(はじめに)
この5−5章は、「東部アルプス」のうち、比較的有名な山群の地質について、複数回に分けて説明しています。
前の連載回(5−5章(その1))では、「東部アルプス」の地質概要と、スイス東部の「ベルニナ山群」の地質について説明しました。
それに続き、この5−5章(その2)では、まず「東部アルプス」のうち、中央部にある「タウエルン・フェンスター」(Tauern fenster(独))あるいは「タウエルン・ウインドウ」(Tauern window(英))(文献6)、(文献7)と呼ばれる地質構造について、やや詳しく説明します。
それに続き、「タウエルン・フェンスター」ゾーン内にあり、オーストラリア最高峰、「グロース・グルックナー」(Gross Glockner(英)/Großglockner(独);3798m)(文献9)、(文献10) 注1) を含む「ホーエ・タウエルン山群」(Hohe Tauern(独)/High Tauern(英))(文献8)の地質について説明します。
なお、次の連載回(5−5章(その3))では、「東部アルプス」のうち、「北部石灰岩アルプス」と「ドロミティ」地域の地質を説明予定です。
「タウエルン・フェンスター」(「タウエルン・ウインドウ」)という地質構造は、「ヨーロッパアルプス」の中でも特異な地質構造を持つゾーンであり、個人的にも興味があるので、やや詳しく説明します。
また「ホーエ・タウエルン」山群は、「東部アルプス」を代表する山群であり、また前述の「タウエルン・フェンスター」内にあって、地質構成も複雑な山群です。
前の連載回(5−5章(その1))では、「東部アルプス」の地質概要と、スイス東部の「ベルニナ山群」の地質について説明しました。
それに続き、この5−5章(その2)では、まず「東部アルプス」のうち、中央部にある「タウエルン・フェンスター」(Tauern fenster(独))あるいは「タウエルン・ウインドウ」(Tauern window(英))(文献6)、(文献7)と呼ばれる地質構造について、やや詳しく説明します。
それに続き、「タウエルン・フェンスター」ゾーン内にあり、オーストラリア最高峰、「グロース・グルックナー」(Gross Glockner(英)/Großglockner(独);3798m)(文献9)、(文献10) 注1) を含む「ホーエ・タウエルン山群」(Hohe Tauern(独)/High Tauern(英))(文献8)の地質について説明します。
なお、次の連載回(5−5章(その3))では、「東部アルプス」のうち、「北部石灰岩アルプス」と「ドロミティ」地域の地質を説明予定です。
「タウエルン・フェンスター」(「タウエルン・ウインドウ」)という地質構造は、「ヨーロッパアルプス」の中でも特異な地質構造を持つゾーンであり、個人的にも興味があるので、やや詳しく説明します。
また「ホーエ・タウエルン」山群は、「東部アルプス」を代表する山群であり、また前述の「タウエルン・フェンスター」内にあって、地質構成も複雑な山群です。
5−5章―第(3)節 「タウエルン・フェンスター」の地質構造
この節では、5−5章の第(1)節でも多少説明した、「東部アルプス」のうち、「オーストリア」西部にある大きな地質構造である「タウエルン・フェンスター」(Tauern fenster)(独) 、あるいは「タウエルン・ウインドウ」(Tauern window)(英)、とも呼ぶゾーンの構造、地質構成について、やや詳しく説明します。注2) (文献6)、(文献7)
なお、文献類では、「フェンスター」、「ウインドウ」のいずれも使われていますが、この章では、「タウエルン・フェンスター」に用語を統一します。
この節は、次の節で説明する「ホーエ・タウエルン山群」の説明のための、前座のような意味あいもありますし、個人的な興味もあって、かなり細かい話となりますが、ご了承ください。
なお、文献類では、「フェンスター」、「ウインドウ」のいずれも使われていますが、この章では、「タウエルン・フェンスター」に用語を統一します。
この節は、次の節で説明する「ホーエ・タウエルン山群」の説明のための、前座のような意味あいもありますし、個人的な興味もあって、かなり細かい話となりますが、ご了承ください。
第(3)節―A項) 「東部アルプス」の地質構造と、「タウエルン・フェンスター」との関係
まず「東部アルプス」の地質構造の概要を、改めて説明します。(文献1−1)から引用した、添付の(図1)もご参照ください。
5−5章の第(1)節でも述べたように、「ペリ・アドリアティック断層系」(Peri-Adriatic Fault system)((図1)での赤いライン)よりも北側、この5−5章では「東部アルプス・主部」と呼ぶことにしている地域の地質構造は、(文献1)によると、4層構造になっている、と推定されています(文献1−3)。 注4)
この重層構造(この連載でいうところの「ナップパイル構造」(nappe pile structure))(注3)は、(文献1―3)によると、下から順に、(ヨーロッパ側の)「基盤岩類」(crystalline basements)(第1層)、「ヘルベチカ系」地質グループ(Helvetic nappe system)(第2層)、「ペニン系」地質グループ(Penninic nappe system)(第3層)、そして最上位の層が、「オーストロアルパイン系」地質グループ(Austro-alpine nappe system)(第4層)となっている、と推定されています。 注4)
「東部アルプス」のうち「北部石灰岩アルプス」(North Calcareous Alps)の推定地質断面図である、(図2)もご参照ください。(図1)、(図2)とも、前の連載でも示したものですが、説明のため、再掲しています。 いずれも(文献1)からの引用です。
「東部アルプス」の中央部に位置する「タウエルン・フェンスター」(Tauern fenster)は、大規模な隆起と、それに伴う浸食により、最上位層(第4層)である「オーストロアルパイン系」地質グループ層が失われ、より下位の層が、地表に現れている部分です。そのサイズは、東西方向の長さが約170km、南北方向の幅が、約30〜50kmもある、大規模な地質構造です。
「タウエルン・フェンスター」は、「ヨーロッパアルプス」の地下深部構造を知ることや、その地史を知ることにも関連している為、古くから数多くの研究がなされてきた場所です(文献4)。
(文献3)は、その中でも最近(2013年)の研究論文で、「タウエルン・フェンスター」の地質構造に関しての、新しい解釈に基づく説明と、詳細な地質図が掲載されています。
以下では、(文献3)の記載内容をベースとし、(文献1−1)、(文献1−2)、(文献1−3)、(文献5)、(文献6)、(文献7)、および、オーストリアのオンライン地質図(文献2)も参考にしつつ、「タウエルン・フェンスター」の構造や地質を説明します。
(文献1−2)から引用した、添付の地質図(図3)、オーストリアのオンライン地質図(文献2)を元にした、添付の地質図(図4)、および(文献3)から引用した、添付の地質図(図5)も、ご参照ください。
「タウエルン・フェンスター」内の地質構造については、添付の地質図 (図3)、(図4)、(図5)に示すように、非常に複雑です。
また(文献1−2)による(図3)、(文献3)による(図4)、(文献2)による(図5)、では、それぞれで、地質体の分類、解釈に割と違いもあって、ただでさえ複雑な構造なのに、解釈も複数あり、なかなかの難題です。
(文献1−2)、(文献2)、(文献3)の地質図で共通している点は、「タウエルン・フェンスター」ゾーンに露出している主な「地質グループ」としては、第1層にあたる、(ヨーロッパ側の)「基盤岩類」(crystalline basements)と、第3層にあたる、「ペニン系」地質グループ(Penninic nappe system)だ、という点です。
また(文献3)では、(文献3)で独自に定義した地質グループである、「サブ・ペニン系」地質グループ(Sub-Penninic)も分布している、としており、「基盤岩類」までも「サブ・ペニン系」に含めていますが、説明が煩雑となるので、この地質グループの説明は、(補足説明)の項に回します。
一方で、(文献1−2)では、「ヘルベチカ系」(Helvetic)が、第2層相当として分布していると説明されていますが、この点もややこしいので、(補足説明)の項に回します。
さて、まず(文献3)による添付の地質図 (図5)で、以下、「タウエルン・フェンスター」内の地質体を見て見ます。
この図では、「フェンスター」内の地質体を、約10種類に細かく分類していますが、大きく見ると、「フェンスター」は、第1層にあたる「基盤岩類」が赤色、朱色、ピンク色系で色分けされており、また第3層にあたる、「ペニン系」が、緑色、黄緑色に色分けされています。
なお、青色系は、前記の「サブ・ペニン系」という地質グループです。
また、周辺部の茶色系、ベージュ系などの部分は、「フェンスター」枠の外にある「オーストロアルパイン系」地質グループ(Austro-alpine nappe system)に属する地質体です。
5−5章の第(1)節でも述べたように、「ペリ・アドリアティック断層系」(Peri-Adriatic Fault system)((図1)での赤いライン)よりも北側、この5−5章では「東部アルプス・主部」と呼ぶことにしている地域の地質構造は、(文献1)によると、4層構造になっている、と推定されています(文献1−3)。 注4)
この重層構造(この連載でいうところの「ナップパイル構造」(nappe pile structure))(注3)は、(文献1―3)によると、下から順に、(ヨーロッパ側の)「基盤岩類」(crystalline basements)(第1層)、「ヘルベチカ系」地質グループ(Helvetic nappe system)(第2層)、「ペニン系」地質グループ(Penninic nappe system)(第3層)、そして最上位の層が、「オーストロアルパイン系」地質グループ(Austro-alpine nappe system)(第4層)となっている、と推定されています。 注4)
「東部アルプス」のうち「北部石灰岩アルプス」(North Calcareous Alps)の推定地質断面図である、(図2)もご参照ください。(図1)、(図2)とも、前の連載でも示したものですが、説明のため、再掲しています。 いずれも(文献1)からの引用です。
「東部アルプス」の中央部に位置する「タウエルン・フェンスター」(Tauern fenster)は、大規模な隆起と、それに伴う浸食により、最上位層(第4層)である「オーストロアルパイン系」地質グループ層が失われ、より下位の層が、地表に現れている部分です。そのサイズは、東西方向の長さが約170km、南北方向の幅が、約30〜50kmもある、大規模な地質構造です。
「タウエルン・フェンスター」は、「ヨーロッパアルプス」の地下深部構造を知ることや、その地史を知ることにも関連している為、古くから数多くの研究がなされてきた場所です(文献4)。
(文献3)は、その中でも最近(2013年)の研究論文で、「タウエルン・フェンスター」の地質構造に関しての、新しい解釈に基づく説明と、詳細な地質図が掲載されています。
以下では、(文献3)の記載内容をベースとし、(文献1−1)、(文献1−2)、(文献1−3)、(文献5)、(文献6)、(文献7)、および、オーストリアのオンライン地質図(文献2)も参考にしつつ、「タウエルン・フェンスター」の構造や地質を説明します。
(文献1−2)から引用した、添付の地質図(図3)、オーストリアのオンライン地質図(文献2)を元にした、添付の地質図(図4)、および(文献3)から引用した、添付の地質図(図5)も、ご参照ください。
「タウエルン・フェンスター」内の地質構造については、添付の地質図 (図3)、(図4)、(図5)に示すように、非常に複雑です。
また(文献1−2)による(図3)、(文献3)による(図4)、(文献2)による(図5)、では、それぞれで、地質体の分類、解釈に割と違いもあって、ただでさえ複雑な構造なのに、解釈も複数あり、なかなかの難題です。
(文献1−2)、(文献2)、(文献3)の地質図で共通している点は、「タウエルン・フェンスター」ゾーンに露出している主な「地質グループ」としては、第1層にあたる、(ヨーロッパ側の)「基盤岩類」(crystalline basements)と、第3層にあたる、「ペニン系」地質グループ(Penninic nappe system)だ、という点です。
また(文献3)では、(文献3)で独自に定義した地質グループである、「サブ・ペニン系」地質グループ(Sub-Penninic)も分布している、としており、「基盤岩類」までも「サブ・ペニン系」に含めていますが、説明が煩雑となるので、この地質グループの説明は、(補足説明)の項に回します。
一方で、(文献1−2)では、「ヘルベチカ系」(Helvetic)が、第2層相当として分布していると説明されていますが、この点もややこしいので、(補足説明)の項に回します。
さて、まず(文献3)による添付の地質図 (図5)で、以下、「タウエルン・フェンスター」内の地質体を見て見ます。
この図では、「フェンスター」内の地質体を、約10種類に細かく分類していますが、大きく見ると、「フェンスター」は、第1層にあたる「基盤岩類」が赤色、朱色、ピンク色系で色分けされており、また第3層にあたる、「ペニン系」が、緑色、黄緑色に色分けされています。
なお、青色系は、前記の「サブ・ペニン系」という地質グループです。
また、周辺部の茶色系、ベージュ系などの部分は、「フェンスター」枠の外にある「オーストロアルパイン系」地質グループ(Austro-alpine nappe system)に属する地質体です。
第(3)節―B)項 「タウエルン・フェンスター」の「基盤岩類」(basements)
この項では、「タウエルン・フェンスター」内の第1層にあたる、「基盤岩類」(basements)について説明します。
「フェンスター」内の「基盤岩類」については、(文献1−2)、(文献3)、(文献6)、(文献7)、及びオーストリアのオンライン地質図(文献2)、それぞれで、岩石の種類や分布域について違いがあり、なかなか解りにくい感じです。
ここでは、(文献1−2)、(文献3)を元に、「基盤岩類」を以下の4つの「サブグループ」に分け、説明します。
〜〜〜〜〜
・サブグループ(1) 「中央・片麻岩類」
(文献1−2)では、「中央・片麻岩類」;(“Central Gneiss”(英))と、(文献3)、(文献7)では、(“Zentral-Gneis’’(独))と呼んでいる地質グループです。「タウエルン・フェンスター」内の「基盤岩類」のうち、かなりの部分を占めています。
(文献1−2)より引用した、地質図(図3)では茶色のゾーン、(文献2)より引用した、地質図(図4)では、濃い赤紫色のゾーン、(文献3)より引用した、地質図(図5)では、朱色のゾーンのうち一部にあたります。
(文献3)の説明によると、この「中央・片麻岩類」は、「古生代」の「ポスト・ヴァリスカン期」(具体的には、「石炭紀」後期〜「ペルム紀」のうち、約310〜270Ma)に貫入した花崗岩質の深成岩体が原岩であり、おそらくは「新生代」の「アルプス造山運動」に関連した変成作用をうけて「花崗岩質の片麻岩」(granite-gneiss)に変化している、と説明されています。
(文献1−2)の説明では、「片麻岩」類(gneisses)のほか、「ミグマタイト」(migmatite)、「変成・花崗岩類」(meta-granites)などを含む複合岩体、と説明されています。
オーストリアのオンライン地質図(文献2)では、「石炭紀」〜「ペルム紀」の、(花崗岩由来の)「正片麻岩」(Ortho-Gneis(独))と、「ミグマタイト」(Migmatit(独))類(形成時代は不詳とされている)が、この「中央・片麻岩類」に対応するようです。
なおウイキペディア英語版;(文献6)では、(文献3)の説明とほぼ同じで、「石炭紀」後期に貫入した花崗岩類(granitic intrusions)が、「新生代」のアルプス造山運動に関連して、変成作用をうけて「片麻岩類」(gneisses)になったもの、と説明されています。
〜〜〜〜〜
・サブグループ(2) 「古い片麻岩類」
(文献1−2)では、「アルトクリスタリン」(“Altkristallin”)と、(文献3)では、「古い片麻岩類」(”Old-Gneiss-Series”)、あるいは「アルトクリスタリン」と呼んでいるグループです。
その分布域は、(文献1−2)から引用した地質図(図3)にのみ記載されており、「タウエルン・フェンスター」中央部の、薄いピンク色のゾーンです。
(文献3)によると、これらの「古い片麻岩類」は、「古生代」前期の「カンブリア紀」〜「オルドビス紀」、あるいはそれより古い「原生代」末に起源を持つと推定され、「片麻岩」類以外に、「角閃岩」(amphibolite)、「雲母片岩」(mica-schist)、「変成・ハンレイ岩」(meta-gabbro)などを含む複雑な構成の地質体です。
このうち「変成・ハンレイ岩」の岩体からは、534Ma(カンブリア紀)の変成年代が得られています。
(文献3)によると、これらの「古い片麻岩類」は、「古生代」後期の「ヴァリスカン造山運動」に伴う変成作用に加え、「新生代」の「アルプス造山運動」に関連した、「角閃岩相」相当の変成作用も受けており、多回変成の変成岩(poly-metamorphic rocks)と位置付けられいてます。
また、サブグループ(1)の原岩である花崗岩類が、「古生代」後期に大規模に貫入する前は、このサブグループが広く分布していたのではないか、と思います(この段落は私見です)。
なお、サブグループ(1)の「片麻岩類」と、サブグループ(2)の「古い片麻岩類」を合わせて、(文献3)では、(“Venediger Duplex”) 注5) という固有名称で呼んでいます。
また(文献1−2)や(文献6)では、(“Venediger nappe system”)と呼んでいます。
片麻岩類を主体とした、狭義の「基盤岩類」として、古くから位置付けられていたものと思われます。
なお(“Venediger”)とは、「ホーエ・タウエルン山群」西部の山群、山の名前でもあります。
〜〜〜〜〜
・サブグループ(3) 「原生代」〜「石炭紀」前期の、変成・堆積物類
(文献1−2)の地質図(図3)の説明では、(“Habach-Storz Group”)と書かれている、サブグループです。
分布域は、(文献1−2)より引用した地質図(図3)では、「フェンスター」中央部やや北側の「くすんだ茶色のゾーン」、(文献2)より引用した地質図(図4)では、「くすんだ茶色のゾーン」として、同じ場所に示されています。
(文献1−2)によると、このサブグループの地質体は、「原生代」末から「石炭紀」前期の「変成・堆積物層」(meta-sediments)、及び「変成・火山岩」(meta-volcanics)からなる、と書かれています。
また(文献2);地質図(図4)でも、同様に、「古生代」の「変成・堆積物」(Meta-sediment(独))、「変成・火山岩類」(Meta-vulkanit(独))と書かれています。
なお(文献3)では、説明も詳しくなく、地質図上に分布域が描かれていません。
また(文献6)では、(図3)、(図4)と同じ分布域に、「古生代の様々な変成岩」(various metamorphic rocks of Paleozoic age)という、ざっとした説明があります。
このサブグループ(3)は、あまり形成過程や履歴が解っていないようですが、広義の「基盤岩類」と位置付けられます。
〜〜〜〜〜
・サブグループ(4) 「石炭紀」後期〜「ペルム紀」の堆積物
(文献1−2)の地質図(図3)では、「石炭紀」〜「ペルム紀」の堆積物(Late Carboniferous Permian sediments)と、(文献3)では、(“Post-Variscan caver”)として説明されているサブグループです。
なお(文献2)による地質図(図4)では、サブグループ(3)にまとめられており、独立した地質グループとして区別されていません。
分布域は、サブグループ(1)の地質体の周辺部にわずかにあるだけなので、添付の(図3)、(図5)とも、はっきりわかるほどのサイズがありません。
(文献3)の説明によると、これらの地質体は、サブグループ(1)、サブグループ(2)といった片麻岩類からなる地質体の上に、「石炭紀」後期〜「ペルム紀」にかけて堆積した堆積物で、いわゆる「被覆層」(cover layer)に相当すると説明されています。分布域が狭いのは、その多くは浸食により失われているためだと思われます。
なお、(文献3)によると、古くは(“Jung-paleozoikum”(独))(「若い時代の古生代層」の意味)と呼ばれていたグループのようです。
〜〜〜〜〜
これら、4つのサブグループに区分される、広義の「基盤岩類」は、「アルプス造山運動」に伴い、「新生代」に、ヨーロッパ側の地下深部の部分が隆起して地表に現れたものです。
隆起の時代は、直接的なエビデンスが無いため、はっきりしていませんが、(文献3)、(文献6)では、「新第三紀」のうち、「中新世」(23〜5.3Ma)の前期頃(23〜21Ma)からではないか、と推定しています。
隆起した様子は、添付の(図6)もご参照ください。南北方向(図での横方向)に強く圧縮され、変形や、ナップとして分断しながら、大きく隆起した様子が感じ取れます。
なお、(文献3)にも、同様の推定地質断面図が数多く記載されています。ここでは省略しましたが、ご興味のある方はご参照ください。
「タウエルン・フェンスター」中に現れている、これらの「基盤岩類」の主体は、グループ(1)の「ポスト・ヴァリスカン期」の「花崗岩類」と、グループ(2)の、「古い片麻岩類」、という組み合わせであり、「中部アルプス」の「アール地塊」(Aar massif)や「モンブラン地塊」(Mont Blanc massif)、「西部アルプス」の「ペルビュー地塊」(Pelvoux massif)のような、いわゆる「外側地塊」(external massifs)に、その構成が類似しています。(文献1)でも、これらの「外側地塊」と同類として扱っています。
ただし、グループ(3)、(4)といった「古生代」の地質体が付随している点は、特徴的です。
「フェンスター」内の「基盤岩類」については、(文献1−2)、(文献3)、(文献6)、(文献7)、及びオーストリアのオンライン地質図(文献2)、それぞれで、岩石の種類や分布域について違いがあり、なかなか解りにくい感じです。
ここでは、(文献1−2)、(文献3)を元に、「基盤岩類」を以下の4つの「サブグループ」に分け、説明します。
〜〜〜〜〜
・サブグループ(1) 「中央・片麻岩類」
(文献1−2)では、「中央・片麻岩類」;(“Central Gneiss”(英))と、(文献3)、(文献7)では、(“Zentral-Gneis’’(独))と呼んでいる地質グループです。「タウエルン・フェンスター」内の「基盤岩類」のうち、かなりの部分を占めています。
(文献1−2)より引用した、地質図(図3)では茶色のゾーン、(文献2)より引用した、地質図(図4)では、濃い赤紫色のゾーン、(文献3)より引用した、地質図(図5)では、朱色のゾーンのうち一部にあたります。
(文献3)の説明によると、この「中央・片麻岩類」は、「古生代」の「ポスト・ヴァリスカン期」(具体的には、「石炭紀」後期〜「ペルム紀」のうち、約310〜270Ma)に貫入した花崗岩質の深成岩体が原岩であり、おそらくは「新生代」の「アルプス造山運動」に関連した変成作用をうけて「花崗岩質の片麻岩」(granite-gneiss)に変化している、と説明されています。
(文献1−2)の説明では、「片麻岩」類(gneisses)のほか、「ミグマタイト」(migmatite)、「変成・花崗岩類」(meta-granites)などを含む複合岩体、と説明されています。
オーストリアのオンライン地質図(文献2)では、「石炭紀」〜「ペルム紀」の、(花崗岩由来の)「正片麻岩」(Ortho-Gneis(独))と、「ミグマタイト」(Migmatit(独))類(形成時代は不詳とされている)が、この「中央・片麻岩類」に対応するようです。
なおウイキペディア英語版;(文献6)では、(文献3)の説明とほぼ同じで、「石炭紀」後期に貫入した花崗岩類(granitic intrusions)が、「新生代」のアルプス造山運動に関連して、変成作用をうけて「片麻岩類」(gneisses)になったもの、と説明されています。
〜〜〜〜〜
・サブグループ(2) 「古い片麻岩類」
(文献1−2)では、「アルトクリスタリン」(“Altkristallin”)と、(文献3)では、「古い片麻岩類」(”Old-Gneiss-Series”)、あるいは「アルトクリスタリン」と呼んでいるグループです。
その分布域は、(文献1−2)から引用した地質図(図3)にのみ記載されており、「タウエルン・フェンスター」中央部の、薄いピンク色のゾーンです。
(文献3)によると、これらの「古い片麻岩類」は、「古生代」前期の「カンブリア紀」〜「オルドビス紀」、あるいはそれより古い「原生代」末に起源を持つと推定され、「片麻岩」類以外に、「角閃岩」(amphibolite)、「雲母片岩」(mica-schist)、「変成・ハンレイ岩」(meta-gabbro)などを含む複雑な構成の地質体です。
このうち「変成・ハンレイ岩」の岩体からは、534Ma(カンブリア紀)の変成年代が得られています。
(文献3)によると、これらの「古い片麻岩類」は、「古生代」後期の「ヴァリスカン造山運動」に伴う変成作用に加え、「新生代」の「アルプス造山運動」に関連した、「角閃岩相」相当の変成作用も受けており、多回変成の変成岩(poly-metamorphic rocks)と位置付けられいてます。
また、サブグループ(1)の原岩である花崗岩類が、「古生代」後期に大規模に貫入する前は、このサブグループが広く分布していたのではないか、と思います(この段落は私見です)。
なお、サブグループ(1)の「片麻岩類」と、サブグループ(2)の「古い片麻岩類」を合わせて、(文献3)では、(“Venediger Duplex”) 注5) という固有名称で呼んでいます。
また(文献1−2)や(文献6)では、(“Venediger nappe system”)と呼んでいます。
片麻岩類を主体とした、狭義の「基盤岩類」として、古くから位置付けられていたものと思われます。
なお(“Venediger”)とは、「ホーエ・タウエルン山群」西部の山群、山の名前でもあります。
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・サブグループ(3) 「原生代」〜「石炭紀」前期の、変成・堆積物類
(文献1−2)の地質図(図3)の説明では、(“Habach-Storz Group”)と書かれている、サブグループです。
分布域は、(文献1−2)より引用した地質図(図3)では、「フェンスター」中央部やや北側の「くすんだ茶色のゾーン」、(文献2)より引用した地質図(図4)では、「くすんだ茶色のゾーン」として、同じ場所に示されています。
(文献1−2)によると、このサブグループの地質体は、「原生代」末から「石炭紀」前期の「変成・堆積物層」(meta-sediments)、及び「変成・火山岩」(meta-volcanics)からなる、と書かれています。
また(文献2);地質図(図4)でも、同様に、「古生代」の「変成・堆積物」(Meta-sediment(独))、「変成・火山岩類」(Meta-vulkanit(独))と書かれています。
なお(文献3)では、説明も詳しくなく、地質図上に分布域が描かれていません。
また(文献6)では、(図3)、(図4)と同じ分布域に、「古生代の様々な変成岩」(various metamorphic rocks of Paleozoic age)という、ざっとした説明があります。
このサブグループ(3)は、あまり形成過程や履歴が解っていないようですが、広義の「基盤岩類」と位置付けられます。
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・サブグループ(4) 「石炭紀」後期〜「ペルム紀」の堆積物
(文献1−2)の地質図(図3)では、「石炭紀」〜「ペルム紀」の堆積物(Late Carboniferous Permian sediments)と、(文献3)では、(“Post-Variscan caver”)として説明されているサブグループです。
なお(文献2)による地質図(図4)では、サブグループ(3)にまとめられており、独立した地質グループとして区別されていません。
分布域は、サブグループ(1)の地質体の周辺部にわずかにあるだけなので、添付の(図3)、(図5)とも、はっきりわかるほどのサイズがありません。
(文献3)の説明によると、これらの地質体は、サブグループ(1)、サブグループ(2)といった片麻岩類からなる地質体の上に、「石炭紀」後期〜「ペルム紀」にかけて堆積した堆積物で、いわゆる「被覆層」(cover layer)に相当すると説明されています。分布域が狭いのは、その多くは浸食により失われているためだと思われます。
なお、(文献3)によると、古くは(“Jung-paleozoikum”(独))(「若い時代の古生代層」の意味)と呼ばれていたグループのようです。
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これら、4つのサブグループに区分される、広義の「基盤岩類」は、「アルプス造山運動」に伴い、「新生代」に、ヨーロッパ側の地下深部の部分が隆起して地表に現れたものです。
隆起の時代は、直接的なエビデンスが無いため、はっきりしていませんが、(文献3)、(文献6)では、「新第三紀」のうち、「中新世」(23〜5.3Ma)の前期頃(23〜21Ma)からではないか、と推定しています。
隆起した様子は、添付の(図6)もご参照ください。南北方向(図での横方向)に強く圧縮され、変形や、ナップとして分断しながら、大きく隆起した様子が感じ取れます。
なお、(文献3)にも、同様の推定地質断面図が数多く記載されています。ここでは省略しましたが、ご興味のある方はご参照ください。
「タウエルン・フェンスター」中に現れている、これらの「基盤岩類」の主体は、グループ(1)の「ポスト・ヴァリスカン期」の「花崗岩類」と、グループ(2)の、「古い片麻岩類」、という組み合わせであり、「中部アルプス」の「アール地塊」(Aar massif)や「モンブラン地塊」(Mont Blanc massif)、「西部アルプス」の「ペルビュー地塊」(Pelvoux massif)のような、いわゆる「外側地塊」(external massifs)に、その構成が類似しています。(文献1)でも、これらの「外側地塊」と同類として扱っています。
ただし、グループ(3)、(4)といった「古生代」の地質体が付随している点は、特徴的です。
第(3)節―C)項 「タウエルン・フェンスター」の「ペニン系」地質グループ (Penninic)
「タウエルン・フェンスター」内に広く分布している、「基盤岩類」以外の重要な地質体は、第3層にあたる、「ペニン系」地質グループ(Penninic nappe system)です。
(文献3)によると、フェンスター内の「ペニン系」地質グループは、以下の3つのサブグループに区分されており、それぞれの特徴や起源は以下のように説明されています。(文献3)から引用した、地質図(図5)もご参照ください。
なお、(文献1−2)から引用した、添付の(図3)にも「ペニン系」(Penninic nappe system)に属する地質体は図示されており、こちらが伝統的な解釈だと思われますが、(文献3)とは解釈がかなり異なります。
また、オーストリアのオンライン地質図(文献2)からの地質図(図4)では、どのゾーンが「ペニン系」かが不明です。さらにウイキペディア英語版(文献6)にも、地質図と解説がありますが、(文献3)とはやや解釈が異なっています。
混乱を防ぐため、これらの文献に基づく説明は、基本的には省略します。
〜〜〜〜〜
・サブグループ(1) 「オフィオライト岩体」(ohiolites)
(文献3)では、(the "Rocker ophiolitic complex")と呼んでいるグループで、添付の地質図(図5)でみると、「タウエルン・フェンスター」の北西部の隅っこにわずかに分布しています。
岩石の種類として単に「オフィオライト岩体」と書かれているだけですが、「中部アルプス」や「西部アルプス」に分布する、「ペニン系」の「オフィオライト岩体」と同様に、(変成)・玄武岩類(meta-basalts)、(変成)・ハンレイ岩(meta-gabbro)、及び「リソスフェアマントル」を構成している「カンラン岩」由来の「蛇紋岩」(serpentinite)から構成されているもの、と思われます。
また、この「オフィオライト岩体」は、「中部アルプス」、「西部アルプス」の「ペニン系」地質グループと同様に、「アルプス造山運動」の少し前の時代に、「アドリア大陸ブロック」の縁にできた沈み込み帯より、地下深部に沈み込んで高圧型変成作用を受けています。
(文献3)によると、「変成相」は「青色片岩相」(blue-schist facies)とされており、変成ピーク年代は、「古第三紀」の「暁新世」(ぎょうしんせい)末から「始新世」頃の、約57〜50Maと推定されています。
また、この「オフィオライト岩体」は、「ピエモンテ海」(the Piemonte Ocean/Piemonte-Liguria Ocean)由来、と考察されています。
〜〜〜〜〜
・サブグループ(2) 「変成・堆積物層」(meta-sedimentary rocks)
(文献3)では、(the "Glocker nappe system")と呼んでいるグループで、「タウエルン・フェンスター」内の広い範囲に分布しています。添付の(図5)では、黄緑色で示されるゾーンです。
なお(文献6)でも、同じく、(The" Penninic Glockner nappe system")という地質体が描かれ、海洋性の堆積物起源の変成岩類、と説明されており、(文献3)のものに対応するようです。
(文献3)によると、このグループの地質体は、「中部アルプス」における「ペニン系」と同様に、「海洋プレート」上に堆積した中生代の堆積物層を原岩とするもので、「白亜紀」後期〜「古第三紀」にかけ、海洋プレート沈み込み帯にて地下深部に沈み込んで、高圧型変成作用を受けたのち、なんらかのメカニズムにより、地表に戻って来たものです。
具体的な岩石の種類としては、「雲母片岩」(mica-schist)、「石灰質片岩」(calc-schist)、「プラシナイト」(prasinite) 注6)、「千枚岩類」(phyllites)、「メタ・ペライト」(meta-pelite)といった、堆積岩を原岩とすると思われる変成岩を主体としています。
ほかには「角閃岩」(amphibolite)や、「蛇紋岩」(serpentinite)、「変成・ハンレイ岩」(meta-gabbro)など、海洋プレート起源と思われる、オフィオライト的な岩体も混じっていると説明されています。
堆積した時代は「白亜紀」と推定され、前のグループと同様に、「アルプス造山運動」の少し前の時代(おそらく「古第三紀」初頭)に、沈み込み帯より地下深部に沈み込んで高圧型変成作用を受けて、上記のような変成岩となっています。
「変成相」は場所によって異なり、最大で「エクロジャイト相」(eclogite facies)に達しており、ざっくりした深さ換算で、地下50km以上にまで沈み込んだと思われます。
なお「エクロジャイト相」を示すゾーンは、「フェンスター」の南側に多く、それ以外のゾーンでは、「青色片岩相」、「緑色片岩相」といった、より浅い深度を示す、と説明されています。
(文献3)では、この地質体は、「ペニン系」のうち、「ヴァリストラフ」(Valais Trough)由来のものと考察しています。
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・サブグループ(3) 「メランジュ相」地質体(mélange)
(文献3)では、(”Matrei zone”)、及び (“Nord-rahmen-zone“)と呼ばれているグループで、添付の地質図(図5)でみると、前者は、「タウエルン・フェンスター」の南縁部に細長く分布し、後者は北東側に分布しています。(図5)では、濃い緑色で表わされているゾーンです。
(文献3)によると、この地質体は、海洋プレート起源の「オフィオライト岩体」、堆積物起源の「ビュンドナーシーファー型」(‘‘ Bündner-schiefer’’-type) 注7) と呼ばれる変成岩、及び元々「ペニン系」の上位に位置していたと推定される、「オーストロアルパイン系」由来のブロックなどが、ごちゃ混ぜになっています。
このようなごちゃ混ぜの地質体を、地質学では、「テクトニック・メランジュ」(tectonic mélange) 注5) あるいは単に「メランジュ」(mélange)、と呼びます。(文献17)
(文献3)では、この「メランジュ相」の地質体を、「ペニン系」の地質グループが、海洋プレート沈み込み帯で沈み込む際に、沈み込み帯付近に形成された、いわゆる「付加体」(accretionary prism)と推定しています。
「中部アルプス」の「ヴァリス山群」には、「ツァテ・ナップ」("Tsate nappe")という、「ペニン系」の、「付加体」由来と考えられる地質体が分布していますが、それと似ています。
なお、この「メランジュ相」の付加体も、一部は変成作用を受けていますが、メランジュ状態なので詳しくは解っていません。一部は「青色片岩相」の「変成相」を示す、と説明されています。
(文献3)によると、フェンスター内の「ペニン系」地質グループは、以下の3つのサブグループに区分されており、それぞれの特徴や起源は以下のように説明されています。(文献3)から引用した、地質図(図5)もご参照ください。
なお、(文献1−2)から引用した、添付の(図3)にも「ペニン系」(Penninic nappe system)に属する地質体は図示されており、こちらが伝統的な解釈だと思われますが、(文献3)とは解釈がかなり異なります。
また、オーストリアのオンライン地質図(文献2)からの地質図(図4)では、どのゾーンが「ペニン系」かが不明です。さらにウイキペディア英語版(文献6)にも、地質図と解説がありますが、(文献3)とはやや解釈が異なっています。
混乱を防ぐため、これらの文献に基づく説明は、基本的には省略します。
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・サブグループ(1) 「オフィオライト岩体」(ohiolites)
(文献3)では、(the "Rocker ophiolitic complex")と呼んでいるグループで、添付の地質図(図5)でみると、「タウエルン・フェンスター」の北西部の隅っこにわずかに分布しています。
岩石の種類として単に「オフィオライト岩体」と書かれているだけですが、「中部アルプス」や「西部アルプス」に分布する、「ペニン系」の「オフィオライト岩体」と同様に、(変成)・玄武岩類(meta-basalts)、(変成)・ハンレイ岩(meta-gabbro)、及び「リソスフェアマントル」を構成している「カンラン岩」由来の「蛇紋岩」(serpentinite)から構成されているもの、と思われます。
また、この「オフィオライト岩体」は、「中部アルプス」、「西部アルプス」の「ペニン系」地質グループと同様に、「アルプス造山運動」の少し前の時代に、「アドリア大陸ブロック」の縁にできた沈み込み帯より、地下深部に沈み込んで高圧型変成作用を受けています。
(文献3)によると、「変成相」は「青色片岩相」(blue-schist facies)とされており、変成ピーク年代は、「古第三紀」の「暁新世」(ぎょうしんせい)末から「始新世」頃の、約57〜50Maと推定されています。
また、この「オフィオライト岩体」は、「ピエモンテ海」(the Piemonte Ocean/Piemonte-Liguria Ocean)由来、と考察されています。
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・サブグループ(2) 「変成・堆積物層」(meta-sedimentary rocks)
(文献3)では、(the "Glocker nappe system")と呼んでいるグループで、「タウエルン・フェンスター」内の広い範囲に分布しています。添付の(図5)では、黄緑色で示されるゾーンです。
なお(文献6)でも、同じく、(The" Penninic Glockner nappe system")という地質体が描かれ、海洋性の堆積物起源の変成岩類、と説明されており、(文献3)のものに対応するようです。
(文献3)によると、このグループの地質体は、「中部アルプス」における「ペニン系」と同様に、「海洋プレート」上に堆積した中生代の堆積物層を原岩とするもので、「白亜紀」後期〜「古第三紀」にかけ、海洋プレート沈み込み帯にて地下深部に沈み込んで、高圧型変成作用を受けたのち、なんらかのメカニズムにより、地表に戻って来たものです。
具体的な岩石の種類としては、「雲母片岩」(mica-schist)、「石灰質片岩」(calc-schist)、「プラシナイト」(prasinite) 注6)、「千枚岩類」(phyllites)、「メタ・ペライト」(meta-pelite)といった、堆積岩を原岩とすると思われる変成岩を主体としています。
ほかには「角閃岩」(amphibolite)や、「蛇紋岩」(serpentinite)、「変成・ハンレイ岩」(meta-gabbro)など、海洋プレート起源と思われる、オフィオライト的な岩体も混じっていると説明されています。
堆積した時代は「白亜紀」と推定され、前のグループと同様に、「アルプス造山運動」の少し前の時代(おそらく「古第三紀」初頭)に、沈み込み帯より地下深部に沈み込んで高圧型変成作用を受けて、上記のような変成岩となっています。
「変成相」は場所によって異なり、最大で「エクロジャイト相」(eclogite facies)に達しており、ざっくりした深さ換算で、地下50km以上にまで沈み込んだと思われます。
なお「エクロジャイト相」を示すゾーンは、「フェンスター」の南側に多く、それ以外のゾーンでは、「青色片岩相」、「緑色片岩相」といった、より浅い深度を示す、と説明されています。
(文献3)では、この地質体は、「ペニン系」のうち、「ヴァリストラフ」(Valais Trough)由来のものと考察しています。
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・サブグループ(3) 「メランジュ相」地質体(mélange)
(文献3)では、(”Matrei zone”)、及び (“Nord-rahmen-zone“)と呼ばれているグループで、添付の地質図(図5)でみると、前者は、「タウエルン・フェンスター」の南縁部に細長く分布し、後者は北東側に分布しています。(図5)では、濃い緑色で表わされているゾーンです。
(文献3)によると、この地質体は、海洋プレート起源の「オフィオライト岩体」、堆積物起源の「ビュンドナーシーファー型」(‘‘ Bündner-schiefer’’-type) 注7) と呼ばれる変成岩、及び元々「ペニン系」の上位に位置していたと推定される、「オーストロアルパイン系」由来のブロックなどが、ごちゃ混ぜになっています。
このようなごちゃ混ぜの地質体を、地質学では、「テクトニック・メランジュ」(tectonic mélange) 注5) あるいは単に「メランジュ」(mélange)、と呼びます。(文献17)
(文献3)では、この「メランジュ相」の地質体を、「ペニン系」の地質グループが、海洋プレート沈み込み帯で沈み込む際に、沈み込み帯付近に形成された、いわゆる「付加体」(accretionary prism)と推定しています。
「中部アルプス」の「ヴァリス山群」には、「ツァテ・ナップ」("Tsate nappe")という、「ペニン系」の、「付加体」由来と考えられる地質体が分布していますが、それと似ています。
なお、この「メランジュ相」の付加体も、一部は変成作用を受けていますが、メランジュ状態なので詳しくは解っていません。一部は「青色片岩相」の「変成相」を示す、と説明されています。
5−5章―(4)節 「ホーエ・タウエルン山群」の地質
「ホーエ・タウエルン」(Hohe Tauern(独))とは、タウエルン地域のうち、高山が多い地域という意味で、英語では(High Tauern)と訳されます。
場所的には、オーストラリア中西部に位置し「ザルツブルク州」(Salzblug)、「ケルテルン州」(Carinthia)、「チロル州」(Tirol)などにまたがる、東西に100km以上の長さをもつ山群です、(文献4)、(文献8)。
オーストリアの最高峰、グロース・グルックナー(Gross Glockner(英)/Großglockner(独);3798m)(文献9)、(文献10)を始めとして、3500m以上の峰、3座を含む、3000m級の山々が連なっています。
かなり広い範囲の山群(山脈)のため、ガイドブックなどでは、「グロックナー山群」、「ヴェンディガー山群」など、いくつかの小さな山群(グループ)に区分しています(文献2)、(文献12)、(文献14)。
また一部はオーストリアの国立自然公園に指定され、保護されています(文献4)。
特に「グロース・グルックナー」付近は観光地としても有名で、近くにある展望台で、かつての「オーストリア・ハンガリー帝国」の皇帝の名を冠した、「フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ」(Franz-Josefs-Höhe ;2363m)まで車道が通じています。添付の(写真1)も恐らく、そこから写されたものです。
また、地球温暖化により消滅が心配されていますが、「パステルツェ氷河」(Pasterze Glacier)という、オーストリアでは最大級の氷河もあり、「東部アルプス」ではアルペン的な雰囲気のある場所のようです。(文献9)、(文献10)、(文献12)、(文献13)、(文献14)。
さて、「ホーエ・タウエルン山群」の地質ですが、全域が、前の第(3)節で説明した、「タウエルン・フェンスター」の内側にあります。
なおこの第(4)節では、主にオーストリアの地質図(文献2)を元に説明します。(文献3)をベースとした、前の第(3)節の解説との対応関係については、適宜、補足を入れています。
さて「ホーエ・タウエルン山群」のうち、最高峰、「グロース・グルックナー」付近は、ここでいう「ナップパイル構造」の第3層にあたる「ペニン系」地質グループの分布域となっています。
具体的には、(文献2)を元にした、添付の地質図(図8)によると、「緑色片岩」(Grün-schiefer(独))、「プラシナイト」(Prasinit(独))、注6)、「蛇紋岩」(Serpentinit(独))、および「ジュラ紀」〜「白亜紀」の、「海洋性の変成堆積岩類」(Ozeanisches Metasediment(独))などが複雑に分布しています。
前の第(3)節で「タウエルン・フェンスター」内の地質を説明しましたが、それや(文献3)と照らし合わせると、大部分が、「ペニン系」のうち、(サブグループ(2))の「変成・堆積物層」に対応するようです。
なお、ウイキペディアのうち、ドイツ語版(文献10)には、地質(Geologie(独))の項があり、「グロース・グルックナー」とその周辺の地質説明があります。その内容は上記の説明とほぼ同じです。
次に、「グロース・グルックナー」から北に約15kmの位置にあり、この山群では第3位の標高を誇る、「グロース・ワイスバッハホルン」(Grosses Weissbachhorn;3564m)のあたりの地質を、地質図(文献2)で見て見ます。
このあたりも地質的には、「グロース・グルックナー」と同様の、「ペニン系」のうち「変成・堆積物層」サブグループに属する、結晶片岩類などからなっています。
「ホーエ・タウエルン」山群のうち、「グロース・グルックナー」より西側へと延びる主脈は、3000m前後の山々が連なっていますが、地質図(文献2)で見ると、このあたりは、第(3)節の分類でいう、広義の「基盤岩類」(basement rocks)の分布域です。
「グロース・グルックナー」から西へ約30kmに位置し、この山群で第2位の標高を誇る、「グロース・ヴェネディガー」(Gross Venediger;3657m)も、この「基盤岩類」の分布域にあります。
この「グロース・ヴェネディガー」山群を写した、添付の(写真2)もご参照ください。
これら、「ホーエ・タウエルン」山群の主脈を構成する「基盤岩類」の具体的な地質ですが、地質図(文献2)によると、「石炭紀」〜「ペルム紀」の「正片麻岩」(Ortho-Gneis(独))及び、「ミグマタイト」(Migmatit(独))、「ミグマタイト化したパラ片麻岩」(migmatischer Paragneis(独))(形成時代は不詳とされている)も広く分布しています。
前の第(3)節での説明や(文献3)と照らし合わせると、「正片麻岩」、「ミグマタイト」類の両者とも、「石炭紀」後期〜「ペルム紀」のいわゆる「ポスト・ヴァリスカン期」(Post-Variscan)の火成活動に関連するものと思われます。
第(3)節での「基盤岩類」の分類でいうと、サブグループ(1)の「中央・片麻岩類」に対応します。
このうち「正片麻岩」は、この時代に貫入した花崗岩類が元となっているもので、「ミグマタイト」類は、より古い時代の岩石が部分融解したもの、と思われます。
ところで、「ホーエ・タウエルン」山群のうち、(Salzach)という東西に流れる川に面した、北麓の一部には、地質図(文献2)で見ると、「古生代」(Paläozoikum(独))の、「変成・堆積岩」(Meta-sediment(独))や、「変成・火山岩類」(Meta-vulkanit(独))が分布しています。
前の第(3)節での説明や、(文献3)と照らし合わせると、「基盤岩類」のうち、(サブグループ(3))に対応する、「「原生代」〜「石炭紀」前期の「変成・堆積物層」」に対応します。
場所的には、オーストラリア中西部に位置し「ザルツブルク州」(Salzblug)、「ケルテルン州」(Carinthia)、「チロル州」(Tirol)などにまたがる、東西に100km以上の長さをもつ山群です、(文献4)、(文献8)。
オーストリアの最高峰、グロース・グルックナー(Gross Glockner(英)/Großglockner(独);3798m)(文献9)、(文献10)を始めとして、3500m以上の峰、3座を含む、3000m級の山々が連なっています。
かなり広い範囲の山群(山脈)のため、ガイドブックなどでは、「グロックナー山群」、「ヴェンディガー山群」など、いくつかの小さな山群(グループ)に区分しています(文献2)、(文献12)、(文献14)。
また一部はオーストリアの国立自然公園に指定され、保護されています(文献4)。
特に「グロース・グルックナー」付近は観光地としても有名で、近くにある展望台で、かつての「オーストリア・ハンガリー帝国」の皇帝の名を冠した、「フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ」(Franz-Josefs-Höhe ;2363m)まで車道が通じています。添付の(写真1)も恐らく、そこから写されたものです。
また、地球温暖化により消滅が心配されていますが、「パステルツェ氷河」(Pasterze Glacier)という、オーストリアでは最大級の氷河もあり、「東部アルプス」ではアルペン的な雰囲気のある場所のようです。(文献9)、(文献10)、(文献12)、(文献13)、(文献14)。
さて、「ホーエ・タウエルン山群」の地質ですが、全域が、前の第(3)節で説明した、「タウエルン・フェンスター」の内側にあります。
なおこの第(4)節では、主にオーストリアの地質図(文献2)を元に説明します。(文献3)をベースとした、前の第(3)節の解説との対応関係については、適宜、補足を入れています。
さて「ホーエ・タウエルン山群」のうち、最高峰、「グロース・グルックナー」付近は、ここでいう「ナップパイル構造」の第3層にあたる「ペニン系」地質グループの分布域となっています。
具体的には、(文献2)を元にした、添付の地質図(図8)によると、「緑色片岩」(Grün-schiefer(独))、「プラシナイト」(Prasinit(独))、注6)、「蛇紋岩」(Serpentinit(独))、および「ジュラ紀」〜「白亜紀」の、「海洋性の変成堆積岩類」(Ozeanisches Metasediment(独))などが複雑に分布しています。
前の第(3)節で「タウエルン・フェンスター」内の地質を説明しましたが、それや(文献3)と照らし合わせると、大部分が、「ペニン系」のうち、(サブグループ(2))の「変成・堆積物層」に対応するようです。
なお、ウイキペディアのうち、ドイツ語版(文献10)には、地質(Geologie(独))の項があり、「グロース・グルックナー」とその周辺の地質説明があります。その内容は上記の説明とほぼ同じです。
次に、「グロース・グルックナー」から北に約15kmの位置にあり、この山群では第3位の標高を誇る、「グロース・ワイスバッハホルン」(Grosses Weissbachhorn;3564m)のあたりの地質を、地質図(文献2)で見て見ます。
このあたりも地質的には、「グロース・グルックナー」と同様の、「ペニン系」のうち「変成・堆積物層」サブグループに属する、結晶片岩類などからなっています。
「ホーエ・タウエルン」山群のうち、「グロース・グルックナー」より西側へと延びる主脈は、3000m前後の山々が連なっていますが、地質図(文献2)で見ると、このあたりは、第(3)節の分類でいう、広義の「基盤岩類」(basement rocks)の分布域です。
「グロース・グルックナー」から西へ約30kmに位置し、この山群で第2位の標高を誇る、「グロース・ヴェネディガー」(Gross Venediger;3657m)も、この「基盤岩類」の分布域にあります。
この「グロース・ヴェネディガー」山群を写した、添付の(写真2)もご参照ください。
これら、「ホーエ・タウエルン」山群の主脈を構成する「基盤岩類」の具体的な地質ですが、地質図(文献2)によると、「石炭紀」〜「ペルム紀」の「正片麻岩」(Ortho-Gneis(独))及び、「ミグマタイト」(Migmatit(独))、「ミグマタイト化したパラ片麻岩」(migmatischer Paragneis(独))(形成時代は不詳とされている)も広く分布しています。
前の第(3)節での説明や(文献3)と照らし合わせると、「正片麻岩」、「ミグマタイト」類の両者とも、「石炭紀」後期〜「ペルム紀」のいわゆる「ポスト・ヴァリスカン期」(Post-Variscan)の火成活動に関連するものと思われます。
第(3)節での「基盤岩類」の分類でいうと、サブグループ(1)の「中央・片麻岩類」に対応します。
このうち「正片麻岩」は、この時代に貫入した花崗岩類が元となっているもので、「ミグマタイト」類は、より古い時代の岩石が部分融解したもの、と思われます。
ところで、「ホーエ・タウエルン」山群のうち、(Salzach)という東西に流れる川に面した、北麓の一部には、地質図(文献2)で見ると、「古生代」(Paläozoikum(独))の、「変成・堆積岩」(Meta-sediment(独))や、「変成・火山岩類」(Meta-vulkanit(独))が分布しています。
前の第(3)節での説明や、(文献3)と照らし合わせると、「基盤岩類」のうち、(サブグループ(3))に対応する、「「原生代」〜「石炭紀」前期の「変成・堆積物層」」に対応します。
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【補足説明】;「タウエルン・フェンスター」内の、第2層相当の地質体について
1) 「ヘルベチカ系」(Helvetic)地質グループについて
本文でも触れましたが、「東部アルプス」のうち、北側に位置する「北部石灰岩アルプス」は、(文献1―3)によると、下から順に「基盤岩類」(第1層)、「ヘルベチカ系」(第2層)、「ペニン系」(第3層)、そして最上位に「オーストロアルパイン系」(第4層)という、重層構造をなしていると考えられています。 添付の(図2)もご参照ください。
また(文献1―2)では、この節で説明した、「タウエルン・フェンスター」ゾーンでも、同様に、「基盤岩類」(第1層)と、「ペニン系」(第3層)との間には、「ヘルベチカ系」が第2層として存在している、と考えています。(文献1)から引用した、添付の(図6)も、ご参照ください。
(文献1―2)によると、「基盤岩類」周辺部に分布する「ジュラ紀」の堆積物(石灰岩類)を、「中部アルプス」の「ヘルベチカ系」に属する石灰岩類と同類の、「ヘルベチカ系」地質グループに属するもの、としています。
一方、(文献3)では、「基盤岩類」周辺部の中生代の堆積物層(「トリアス紀」、「ジュラ紀」、「白亜紀」層)は、「基盤岩類」の上部に堆積した、いわゆる「被覆層」とみなしています。
両文献とも、「基盤岩類」周辺部に、中生代の堆積物層があるという点で同じであり、結局はそれを「ヘルベチカ系」(Helvetic)とみるか「被覆層」(cover layer)とみるか、という定義、解釈の違いと思われます(この段落は私見です)。
2) 「サブ・ペニン系」(Sub Penninic)について
(文献3)では、他の文献では「ペニン系」地質グループ(Penninic nappe system)、あるいは「基盤岩類」に区分している地質体の一部を、「サブ・ペニン系」(Sub Penninic)という独自のグループに分類するという、新らしい解釈を提案しています。(添付の地質図(図5)では主に、青色のゾーン)。
ここでの「サブ」(sub)とは、「ペニン系」の「下」の層、という意味あいで、最下層の「基盤岩類」と、第3層に相当する「ペニン系」との間にある、第2層に相当する地質体を、全て取りまとめた地質グループという位置付けです。
細かくいうと、(“Modereck nappe system”)、(“Wolfendorm nappe”)、(“Ecrogite zone”)という3つの地質体を、「サブ・ペニン系」に属する、としています。
このうち、説明が詳しい(“Modereck nappe system”)についてですが、具体的な岩石としては、「トリアス紀」の石灰岩類などの堆積物、および「白亜紀」の泥質、石灰岩質の堆積物を、このグループとしています。
(文献3)によると、この「サブ・ペニン系」地質グループは、元々は「ヨーロッパ大陸ブロック」のうち、「ペニン系地質区」(Penninic realm)に近い場所、つまり大陸側から見ると最も遠位部に位置していた(most distal European margin)、と考えています。
(文献3)では、この「サブ・ペニン系」地質グループは、「ペニン系」地質グループが、沈み込み帯から地下深部へと沈み込んだ際に、それに引きずられるように、地下深部まで沈み込み、高圧型変成作用を受けたのち、再び地表へと戻って来たもの、としています。
なお、(文献3)では、変成相についてはあまり詳しく記載されてなく、最大で「エクロジャイト相」に相当する変成作用を受けた、としています。
(文献3)を読んでも、「ペニン系」に属する地質体と大きな差異は感じられなく、区分の基準が解りにくい感じがします(この段落は私見です)。
本文でも触れましたが、「東部アルプス」のうち、北側に位置する「北部石灰岩アルプス」は、(文献1―3)によると、下から順に「基盤岩類」(第1層)、「ヘルベチカ系」(第2層)、「ペニン系」(第3層)、そして最上位に「オーストロアルパイン系」(第4層)という、重層構造をなしていると考えられています。 添付の(図2)もご参照ください。
また(文献1―2)では、この節で説明した、「タウエルン・フェンスター」ゾーンでも、同様に、「基盤岩類」(第1層)と、「ペニン系」(第3層)との間には、「ヘルベチカ系」が第2層として存在している、と考えています。(文献1)から引用した、添付の(図6)も、ご参照ください。
(文献1―2)によると、「基盤岩類」周辺部に分布する「ジュラ紀」の堆積物(石灰岩類)を、「中部アルプス」の「ヘルベチカ系」に属する石灰岩類と同類の、「ヘルベチカ系」地質グループに属するもの、としています。
一方、(文献3)では、「基盤岩類」周辺部の中生代の堆積物層(「トリアス紀」、「ジュラ紀」、「白亜紀」層)は、「基盤岩類」の上部に堆積した、いわゆる「被覆層」とみなしています。
両文献とも、「基盤岩類」周辺部に、中生代の堆積物層があるという点で同じであり、結局はそれを「ヘルベチカ系」(Helvetic)とみるか「被覆層」(cover layer)とみるか、という定義、解釈の違いと思われます(この段落は私見です)。
2) 「サブ・ペニン系」(Sub Penninic)について
(文献3)では、他の文献では「ペニン系」地質グループ(Penninic nappe system)、あるいは「基盤岩類」に区分している地質体の一部を、「サブ・ペニン系」(Sub Penninic)という独自のグループに分類するという、新らしい解釈を提案しています。(添付の地質図(図5)では主に、青色のゾーン)。
ここでの「サブ」(sub)とは、「ペニン系」の「下」の層、という意味あいで、最下層の「基盤岩類」と、第3層に相当する「ペニン系」との間にある、第2層に相当する地質体を、全て取りまとめた地質グループという位置付けです。
細かくいうと、(“Modereck nappe system”)、(“Wolfendorm nappe”)、(“Ecrogite zone”)という3つの地質体を、「サブ・ペニン系」に属する、としています。
このうち、説明が詳しい(“Modereck nappe system”)についてですが、具体的な岩石としては、「トリアス紀」の石灰岩類などの堆積物、および「白亜紀」の泥質、石灰岩質の堆積物を、このグループとしています。
(文献3)によると、この「サブ・ペニン系」地質グループは、元々は「ヨーロッパ大陸ブロック」のうち、「ペニン系地質区」(Penninic realm)に近い場所、つまり大陸側から見ると最も遠位部に位置していた(most distal European margin)、と考えています。
(文献3)では、この「サブ・ペニン系」地質グループは、「ペニン系」地質グループが、沈み込み帯から地下深部へと沈み込んだ際に、それに引きずられるように、地下深部まで沈み込み、高圧型変成作用を受けたのち、再び地表へと戻って来たもの、としています。
なお、(文献3)では、変成相についてはあまり詳しく記載されてなく、最大で「エクロジャイト相」に相当する変成作用を受けた、としています。
(文献3)を読んでも、「ペニン系」に属する地質体と大きな差異は感じられなく、区分の基準が解りにくい感じがします(この段落は私見です)。
【注釈の項】
注1) 山の標高について
この連載回での山々の標高は、オーストリアの地質図(文献2)のうち、地形図レイヤーに記載の値を採用しています。
文献、地図によっては、数m 違う値が書かれていることがあります。
注2) 「フェンスター」について
「フェンスター」(Fenster)とは、ドイツ語で「窓」を意味する単語で、英語の「ウインドウ」(window)とおなじ意味です。
地質学における「フェンスター」や「ウインドウ」(あるいは「テクトニックウインドウ」(Tectonic window))とは、構造的上位にある地質体が浸食などによって失われて、構造的下位の地質体が地表に現れているゾーンを指す用語として使用されます。
なお日本語訳としては、「地窓」(じまど)と訳されます。(文献17)
注3) 「ナップパイル」、「ナップスタック」について
「ナップパイル構造」(nappe pile (structure))と、類似した「ナップスタック構造」(nappe stack (structure))という用語は、(文献1)やその他のヨーロッパアルプス関連の文献に良く出てくるものですが、お互いの違いなど、明確に定義されてはいないようです。
この連載では、便宜上、「ナップ」(地塊)どうしが折り重なった構造を、「ナップスタック構造」(nappe stack (structure) )と呼ぶこととし、「ナップ」群などいろいろな地質体の集まりとしての「地質グループ」(nappe system/ domain)どうしが、さらに重なり合った、より上位の構造を、「ナップパイル構造」(nappe pile (structure))と呼ぶこととします。
これは、単に説明に混乱をきたさないよう、この連載で独自に定義するもので、オーソライズされている用法ではありません。
注4) 「東部アルプス」の重層構造について
ここでいう「東部アルプス・主部」の重層構造についてですが、(文献1)では、本文に書いたような構成が推定されています。一方、(文献3)では、第2層としての「ヘルベチカ系」は「タウエルン・フェンスター」に存在しているとは言及されてなく、代わりに「サブ・ペニン系」(Sub-Penninic)という地質グループが第2層に位置している、という論旨で説明されています。
(文献3)における「サブ・ペニン系」や、(文献1)における「ヘルベチカ系」の位置付けについては、「補足説明」の項で説明します。
注5) 「デユ―プレックス」構造について、
(文献17)によると、「デユ―プレックス」(duplex)(構造)とは、地塊(ナップ)どうしが、この連載でいう、「ナップスタック構造」(nappe stack)を取って重なり合っており、さらにその上部側(「ルーフ」(roof)という)と、下部側(「フロア」(flore)という)とが、スラスト断層によって挟まれたような構造を意味します。
注6) 「プラシナイト」について
「プラシナイト」(prasinite)という名前の岩石は、「ヨーロッパアルプス」の地質学の文献ではしばしばでてきますが、岩石図鑑(文献16)には載っておらず、地学事典(文献17)でも「変成岩の一種」というざっとした説明です。
(文献18)では詳しく解説されており、「プラシナイト」とは、玄武岩質の緑色の変成岩類を指す、主にヨーロッパで使われているやや古い用語で、一般的な岩石の区分では、「変成・玄武岩類」(meta-basalts)、「緑色片岩」(green-schist)、あるいはざっくりと「緑色岩類」(green stones)と呼ばれるものに対応するようです。
(文献18)によると、「プラシナイト」という名前は、「ギリシャ語の ” prásinos”(緑色のネギ、の意)に由来し、岩石の緑色を暗示しています」、と解説されています。
注7) 「ビュンドナーシーファー」型変成岩について
「ビュンドナーシーファー」(Bündner-schiefer(独))という用語は、ヨーロッパアルプスの地質学では良く出てくる用語で、古くから使われているようですが、あまり明確な定義はないようです。
地学事典(文献17)では、「ヨーロッパアルプスにおける、堆積物起源の結晶片岩類」という簡単な説明がされています。
ウイキペディア・ドイツ語版(文献11)では割と詳しい説明があり、「ヨーロッパアルプス」のうち、「ペニン系」地質グループ分布域にあって、泥質、砂質及び石灰質の堆積物を原岩とし、変成作用によって、結晶片岩類になったもの、と説明されています。
また語源は、スイス南東部の「グラウビュンデン州」(Graubünden)に典型的に分布していたから、とのことです。 (なお、"schiefer"(独)は、英語の”schist"に対応し、結晶片岩を意味します)
具体的な岩石としては、「雲母片岩」(Glimmer-schiefer(独))や、「石灰質な雲母片岩」(Kalk-glimmer-schiefer(独))など様々で、変成度の低いものは、「頁岩」類(shales)に分類される、との説明もあります。
(文献11)では、(Bündner-schiefer(独))という用語は、「ヨーロッパアルプス」に関する文献のうち、主にドイツ語圏の文献で使われ、フランス語圏での、(Schistes lustrés(仏))(※ 「光沢のある結晶片岩」の意味)というものと同じもの、との説明もあります。
注8) ”Ma” は、百万年前を意味する単位です
この連載回での山々の標高は、オーストリアの地質図(文献2)のうち、地形図レイヤーに記載の値を採用しています。
文献、地図によっては、数m 違う値が書かれていることがあります。
注2) 「フェンスター」について
「フェンスター」(Fenster)とは、ドイツ語で「窓」を意味する単語で、英語の「ウインドウ」(window)とおなじ意味です。
地質学における「フェンスター」や「ウインドウ」(あるいは「テクトニックウインドウ」(Tectonic window))とは、構造的上位にある地質体が浸食などによって失われて、構造的下位の地質体が地表に現れているゾーンを指す用語として使用されます。
なお日本語訳としては、「地窓」(じまど)と訳されます。(文献17)
注3) 「ナップパイル」、「ナップスタック」について
「ナップパイル構造」(nappe pile (structure))と、類似した「ナップスタック構造」(nappe stack (structure))という用語は、(文献1)やその他のヨーロッパアルプス関連の文献に良く出てくるものですが、お互いの違いなど、明確に定義されてはいないようです。
この連載では、便宜上、「ナップ」(地塊)どうしが折り重なった構造を、「ナップスタック構造」(nappe stack (structure) )と呼ぶこととし、「ナップ」群などいろいろな地質体の集まりとしての「地質グループ」(nappe system/ domain)どうしが、さらに重なり合った、より上位の構造を、「ナップパイル構造」(nappe pile (structure))と呼ぶこととします。
これは、単に説明に混乱をきたさないよう、この連載で独自に定義するもので、オーソライズされている用法ではありません。
注4) 「東部アルプス」の重層構造について
ここでいう「東部アルプス・主部」の重層構造についてですが、(文献1)では、本文に書いたような構成が推定されています。一方、(文献3)では、第2層としての「ヘルベチカ系」は「タウエルン・フェンスター」に存在しているとは言及されてなく、代わりに「サブ・ペニン系」(Sub-Penninic)という地質グループが第2層に位置している、という論旨で説明されています。
(文献3)における「サブ・ペニン系」や、(文献1)における「ヘルベチカ系」の位置付けについては、「補足説明」の項で説明します。
注5) 「デユ―プレックス」構造について、
(文献17)によると、「デユ―プレックス」(duplex)(構造)とは、地塊(ナップ)どうしが、この連載でいう、「ナップスタック構造」(nappe stack)を取って重なり合っており、さらにその上部側(「ルーフ」(roof)という)と、下部側(「フロア」(flore)という)とが、スラスト断層によって挟まれたような構造を意味します。
注6) 「プラシナイト」について
「プラシナイト」(prasinite)という名前の岩石は、「ヨーロッパアルプス」の地質学の文献ではしばしばでてきますが、岩石図鑑(文献16)には載っておらず、地学事典(文献17)でも「変成岩の一種」というざっとした説明です。
(文献18)では詳しく解説されており、「プラシナイト」とは、玄武岩質の緑色の変成岩類を指す、主にヨーロッパで使われているやや古い用語で、一般的な岩石の区分では、「変成・玄武岩類」(meta-basalts)、「緑色片岩」(green-schist)、あるいはざっくりと「緑色岩類」(green stones)と呼ばれるものに対応するようです。
(文献18)によると、「プラシナイト」という名前は、「ギリシャ語の ” prásinos”(緑色のネギ、の意)に由来し、岩石の緑色を暗示しています」、と解説されています。
注7) 「ビュンドナーシーファー」型変成岩について
「ビュンドナーシーファー」(Bündner-schiefer(独))という用語は、ヨーロッパアルプスの地質学では良く出てくる用語で、古くから使われているようですが、あまり明確な定義はないようです。
地学事典(文献17)では、「ヨーロッパアルプスにおける、堆積物起源の結晶片岩類」という簡単な説明がされています。
ウイキペディア・ドイツ語版(文献11)では割と詳しい説明があり、「ヨーロッパアルプス」のうち、「ペニン系」地質グループ分布域にあって、泥質、砂質及び石灰質の堆積物を原岩とし、変成作用によって、結晶片岩類になったもの、と説明されています。
また語源は、スイス南東部の「グラウビュンデン州」(Graubünden)に典型的に分布していたから、とのことです。 (なお、"schiefer"(独)は、英語の”schist"に対応し、結晶片岩を意味します)
具体的な岩石としては、「雲母片岩」(Glimmer-schiefer(独))や、「石灰質な雲母片岩」(Kalk-glimmer-schiefer(独))など様々で、変成度の低いものは、「頁岩」類(shales)に分類される、との説明もあります。
(文献11)では、(Bündner-schiefer(独))という用語は、「ヨーロッパアルプス」に関する文献のうち、主にドイツ語圏の文献で使われ、フランス語圏での、(Schistes lustrés(仏))(※ 「光沢のある結晶片岩」の意味)というものと同じもの、との説明もあります。
注8) ”Ma” は、百万年前を意味する単位です
【参考文献】
(文献1) O. A. Pfiffner 著 “Geology of the Alps”,
2nd edition ,Wiley Blackball社 刊, (2014);
(原著はドイツ語版で、2010年にドイツの出版社 刊)
(文献1−1) (文献1)のうち、第1−4章「アルプスの(テクトニックな)構造」
(the Alps in their Plate Tectonic Flamework;Structure of the Alps)の項、
及び、 Fig. 1-10 " Simplified tectonic map of the Alps and their foreland"
(文献1−2) (文献1)のうち、第2―2章「「外側地塊」における基盤岩類」
(the pre-Triassic basements of the External massifs)の項
及び、 Fig.2-8 “Geological map of the Tauern massif”
(文献1−3) (文献1)のうち、第5−3章「東部アルプスのテクトニック構造」
(Tectonic structure of the Alps; the Eastern Alps)の項、及び 、
Fig. 5-3-2 "Geological cross-section through the Eastern Alps"
Fig.5-3-5 "Geological cross-section through the western Tauern window"
(文献2) オーストリアのオンライン地質図
https://maps.geosphere.at/en?basemap=default&scale
※ オーストリアの、地質、天気、気象などに関する公的機関、“GeoSphere Austria”
が作成、運営している、オンライン地質図のサイト
※ リンク先の最初の画面の左手にあるメニューより、ひし形(レイヤー)の
アイコンを選び、でてくる “Layers” のメニューより
> Available layers > Geology > Geology 1:500000 を選ぶと
1/500000 図幅のオンライン地質図がでてくる。
※ 使い方は、スイスのオンライン地質図に似ており、マウスで右クリックすると
その場所の地質説明がでてくる。ただし地質説明はドイツ語。
※ Layers メニューより、> Geologic maps 1:50000, 1:25000 を選ぶと、
より詳しい、1/50000 図幅の地質図を見ることもできる。
ただしこのレイヤーではポップアップでの地質説明はでてこない。
※ ベースマップ(basemap)がバックグラウンドとして重ね合わせされている。
ベースマップをはっきり見るためには、メニューの「Geology 1:500000」
の詳細設定(“・・・” マーク)を開き、でてくる(Opacity(%))の
スライドバーにて、重ね合わせ濃度調整を行う。
※ ベースマップは、一般地図、地形図など数種類あるが、”default”よりも、
“BEV”や ”OSM”が、情報量が多くて解りやすい。
※ 利用したバージョンは、「更新日: 2024年5月24日」のもの
(文献3) S. M. Schmid、 A. Scharf、M. R. Handy、C. L. Rosenberg 著
“ The Tauern Window (Eastern Alps, Austria):
a new tectonic map, with cross-sections and
a tectonometamorphic synthesis “
Swiss J. Geoscience 誌、vol.106,p1- 32 、 (2013)
https://www.researchgate.net/publication/235732446_The_Tauern_Window_Eastern_Alps_Austria_A_new_tectonic_map_with_cross-sections_and_a_tectonometamorphic_synthesis
DOIアドレス;http://doi.org/10.1007/s00015-013-0123
※ 上記アドレスより、無料でPDFファイルがダウンロードできる。
※ 「タウエルン・フェンスター」の地質構成の説明、新しい解釈、地史に関する論文
(文献4) 「ホーエ・タウエルン国立自然公園」に関するサイトのうち「地質」の項
https://hohetauern.at/en/nature/geology.html
(文献5) ウイキペディア英語版の、(Geology of the Alps)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Geology_of_the_Alps
(2026年1月 閲覧)
(文献6) ウイキペディア英語版の、(Tauern window)の項
https://en.wikipeにdia.org/wiki/Hohe_Tauern_window
(2026年1月 閲覧)
(文献7) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Tauern fenster)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Tauernfenster
(2026年1月 閲覧)
(文献8) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Hohe Tauern)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Hohe_Tauern
(2026年1月 閲覧)
(文献9) ウイキペディア英語版の、(Grossglockner)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Grossglockner
(2026年1月 閲覧)
(文献10) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Großglockner)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Gro%C3%9Fglockner
(2026年1月 閲覧)
(文献11) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Bündnerschiefer)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/B%C3%BCndnerschiefer
(2026年1月 閲覧)
(文献12) 岩田、小あぜ、小野 編
「世界の山やま;ヨーロッパ、アメリカ、両極編」
雑誌;「地理」増刊号、 vol.40 (通巻478号) 古今書店刊 (1995)
のうち、「ホーエ・タウエルン」の項
(文献13) 近藤 等 著 「ヨーロッパアルプス」 ブルーガイド海外版
実業之日本社 刊 (1988)
(文献14) 金原 富士子 著
「ヨーロッパアルプス;登山、ハイキング」改訂2版、 本の泉社 刊 (2013)
(文献15) 榎並 著
「現代地球科学入門シリーズ」;第16巻 「岩石学」
共立出版 刊 (2013)
のうち、第8章〜第13章の「変成作用」、「変成岩」に関する項
(文献16) 西本 著「観察を楽しむ、特徴がわかる 岩石図鑑」 ナツメ社刊 (2020)
のうち、「片麻岩」、「角閃岩」、「ミグマタイト」、「緑色片岩」、
「千枚岩」 などの各項
(文献17) 地質団体研究会 編 「新版 地学事典」 平凡社 刊(1996)のうち、
「フェンスター」、「デユ―プレックス」、「プラシナイト」、
「メランジ」、「ビュンドナーシーファー」などの各項
(文献18) Alex Strenkeisen 博士のホームページ
https://www.alexstrekeisen.it/english/index.php
(2026年1月 閲覧)
※ 通称(Alex Strenkeisen)博士、(本名;Alessandro Da Mommio)博士は、
イタリアの地質学者で、このサイトは、博士による、
色々な岩石、鉱物の解説がされているサイト(英語版)。
岩石、鉱物図鑑として優れ、ヨーロッパ独自の岩石名、鉱物名について
知るのにも便利。
2nd edition ,Wiley Blackball社 刊, (2014);
(原著はドイツ語版で、2010年にドイツの出版社 刊)
(文献1−1) (文献1)のうち、第1−4章「アルプスの(テクトニックな)構造」
(the Alps in their Plate Tectonic Flamework;Structure of the Alps)の項、
及び、 Fig. 1-10 " Simplified tectonic map of the Alps and their foreland"
(文献1−2) (文献1)のうち、第2―2章「「外側地塊」における基盤岩類」
(the pre-Triassic basements of the External massifs)の項
及び、 Fig.2-8 “Geological map of the Tauern massif”
(文献1−3) (文献1)のうち、第5−3章「東部アルプスのテクトニック構造」
(Tectonic structure of the Alps; the Eastern Alps)の項、及び 、
Fig. 5-3-2 "Geological cross-section through the Eastern Alps"
Fig.5-3-5 "Geological cross-section through the western Tauern window"
(文献2) オーストリアのオンライン地質図
https://maps.geosphere.at/en?basemap=default&scale
※ オーストリアの、地質、天気、気象などに関する公的機関、“GeoSphere Austria”
が作成、運営している、オンライン地質図のサイト
※ リンク先の最初の画面の左手にあるメニューより、ひし形(レイヤー)の
アイコンを選び、でてくる “Layers” のメニューより
> Available layers > Geology > Geology 1:500000 を選ぶと
1/500000 図幅のオンライン地質図がでてくる。
※ 使い方は、スイスのオンライン地質図に似ており、マウスで右クリックすると
その場所の地質説明がでてくる。ただし地質説明はドイツ語。
※ Layers メニューより、> Geologic maps 1:50000, 1:25000 を選ぶと、
より詳しい、1/50000 図幅の地質図を見ることもできる。
ただしこのレイヤーではポップアップでの地質説明はでてこない。
※ ベースマップ(basemap)がバックグラウンドとして重ね合わせされている。
ベースマップをはっきり見るためには、メニューの「Geology 1:500000」
の詳細設定(“・・・” マーク)を開き、でてくる(Opacity(%))の
スライドバーにて、重ね合わせ濃度調整を行う。
※ ベースマップは、一般地図、地形図など数種類あるが、”default”よりも、
“BEV”や ”OSM”が、情報量が多くて解りやすい。
※ 利用したバージョンは、「更新日: 2024年5月24日」のもの
(文献3) S. M. Schmid、 A. Scharf、M. R. Handy、C. L. Rosenberg 著
“ The Tauern Window (Eastern Alps, Austria):
a new tectonic map, with cross-sections and
a tectonometamorphic synthesis “
Swiss J. Geoscience 誌、vol.106,p1- 32 、 (2013)
https://www.researchgate.net/publication/235732446_The_Tauern_Window_Eastern_Alps_Austria_A_new_tectonic_map_with_cross-sections_and_a_tectonometamorphic_synthesis
DOIアドレス;http://doi.org/10.1007/s00015-013-0123
※ 上記アドレスより、無料でPDFファイルがダウンロードできる。
※ 「タウエルン・フェンスター」の地質構成の説明、新しい解釈、地史に関する論文
(文献4) 「ホーエ・タウエルン国立自然公園」に関するサイトのうち「地質」の項
https://hohetauern.at/en/nature/geology.html
(文献5) ウイキペディア英語版の、(Geology of the Alps)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Geology_of_the_Alps
(2026年1月 閲覧)
(文献6) ウイキペディア英語版の、(Tauern window)の項
https://en.wikipeにdia.org/wiki/Hohe_Tauern_window
(2026年1月 閲覧)
(文献7) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Tauern fenster)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Tauernfenster
(2026年1月 閲覧)
(文献8) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Hohe Tauern)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Hohe_Tauern
(2026年1月 閲覧)
(文献9) ウイキペディア英語版の、(Grossglockner)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Grossglockner
(2026年1月 閲覧)
(文献10) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Großglockner)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Gro%C3%9Fglockner
(2026年1月 閲覧)
(文献11) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Bündnerschiefer)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/B%C3%BCndnerschiefer
(2026年1月 閲覧)
(文献12) 岩田、小あぜ、小野 編
「世界の山やま;ヨーロッパ、アメリカ、両極編」
雑誌;「地理」増刊号、 vol.40 (通巻478号) 古今書店刊 (1995)
のうち、「ホーエ・タウエルン」の項
(文献13) 近藤 等 著 「ヨーロッパアルプス」 ブルーガイド海外版
実業之日本社 刊 (1988)
(文献14) 金原 富士子 著
「ヨーロッパアルプス;登山、ハイキング」改訂2版、 本の泉社 刊 (2013)
(文献15) 榎並 著
「現代地球科学入門シリーズ」;第16巻 「岩石学」
共立出版 刊 (2013)
のうち、第8章〜第13章の「変成作用」、「変成岩」に関する項
(文献16) 西本 著「観察を楽しむ、特徴がわかる 岩石図鑑」 ナツメ社刊 (2020)
のうち、「片麻岩」、「角閃岩」、「ミグマタイト」、「緑色片岩」、
「千枚岩」 などの各項
(文献17) 地質団体研究会 編 「新版 地学事典」 平凡社 刊(1996)のうち、
「フェンスター」、「デユ―プレックス」、「プラシナイト」、
「メランジ」、「ビュンドナーシーファー」などの各項
(文献18) Alex Strenkeisen 博士のホームページ
https://www.alexstrekeisen.it/english/index.php
(2026年1月 閲覧)
※ 通称(Alex Strenkeisen)博士、(本名;Alessandro Da Mommio)博士は、
イタリアの地質学者で、このサイトは、博士による、
色々な岩石、鉱物の解説がされているサイト(英語版)。
岩石、鉱物図鑑として優れ、ヨーロッパ独自の岩石名、鉱物名について
知るのにも便利。
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・2026年1月28日 初版リリース
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