は短く分枝しない・・・オウゴンソウ H.ciliata
− 頭花は黄色.ほとんど茎葉を持たない・・・2.
2.根生葉は中裂せず,不均一の鋸歯縁になる.総苞に黒い剛毛を持つ.北海道(アポイ岳周辺)・・・エゾコウゾリナ H.crepidioides
− 根生葉は均一な中裂・・・3.
3.総苞に白い剛毛を持つ.根生葉は光沢が鈍い・・・ブタナ H.radicata
− 総苞はほぼ無毛.根生葉は光沢が強い・・・ヒメブタナ H.glabra
10b.茎葉を持つ・・・11.
11a.茎はほとんど分枝せず,花茎が分枝し,頭花は上部で密集して付く傾向がある・・・ヤナギタンポポ属 Hieracium
1.頭花は紅色.茎葉を持たない.北海道,本州(新潟県-関東地方以北)・・・コウリンタンポポ H.aurantiacum
   − 頭花は黄色.茎葉を持つ・・・2.
2.葉に長い柄を持ち,うずら模様がある・・・ウズラバタンポポ H.maculatum
− 顕著な葉柄は無く,うずら模様を持たない・・・3.
3.葉は長楕円形,葉先が鈍く,縁は波打って鋸歯がない.総苞は毛が密集する.本州(中部地方以北),四国(剣山)・・・ミヤマコウゾリナ H.japonicum
    − 葉は広線形,葉先は尖り,縁は疎らに鋸歯を持つか全縁.総苞はほとんど無毛.北海道,本州,四国・・・ヤナギタンポポ H.
umbellatum
11b.茎は分枝し,花茎は長く,頭花は離れて付く・・・12.
12a.総苞外片は開出する.葉は基部で茎を抱かない・・・コウゾリナ属 Picris
1.全体に褐色の毛を密生させる・・・コウゾリナ P.hieracioides s.l.
   1(2).総苞は黒色味掛かる.葉は長楕円形,明瞭な鋸歯縁.北海道,本州(中部地方以北)・・・カンチコウゾリナ P.h.
kamtschatica
       2(1).総苞は緑色.葉は舟形,乱れた鋸歯縁.花期は5-11月.低地帯.北海道,本州,四国,九州・・・コウゾリナ P.h.
japonica
・情報が無い.北海道・・・ホソバコウゾリナ P.h.j.var.jessoensis
・海浜帯.本州(千葉県-愛知県).秋に開花・・・ハマコウゾリナ P.h.j.f.maritima
           ・九州,年末に開花・・・ヒゴコウゾリナ P.h.j.var.mayebarae
・葉は広線形,均一の鋭い鋸歯縁.本州(南アルプス山麓)・・・アカイシコウゾリナP.h.j.var.akaishiensis
12b.総苞外片は開出しない.葉は基部で茎を抱く・・・ノゲシ属 Sonchus
    1.外周の舌状花の裏側は紅紫色.総苞や茎に紅紫色の剛毛を生やす・・・タイワンハチジョウナ S.arvensis
    − 頭花は全体黄色・・・2.
    2.葉は舟形,縁は細かな鋸歯-時に中裂.海浜帯や低地帯.北海道,本州,四国,九州・・・ハチジョウナ S.brachyotus
    − 下部の葉は羽状に全裂する・・・3.
    3.葉の裂片の縁は弱い棘を持ち,基部は抱茎して翼状に突出する.北海道,本州,四国,九州・・・ノゲシ S.oleracers
− 葉の裂片の縁は荒い棘を持ち,基部は茎の半径ほど抱く.北海道,本州,四国,九州・・・オニノゲシ S.asper


D群:頭花は舌状花と筒状花で構成される
1a.総苞片は棍棒状に突出し,表面に粘液を出す腺毛が密にある.舌状花は疎らで小さく目立たない・・・メナモミ属 Sigesbeckia
1. 上部の葉は舟形で全縁-鋸歯縁.枝は上部で二分を繰返す.海岸帯.本州(関東地方南部以南),四国,九州,沖縄・・・ツクシメ
ナモミ S.orientalis
   − 上部の葉は卵形-広卵形,鋸歯縁・・・2.
   2.葉の表面は細毛を密生しビロード状.茎に長い毛を密生する.北海道,本州,四国,九州・・・メナモミ S.pubescens
   − 葉の表面の細毛は疎らでビロード状にならない.茎に長い毛を生やさない.日本全土・・・コメナモミ S.glabrescens
1b.総苞片は特殊な形状ではなく頭花と一体化する・・・2.
2a.葉はシダ葉状に短い裂片を対生で並べ,時に裂片は小さく裂ける(群落になると細かい葉の茂みに見える)・・・3.
2b.葉はシダ葉状ではなく,一般的な葉形で狭くても面がある・・・4.
3a.舌状花は長楕円形(通常の菊型)・・・シカギク属 Matricaria
1. 頭花径4cm,花後は花床が半球状に盛り上がる.北海道,本州(北部)・・・シカギク M.tetragonosperma
3b.舌状花は短楕円形・・・ノコギリソウ属 Achillea
    1.頭花は黄色・・・キバナノコギリソウ A.filipendulina
− 頭花は白-紅色・・・2.
2.葉は全裂,各裂片は線形で更に2-3回裂け,基部は広く離れる・・・セイヨウノコギリソウ A.millefolium
    − 葉は中-深裂,裂片は面があり裂けは1回(縁に小さな鋸歯を持つ),裂片の基部は融合する・・・3.
3.葉の各裂片の基部は離れる.総苞はお椀型.北海道,本州(中部地方以北)・・・エゾノコギリソウ A.ptarmica macrocephala
− 葉の各裂片の基部は接近する.総苞は釣鐘-半球型・・・ノコギリソウ A.alpina s.l.
   1(2).頭花径は5mm以下.本州(中部地方以北)・・・ヤマノコギリソウ A.a.a.var.discoidea (どうやら亜種の指定が明確
      でない.ここでは基亜種に含めておく)
   2(1).頭花径は10mm以上・・・3.
   3(4).総苞に長毛を密に生やす.北海道(利尻島など北部)・・・シュムシュノコギリソウ A.a.camtschatica
   4(3).総苞に綿毛や疎らに毛を生やす・・・5.
   5(6).九州,山地の草原・・・アソノコギリソウ A.a.subcartilaginea
   6(5).本州以北・・・7
   7(8).頭花径は7-9mm.北海道,本州(中部地方以北)・・・ノコギリソウ A.a.s.str.
   8(7).頭花径は12-14mm・・・9.
   9(10).頭花は白色.北海道,本州(中部以北)・・・キタノコギリソウ A.a.japonica
  10(9).頭花は紅色.北海道,本州(青森?)・・・アカバナエゾノコギリソウ A.a.pulchra
4a.葉は幅広くて円形に近く,基部は心形・・・5.
4b.葉柄は葉の基部端や基部縁の外側に接続する,または葉柄が無い・・・6.
5a.茎葉を持たない.葉の裏面は軟毛が密生して白く見える・・・ツワブキ属 Farfugium
    1.葉は心形に近く,粗い鋸歯縁,葉先は尖る.南西諸島(屋久島,種子島)・・・カンツワブキ F.hiberniflorum
    − 葉は円形に近く,全縁か小さく鋸歯縁,葉先は尖らず小さく鈍く突出する程度.本州(太平洋側では福島県以南,日本海側では石川
県以南),四国,九州,琉球諸島・・・ツワブキ F.japonicum
       ・長崎県男女群島の海岸の岩礫地・・・オオツワブキ(オオバノツワブキ) F.j.var.giganteum
       ・奄美大島,沖縄島,西表島,石垣島の渓流沿い・・・リュウキュウツワブキ(クニガミツワブキ) F.j.var.
luchuense
 5b.少数の小さな茎葉を持つ.葉の裏面に軟毛を密生させない・・・メタカラコウ属 Ligularia
    1.葉は全裂し,裂片は更に裂ける.本州(静岡県以西),四国,九州・・・ハンカイソウ L.japonica
    − 葉は裂けず,せいぜい鋸歯縁・・・2.
2.葉は円形-卵形-盾形・・・3.
− 葉は舟形・・・7.
3.舌状花は4個以下.葉の基部は深い心形で鋭角に張出す.本州,四国,九州・・・メタカラコウ L.stenocephala
    − 舌状花は5個以上.葉の基部の張出しは丸い・・・4.
    4.舌状花は5個.頭花は散房状で疎らに付く.本州(東北地方西部-関東地方-中部地方)・・・カイタカラコウ L.kaialpina
    − 舌状花は10個前後・・・5.
5.頭花は総状花序に付く・・・本州(福島県以西),四国,九州・・・オタカラコウ L.fischeri
− 頭花は散房花序に付く・・・6.
6.舌状花は平開-上向き.総苞は無毛.北海道,本州(月山以北)・・・トウゲブキ(エゾタカラコウ) L.hodgsonii
    − 舌状花は下に垂れる.総苞はビロード状に覆われる.本州(中部地方以北),四国・・・マルバダケブキ L.dentata
7.総苞片は融合する.本州(中部地方)・・・ヤマタバコ L.angusta
    − 総苞片は分離する.本州(関東地方以北)・・・ミチノクヤマタバコ L.fauriei
 6a.茎は角形で明瞭な稜線が入る(例外:花弁がオレンジ色で線形→7).痩果はいわゆるヒッツキ虫(小棘が密布した線形で先端に1対の長い棘を持ち,四方に開出する)・・・センダングサ属 Bidens
1. 舌状花は黄色,一般的な菊状の花・・・2.
− 舌状花は黄色,筒状花部より小さく数個付く程度で不完全な花・・・4.
− 舌状花は白色・・・8(以下は様々な解釈や混乱があり,ここでは二つにまとめた).
2.葉は単葉,伸長した舟形,葉先は伸長して尖る.日本(北海道、青森県)・・・ヤナギタウコギ B.cernua
− 葉は複葉または羽状深裂-全裂・・・3.
3.花弁の先端は緩く丸まり,規則的に小さく2湾入する・・・タホウタウコギ B.polylepis
− 花弁の先端は尖るか狭く丸まり,不規則に2切れ込む・・・オトメセンダングサ B.aristosa
5. 葉の各裂片は数個の鋸歯・・・6.
− 葉の各裂片は細かい鋸歯縁または全縁・・・7.
6.葉の各裂片は楕円形・・・コバノセンダングサ B.bipinnata
− 葉の各裂片は舟形.本州・・・オワリセンダングサ B.subalternans
7.葉は複葉.葉の各裂片は細かい鋸歯縁.本州(関東地方以西),四国,九州・・・センダングサ B.biternata
・通常は葉は単葉(複葉が混じる場合は頂裂片が大型).九州(熊本県)・・・マルバタウコギ B.b.var.mayebarae
8.頭花径30mm・・・オオバナノセンダングサ(タチアワユキセンダングサ) B.pilosa var.radiata
・頭花径25mm以下・・・コシロノセンダングサ B.p.var.minor
6a.茎は円形で明瞭な稜線は無い・・・7.
7a.頭花径は(4)5cm以上(例外:花弁がオレンジ色で線形→13)・・・8.
 7b.頭花径は4cm以下・・・9.
8a.筒状花は大型で半球形に強く隆起する・・・オオハンゴンソウ属 Rudbeckia
    1.筒状花は緑色.日本全土・・・オオハンゴンソウ R.laciniata
    − 筒状花は暗色・・・2.
    2.葉の毛は疎ら・・・ミツバオオハンゴンソウ R.triloba
− 葉の毛は長く密・・・アラゲハンゴンソウ R.hirta
8b.筒状花は特に目立たず隆起しない・・・ヒマワリ属 Helianthus
1.総苞片は椀型で3列.丈1m以上・・・キクイモ H. tuberosus,イヌキクイモ H. strumosus (両種の識別は難しく地下部での検討が必要であるとされ,同種であるとする見解もある)
9a.総苞列は1列(基部に総苞片に似た付属物を持つ場合が多く,付属片は糸状か短い楕円形.)・・・10.
9b.総苞列は2列以上(実際は2列だが外片に内片が隠れて1列に見える場合がある)・・・14.
10a.総苞外片は花弁と同長か長い(頭花を上から見ると先端が突出して見える)・・・タカサブロウ属 Eclipta
    1.茎は直立する.葉は長舟形.総苞片は卵形.本州,四国,九州,沖縄・・・タカサブロウ(モトタカサブロウ) E.thermalis
    − 茎の基部が這う.葉は広線形.総苞片は細長い・・・アメリカタカサブロウ E.alba
10b.総苞外片は花弁より短い(頭花を上から見ると先端は見えない)・・・11.
11a.総苞と頭花の間に黄色の総があり,総苞の基部に複数の細片を持つ.山地の湿った草原.葉は菊葉状に深裂する・・・ヤコバエア属 Jacobaea
1.九州(熊本,大分県)・・・コウリンギク J.argunensis
11b.総苞と頭花の間に付属物は無い・・・12.
12a.葉は菊葉状に全裂し,裂片は更に浅裂する・・・サワギク属 Nemosenecio
1.多湿帯.北海道,本州,四国,九州・・・サワギク N.nikoensis
12b.葉は裂けないか1回深裂(3-7裂)する・・・13.
13a.花弁はオレンジ色で線形,舌状花は10個前後(花弁は隣接する),花弁の先端は切り形で3小歯状.草体にクモ毛を持つ・・・オカオグルマ属 Tephroseris
1.舌状花はオレンジ色,線形で下に強く垂れる,・・・コウリンカ T.flammea s.l.
1(2).本州・・・コウリンカ T.f.glabrifolia
   2(1).九州(阿蘇-久住)・・・タカネコウリンギクT.f.s.str
− 舌状花は黄色,長楕円形・・・2.
2.花弁は線形に近い長楕円形,下に垂れる・・・キバナコウリンカ T.furusei
    − 花弁は長楕円形-楕円形,下には垂れない・・・3.
3.総苞は黒く,基部の苞葉も黒く開出する.本州(奥志賀,湯ノ丸山,飛騨山脈,八ヶ岳,赤石山脈,埼玉県)・・・タカネコウリンカ T.
takedana
    − 総苞は緑色・・・4.
    4.北海道(高山)・・・ミヤマオグルマ T.kawakamii
    − 本州以南・・・5.
    5.草体のくも毛は薄い.湿地.本州,四国,九州,沖縄・・・サワオグルマ T.pierotii
    − 草体にくも毛が多く,全体白っぽく見える.乾地.本州,四国,九州・・・オカオグルマ T.integrifolia kirilowii
13b.舌状花は7個以下(花弁は間が開く),10個以上の場合は花弁の先端は3小歯にならず,クモ毛を持たない・・・キオン属 Senecio
    1.花弁は紫色・・・ムラサキオグルマ S.elegans
    − 花弁は黄色・・・2.
2.茎や葉は白い繊毛が密布して白銀色に見える・・・シロタエギク S.cineraria
− 草体は緑色に見える・・・3.
3.舌状花は7個以下(花弁は間が開く)・・・4.
− 舌状花は10個以上・・・6.
4.葉は大型で手の平大,全裂する.北海道,本州(中部以北)・・・ハンゴンソウ S.cannabifolius
    − 葉は裂けない・・・5.
    5.葉は卵形,葉先は伸長して尖る・・・タイキンギク S.scandens
    − 葉は舟形・・・6.
    6.葉は緑色.北海道,本州,四国・・・キオン S.nemorensis
       ・葉の裏は紫色を帯びる.本州(谷川連峰)・・・ジョウシュウキオン S.n.f.subinteger
    7.葉は肉厚で長舟形,縁は裏側に巻き込む.砂浜帯.北海道,本州(青森県)・・・エゾオグルマ S.pseudo-arnica
    − 葉は広線形,規則的な小歯が並ぶ・・・ナルトサワギク S.madagascariensi
14a.茎の上部に径1cm前後の小さい頭花を総状花序に付ける,通常は花弁は短い・・・アキノキリンソウ属 Solidago
    1.頭花は多数(40個以上)が上向きの偏側的に付き,花茎は四方側面に伸びる.全体的に円錐花序.葉は長舟形・・・2.
    − 頭花は単純な総状,花茎は四方に伸びない・・・3.
    2.葉や茎はほぼ無毛.円錐花序の頂部がつぶれた花穂になる・・・オオアワダチソウ S.gigantea var.leiophylla線形3列
    − 葉や茎に微毛が密生し,触るとザラつく.円錐花序の頂部は突出しやすい・・・セイタカアワダチソウ S. altissima
    3.葉は小さく花径に近い.屋久島の標高1200m以上.丈3-10cm.・・・イッスンキンカ S.minutissima
− 葉は明瞭に花径より長い.屋久島以外.丈10cm以上・・・4.
4.葉は全体的に垂れる柳葉状で基部へ徐々に狭まる,全縁.川岸・・・5.
− 葉は広卵形-長舟形,広卵形以外は葉柄が短く目立たない・・・6.
5.北海道(雨竜川上流の長留内川沿岸).茎葉は小数個で茎に疎らに付く.総苞片や苞葉の先端が尾状鋭先頭となり,総苞外片がより長い
・・・ソラチアオヤギバナ S. horieana
− 本州,四国,九州,沖縄・・・アオヤギバナ S.yokusaiana
6.葉は卵形-広卵形,縁は乱れる,基部は裁断され柄に翼が伸びる.北海道,本州(東北)・・・オオアキノキリンソウ S. nipponica
− 葉は長舟形,葉柄が短く目立たない・・・アキノキリンソウ S.virgaurea s.l.
       1(2).総苞片は4列・・・アキノキリンソウ S.v.asiatica
           ・南西諸島・・・シマコガネギク S.v.asiatica var.insularis
2(1).総苞片は3列(時に4列を混ぜる)・・・ミヤマアキノキリンソウ S.v.leiocarpa
           ・関東地方の半島海岸線.葉先は鈍い・・・ハマアキノキリンソウ S.v.l.var.ovata
           ・伊豆諸島・・・ハチジョウアキノキリンソウ S.v.l.var.praeflorens
14b.頭花は個々に付ける,場合によっては散形花序に見える・・・15.
15a.総苞片の縁は細く膜質で褐色-暗色,総苞片全体が黒い縁取りに見える(紛らわしい場合は総苞片は密着する)・・・16.
15b.総苞片は黒い縁取りに見えない(紛らわしい場合は総苞片は多少とも開出する,総苞片の先端部分だけが黒く縁取られる)・・・17.
16a.上部の葉は広線形で全縁.総苞片は3列・・・ミコシギク属 Leucanthemella
1.花期は秋.本州(関東以西),九州・・・ミコシギク L.linearis
16b.葉は舟形,粗い鋸歯縁・・・フランスギク属 Leucanthemum
1.総苞は皿型,内片の先端に膜質が無い(黒い縁取りにならない)・・・フランスギク L.vulgare
− 総苞は半球形,内片は先端が縁に膜質がある(黒い縁取りになる)・・・カンシロギク(ノースポール) L.paludosum
17a.総苞片は一部でも縁が膜質・・・18.
17b.総苞片は縁が草質(縁が薄くなり膜質に見える場合がある)・・・20
18a.葉はへら状,葉先は丸く鋸歯縁総苞片の縁は広い膜質で半透明-白色・・・ハマギク属 Nipponanthemum
1.本州(青森県-茨城県の太平洋岸)・・・ハマギク N.nipponicum
18b.葉は裂ける・・・19.
19a.総苞片は小判形(基部と先端が丸く両縁が平行)・・・モクシュンギク属 Argyranthemum
1.葉は1回全裂のち数回裂け,裂片は広線形,通常は園芸・・・マーガレット(モクシュンギク) A.frutescens
19b.総苞片は通常は先端が狭まり尖る.葉は菊葉に裂ける-前方で楔形に浅裂-イチョウ葉状・・・キク属 Chrysanthemum
1.花弁は白色・・・2.
− 花弁は黄色・・・10.
2.葉は基部に向かって徐々に狭まって葉身と柄は区分出来ない,前方で浅裂する.四国(徳島県那賀川水系)・・・ナカガワノギク C.yoshinaganthum
     − 葉は葉身と柄が区分出来る(菊葉に裂ける-イチョウ葉状)・・・3.
  3.奄美大島以南・・・オオシマノジギク C.crassum
     − 大隅群島以北・・・4.
4.葉の裏は微毛が密で銀色に輝く.九州(鹿児島県東シナ海沿岸地域と沖合の諸島,熊本県)・・・サツマノギク C.ornatum
・屋久島,口永良部島,トカラ列島・・・トカラノギク C.o.var.tokarense
− 葉の裏は微毛が密だが銀色に輝く程ではなく白濁する.本州(瀬戸内海),四国,九州・・・ノジギク(セトノジギク) C.japonense
・四国(足摺半島より西),九州(大分県)では葉は白く縁取られる・・・アシズリノジギク C.j.var.ashizuriense
     − 葉の裏は無毛か,有毛であっても白濁しない・・・5.
  5.大型の葉は広卵形-イチョウ葉状,前縁は浅裂する,柄は葉身と同長か長い・・・6.
− 大型の葉は菊葉状に裂ける・・・7.
6.総苞外片が線形,内片が広楕円形.開花期は9-10月.北海道・本州(関東地方北部以北の太平洋側,青森県)・・・コハマギク C.
yezoense
− 総苞外片は狭長楕円形,内片は楕円形.開花期は7-9月.北海道(根室,知床半島)・・・チシマコハマギク C.arcticum yezoense
7.大型の葉の柄は葉身より明瞭に短い,裂片は浅裂する程度・・・8.
− 大型の葉の柄は葉身より明瞭に長い,裂片は深裂する・・・9.
    8.裂片の切込みは少なくて鈍い.本州(福島県-新潟県以南),四国,九州(宮崎県)・・・リュウノウギク C.japonicum
    − 裂片の切込みは多くて明瞭.本州(福井県-鳥取県因幡の浦富の海岸,伊吹山系と鈴鹿山系周辺)・・・ワカサハマギク C.
wakasaense
9.葉は大きく5裂する,柄は葉身と同長か長い・・・イワギク C.zawadskii s.l.
1(2).裂片は幅狭い.北海道,本州,四国,九州・・・イワギク C.zawadskii s.str.
   2(1).裂片は幅広い.九州(長崎県対馬と平戸島,鹿児島県)・・・チョウセンノギク C.z.naktongense
− 葉は大きく3裂し,大きな裂片は更に中〜深裂する.海岸性.北海道(日本海側)・・・ピレオギク C.weyrichii
   10.葉の各裂片の長さは幅の2倍以上.頭花径は1.2-1.5cm,総苞外片は線形.本州(岩手県-関東地方太平洋岸地域,長野県,近畿地方,中国地方北部-東北部),九州(北部)・・・アワコガネギク(キタクニギク) C.seticuspe f.boreale
     − 葉の各裂片の長さは幅の2倍以下,先端は尖り,縁の浅裂は明瞭.頭花径は通常1.5cm以上,総苞外片は通常楕円形.本州(近畿地方
以西),四国,九州・・・シマカンギク(アブラギク) C.indicum
       ・葉の裂片の先端は丸まり,切込みは鈍い.総苞外片は線形.本州(島根県立久恵峡)・・・オッタチカンギク C.i.
var.maruyamanum
    ・頭花径は1.1〜1.3cm.四国(徳島県剣山系,高知県)・・・ツルギカンギク C.i.var. tsurugisanense
    ・茎に開出した細毛を密布する.四国(愛媛県),九州(大分県)・・・イヨアブラギク C.i.var.iyoense
・頭花径は2.5-4cm.本州(富山県-山口県),九州・・・サンインギク C.i.var.aphrodite
・形質ではアワコガネギクとは区別出来ない.本州(島根県隠岐島,山口県見島)・・・オキノアブラギク C.okiense
20a.花弁は少なくとも基部は黄色-オレンジ色・・・21.
20b.花弁は少なくとも基部は白色-薄紫色(蛍光色)・・・22.
21a.花弁は両側が平行な線形,数えられない程に密集する・・・オグルマ属 Inula
1.花茎は分枝しない.茎は一部でも赤くなる.山地の湿地帯.北海道,本州(近畿地方以東),九州(宮崎県)・・・ミズギク I.ciliaris
    ・茎に長毛が密生する。葉は茎を深く抱き、葉の両面に毛が多い.本州(青森県八甲田山)・・・オクノミズギク I.c.
var.pubescens
        ・茎の中部以上につく葉の裏に黄色い腺点が多少とも有る.本州(尾瀬・日光周辺地域と東北南部)・・・オゼミズギク
        I.c.var.glandulosa
 − 花茎は分枝,5個程度の頭花を付ける・・・2.
2.総苞の苞葉は舟形-広線形.北海道,本州,四国,九州・・・カセンソウ I.salicina var.asiatica
− 総苞の苞葉は広線形-線形・・・3.
3.頭花径は30mm以上.葉は舟形.北海道,本州,四国,九州・・・オグルマ I.britannica japonica
       ・葉は広線形.本州(鳥取県),四国,九州・・・エダウチオグルマ I.b.j.var.ramosa
− 頭花径は10-28mm.本州,四国,九州・・・ホソバオグルマ I.linariifolia
21b.花弁は数える事が出来る,通常は両側が弓曲した長楕円形-卵形.総苞片は整然とした2列で外片は内片より長い・・・ウサギギク属 Arnica
 1.北海道(礼文島のみ)・・・オオウサギギク A.sachalinensis
− 礼文島以外・・・北海道,本州(中部の高山)・・・エゾウサギギク A.unalaschcensis
・基本変種と外観で識別する事は困難.ウサギギク(キングルマ) A.u.var.tschonoskyi
22a.総苞に細毛を密布する(稀に無毛,総苞は筒形で片の先端に斑点がある).総苞片は2-5列・・・ムカシヨモギ属 Erigeron
     1.総苞に細毛がなく,各片の先端に斑点がある・・・ケナシヒメムカシヨモギ E.pusillus
    − 総苞に細毛を密布する・・・2.
2.花弁の長さは総苞の長さ,また筒状花部径と同じか短い,・・・3.
− 花弁の長さは総苞の長さ,また筒状花部径より明瞭に長い・・・4.
3.頭花径は5mm以下.総苞は幅より長い・・・ヒメムカシヨモギ(メイジソウ,テツドウグサ) E.canadensis
− 頭花径は15mm.総苞は幅と長さがほぼ同じ.北海道,本州(東北,静岡・愛知・岐阜を除く中部)・・・エゾムカシヨモギ E.acris
      ・頭花径は7mm.上部の葉は線形.本州,四国・・・ホソバムカシヨモギ E.a.var.linearifolius
    4.通常の丈40cm以下.茎は分枝せず頂点に頭花を付ける・・・5.
     − 茎は分枝し,通常は茎の上部に数個の頭花を付ける・・・6.
     5.根生葉には長い柄がある.北海道(宗谷地方のポロヌプリ山,日高地方,十勝地方)・・・ミヤマノギク E.miyabeanus
     − 葉に柄は無い・・・アズマギク E.thunbergii s.l.
1(2).山地や海岸近くの乾いた草地.北海道,本州(中部以北)・・・アズマギク E.thunbergii s.str.
2(1).高山の礫地や礫交じりの草地.北海道,本州(中部以北)・・・ミヤマアズマギク E.t.glabratus
・白花・・・シロバナミヤマアズマギク E.t.g.f.albus
・茎が暗紫色.北海道日(高山脈アポイ岳の橄欖岩地帯)・・・アポイアズマギク E.t.g.var.angustifolius
・シロバナアポイアズマギク E.t.g.var.a.f.furusei
・葉は細く,ほぼ無毛.本州(至仏山と谷川岳の蛇紋岩崩壊地)・・・ジョウシュウアズマギク E.t.g.var.heterotrichus
・葉が細い.北海道(夕張山地)・・・ユウバリアズマギク E.t.g.f.haruoi
・葉が細く,縁に毛がある.北海道(夕張山地崕山)・・・キリギシアズマギク E.t.g.f.kirigishiensis
6.1本の茎から白色と桃色の頭花が同時に咲く・・・ペラペラヨメナ E.karvinskianus
     − 1本の茎からは1色のみの頭花が咲く・・・7.
     7.葉の基部は細まらず茎を抱く・・・ハルジオン E.philadelphicus
     − 葉の基部は細まり茎を抱かない・・・ヒメジョオン E.annuus s.l.
       1(2).下部の葉の鋸歯は強い・・・ヒメジョオン(ヤナギバヒメギク) E.annuus s.str.
           ・花弁が極めて短い・・・ボウズヒメジョオン E.a.a.f.discoideus
2(1).下部の葉の鋸歯は弱い・・・ヘラバヒメジョオン E.a.strigosus
22b.総苞は無毛か疎らに細毛を生やす・・・シオン属 Aster など(旧シオン属だった数属を含める,ホウキギク属 Symphyotrichum,ヨメナ属
Kalimeris,ウラギク属 Tripolium)
1.主幹茎は上部で止まり,数本の細い枝を横四方に伸ばす.頭花は葉腋に付き,白い小さな舌状花がある.一見木本の印象・・・本州(宮城県以南),四国,九州,琉球・・・シュウブンソウ A.verticillatus
     − 一般的な草本で,主幹茎が伸びて頂点に頭花を付ける・・・2.
2.茎は斜面から垂れ下がる・・・3.
− 茎は地面から立ち上がる.花は茎の頂点に数個-散房花序に付く・・・4.
3.葉の基部は茎を抱かない.頭花は長い茎全体に総状花序に付く.本州(三重県境の和歌山県内)・・・クルマギク A.tenuipes
− 葉の基部は翼状に広がり,明瞭に全体を抱茎する.頭花は分散する.四国・・・シコクシロギク A.yoshinaganus
4.頭花径は1.5cm以上・・・5.
  − 頭花径は1.5cm以下・・・42.
5.葉は全縁の短いへら形,海岸や島嶼・・・6.
− 葉はへら状ではなく一般的な葉・・・10.
6.九州以北(島嶼含む)・・・7.
− 奄美諸島以南・・・8.
7.本州(隠岐,山口県),九州(西海岸,対馬,壱岐,五島列島).茎が短く背が低い・・・ダルマギク A.spathulifolius
     − 本州(富山県以西),九州(日本海側).茎は地を這う・・・ハマベノギク A.arenarius
     8.鹿児島県宇治群島.花茎は立つ・・・オオイソノギク A.ujiinsularis
     − 奄美諸島以南・・・9.
     9.秋から冬だけ開花し,沖縄では東海岸だけに生える.立茎は地面に這う蔓でつながる.葉は基部に集中する.琉球(奄美諸島,沖縄本島)・・・オキナワギク A.miyagii
     − 夏を中心に一年中開花し,沖縄では西海岸だけに生える.低く茎を伸ばす.奄美大島,沖縄本島・・・イソノギク A.asagrayi
       ・与那国島・・・ヨナクニイソノギク A.a.var.warkeri
10.葉は卵形-広卵形で深裂する場合があり,基部は心形・・・11.
     − 葉は舟形-広線形深裂せず,基部は楔形・・・12.
11.葉先は尖るが伸びない.上部の葉は楕円形になる.総苞片は太短い.北海道,本州,四国,九州・・・シラヤマギク A.scaber
     − 葉先は伸びて尖る.総苞片は細長い・・・13.
    12.本州(関東西部).葉は心形と深裂-全裂の2タイプ・・・タテヤマギク A.dimorphophyllus
     − 四国,九州.葉は心形のみで裂けない・・・オオバヨメナ K.miqueliana
13.葉は中部部で幅が広がり,細かく密な鋸歯縁になる.本州(中国),九州(阿蘇)・・・シオン A.tataricus
     − 葉の側縁は中央部のみ顕著な細かい鋸歯にならず,全体で大きな鋸歯縁-全縁・・・14.
14.総苞外片は長く,一見1列に見える・・・ミヤマヨメナ A.savatieri s.l.
   1(2).本州,四国,九州・・・ミヤマヨメナ A.savatieri s.str.
   2(1).小型で葉の光沢が強い.本州(愛知県,三重県),四国(高知県)・・・シュンジュギク A.s.pygmaeus
− 総苞外片は短く,2列以上見える・・・15.
    15.葉の基部は翼状に広がり,明瞭に全体を抱茎する.舌状花は赤紫色,線形で密に重なる.総苞片は糸状で開出する.自然状態ではほぼ北海道・・・ネバリノギク A.novae-angliae
     − 葉の基部は茎を抱かない・・・16.
    16.総苞の長さは最狭幅のほぼ3倍,総苞片は長楕円形-線形.葉は線形・・・17.
     − 総苞の長さは最狭幅の2.5倍以下・・・18.
    17.頭花は20mm前後・・・ウラギク属 Tripolium
1.河口.北海道,本州,四国,九州・・・ウラギク T.pannonicum
     − 頭花は10mm前後以下.茎はよく分枝する・・・ホウキギク属 Symphyotrichum
       1.頭花径は8mm以下.枝は茎から45度以下の角度で付く.冠毛が筒状花の上に飛び出す.本州,四国,九州,沖縄・・・ホウキギク S.subulatum
           ・頭花径は10-11mm.本州,四国,九州・・・オオホウキギク S.s.var.elongatum
           ・頭花径は8mm以下.枝は茎から45度以上の角度で付く.本州(関東地方以西),四国,九州,沖縄・・・ヒロハホウキギ
ク S.s.var.squamatum
18.総苞片は線形,開出しやすい・・・19.
− 総苞片は卵形-長形,開出が鈍い(紛らわしい場合,先端は細く尖らない)・・・21.
19.葉の縁は立った細毛が密生する.沖縄以外で外来,北海道では少ない・・・キダチコンギク S.pilosum
     − 葉の縁に目立つ細毛を密生しない・・・20.
20.総苞片は2列,内・外片の長さはほぼ同じ.中流域の河原.本州(関東地方-静岡県東部)・・・カワラノギク A.kantoensis
     − 総苞片は3列以上,外片が最も長い.葉は広線形。本州(静岡県以西),四国,九州・・・ヤマジノギク A.hispidus
       ・海岸性で茎が無毛・・・ソナレノギク A.h.var. insularis
       ・舌状花の一部は筒状に変形したり切込んだりする.本州(長野県)・・・ツツザキヤマジノギク A.h.var.tubulosus
       ・蛇紋岩地.本州(愛知県と静岡県の県境部),四国(高知県)・・・ヤナギノギク A.h.var.leptocladus
       ・主に岩場の斜面.九州(大分県,福岡県)・・・ブゼンノギク A.h.var.koidzumianus
21.総苞はよく粘り,総苞片は短卵形.山地-亜高山帯.本州(関東地方-中部地方)・・・ハコネギク(ミヤマコンギク) A.viscidulus
        ・亜高山帯以上.本州(北,中央,南アルプス)・・・タカネコンギク A.v.var.alpinus
  − 総苞は粘らない・・・22.
22.葉の基部接点は茎より幅があり,浅く茎を抱く・・・23.
     − 葉の基部接点はほぼ点で付く・・・24.
    23.総苞片は幅広い短卵形で先端は丸い.本州(三重県,和歌山県),四国(徳島県,愛媛県)・・・コモノギク A.komonoensis
     − 総苞片は長三角形で先端は尖る.本州(関東地方以西),四国,九州(北部)・・・イナカギク(ヤマシロギク) A.
semiamplexicaulis
24.大型の葉身は基部手前で括れ,茎手前まで葉身が平行して伸びる.九州(南部)・・・サツマシロギク A.satsumensis
     − 大型の葉身は徐々に細まるか楔形-裁断状・・・25.
25.総苞は長三角形で中央に縦?線が目立ち,3-4列.花弁は赤紫色.葉は長舟形,柄は無い.北海道に多い・・・ユウゼンギク
S.novi-belgii
  − 総苞片は対の様な特徴を持たない・・・26.
26.葉は広線形,ほぼ全縁か波打った鋸歯縁・・・27.
− 葉が広線形の場合,鋸歯縁となる・・・28.
27.総苞は3列.葉は完全な全縁.北海道,本州,四国,九州・・・サワシロギク A.rugulosus
  ・葉は波打つ様な鋸歯縁.本州(浜松市北区渋川付近)・・・シブカワシロギク A.r.var.shibukawaensis
− 総苞は4列.葉は全縁ながら微細な鋸歯となる.本州(東海),九州(阿蘇)・・・ヒメシオン A.fastigiatus
    28.頭花は30mm以上・・・29.
     − 頭花は30mm以下・・・32.
    29.葉は広線形.頭花は35mm前後.九州(阿蘇)・・・ヒゴシオン A.mackii
     − 葉は舟形・・・30.
    30.葉柄は明瞭.本州(中部地方以西),四国,九州・・・ヨメナ A.yomena
     − 葉柄は不明瞭・・・31.
    31.本州(西部),四国,九州・・・オオユウガギク K.incisa
     − 本州(関東地方以北)・・・カントウヨメナ K.pseudoyomena
    32.頭花は15mm以下・・・33.
     − 頭花は15mm以上,通常は20mm前後・・・34.
    33.総苞片の先端は細く尖る.北海道・・・エゾゴマナ A.glehnii
・全体的に毛が少ない.総苞の長さは3-3.5mm.本州(近畿地方以北)・・・ゴマナ A.g.var.hondoensis
− 総苞片の先端は太く尖る.沖縄(八重山)・・・テリハノギク A.taiwanensis var.lucens
    34.総苞片は幅のある卵形,先端は直角に近く弱く尖る.葉に光沢がある.九州(屋久島)・・・ヤクシマノギク A.yakushimensis
     − 総苞片は明瞭に縦長.葉の光沢は鈍い・・・35.
    35.頭花は短冠毛(筒状花部の外周で毛羽立ちが覗かない)・・・36.
     − 頭花は長冠毛(筒状花部の外周で毛羽立ちが覗く)・・・37.
36.本州(近畿地方以北)・・・ユウガギク K.pinnatifida
− 四国,九州(南部),琉球列島,小笠原・・・コヨメナ K.indica
    37.茎は全くの無毛.舌状花は10個以下.葉は長舟形-広線形.本州(紀伊半島)・・・ホソバノギク(キシュウギク) A.sohayakiensis
     − 茎は僅かでも微毛が生える・・・38.
    38.葉は広楕円形-舟形,基部は急に狭まり(基部の葉身角度は直角以上),柄に続く.本州(関東地方と中部地方の太平洋側)・・・アキハギク A.sugimotoi
     − 通常は葉身の基部は徐々に狭まり,時に柄は極短い・・・39.
    39.葉の最大幅は中央より基部寄りになる,楕円形-広舟形.本州,四国,九州・・・シロヨメナ A.ageratoides
       ・茎に立毛が密布する.本州(静岡県,神奈川県金時山や神山周辺)・・・キントキシロヨメナ A.a.var.oligocephalus
       ・茎に立毛が密布する.九州(鹿児島県甑島)・・・コシキギク(ダルマギクとノコンギクの雑種).
        以下,茎に立毛は密布せず,微毛が生える.
       ・葉は広楕円形-楕円形,基部は緩く狭まり,非常に短い柄で茎に接続す.本州(日本海側)・・・タマバシロヨメナ A.
a.var.ovalifolius
       ・総苞片の先端は紫褐色.葉は舟形.本州(箱根-丹沢周辺)・・・サガミギク A.a.var.harae
       ・葉は非常に長く(長さは幅の7倍以上),垂れ下がる.20本州(中部地方以西),四国,九州・・・ナガバシロヨメナ A.
a.var.tenuifolius
       ・茎に白い微毛を密布する.葉は舟形.本州(中部地方以西),四国,九州・・・ケシロヨメナ A.a.var.intermedius
     − 葉の最大幅は中央になる,広線形.茎に伏した微毛がある.本州,四国,九州・・・センボンギク A.microcephalus
       ・葉は楕円形.茎にやや起きた柔毛がある.北海道,本州,四国,九州・・・ノコンギク A.m.var.ovatus
       ・海岸性.本州(関東地方沿岸,伊豆諸島)・・・ハマコンギク A.m.var. littoricola



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Idzu Islands, Japan (Systematic Studies of Asian Saussurea (Asteraceae) IV). Memoirs of the National Science Museum, Tokyo
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  門田裕一, 2012.60周年記念講演要旨 アシウアザミとジャクエツアザミ(新称).植物地理・分類研究,60: 5-10.
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著者:齋藤昌弘 heteromerasaito@fork.ocn.ne.jp
Saito554@docomo.ne.jp
4.VIII.2024
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