(はじめに)
この5−5章では、「東部アルプス」のうち、比較的有名な、あるいは地質学的に興味深い山群、山地の地質について、複数回に分けて説明しています。
ここまで、「ベルニナ山群」、「ホーエ・タウエルン山群」の地質、および「タウエルン・フェンスター」と呼ばれる地質構造について説明しました。
それに続き、この5−5章(その3)では、「東部アルプス」の北部、国でいうとオーストリア北部からドイツ南西部にまたがっている「北部石灰岩アルプス」(North Calcareous alps)(文献11)、(文献12)と、「東部アルプス」の南部、国でいうとイタリア北東部にある「ドロミティ」山地(Dolomites)(文献13)の地質について説明します。
「東部アルプス」の広域的な地図、添付の(図1)で、それぞれの山地の位置を示していますので、ご参照ください。
「北部石灰岩アルプス」は、「オーストロアルパイン系」地質グループ(Austro-alpine nappe system)に属し、「ドロミティ」山地は、「サウスアルパイン系」地質グループ(South-alpine nappe complex)に属しますが、どちらの山地も、大部分が中生代の「石灰岩類」からなる、という点で、地質的には類似している山地です。
ここまで、「ベルニナ山群」、「ホーエ・タウエルン山群」の地質、および「タウエルン・フェンスター」と呼ばれる地質構造について説明しました。
それに続き、この5−5章(その3)では、「東部アルプス」の北部、国でいうとオーストリア北部からドイツ南西部にまたがっている「北部石灰岩アルプス」(North Calcareous alps)(文献11)、(文献12)と、「東部アルプス」の南部、国でいうとイタリア北東部にある「ドロミティ」山地(Dolomites)(文献13)の地質について説明します。
「東部アルプス」の広域的な地図、添付の(図1)で、それぞれの山地の位置を示していますので、ご参照ください。
「北部石灰岩アルプス」は、「オーストロアルパイン系」地質グループ(Austro-alpine nappe system)に属し、「ドロミティ」山地は、「サウスアルパイン系」地質グループ(South-alpine nappe complex)に属しますが、どちらの山地も、大部分が中生代の「石灰岩類」からなる、という点で、地質的には類似している山地です。
5−5章−(5)節 「北部石灰岩アルプス」の地質
第(5)節―(a)項 「北部石灰岩アルプス」の概要
この第(5)節では、「東部アルプス」のうちその北部に東西に延びる、「北部石灰岩アルプス」(Northern Calcareous Alps、Northern Limestone Alps(英)/ Nördliche Kalkalpen(独)) (文献11)、(文献12)とよばれる山地の地質について、説明します。
この山地の西部には、ドイツの最高峰、「ツーク・シュピッツェ」(Zug spizte;2962m)(文献14)、(写真1)があります。また最高峰は、(文献11)によると、「パルセイアー・シュピッチェ」(Parseier spitze;3,036m)という山です。注1)
まず、この山地の地形などについて述べます。グーグルマップなどを見ると、ドイツのバイエルン州とオーストリア北西部の国境線沿いに東西に山々が点在しており、その東側はオーストリア東部まで、400〜500kmの長さがあります。
ただし明確な山脈状の連なりではなく、標高も約1500m〜2800m程度の山が多く、「アルプス」と名乗っている割には、標高は低めです。
(文献11)、(文献12)によると、そもそもこの「北部石灰岩アルプス」という名称は、地形的な意味での山地、山脈ではなく、地質学的な意味あいで使われる名称、とのことです。
それは、添付の地質図(図2)を見ると明らかです。
まるで「オーストリア」の背骨のように、東西に400〜500kmほどの長さで伸びた、水色に色分けされた、「石灰岩類」からなる地帯があり、これが「北部石灰岩アルプス」に相当するゾーンです。
この山地の西部には、ドイツの最高峰、「ツーク・シュピッツェ」(Zug spizte;2962m)(文献14)、(写真1)があります。また最高峰は、(文献11)によると、「パルセイアー・シュピッチェ」(Parseier spitze;3,036m)という山です。注1)
まず、この山地の地形などについて述べます。グーグルマップなどを見ると、ドイツのバイエルン州とオーストリア北西部の国境線沿いに東西に山々が点在しており、その東側はオーストリア東部まで、400〜500kmの長さがあります。
ただし明確な山脈状の連なりではなく、標高も約1500m〜2800m程度の山が多く、「アルプス」と名乗っている割には、標高は低めです。
(文献11)、(文献12)によると、そもそもこの「北部石灰岩アルプス」という名称は、地形的な意味での山地、山脈ではなく、地質学的な意味あいで使われる名称、とのことです。
それは、添付の地質図(図2)を見ると明らかです。
まるで「オーストリア」の背骨のように、東西に400〜500kmほどの長さで伸びた、水色に色分けされた、「石灰岩類」からなる地帯があり、これが「北部石灰岩アルプス」に相当するゾーンです。
第(5)節―(b)項 「北部石灰岩アルプス」の地質構成、地質構造
この「北部石灰岩アルプス」は、前の連載回でも説明したように、いくつかの「地質グループ」が重層構造(この連載でいう「ナップパイル構造」)を取っていると、推定されています。
(文献1−3)から引用した、添付の(図3)に示すように、下から順に、「基盤岩類」(第1層)、「ヘルベチカ系」(第2層)、「ペニン系」(第3層)と重なり、地表に現れている最上位(第4層)が、「オーストロアルパイン系」地質グループに属する地質体です。
なお、この断面図の測線は、添付の地質図(図2)にて、青い直線で示している、「北部石灰岩アルプス」のうち中央部を通る南北方向のラインです。
〜〜〜〜〜
この重層構造を取っている「北部石灰岩アルプス」の最上部は、山地の名前が示す通り、ほとんどが「石灰岩類」で構成されています。(文献12)によると、狭義の「石灰岩」(lime stone)と、「ドロマイト」(dolomite)注2)からなっています。
これらの「石灰岩類」は、全て「オーストロアルパイン系」地質グループに属し、「中生代」のうち主に「トリアス紀」〜「ジュラ紀」に、浅海環境にてサンゴ礁などリーフ性の生物群集を由来として、堆積したものです(文献1−2)、(文献5)、(文献12)。
(文献5)から引用した、「北部石灰岩アルプス」東部における、模式的な地質層序図(図4)もご参照ください。
添付の(図5)で、黄色の線で囲ったゾーンが「石灰岩類」からなる部分ですが、原図をよく見ると、石灰岩類の地層のうち「トリアス紀」、の部分に、「ハウプト・ドロミティ層」(Haupt Dolomit Fm.)という地層があります。
この地層はその名の通り、「東部アルプス」の南部、「ドロミティ」山地に多く分布している、「トリアス紀」後期に堆積した地層です。
これから考えると、現在は「オーストロアルパイン系」地質グループに属している「北部石灰岩アルプス」と、現在は「サウスアルパイン系」地質グループに属している「ドロミティ山地」とが(文献1−1)、「トリアス紀」(約2.5〜2.0億年前)においては、場所的にも近く、気候環境的にも、サンゴ礁などが繫栄するリーフ性の同じような環境にあったことを示唆しています。
その後、両者は地史的にも異なる道をたどって現在の位置に定置しているわけですが、かつては、お隣さんどうしだった、という点は興味深いと思います(この段落は私見を含みます)。
〜〜〜〜〜
次に、「北部石灰岩アルプス」の断面構造を見て見ます。
添付の(図2)のような平面地質図では、地質的にはのっぺりと単純にみえる、この山地ですが、(文献5)による地質断面図でみると、添付の(図4)のように、スラスト断層(青い線)によって分断されたナップ群が、北上がりで(N-vergent)、将棋倒しのように折り重なった、いわゆる「ナップスタック構造」(nappe stacking)、あるいは「インブリケート構造」(imbricated structure)と呼ばれる、複雑な構造をしています。
なお、この(図4)の断面図の側線は、(図3)とは少し違い、(図2)で、赤い線で示している、「北部石灰岩アルプス」の東部です。また表示されている深さも異なり、(図4)は、表層から約5kmの深さまでの断面図です(なお(図3)は、表層から約20kmの深さまでの断面図)。
(文献5)によると、このような「ナップスタック構造」が形成されたのは、「新生代」の「アルプス造山運動」の時代ではなく、地質体が形成された時代からあまり離れていない、「ジュラ紀」後期〜「白亜紀」前期の時代と推定しています。
この時代に、何らかのテクトニックなイベントが起こったと思われ、(文献5)では色々と考察されていますが、詳細は解っていないようです。
〜〜〜〜〜
また、地質断面図(図4)で示される、「北部石灰岩アルプス」のうち「石灰岩類」(carbonates)からなる最上層部は、それより下位の層である、「ペルム紀」〜「トリアス紀」前期の「蒸発岩類」(evaporates) 注3) と呼ばれる、力学的に弱い地層を滑り面として、まるでシートの上に載せた荷物を、シートごと移動させるように、全体が北へと70km以上は移動した、と推定されています(文献5)。
なお、ここでいう「蒸発岩類」とは、地質断面図(図4)では、最下部のオレンジ色で示されている薄いシートの地質体です。また、このような地中の滑り面を、地質学的には、「デタッチメント断層」(detachment fault)、あるいは「デコルマン」(décollement)と呼びます(文献25)。
現在の地図で、「北部石灰岩アルプス」から南へ約70kmの位置を調べると、「東部アルプス」中軸部の「ホーエ・タウエルン山群」あたり、あるいはその少し南側にあたりであり、無視できない移動量です。
そのイベントが起きた時代は、(文献5)では、「アルプス造山運動」に関連したもの、としており、具体的には、「古第三紀」の「始新世」(Eocene;約56〜34Ma)の頃と推定しています。
いずれにしても、前記の「ナップスタック構造」が形成された時代とはかなり離れています。
このナップ群全体の移動のメカニズムは、(文献5)には記載がありません。
「東部アルプス」では、「アルプス造山運動」の際、「タウエルン・フェンスター」を含む、中軸部が最も大きい隆起をしたと推定されていますので(文献1−3)、その隆起によって、このナップ群は、北側へと滑り落ちるように、移動したのかも知れません(この段落は私見です)。
また、場所は別ですが、「ヒマラヤ山脈」でも同じように、「テチス堆積物」と呼ばれる地質体が、「ヒマラヤ造山運動」に伴う中軸部の隆起によって、北のチベット高原側へと滑り落ちた、と推定されており(文献23)、それに類似した現象なのかもしれません。(この段落は私見を含みます)
〜〜〜〜〜
ところで「北部石灰岩アルプス」の主体は上記のように、中生代の「石灰岩類」からなりますが、それ以外に興味深い地質体が分布しています。
具体的には、上記の「石灰岩類」の構造的上位に、「ゴーサウ層群」(”Gosau group”)と呼ばれる、「白亜紀」後期の、陸生の堆積物層(礫や砂)が所々に残存しています。
「ゴーサウ層群」の分布域は、(文献5)から引用した、添付の地質図(図6)をご参照ください。最上層に位置しているため、浸食によってかなりの部分は浸食によって失われており、(図6)のように、パラパラと散在しています。
この「ゴーサウ層群」は、(文献1−3)などによると、「白亜紀造山運動」(the Cretaceous orogeny)、あるいは、「エオ・アルパイン造山運動」(the Eo-Alpine orogeny)と呼ばれる、「白亜紀」の造山運動に関連したもので、形成された山脈から浸食によって運ばれて山麓部に堆積した、破砕性堆積物と考えられています。
但し、この「白亜紀造山運動」は、「オーストロアルパイン系」地質グループ分布域にしか、その証拠がないことや、新生代の「アルプス造山運動」とは別のものと考えられるもので、どのようなメカニズムで造山運動が生じたのかははっきりせず、色々な仮説が提案されている、謎の多い造山運動です。
〜〜〜〜〜
登山、観光の対象として見ると、この「北部石灰岩アルプス」は、「ヨーロッパアルプス」の中では地味すぎる山地ですが、地質学的な視点から見ると、上記のように色々と興味深い点を含んでいる山地といえます。
(文献1−3)から引用した、添付の(図3)に示すように、下から順に、「基盤岩類」(第1層)、「ヘルベチカ系」(第2層)、「ペニン系」(第3層)と重なり、地表に現れている最上位(第4層)が、「オーストロアルパイン系」地質グループに属する地質体です。
なお、この断面図の測線は、添付の地質図(図2)にて、青い直線で示している、「北部石灰岩アルプス」のうち中央部を通る南北方向のラインです。
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この重層構造を取っている「北部石灰岩アルプス」の最上部は、山地の名前が示す通り、ほとんどが「石灰岩類」で構成されています。(文献12)によると、狭義の「石灰岩」(lime stone)と、「ドロマイト」(dolomite)注2)からなっています。
これらの「石灰岩類」は、全て「オーストロアルパイン系」地質グループに属し、「中生代」のうち主に「トリアス紀」〜「ジュラ紀」に、浅海環境にてサンゴ礁などリーフ性の生物群集を由来として、堆積したものです(文献1−2)、(文献5)、(文献12)。
(文献5)から引用した、「北部石灰岩アルプス」東部における、模式的な地質層序図(図4)もご参照ください。
添付の(図5)で、黄色の線で囲ったゾーンが「石灰岩類」からなる部分ですが、原図をよく見ると、石灰岩類の地層のうち「トリアス紀」、の部分に、「ハウプト・ドロミティ層」(Haupt Dolomit Fm.)という地層があります。
この地層はその名の通り、「東部アルプス」の南部、「ドロミティ」山地に多く分布している、「トリアス紀」後期に堆積した地層です。
これから考えると、現在は「オーストロアルパイン系」地質グループに属している「北部石灰岩アルプス」と、現在は「サウスアルパイン系」地質グループに属している「ドロミティ山地」とが(文献1−1)、「トリアス紀」(約2.5〜2.0億年前)においては、場所的にも近く、気候環境的にも、サンゴ礁などが繫栄するリーフ性の同じような環境にあったことを示唆しています。
その後、両者は地史的にも異なる道をたどって現在の位置に定置しているわけですが、かつては、お隣さんどうしだった、という点は興味深いと思います(この段落は私見を含みます)。
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次に、「北部石灰岩アルプス」の断面構造を見て見ます。
添付の(図2)のような平面地質図では、地質的にはのっぺりと単純にみえる、この山地ですが、(文献5)による地質断面図でみると、添付の(図4)のように、スラスト断層(青い線)によって分断されたナップ群が、北上がりで(N-vergent)、将棋倒しのように折り重なった、いわゆる「ナップスタック構造」(nappe stacking)、あるいは「インブリケート構造」(imbricated structure)と呼ばれる、複雑な構造をしています。
なお、この(図4)の断面図の側線は、(図3)とは少し違い、(図2)で、赤い線で示している、「北部石灰岩アルプス」の東部です。また表示されている深さも異なり、(図4)は、表層から約5kmの深さまでの断面図です(なお(図3)は、表層から約20kmの深さまでの断面図)。
(文献5)によると、このような「ナップスタック構造」が形成されたのは、「新生代」の「アルプス造山運動」の時代ではなく、地質体が形成された時代からあまり離れていない、「ジュラ紀」後期〜「白亜紀」前期の時代と推定しています。
この時代に、何らかのテクトニックなイベントが起こったと思われ、(文献5)では色々と考察されていますが、詳細は解っていないようです。
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また、地質断面図(図4)で示される、「北部石灰岩アルプス」のうち「石灰岩類」(carbonates)からなる最上層部は、それより下位の層である、「ペルム紀」〜「トリアス紀」前期の「蒸発岩類」(evaporates) 注3) と呼ばれる、力学的に弱い地層を滑り面として、まるでシートの上に載せた荷物を、シートごと移動させるように、全体が北へと70km以上は移動した、と推定されています(文献5)。
なお、ここでいう「蒸発岩類」とは、地質断面図(図4)では、最下部のオレンジ色で示されている薄いシートの地質体です。また、このような地中の滑り面を、地質学的には、「デタッチメント断層」(detachment fault)、あるいは「デコルマン」(décollement)と呼びます(文献25)。
現在の地図で、「北部石灰岩アルプス」から南へ約70kmの位置を調べると、「東部アルプス」中軸部の「ホーエ・タウエルン山群」あたり、あるいはその少し南側にあたりであり、無視できない移動量です。
そのイベントが起きた時代は、(文献5)では、「アルプス造山運動」に関連したもの、としており、具体的には、「古第三紀」の「始新世」(Eocene;約56〜34Ma)の頃と推定しています。
いずれにしても、前記の「ナップスタック構造」が形成された時代とはかなり離れています。
このナップ群全体の移動のメカニズムは、(文献5)には記載がありません。
「東部アルプス」では、「アルプス造山運動」の際、「タウエルン・フェンスター」を含む、中軸部が最も大きい隆起をしたと推定されていますので(文献1−3)、その隆起によって、このナップ群は、北側へと滑り落ちるように、移動したのかも知れません(この段落は私見です)。
また、場所は別ですが、「ヒマラヤ山脈」でも同じように、「テチス堆積物」と呼ばれる地質体が、「ヒマラヤ造山運動」に伴う中軸部の隆起によって、北のチベット高原側へと滑り落ちた、と推定されており(文献23)、それに類似した現象なのかもしれません。(この段落は私見を含みます)
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ところで「北部石灰岩アルプス」の主体は上記のように、中生代の「石灰岩類」からなりますが、それ以外に興味深い地質体が分布しています。
具体的には、上記の「石灰岩類」の構造的上位に、「ゴーサウ層群」(”Gosau group”)と呼ばれる、「白亜紀」後期の、陸生の堆積物層(礫や砂)が所々に残存しています。
「ゴーサウ層群」の分布域は、(文献5)から引用した、添付の地質図(図6)をご参照ください。最上層に位置しているため、浸食によってかなりの部分は浸食によって失われており、(図6)のように、パラパラと散在しています。
この「ゴーサウ層群」は、(文献1−3)などによると、「白亜紀造山運動」(the Cretaceous orogeny)、あるいは、「エオ・アルパイン造山運動」(the Eo-Alpine orogeny)と呼ばれる、「白亜紀」の造山運動に関連したもので、形成された山脈から浸食によって運ばれて山麓部に堆積した、破砕性堆積物と考えられています。
但し、この「白亜紀造山運動」は、「オーストロアルパイン系」地質グループ分布域にしか、その証拠がないことや、新生代の「アルプス造山運動」とは別のものと考えられるもので、どのようなメカニズムで造山運動が生じたのかははっきりせず、色々な仮説が提案されている、謎の多い造山運動です。
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登山、観光の対象として見ると、この「北部石灰岩アルプス」は、「ヨーロッパアルプス」の中では地味すぎる山地ですが、地質学的な視点から見ると、上記のように色々と興味深い点を含んでいる山地といえます。
第(5)節―(c)項 「北部石灰岩アルプス」の山々について
さて地質学的な話はこれくらいにして、この「北部石灰岩アルプス」の山について説明します。
この山地には4000m級の高峰もなく、有名な山も少ないのですが、その代表として、ドイツ最高峰、「ツーク・シュピッツェ」(Zug spizte;2962m)(文献14)について紹介します。
この山は、標高は3000mには届かないものの、丘陵地帯から急にそびえ立っており、添付の(写真1)のように、意外と険しい山容をしています。
また「ドイツ最高峰」という肩書があるため、観光地としても人気があるようで、登山道もありますが、ドイツ側、オーストリア側の双方にケーブルカーがあり、ケーブルカーで労せずに頂上付近まで行ける山だそうです(文献14)、(文献22)。
「石灰岩類」からなる山は、次の節で述べる「ドロミティ」山地の山々もそうですが、岩峰状になっている山が多いようです。
浸食のされ方、風化に対する耐性などが、通常の岩石とは異なる為ではないかと思われます(この段落は私見です)。
この山地には4000m級の高峰もなく、有名な山も少ないのですが、その代表として、ドイツ最高峰、「ツーク・シュピッツェ」(Zug spizte;2962m)(文献14)について紹介します。
この山は、標高は3000mには届かないものの、丘陵地帯から急にそびえ立っており、添付の(写真1)のように、意外と険しい山容をしています。
また「ドイツ最高峰」という肩書があるため、観光地としても人気があるようで、登山道もありますが、ドイツ側、オーストリア側の双方にケーブルカーがあり、ケーブルカーで労せずに頂上付近まで行ける山だそうです(文献14)、(文献22)。
「石灰岩類」からなる山は、次の節で述べる「ドロミティ」山地の山々もそうですが、岩峰状になっている山が多いようです。
浸食のされ方、風化に対する耐性などが、通常の岩石とは異なる為ではないかと思われます(この段落は私見です)。
5−5章―(6)節 「ドロミティ」山地の地質
第(6)節―(a) 項 「ドロミティ」山地の概要
「ドロミティ」山地(Dolomites(英)/Dolomiti(伊))(文献13)は、「東部アルプス」のうち、この章での地質学的な区分では、「東部アルプス・南部」に位置し、「東部アルプス・主部」とを分ける地質境界である、「ペリ・アドリアティック断層系」(Peri-Adriatic fault system)より南側に位置する山地あるいは「地域」の名称です。
この地域の地形図である、添付の(図7)もご参照ください。
地質学的には「サウスアルパイン系」地質グループ(South-alpine nappe system)の分布域にあたります(文献1−1)、(文献1−3)。
地理的にはイタリアの北東部にあたり、標高こそ3000m前後の山々が多く、「ヨーロッパアルプス」の中では、中堅クラスの高さですが、「石灰岩類」からなる岩峰群が林立している特異な景観をもつ山地で、日本でも名前は良く知られていると思います。
これらの岩峰群は、クライミングの対象のほか、周辺部を歩くハイキングの対象としても良く知られています。また一部の岩峰には、「ヴィア・フェラータ」(Via Ferrata(伊))と呼ばれる、金属製のハシゴ、鎖などで安全を確保されたルートもあります(文献19)。
そういったことから、「ヨーロッパアルプス」を紹介した日本のハイキングガイドブックにも取り上げられています、(文献21)、(文献22)。
さて山地としての「ドロミティ」の最高峰は、「ドロミティの女王」という異名をもつ、「マルモラーダ」峰(Marmolada;3343m) 注1) です(文献15)。
それ以外にも、3000m前後の多くの岩峰がありますが、特に、3つの岩峰が並び立つ、「トレ・チーメ・ディ・ラヴァレド」(Tre Cime di Lavaredo;2999m)は、「ドロミティ」のシンボルとして有名です(文献16)。
この岩峰群は、「ドライ・チンネン」(Dri Tinnnen)というドイツ語読みの名前でも知られ、日本の北アルプスにある「チンネ」岩峰の名は、これが元だとも言われています。
それぞれの山は、添付の(写真2)、(写真3)もご参照ください。いずれもウイキペディア英語版から引用しました。
「ドロミティ」山地の中心は、リゾート地として知られる、「コルティナ・ダンヴェッオ」(Cortina d'Ampezzo)です。
ここは、スキーのワールドカップや、冬季オリンピック(1956年開催、2026年2月開催)なども行われる、イタリア屈指のウインターリゾート地で、「ドロミティ」の観光、ハイキングの拠点でもあります。
「ドロミティ」山地(地域)の範囲は、必ずしも明確ではありませんが、だいたいで言うと「マルモラーダ」や「コルティナ・ダンヴェッオ」を中心に、直径 約50kmの範囲に広がっています(添付の(図7))。
この地域は「山地」となってはいますが、地形図でみると、かなり開析が進んでいる感じで、この地域のあちこちに、2000〜3000m級の山が点在している感じの地勢です。添付の地図(図7)に、だいたいの範囲と主要な山などを示しましたので、ご参照ください。
なお、「ドロミティ」山地(地域)は、その独特の景観により、ユネスコ「世界自然遺産」に指定されています(文献13)。
なお、前の節でも説明しましたが、「ドロミティ」(Dolomiti)という名前の由来は、18世紀に、この地域の地質を研究した、フランスの地質、鉱物学者、ドロミュー博士(Déodat Gratet de Dolomieu)に由来する、とのことです。
また「ドロマイト」(dolomite)という岩石、鉱物の名前も、ドロミュー博士に由来します(文献13)。
この地域の地形図である、添付の(図7)もご参照ください。
地質学的には「サウスアルパイン系」地質グループ(South-alpine nappe system)の分布域にあたります(文献1−1)、(文献1−3)。
地理的にはイタリアの北東部にあたり、標高こそ3000m前後の山々が多く、「ヨーロッパアルプス」の中では、中堅クラスの高さですが、「石灰岩類」からなる岩峰群が林立している特異な景観をもつ山地で、日本でも名前は良く知られていると思います。
これらの岩峰群は、クライミングの対象のほか、周辺部を歩くハイキングの対象としても良く知られています。また一部の岩峰には、「ヴィア・フェラータ」(Via Ferrata(伊))と呼ばれる、金属製のハシゴ、鎖などで安全を確保されたルートもあります(文献19)。
そういったことから、「ヨーロッパアルプス」を紹介した日本のハイキングガイドブックにも取り上げられています、(文献21)、(文献22)。
さて山地としての「ドロミティ」の最高峰は、「ドロミティの女王」という異名をもつ、「マルモラーダ」峰(Marmolada;3343m) 注1) です(文献15)。
それ以外にも、3000m前後の多くの岩峰がありますが、特に、3つの岩峰が並び立つ、「トレ・チーメ・ディ・ラヴァレド」(Tre Cime di Lavaredo;2999m)は、「ドロミティ」のシンボルとして有名です(文献16)。
この岩峰群は、「ドライ・チンネン」(Dri Tinnnen)というドイツ語読みの名前でも知られ、日本の北アルプスにある「チンネ」岩峰の名は、これが元だとも言われています。
それぞれの山は、添付の(写真2)、(写真3)もご参照ください。いずれもウイキペディア英語版から引用しました。
「ドロミティ」山地の中心は、リゾート地として知られる、「コルティナ・ダンヴェッオ」(Cortina d'Ampezzo)です。
ここは、スキーのワールドカップや、冬季オリンピック(1956年開催、2026年2月開催)なども行われる、イタリア屈指のウインターリゾート地で、「ドロミティ」の観光、ハイキングの拠点でもあります。
「ドロミティ」山地(地域)の範囲は、必ずしも明確ではありませんが、だいたいで言うと「マルモラーダ」や「コルティナ・ダンヴェッオ」を中心に、直径 約50kmの範囲に広がっています(添付の(図7))。
この地域は「山地」となってはいますが、地形図でみると、かなり開析が進んでいる感じで、この地域のあちこちに、2000〜3000m級の山が点在している感じの地勢です。添付の地図(図7)に、だいたいの範囲と主要な山などを示しましたので、ご参照ください。
なお、「ドロミティ」山地(地域)は、その独特の景観により、ユネスコ「世界自然遺産」に指定されています(文献13)。
なお、前の節でも説明しましたが、「ドロミティ」(Dolomiti)という名前の由来は、18世紀に、この地域の地質を研究した、フランスの地質、鉱物学者、ドロミュー博士(Déodat Gratet de Dolomieu)に由来する、とのことです。
また「ドロマイト」(dolomite)という岩石、鉱物の名前も、ドロミュー博士に由来します(文献13)。
第(6)節―(b)項 「ドロミティ」山地の石灰岩類
この項では、「ドロミティ」山地(地域)の地質のうち、主体をなす「石灰岩類」について説明します。
添付の地質図(図8)もご参照ください。これは、(EGDI) 注4)のオンライン地質図(文献3)からの引用で、1/100万スケールのため、解像度がやや低めですが、大まかな地質は解ります。
また、スクリーンショットが上手く出来なかったので添付していませんが、イタリアのオンライン地質図(文献4)も参照しました。
まず、山地としての「ドロミティ」は、広域的な「ドロミティ」地域の中部から東部にかけてであり、添付の地質図(図8)では、水色のゾーンに対応します。ここには、▲印で示している「マルモラーダ」峰や、「トレ・チーメ・ディ・ラヴァレド」峰も含まれます。
この水色のゾーンは、「トリアス紀」の「石灰岩類」を示しています。
(文献6)によると、このゾーンの基底には、「石炭紀」の「ヴァリスカン造山運動」に関連した変成岩、具体的には千枚岩(phyllite)が、「基盤岩類」(basements rocks)として存在しています。
添付の地質図(図8)では、黄緑色のゾーンで表されており、周辺部では地表に露出しています。
(文献6)によると、「ペルム紀」になると、「基盤岩類」は地表で浸食を受けました。また地質図では表されていませんが、一部では、乾燥気候を示す、(Gardena Sandstone)と呼ばれる、赤色砂岩層が堆積しています。
(文献1−2)では、この砂岩層については触れられていませんが、乾燥気候を示唆する、「岩塩」(halite)などの「蒸発岩類」(evaporates) 注3) の堆積があると説明されています。
この「ペルム紀」(約3.0〜2.5億年前)は、全地球的にみると、「超大陸・パンゲア」(Super-continent Pangea) が成立していた時代であり、現在の「ドロミティ」地域も、「超大陸・パンゲア」の一部として、内陸的な乾燥気候であったと思われます。
続く「トリアス紀」(約2.5〜2.0億年前)になると、現在の「ドロミティ」地域には「超大陸・パンゲア」の東側にあった巨大な海洋域である、「テーチス海」(the Tethys Ocean;正確に言うと、(the Neo-Tethys Ocean)と呼ばれる海域)から西へと進出してきた海域が伸びてきて、ゆっくりと沈降する、浅海性の地域となりました(文献1−2)。
その浅海性の環境で、 サンゴなどのリーフ性(礁性)の生物が繁栄し、それが、「炭酸塩類」(carbonates)となり、「プラットフォーム」状に堆積しました(文献6)、(文献7)、(文献1−2)。
なお、ここでの「炭酸塩類」とは、この連載でいう「石灰岩類」とほぼ同義で、狭義の「石灰岩」のほか、「石灰岩」が化学的に変化した、「ドロマイト」も含む、地質学でよく出てくる用語です。 注2)。
以下では、馴染みの少ない「炭酸塩類」という用語の代わりに、「石灰岩類」と表記します。
(文献6)では、「トリアス紀」の各時代における「石灰岩類プラットフォーム」の成長や変化について詳しく説明されています。
あまりに細かすぎるので詳細は割愛しますが、全体的な傾向としては、ゆっくりとした沈降と、「石灰岩類」の堆積速度とが長期的には釣り合って、結果として「トリアス紀」の約5千万年間を通じて、数千mもの厚みをもつ、「石灰岩類プラットフォーム」が形成されたもの、と推定されています。
(文献1−2)によると、特に「トリアス紀」後期に堆積した石灰岩層は、「ハウプト・ドロミティ層」(the Haupt Dolomiti Formation (※))、あるいは「ドロミテ・プリンシパレ層」(Dolomia Principale(伊))と呼ばれ、「ドロミティ」地域を代表する石灰岩層です。
この堆積層は、前述の「北部石灰岩アルプス」にも堆積していて、この時代の「アルプス地域」(Alpine domain)では良く知られている地層です。
(※ 注; “haupt” は、英語の ”main” に対応するドイツ語)。
その後、「ジュラ紀」、「白亜紀」の、この「ドロミティ」地域の状況は、(文献6)にも書かれてないし、地質図(図8)でも、「ジュラ紀」、「白亜紀」の地質体は見当りません。
なお(文献1―2)には多少の説明があります。それによると、「ジュラ紀」の「ドロミティ」地域では、多少の「石灰岩類」の堆積があり、「白亜紀」になると、「石灰岩類」ではなく、泥質の堆積物がわずかに堆積しています。
「ジュラ紀」〜「白亜紀」における、「ドロミティ」地域を含む、「サウスアルパイン系」地質グループ分布域(South-alpine realm)は、西側から伸びてきた、リフティングによって新しく形成された「ピエモンテ海」(the Piemont ocean/the Piemonte-Liguria ocean)に面した、「アドリア大陸ブロック」のマージン部(Adriatic continental margin)にあたります(文献1−2)。
そこでは、テクトニックな伸張場となって沈降傾向が強まり、浅海性の環境から深海性の環境へと変化していった、と考えられています(文献1−2)。
添付の地質図(図8)もご参照ください。これは、(EGDI) 注4)のオンライン地質図(文献3)からの引用で、1/100万スケールのため、解像度がやや低めですが、大まかな地質は解ります。
また、スクリーンショットが上手く出来なかったので添付していませんが、イタリアのオンライン地質図(文献4)も参照しました。
まず、山地としての「ドロミティ」は、広域的な「ドロミティ」地域の中部から東部にかけてであり、添付の地質図(図8)では、水色のゾーンに対応します。ここには、▲印で示している「マルモラーダ」峰や、「トレ・チーメ・ディ・ラヴァレド」峰も含まれます。
この水色のゾーンは、「トリアス紀」の「石灰岩類」を示しています。
(文献6)によると、このゾーンの基底には、「石炭紀」の「ヴァリスカン造山運動」に関連した変成岩、具体的には千枚岩(phyllite)が、「基盤岩類」(basements rocks)として存在しています。
添付の地質図(図8)では、黄緑色のゾーンで表されており、周辺部では地表に露出しています。
(文献6)によると、「ペルム紀」になると、「基盤岩類」は地表で浸食を受けました。また地質図では表されていませんが、一部では、乾燥気候を示す、(Gardena Sandstone)と呼ばれる、赤色砂岩層が堆積しています。
(文献1−2)では、この砂岩層については触れられていませんが、乾燥気候を示唆する、「岩塩」(halite)などの「蒸発岩類」(evaporates) 注3) の堆積があると説明されています。
この「ペルム紀」(約3.0〜2.5億年前)は、全地球的にみると、「超大陸・パンゲア」(Super-continent Pangea) が成立していた時代であり、現在の「ドロミティ」地域も、「超大陸・パンゲア」の一部として、内陸的な乾燥気候であったと思われます。
続く「トリアス紀」(約2.5〜2.0億年前)になると、現在の「ドロミティ」地域には「超大陸・パンゲア」の東側にあった巨大な海洋域である、「テーチス海」(the Tethys Ocean;正確に言うと、(the Neo-Tethys Ocean)と呼ばれる海域)から西へと進出してきた海域が伸びてきて、ゆっくりと沈降する、浅海性の地域となりました(文献1−2)。
その浅海性の環境で、 サンゴなどのリーフ性(礁性)の生物が繁栄し、それが、「炭酸塩類」(carbonates)となり、「プラットフォーム」状に堆積しました(文献6)、(文献7)、(文献1−2)。
なお、ここでの「炭酸塩類」とは、この連載でいう「石灰岩類」とほぼ同義で、狭義の「石灰岩」のほか、「石灰岩」が化学的に変化した、「ドロマイト」も含む、地質学でよく出てくる用語です。 注2)。
以下では、馴染みの少ない「炭酸塩類」という用語の代わりに、「石灰岩類」と表記します。
(文献6)では、「トリアス紀」の各時代における「石灰岩類プラットフォーム」の成長や変化について詳しく説明されています。
あまりに細かすぎるので詳細は割愛しますが、全体的な傾向としては、ゆっくりとした沈降と、「石灰岩類」の堆積速度とが長期的には釣り合って、結果として「トリアス紀」の約5千万年間を通じて、数千mもの厚みをもつ、「石灰岩類プラットフォーム」が形成されたもの、と推定されています。
(文献1−2)によると、特に「トリアス紀」後期に堆積した石灰岩層は、「ハウプト・ドロミティ層」(the Haupt Dolomiti Formation (※))、あるいは「ドロミテ・プリンシパレ層」(Dolomia Principale(伊))と呼ばれ、「ドロミティ」地域を代表する石灰岩層です。
この堆積層は、前述の「北部石灰岩アルプス」にも堆積していて、この時代の「アルプス地域」(Alpine domain)では良く知られている地層です。
(※ 注; “haupt” は、英語の ”main” に対応するドイツ語)。
その後、「ジュラ紀」、「白亜紀」の、この「ドロミティ」地域の状況は、(文献6)にも書かれてないし、地質図(図8)でも、「ジュラ紀」、「白亜紀」の地質体は見当りません。
なお(文献1―2)には多少の説明があります。それによると、「ジュラ紀」の「ドロミティ」地域では、多少の「石灰岩類」の堆積があり、「白亜紀」になると、「石灰岩類」ではなく、泥質の堆積物がわずかに堆積しています。
「ジュラ紀」〜「白亜紀」における、「ドロミティ」地域を含む、「サウスアルパイン系」地質グループ分布域(South-alpine realm)は、西側から伸びてきた、リフティングによって新しく形成された「ピエモンテ海」(the Piemont ocean/the Piemonte-Liguria ocean)に面した、「アドリア大陸ブロック」のマージン部(Adriatic continental margin)にあたります(文献1−2)。
そこでは、テクトニックな伸張場となって沈降傾向が強まり、浅海性の環境から深海性の環境へと変化していった、と考えられています(文献1−2)。
第(6)節−(c)項 「ドロミティ」地域の火山活動と、火山岩
添付の地質図(図8)でもわかるように、「ドロミティ」地域のうち西部、「ボルツアーノ市」(Boltuano)から「トレント市」(Trento)付近には、水色で示される「石灰岩類」とは異なる地質体が分布しています。
地質図(図8)の凡例や、(文献4)、(文献6)によると、これらは「ペルム紀」、および「トリアス紀」の火山活動によって地表に噴出した、火山岩が残存しているものです。
〜〜〜〜
まず「ペルム紀」の火山活動ですが、(文献6)によると、かなり大規模な火山活動で、「安山岩」や「流紋岩」が大量に噴出しました。これらは現在でもなお、場所によっては、約2000m((文献17)では、約4000mとも、)もの層厚で堆積しているそうです。
なお(文献3)より引用した、添付の地質図(図8)では、「安山岩」質の火山岩が紫色で、「流紋岩」質の火山岩が薄紫色で示されています。同じ時代の深成岩体である花崗岩も地表に露出しており、地質図の左下の朱色部分がそれにあたります。
これらの火山噴火の年代は、(文献8)によると、噴出した「流紋岩」の放射年代測定で、約275〜280Maと推定されています。
なおウイキペディアでは、この火山活動に関した英語版、イタリア語版の項目がないのですが、唯一、ドイツ語版(文献17)には項目がありました。
(文献17)では、この「ペルム紀」の火山自体、及び火山噴出物のことを、「エッチ渓谷火山群」(Etschtaler Vulkanit-Gruppe(独))、あるいは「アディジェ渓谷火山群」と呼んでいて、かなり詳しい説明があります。
(文献17)によると、火山活動の初期には「安山岩」質の火山岩で、中期から後期にかけては、「流紋岩」質の大規模噴火が起こった、とされています。
この大規模な火山活動の要因ですが、(文献17)では断層活動もしくは地殻の伸張を伴う、地下深部の高温化と推定し、(文献6)ではリフティングの影響、と推定しており、明確ではありません。
この「ペルム紀」は、いわゆる「ポスト・ヴァリスカン期」(Post-Variscan)にあたり、地殻の伸張によって引き起こされた、広域的な下部地殻でのマグマ形成作用(アナクテシス現象(anatexis) (文献25)が、広範囲に認められる時代です。
この連載の第5部では、「中部アルプス」、「西部アルプス」での、この時代の火成活動の痕跡をいくつか紹介してきました。
よって、この「ドロミティ」地域西部での大規模な火山活動も、同じようなメカニズムで生じたのではないかと思われます(この段落は私見です)。
また、この火山噴出物のうち「流紋岩」質のものは、(文献17)、(文献18)によると、「ボゼナー・ポルフィリー」、あるいは「ボゼナー・石英斑岩」(”Bozener (Quartz)Polphyly”)と呼ばれ、古くは古代ローマ帝国時代から、石材として利用されているそうです。
(文献18)によると、深みのあるワインレッドの基質に、色々な色の斑晶が点在していて美しく、高級石材の風格があります。
遥か昔、約3億年前の火山岩が、現代まで残存していて、古代ローマ帝国の時代から現代に至る建築物に、石材として利用されているのも、なんだか不思議な感じがします。
〜〜〜〜
次に、「トリアス紀」の火山活動ですが、これはちょうど、「ドロミティ」地域が浅海性の環境で、石灰岩類が堆積していた時代の途中にあたります。
(文献6)によると、火山活動の時代は、「トリアス紀」のうち中期の「ラディニアン期」(Ladinian)にあたる、約242〜237Maと推定されています。
添付の地質図(図8)では、青紫色で示されているゾーンが、この「トリアス紀」の火山岩です。岩質は「玄武岩」質とされており、前述の「ペルム紀」の火山活動とはタイプが異なっています。恐らく、マグマ形成のプロセスも異なっていると思われます。
また(文献6)によると、この「トリアス紀」の火山活動もかなり大規模で、現在は「石灰岩類」からなる岩山となっている、「ドロミティ」地域中央部の「マルモラーダ」峰辺りも、当時は火山噴出物で上を覆われるほどだった、とのことです。
地質図(図8)の凡例や、(文献4)、(文献6)によると、これらは「ペルム紀」、および「トリアス紀」の火山活動によって地表に噴出した、火山岩が残存しているものです。
〜〜〜〜
まず「ペルム紀」の火山活動ですが、(文献6)によると、かなり大規模な火山活動で、「安山岩」や「流紋岩」が大量に噴出しました。これらは現在でもなお、場所によっては、約2000m((文献17)では、約4000mとも、)もの層厚で堆積しているそうです。
なお(文献3)より引用した、添付の地質図(図8)では、「安山岩」質の火山岩が紫色で、「流紋岩」質の火山岩が薄紫色で示されています。同じ時代の深成岩体である花崗岩も地表に露出しており、地質図の左下の朱色部分がそれにあたります。
これらの火山噴火の年代は、(文献8)によると、噴出した「流紋岩」の放射年代測定で、約275〜280Maと推定されています。
なおウイキペディアでは、この火山活動に関した英語版、イタリア語版の項目がないのですが、唯一、ドイツ語版(文献17)には項目がありました。
(文献17)では、この「ペルム紀」の火山自体、及び火山噴出物のことを、「エッチ渓谷火山群」(Etschtaler Vulkanit-Gruppe(独))、あるいは「アディジェ渓谷火山群」と呼んでいて、かなり詳しい説明があります。
(文献17)によると、火山活動の初期には「安山岩」質の火山岩で、中期から後期にかけては、「流紋岩」質の大規模噴火が起こった、とされています。
この大規模な火山活動の要因ですが、(文献17)では断層活動もしくは地殻の伸張を伴う、地下深部の高温化と推定し、(文献6)ではリフティングの影響、と推定しており、明確ではありません。
この「ペルム紀」は、いわゆる「ポスト・ヴァリスカン期」(Post-Variscan)にあたり、地殻の伸張によって引き起こされた、広域的な下部地殻でのマグマ形成作用(アナクテシス現象(anatexis) (文献25)が、広範囲に認められる時代です。
この連載の第5部では、「中部アルプス」、「西部アルプス」での、この時代の火成活動の痕跡をいくつか紹介してきました。
よって、この「ドロミティ」地域西部での大規模な火山活動も、同じようなメカニズムで生じたのではないかと思われます(この段落は私見です)。
また、この火山噴出物のうち「流紋岩」質のものは、(文献17)、(文献18)によると、「ボゼナー・ポルフィリー」、あるいは「ボゼナー・石英斑岩」(”Bozener (Quartz)Polphyly”)と呼ばれ、古くは古代ローマ帝国時代から、石材として利用されているそうです。
(文献18)によると、深みのあるワインレッドの基質に、色々な色の斑晶が点在していて美しく、高級石材の風格があります。
遥か昔、約3億年前の火山岩が、現代まで残存していて、古代ローマ帝国の時代から現代に至る建築物に、石材として利用されているのも、なんだか不思議な感じがします。
〜〜〜〜
次に、「トリアス紀」の火山活動ですが、これはちょうど、「ドロミティ」地域が浅海性の環境で、石灰岩類が堆積していた時代の途中にあたります。
(文献6)によると、火山活動の時代は、「トリアス紀」のうち中期の「ラディニアン期」(Ladinian)にあたる、約242〜237Maと推定されています。
添付の地質図(図8)では、青紫色で示されているゾーンが、この「トリアス紀」の火山岩です。岩質は「玄武岩」質とされており、前述の「ペルム紀」の火山活動とはタイプが異なっています。恐らく、マグマ形成のプロセスも異なっていると思われます。
また(文献6)によると、この「トリアス紀」の火山活動もかなり大規模で、現在は「石灰岩類」からなる岩山となっている、「ドロミティ」地域中央部の「マルモラーダ」峰辺りも、当時は火山噴出物で上を覆われるほどだった、とのことです。
第(6)節―(d)項 「ドロミティ」地域の地下構造とテクトニクス
「ドロミティ」地域は、「ヨーロッパアルプス」の地質グループ分類としては、「サウスアルパイン系」地質グループ(South-alpine nappe system)に属しています(文献1−1)、(文献1−3)。
以下、(文献1−1)、(文献1−3)などにより、「ドロミティ」地域を含む、「サウスアルパイン系」地質グループとその分布域の、地下構造やテクトニクスなどについて説明します。
「サウスアルパイン系」地質グループは、「ジュラ紀」〜「白亜紀」にかけては、「オーストロアルパイン系」地質グループ(Austro-alpine nappe system)と同じく、「アドリア大陸ブロック」のマージン部(Adriatic continental margin)にあったゾーンで、両者はいわば姉妹関係にあたります。
「オーストロアルパイン系」地質グループのほうは、いつの頃かははっきりしていませんが、全体が巨大なシート状の岩盤となり、民族大移動のように(現在の方位でいうと)北へと移動し、現在では、「サウスアルパイン系」地質グループ分布域との間は、「ペリ・アドリアティック断層系」(Peri-Adriatic fault system)によって分かれています。
「東部アルプス」では、この「ペリ・アドリアティック断層系」が、プレート境界のような力学的な位置を占めており、この断層系の南側にある「サウスアルパイン系」地質グループ分布域は、それが属している「アドリア大陸ブロック」が北西方向へと動いていることで、「ヨーロッパ大陸ブロック」側を押しています。
逆に「アドリア大陸ブロック」側に属する「サウスアルパイン系」地質グループ分布域では、「ヨーロッパ大陸ブロック」側から、「作用―反作用の法則」のようにして、北〜北西方向から圧力が加わっている、と考えられています(文献1−3)。
添付の地質断面図(図9)は、(文献9)からの引用で、「ドロミティ」地域を通る南北方向の地質断面図です。
なお(文献1−3)にも、同じような地質断面図がありますが、(文献9)の図のほうが解りやすいので、そちらを添付しています。
この(図9)を見ると、地下深部では、青色の線で示す、南上がり(S-vergent)の走向を持つ、多数のスラスト断層が形成されています。これは、前記のように、北側の「ヨーロッパ大陸ブロック」側から押し込まれて形成された断層群です。
「ヨーロッパアルプス」のうち、「ペリ・アドリアティック断層系」より北側に位置する、「オーストロアルパイン系」、「ヘルベチカ系」、「ペニン系」の各地質グループ分布域では、北上がり(N-vergent)のスラスト断層が多数あり、「アドリア大陸ブロック」側からの押しの圧力が反映されていますが、「サウスアルパイン系」地質グループ分布域は、ちょうど逆の地質構造、テクトニクスになっていることが解ります。
また「ペリ・アドリアティック断層系」より北側では、スラスト断層群によって切られた地塊 (「ナップ」(nappe)、あるいは「スラストシート」(thrust sheet)という)が、水平方向へ数十kmも移動しているゾーンが、特に「中部アルプス」で多く認められます。
一方、この「サウスアルパイン系」地質グループ分布域では、スラスト断層群はありますが、それらが「ナップ」として大きく移動してはおらず、その点は大きな違いです。
以下、(文献1−1)、(文献1−3)などにより、「ドロミティ」地域を含む、「サウスアルパイン系」地質グループとその分布域の、地下構造やテクトニクスなどについて説明します。
「サウスアルパイン系」地質グループは、「ジュラ紀」〜「白亜紀」にかけては、「オーストロアルパイン系」地質グループ(Austro-alpine nappe system)と同じく、「アドリア大陸ブロック」のマージン部(Adriatic continental margin)にあったゾーンで、両者はいわば姉妹関係にあたります。
「オーストロアルパイン系」地質グループのほうは、いつの頃かははっきりしていませんが、全体が巨大なシート状の岩盤となり、民族大移動のように(現在の方位でいうと)北へと移動し、現在では、「サウスアルパイン系」地質グループ分布域との間は、「ペリ・アドリアティック断層系」(Peri-Adriatic fault system)によって分かれています。
「東部アルプス」では、この「ペリ・アドリアティック断層系」が、プレート境界のような力学的な位置を占めており、この断層系の南側にある「サウスアルパイン系」地質グループ分布域は、それが属している「アドリア大陸ブロック」が北西方向へと動いていることで、「ヨーロッパ大陸ブロック」側を押しています。
逆に「アドリア大陸ブロック」側に属する「サウスアルパイン系」地質グループ分布域では、「ヨーロッパ大陸ブロック」側から、「作用―反作用の法則」のようにして、北〜北西方向から圧力が加わっている、と考えられています(文献1−3)。
添付の地質断面図(図9)は、(文献9)からの引用で、「ドロミティ」地域を通る南北方向の地質断面図です。
なお(文献1−3)にも、同じような地質断面図がありますが、(文献9)の図のほうが解りやすいので、そちらを添付しています。
この(図9)を見ると、地下深部では、青色の線で示す、南上がり(S-vergent)の走向を持つ、多数のスラスト断層が形成されています。これは、前記のように、北側の「ヨーロッパ大陸ブロック」側から押し込まれて形成された断層群です。
「ヨーロッパアルプス」のうち、「ペリ・アドリアティック断層系」より北側に位置する、「オーストロアルパイン系」、「ヘルベチカ系」、「ペニン系」の各地質グループ分布域では、北上がり(N-vergent)のスラスト断層が多数あり、「アドリア大陸ブロック」側からの押しの圧力が反映されていますが、「サウスアルパイン系」地質グループ分布域は、ちょうど逆の地質構造、テクトニクスになっていることが解ります。
また「ペリ・アドリアティック断層系」より北側では、スラスト断層群によって切られた地塊 (「ナップ」(nappe)、あるいは「スラストシート」(thrust sheet)という)が、水平方向へ数十kmも移動しているゾーンが、特に「中部アルプス」で多く認められます。
一方、この「サウスアルパイン系」地質グループ分布域では、スラスト断層群はありますが、それらが「ナップ」として大きく移動してはおらず、その点は大きな違いです。
【他の連載へのリンク】
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【注釈の項】
注1) 山々の標高について、
この連載回での山々の標高ですが、「北部石灰岩アルプス」については、オーストリアの地質図(文献2)のうち、地形図レイヤーに記載の値を採用しています。
「ドロミティ」山地(地域)については、ウイキペディア英語版に記載の値を採用しています。
文献、地図によっては、数m 違う値が書かれていることがあります。
注2) 「ドロマイト」、「炭酸塩類」について
岩石としての「ドロマイト」(dolomite)は、「ドロストーン」(dolostone)や、「苦灰岩」とも呼びますが、広義の「石灰岩」類の一種です。語源はフランスの地質、鉱物学者、ドロミュー博士(D.Dolomieu)に因みます(文献13)。
なお「ドロマイト」とは、本来は鉱物としての名前で、岩石としては「ドロストーン」というべきですが、文献類では、岩石の名前としてもよく使われています。
「石灰岩」の一般的な化学組成式は、(Ca・ CO3)ですが、これができたのち、地中や海底に埋もれているうちに、(Ca2+)イオンの一部が、(Mg2+)イオンに置き換わったものが「ドロマイト」という関係になり、この化学的変化を「ドロマイト化」とも呼びます。
「ドロマイト」を化学組成式で書くと、((Ca・Mg)・CO3)となります。
細かくいうと(Mg2+)の入る場所に、(Mn2+)、(Fe2+)が入る場合もあります。(文献24)、(文献25)
見た目は、狭義の「石灰岩」とさほと変わらず、また同じ場所に、狭義の「石灰岩」と「ドロマイト」とが入り混じって分布していることも多く、区別はややしにくいようです。
英語の文献では、「石灰岩」や「ドロマイト」などをまとめて、しばしば、(”carbonates”)(「炭酸塩類」の意味)と呼びます。
これは、化学組成式上で、(CO3(2−))(=「炭酸イオン」)が含まれていることによります。
注3) 「蒸発岩類」について
「蒸発岩類」(evaporates)とは、内陸部にある閉鎖的な海域や塩湖などが干上がってしまい、その水(海水など)に含まれていた物質が析出して形成された堆積岩の総称です。
具体的には、岩塩(halite;NaCl)、硬石膏(anhydrite;CaSO4)などが代表的なものです。(文献25)。
現代の「ヨーロッパアルプス」やその周辺部では、特に「ペルム紀」の「蒸発岩類」の地層が多く、(文献1)に掲載されている多数の地質断面図では、この「ペルム紀」の「蒸発岩類」層が、スラスト断層群の起点や、基底部の断層の位置に存在していることが良く見られます。
ケイ酸塩鉱物からなる通常の岩石と比べると、「蒸発岩類」は、力学的な強度が非常に低いため、そこが変形の起点となっていると考えられます。
注4) “EGDI“ について
”EGDI“とは、” European Geological Data Infrastructure“ という名称の略号で、
「ヨーロッパ」の大部分の地質図、地質データを統合したサイト(あるいは組織)の名称です。
「ヨーロッパ」は多くの国に分かれており、各国ごとに存在する「地質調査所」(あるいはそれに対応する機関)が、地質調査や地質図作成を行っていますが、それらを統合し、統一的でシームレスな地質図を作る目的でできた組織のようです。
オンライン地質図としては、ヨーロッパのかなりの国をカバーする、1/100万 サイズの地質図があり、無料で利用できます。
なお、ヨーロッパの主要な国では、「スイス」、旧「ユーゴスラビア」各国(「スロベニア」は除く)、「ルーマニア」、「ブルガリア」、「バルト三国」は、2026年現在では、対象外となっています。
・以下に、(EGDI)のホームページ、及びマップビューアのリンクを貼っておきます。
(EGDI ホームページ)
https://www.europe-geology.eu/
(EGDI のオンライン地質図の、マップビューア)
https://maps.europe-geology.eu/#baslay=baseMapGEUS&extent
注5) “Ma”は、百万年前を意味する単位です
この連載回での山々の標高ですが、「北部石灰岩アルプス」については、オーストリアの地質図(文献2)のうち、地形図レイヤーに記載の値を採用しています。
「ドロミティ」山地(地域)については、ウイキペディア英語版に記載の値を採用しています。
文献、地図によっては、数m 違う値が書かれていることがあります。
注2) 「ドロマイト」、「炭酸塩類」について
岩石としての「ドロマイト」(dolomite)は、「ドロストーン」(dolostone)や、「苦灰岩」とも呼びますが、広義の「石灰岩」類の一種です。語源はフランスの地質、鉱物学者、ドロミュー博士(D.Dolomieu)に因みます(文献13)。
なお「ドロマイト」とは、本来は鉱物としての名前で、岩石としては「ドロストーン」というべきですが、文献類では、岩石の名前としてもよく使われています。
「石灰岩」の一般的な化学組成式は、(Ca・ CO3)ですが、これができたのち、地中や海底に埋もれているうちに、(Ca2+)イオンの一部が、(Mg2+)イオンに置き換わったものが「ドロマイト」という関係になり、この化学的変化を「ドロマイト化」とも呼びます。
「ドロマイト」を化学組成式で書くと、((Ca・Mg)・CO3)となります。
細かくいうと(Mg2+)の入る場所に、(Mn2+)、(Fe2+)が入る場合もあります。(文献24)、(文献25)
見た目は、狭義の「石灰岩」とさほと変わらず、また同じ場所に、狭義の「石灰岩」と「ドロマイト」とが入り混じって分布していることも多く、区別はややしにくいようです。
英語の文献では、「石灰岩」や「ドロマイト」などをまとめて、しばしば、(”carbonates”)(「炭酸塩類」の意味)と呼びます。
これは、化学組成式上で、(CO3(2−))(=「炭酸イオン」)が含まれていることによります。
注3) 「蒸発岩類」について
「蒸発岩類」(evaporates)とは、内陸部にある閉鎖的な海域や塩湖などが干上がってしまい、その水(海水など)に含まれていた物質が析出して形成された堆積岩の総称です。
具体的には、岩塩(halite;NaCl)、硬石膏(anhydrite;CaSO4)などが代表的なものです。(文献25)。
現代の「ヨーロッパアルプス」やその周辺部では、特に「ペルム紀」の「蒸発岩類」の地層が多く、(文献1)に掲載されている多数の地質断面図では、この「ペルム紀」の「蒸発岩類」層が、スラスト断層群の起点や、基底部の断層の位置に存在していることが良く見られます。
ケイ酸塩鉱物からなる通常の岩石と比べると、「蒸発岩類」は、力学的な強度が非常に低いため、そこが変形の起点となっていると考えられます。
注4) “EGDI“ について
”EGDI“とは、” European Geological Data Infrastructure“ という名称の略号で、
「ヨーロッパ」の大部分の地質図、地質データを統合したサイト(あるいは組織)の名称です。
「ヨーロッパ」は多くの国に分かれており、各国ごとに存在する「地質調査所」(あるいはそれに対応する機関)が、地質調査や地質図作成を行っていますが、それらを統合し、統一的でシームレスな地質図を作る目的でできた組織のようです。
オンライン地質図としては、ヨーロッパのかなりの国をカバーする、1/100万 サイズの地質図があり、無料で利用できます。
なお、ヨーロッパの主要な国では、「スイス」、旧「ユーゴスラビア」各国(「スロベニア」は除く)、「ルーマニア」、「ブルガリア」、「バルト三国」は、2026年現在では、対象外となっています。
・以下に、(EGDI)のホームページ、及びマップビューアのリンクを貼っておきます。
(EGDI ホームページ)
https://www.europe-geology.eu/
(EGDI のオンライン地質図の、マップビューア)
https://maps.europe-geology.eu/#baslay=baseMapGEUS&extent
注5) “Ma”は、百万年前を意味する単位です
【参考文献】
(文献1) O. A. Pfiffner 著 “Geology of the Alps”, 2nd edition ,
Wiley Blackball社 刊, (2014); (原著はドイツ語版で、2010年にドイツの出版社 刊)
(文献1−1) (文献1)のうち、第1−4章「アルプスのテクトニックな構造」
(the Alps in their Plate Tectonic Flamework;Structure of the Alps)の項、
及び、 Fig. 1-10 “ Simplified tectonic map of the Alps and their foreland ”
など
(文献1−2) (文献1)のうち、第3−1章「アルプス地域の中生代の地層」
(the Alpine domain in the Mesozoic; Mesozoic rock suites)のうち、
(Adriatic continental margin)の項、及び
Fig.3-8 “ the Mesozoic sedimentary sequence of the Dolomites”
Fig.3-10 “ the Mesozoic sedimentary sequence of Austro-Alpine realm”
Fig.3-13 “ Paleo-graphical map of the future Alpine realm in the Norian (220Ma) “ など
(文献1−3) (文献1)のうち、第5−3章「東部アルプスのテクトニック構造」
(Tectonic structure of the Alps; the Eastern Alps)の項
Fig.5-3-1 “Geological tectonic-map of the Eastern Alps.
Fig. 5-3-2 “Geological cross-section through the Eastern Alps.
Fig.5-3-6 “Geological cross-section through the Northen Calcareous Alps”
Fig.5-3-9 “Geological cross-section through the Dolomites” など
(文献2) オーストリアのオンライン地質図
https://maps.geosphere.at/en?basemap=default&scale
※ オーストリアの、地質、天気、気象などに関する公的機関、“GeoSphere Austria”
が作成、運営している、オンライン地質図のサイト
※ リンク先の最初の画面の左手にあるメニューより、ひし形(レイヤー)のアイコンを
選び、でてくる “Layers” のメニューより
> Available layers > Geology > Geology 1:500000 を選ぶと
1/500000 図幅のオンライン地質図がでてくる。
※ 使い方は、スイスのオンライン地質図に似ており、マウスで右クリックすると
その場所の地質説明がでてくる。ただし地質説明はドイツ語。
※ Layers メニューより、> Geologic maps 1:50000, 1:25000 を選ぶと、
より詳しい、1/50000 図幅の地質図を見ることもできる。
ただしこのレイヤーではポップアップでの地質説明はでてこない。
※ ベースマップ(basemap)がバックグラウンドとして重ね合わせされている。
ベースマップをはっきり見るためには、メニューの「Geology 1:500000」
の詳細設定(“・・・” マーク)を開き、でてくる(Opacity(%))の
スライドバーにて、重ね合わせ濃度調整を行う。
※ ベースマップは、一般地図、地形図など数種類あるが、”default”よりも、
“BEV”や”OSM”が、情報量が多くて解りやすい。
※ 利用したバージョンは、「最終更新日: 2024年5月24日」のもの
(文献3) ヨーロッパの広域的オンライン地質図(EGDI版)
https://www.europe-geology.eu/data-tools/map-viewer/
※ ヨーロッパの広域的な地質研究機関(EGDI;European Geological Data Infrastructure)が運営している、オンライン地質図のサイト
ヨーロッパの大部分の地域(スイスなどは除く)の、1/100万スケールの
オンライン地質図が見れる。
※ リンク先のホームページより、(Map viewer)をクリックすると、
オンライン地質図がでてくる。
※ 左手のメニューより、>Layers > Basic geology > Lithology>
Pan-European (EGDI) 1:1,000,000 を選ぶと、地質図がでてくる
※ 使い方は、スイスのオンライン地質図と似ている。
マウスの左クリックで、その場所の地質説明がポップアップででてくる(英語版)。
※ 利用したバージョンは、最新更新日;2026年1月15日)版の地質図
(文献4) イタリアのオンライン地質図
https://sgi.isprambiente.it/milione/milione5ed.html
※ イタリアの地質調査所が作成した、オンライン地質図(1/100万スケール)
※ 最初はイタリア全土の地質図がでてくるが、ズームアップすると、
ある程度細かい地質構造も見ることができる。
※ 但し、ポップアップでの地質説明機能はなく、図にある「凡例」で、対応する番号と
照らし合わせる必要がある。
「凡例」は、イタリア語と英語の両者が併記されている。
※ 利用したバージョンは、2011年作成のもの(定期更新はされてないもよう)
(文献5) 「北部石灰岩アルプス」の地質に関する論文
P. Strauss 、P. Granado 、J. A. Munoz 、K. Böhm 、 R. Schuster 著
“The Northern Calcareous Alps revisited:
Formation of a hyperextended margin and mantle exhumation
in the Northern Calcareous Alps sector of the Neo-Tethys
(Eastern Alps, Austria)”
Earth-Science Reviews 誌、vol.243, 記事No. 104488,(2023)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012825223001770
(DOIアドレス;https://doi.org/10.1016/j.earscirev.2023.104488
※ 上記アドレスより、無料でPDFファイルがダウンロードできる。
※ 「北部石灰岩アルプス」の形成プロセスに関する論文、断面図など図も多い。
(文献6) 「ドロミティ」地域の地質説明の論文
A.Bosellini、 P. Gianolla、 M. Stefani 著
“Geology of the Dolomites”
Episodes誌、vol. 26 、p181-185、(2003)
https://www.researchgate.net/publication/248708905_Geology_of_the_Dolomites
(DOIアドレス;https://doi.org/10.18814/epiiugs/2003/v26i3/005
※ 上記アドレスより、無料で全文が読め、PDFファイルもダウンロードできる。
※ 「ドロミティ」地域の地質、特に石灰岩類の形成史について、かなり詳しい。
(文献7) 「ドロミティ」地域の地理、地質、気候の概要(ガイド組合)
https://www.guidedolomiti.com/en/location-climate-geology/
※ 「ドロミティ」のガイド組合(Dolomites Guide)のサイトのうち地理、
地質などの説明。さほど地質の説明は詳しくはないが、概要は解りやすい。
(文献8) ドロミティ地域の火山岩、「ボズナー・ポルフィリー」に関する論文
V. Mair、G. M. Bargossi 著
“The "Bozener Quarzporphyr" (Southern Alps, Italy): Single zircon U/Pb age
evidence for10 million years of magmatic activity in the Lower Permian”
(雑誌名 不明) (2003)
https://www.researchgate.net/publication/238717968_The_Bozener_Quarzporphyr_Southern_Alps_Italy_Single_zircon_UPb_age_evidence_for_10_million_years_of_magmatic_activity_in_the_Lower_Permian
※ 「ドロミティ」地域西部の、「ペルム紀」火山岩;「ボズナー・ポルフィリー」
の形成年代測定に関する論文
(文献9) 「ドロミティ」地域の地質構造に関する論文
M. Curzi1 、C. Zuccari1、 G Vignaroli1、 S. D.Innocenti1、 G. Viola 著
“ Alpine transpression in the Passo Rolle area (Dolomites, Italy):
new structural and paleostress constraints”
Italian Journal of Geosciences誌、3月号、(2023)
https://www.researchgate.net/publication/369385462_Alpine_transpression_in_the_Passo_Rolle_area_Dolomites_Italy_new_structural_and_paleostress_constraints
(DOIアドレス;https://doi.org/10.3301/IJG.2023.12
(文献10) ウイキペディア英語版の、(Geology of the Alps)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Geology_of_the_Alps
(2026年2月 閲覧)
(文献11) ウイキペディア英語版の、(Northern Limestone Alps)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Northern_Limestone_Alps
(2026年2月 閲覧)
(文献12) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Nördliche Kalk alpen)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/N%C3%B6rdliche_Kalkalpen
(2026年2月 閲覧)
(文献13) ウイキペディア英語版の、(Dolomites)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Dolomites
(2026年2月 閲覧)
(文献14) ウイキペディア英語版の、(Zugspitze)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Zugspitze
(2026年2月 閲覧)
(文献15) ウイキペディア英語版の、(Marmolada)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Marmolada
(2026年2月 閲覧)
(文献16) ウイキペディア英語版の、(Tre Cime di Lavaredo)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Tre_Cime_di_Lavaredo
(2026年2月 閲覧)
(文献17) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Etschtaler Vulkanit-Gruppe)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Etschtaler_Vulkanit-Gruppe
(2026年2月 閲覧)
※ 「ドロミティ」西部の「ペルム紀」の火山活動に関する説明あり
(文献18) 石材に関するサイトより、「ポゼナー・ポルフィリー」(Bozner-porphyr)の項
https://www.stonecontact.com/bozner-porphyr/s17627
※ 「ポゼナー・ポルフィリー」の石材としての説明など、写真あり
(文献19) ドロミティガイド組合のホームページより、「ヴィア・フェラータ」の項
(日本語版)
https://www.guidedolomiti.com/ja/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BF/
(文献20) 岩田、小あぜ、小野 編
「世界の山やま;ヨーロッパ、アメリカ、両極編」
雑誌;「地理」増刊号、 vol.40 (通巻478号) 古今書店刊 (1995)
のうち、「ドロミテ」の項
(文献21) 近藤 等 著 「ヨーロッパアルプス」 ブルーガイド海外版
実業之日本社 刊 (1988)
のうち、「バイエルン・アルペン」、「ドロミテ山群」の項
(文献22) 金原 富士子 著
「ヨーロッパアルプス;登山、ハイキング」改訂2版、 本の泉社 刊 (2013)
のうち、「ドイツアルプス」、「オーストラリアアルプス」、
「イタリアアルプス東部」の各項
(文献23) 酒井 治孝 著 「ヒマラヤ山脈形成史」 東京大学出版会 刊 (2023)
のうち、第1章「ヒマラヤ山脈の地形と地質の概説」、および
第8章 「北方に滑り落ち、横臥褶曲したテチス堆積物」の項
(文献24) 西本 昌司 著「観察を楽しむ、特徴がわかる 岩石図鑑」
ナツメ社刊 (2020)
のうち、「石灰岩」、「ドロストーン」、「千枚岩」、「流紋岩」などの各項
(文献25) 地質団体研究会 編 「新版 地学事典」 平凡社 刊 (1996)のうち、
「ドロマイト」、「炭酸塩岩」、「蒸発岩」、「硬石こう」、
「斑岩」、「覆瓦構造」、「デコルマン」、「デタッチメント」、
「アナクテシス」などの各項
(文献26) Alex Strenkeisen 博士のホームページ
https://www.alexstrekeisen.it/english/index.php
(2026年2月 閲覧)
※ 通称(Alex Strenkeisen)博士、(本名;Alessandro Da Mommio)博士は、イタリアの地質学者で、このサイトは、博士による、色々な岩石、鉱物の解説がされているサイト(英語版)。
岩石、鉱物図鑑として優れ、ヨーロッパ独自の岩石名、鉱物名について知るのにも便利。
Wiley Blackball社 刊, (2014); (原著はドイツ語版で、2010年にドイツの出版社 刊)
(文献1−1) (文献1)のうち、第1−4章「アルプスのテクトニックな構造」
(the Alps in their Plate Tectonic Flamework;Structure of the Alps)の項、
及び、 Fig. 1-10 “ Simplified tectonic map of the Alps and their foreland ”
など
(文献1−2) (文献1)のうち、第3−1章「アルプス地域の中生代の地層」
(the Alpine domain in the Mesozoic; Mesozoic rock suites)のうち、
(Adriatic continental margin)の項、及び
Fig.3-8 “ the Mesozoic sedimentary sequence of the Dolomites”
Fig.3-10 “ the Mesozoic sedimentary sequence of Austro-Alpine realm”
Fig.3-13 “ Paleo-graphical map of the future Alpine realm in the Norian (220Ma) “ など
(文献1−3) (文献1)のうち、第5−3章「東部アルプスのテクトニック構造」
(Tectonic structure of the Alps; the Eastern Alps)の項
Fig.5-3-1 “Geological tectonic-map of the Eastern Alps.
Fig. 5-3-2 “Geological cross-section through the Eastern Alps.
Fig.5-3-6 “Geological cross-section through the Northen Calcareous Alps”
Fig.5-3-9 “Geological cross-section through the Dolomites” など
(文献2) オーストリアのオンライン地質図
https://maps.geosphere.at/en?basemap=default&scale
※ オーストリアの、地質、天気、気象などに関する公的機関、“GeoSphere Austria”
が作成、運営している、オンライン地質図のサイト
※ リンク先の最初の画面の左手にあるメニューより、ひし形(レイヤー)のアイコンを
選び、でてくる “Layers” のメニューより
> Available layers > Geology > Geology 1:500000 を選ぶと
1/500000 図幅のオンライン地質図がでてくる。
※ 使い方は、スイスのオンライン地質図に似ており、マウスで右クリックすると
その場所の地質説明がでてくる。ただし地質説明はドイツ語。
※ Layers メニューより、> Geologic maps 1:50000, 1:25000 を選ぶと、
より詳しい、1/50000 図幅の地質図を見ることもできる。
ただしこのレイヤーではポップアップでの地質説明はでてこない。
※ ベースマップ(basemap)がバックグラウンドとして重ね合わせされている。
ベースマップをはっきり見るためには、メニューの「Geology 1:500000」
の詳細設定(“・・・” マーク)を開き、でてくる(Opacity(%))の
スライドバーにて、重ね合わせ濃度調整を行う。
※ ベースマップは、一般地図、地形図など数種類あるが、”default”よりも、
“BEV”や”OSM”が、情報量が多くて解りやすい。
※ 利用したバージョンは、「最終更新日: 2024年5月24日」のもの
(文献3) ヨーロッパの広域的オンライン地質図(EGDI版)
https://www.europe-geology.eu/data-tools/map-viewer/
※ ヨーロッパの広域的な地質研究機関(EGDI;European Geological Data Infrastructure)が運営している、オンライン地質図のサイト
ヨーロッパの大部分の地域(スイスなどは除く)の、1/100万スケールの
オンライン地質図が見れる。
※ リンク先のホームページより、(Map viewer)をクリックすると、
オンライン地質図がでてくる。
※ 左手のメニューより、>Layers > Basic geology > Lithology>
Pan-European (EGDI) 1:1,000,000 を選ぶと、地質図がでてくる
※ 使い方は、スイスのオンライン地質図と似ている。
マウスの左クリックで、その場所の地質説明がポップアップででてくる(英語版)。
※ 利用したバージョンは、最新更新日;2026年1月15日)版の地質図
(文献4) イタリアのオンライン地質図
https://sgi.isprambiente.it/milione/milione5ed.html
※ イタリアの地質調査所が作成した、オンライン地質図(1/100万スケール)
※ 最初はイタリア全土の地質図がでてくるが、ズームアップすると、
ある程度細かい地質構造も見ることができる。
※ 但し、ポップアップでの地質説明機能はなく、図にある「凡例」で、対応する番号と
照らし合わせる必要がある。
「凡例」は、イタリア語と英語の両者が併記されている。
※ 利用したバージョンは、2011年作成のもの(定期更新はされてないもよう)
(文献5) 「北部石灰岩アルプス」の地質に関する論文
P. Strauss 、P. Granado 、J. A. Munoz 、K. Böhm 、 R. Schuster 著
“The Northern Calcareous Alps revisited:
Formation of a hyperextended margin and mantle exhumation
in the Northern Calcareous Alps sector of the Neo-Tethys
(Eastern Alps, Austria)”
Earth-Science Reviews 誌、vol.243, 記事No. 104488,(2023)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012825223001770
(DOIアドレス;https://doi.org/10.1016/j.earscirev.2023.104488
※ 上記アドレスより、無料でPDFファイルがダウンロードできる。
※ 「北部石灰岩アルプス」の形成プロセスに関する論文、断面図など図も多い。
(文献6) 「ドロミティ」地域の地質説明の論文
A.Bosellini、 P. Gianolla、 M. Stefani 著
“Geology of the Dolomites”
Episodes誌、vol. 26 、p181-185、(2003)
https://www.researchgate.net/publication/248708905_Geology_of_the_Dolomites
(DOIアドレス;https://doi.org/10.18814/epiiugs/2003/v26i3/005
※ 上記アドレスより、無料で全文が読め、PDFファイルもダウンロードできる。
※ 「ドロミティ」地域の地質、特に石灰岩類の形成史について、かなり詳しい。
(文献7) 「ドロミティ」地域の地理、地質、気候の概要(ガイド組合)
https://www.guidedolomiti.com/en/location-climate-geology/
※ 「ドロミティ」のガイド組合(Dolomites Guide)のサイトのうち地理、
地質などの説明。さほど地質の説明は詳しくはないが、概要は解りやすい。
(文献8) ドロミティ地域の火山岩、「ボズナー・ポルフィリー」に関する論文
V. Mair、G. M. Bargossi 著
“The "Bozener Quarzporphyr" (Southern Alps, Italy): Single zircon U/Pb age
evidence for10 million years of magmatic activity in the Lower Permian”
(雑誌名 不明) (2003)
https://www.researchgate.net/publication/238717968_The_Bozener_Quarzporphyr_Southern_Alps_Italy_Single_zircon_UPb_age_evidence_for_10_million_years_of_magmatic_activity_in_the_Lower_Permian
※ 「ドロミティ」地域西部の、「ペルム紀」火山岩;「ボズナー・ポルフィリー」
の形成年代測定に関する論文
(文献9) 「ドロミティ」地域の地質構造に関する論文
M. Curzi1 、C. Zuccari1、 G Vignaroli1、 S. D.Innocenti1、 G. Viola 著
“ Alpine transpression in the Passo Rolle area (Dolomites, Italy):
new structural and paleostress constraints”
Italian Journal of Geosciences誌、3月号、(2023)
https://www.researchgate.net/publication/369385462_Alpine_transpression_in_the_Passo_Rolle_area_Dolomites_Italy_new_structural_and_paleostress_constraints
(DOIアドレス;https://doi.org/10.3301/IJG.2023.12
(文献10) ウイキペディア英語版の、(Geology of the Alps)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Geology_of_the_Alps
(2026年2月 閲覧)
(文献11) ウイキペディア英語版の、(Northern Limestone Alps)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Northern_Limestone_Alps
(2026年2月 閲覧)
(文献12) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Nördliche Kalk alpen)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/N%C3%B6rdliche_Kalkalpen
(2026年2月 閲覧)
(文献13) ウイキペディア英語版の、(Dolomites)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Dolomites
(2026年2月 閲覧)
(文献14) ウイキペディア英語版の、(Zugspitze)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Zugspitze
(2026年2月 閲覧)
(文献15) ウイキペディア英語版の、(Marmolada)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Marmolada
(2026年2月 閲覧)
(文献16) ウイキペディア英語版の、(Tre Cime di Lavaredo)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Tre_Cime_di_Lavaredo
(2026年2月 閲覧)
(文献17) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Etschtaler Vulkanit-Gruppe)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Etschtaler_Vulkanit-Gruppe
(2026年2月 閲覧)
※ 「ドロミティ」西部の「ペルム紀」の火山活動に関する説明あり
(文献18) 石材に関するサイトより、「ポゼナー・ポルフィリー」(Bozner-porphyr)の項
https://www.stonecontact.com/bozner-porphyr/s17627
※ 「ポゼナー・ポルフィリー」の石材としての説明など、写真あり
(文献19) ドロミティガイド組合のホームページより、「ヴィア・フェラータ」の項
(日本語版)
https://www.guidedolomiti.com/ja/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BF/
(文献20) 岩田、小あぜ、小野 編
「世界の山やま;ヨーロッパ、アメリカ、両極編」
雑誌;「地理」増刊号、 vol.40 (通巻478号) 古今書店刊 (1995)
のうち、「ドロミテ」の項
(文献21) 近藤 等 著 「ヨーロッパアルプス」 ブルーガイド海外版
実業之日本社 刊 (1988)
のうち、「バイエルン・アルペン」、「ドロミテ山群」の項
(文献22) 金原 富士子 著
「ヨーロッパアルプス;登山、ハイキング」改訂2版、 本の泉社 刊 (2013)
のうち、「ドイツアルプス」、「オーストラリアアルプス」、
「イタリアアルプス東部」の各項
(文献23) 酒井 治孝 著 「ヒマラヤ山脈形成史」 東京大学出版会 刊 (2023)
のうち、第1章「ヒマラヤ山脈の地形と地質の概説」、および
第8章 「北方に滑り落ち、横臥褶曲したテチス堆積物」の項
(文献24) 西本 昌司 著「観察を楽しむ、特徴がわかる 岩石図鑑」
ナツメ社刊 (2020)
のうち、「石灰岩」、「ドロストーン」、「千枚岩」、「流紋岩」などの各項
(文献25) 地質団体研究会 編 「新版 地学事典」 平凡社 刊 (1996)のうち、
「ドロマイト」、「炭酸塩岩」、「蒸発岩」、「硬石こう」、
「斑岩」、「覆瓦構造」、「デコルマン」、「デタッチメント」、
「アナクテシス」などの各項
(文献26) Alex Strenkeisen 博士のホームページ
https://www.alexstrekeisen.it/english/index.php
(2026年2月 閲覧)
※ 通称(Alex Strenkeisen)博士、(本名;Alessandro Da Mommio)博士は、イタリアの地質学者で、このサイトは、博士による、色々な岩石、鉱物の解説がされているサイト(英語版)。
岩石、鉱物図鑑として優れ、ヨーロッパ独自の岩石名、鉱物名について知るのにも便利。
【書記事項】
・2026年2月6日 初版リリース
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更新日:2026年02月06日
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