転倒・擦過傷、そのままにしていませんか?
今回の内容は乳がん術後に限った話ではなく、一般の登山者にとっても共通する基本的な考え方ですので、乳がんサバイバーでない方もご一読ください。
登山中の外傷は、多くの方が経験します。転倒や擦過傷は決して珍しいものではありません。特に下りでは足場が不安定になりやすく、思わぬ外傷を受けることがあります。軽い傷であれば、そのままにしてしまうこともあると思いますが、比較的大きな傷を負ってしまったらどうしたらよいでしょう?
さらに、乳がん術後の登山者では注意点が増えます。
なぜならば、リンパ還流の障害や皮膚障害により、創傷治癒が遅れやすい状態になるからです。リンパ節郭清後であればリンパ浮腫のリスクがあり、放射線治療後であれば皮膚の回復力が低下しています。
だからこそ重要なのは、受傷直後の初期対応で、洗浄・異物確認・止血・被覆、の4つと思います。
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■? まず洗う
最初に行うべきは洗浄です。
水でしっかり流す。これが基本です。泥や異物が残ったままでは、その後の処置の意味がありません。
可能であれば、ペットボトルのキャップに小さな穴を開けることで、簡易的に圧をかけた洗浄が可能になります。
これは昨年、常念診療所で医療ボランティアに参加した際、同じく参加していた看護師から教えてもらった方法で、現場でも非常に有用でした。つまり、ペットボトルの蓋に穴を開けたものを常に携行しておくと、かさばらないしよいでしょう。そして飲料として500mLの水などを持って行けば重量が無駄にならないです。
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■?異物の確認
次に止血の前に問題となるのが異物の有無です。
昨年の常念診療所で体験したことですが、転倒し下腿に擦過傷+裂創がある患者さんに洗浄したものの、ポケット形成しており、一見何もないように見えても、触診で違和感があり、鑷子(せっし:いわゆるピンセット)で確認すると石がはまり込んでいました。
このように、見た目だけでは異物の有無は判断できないことがあります。
可能な範囲で確認はしていただきたいですが、判断が難しい場合もあると思います。
その場合でも、翌日〜数日以内に医療機関で確認してもらうことが重要です。
異物が残存した場合、感染の原因となる可能性があるからです。
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■? 出血を止める
次に止血です。ガーゼがあれば理想ですが、なければ手持ちの布でも構いません。
しっかり圧迫する、それだけで十分なことが多いです。ティッシュペーパーは細かい紙くずが創部に付着するのでできれば避けた方がよいでしょう。
そして、途中で何度も確認するより、一度しっかり圧迫する方が止血できます。
問題は、頻度は極めて低いと思いますが、深い傷を負って動脈性出血を起こしている場合です。その場合、一目瞭然で、噴水のように血が吹きます。この場合、ひたすら押さえて止血します。そして、即刻の下山もしくは救助要請対象です。登山継続しても自然止血する可能性は低いですし、一旦止血されても歩行の振動で再出血する可能性が高いです。
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■? 覆う(ドレッシングといいます。サラダにかけるアレと同じ言い方です)
最後に被覆です。一般的にはガーゼですが、実臨床では、ナプキンやおりものシートがドレッシングとして有用なことがあり、自分も患者さんが術後に創部のトラブルが起こった際によく購入指示しています。
理由は
・吸収性が高い
・固着しにくい
・入手しやすい
・安価である
という点です。
無菌である必要はありませんが、できるだけ清潔なものを用いるのが重要です。
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■消毒について
外傷初期対応では、消毒よりもまず十分な洗浄が重要とされています。
流水でしっかり洗浄できていれば、消毒の有無で感染率が大きく変わらないことが報告されています(参考文献1)。
また、創傷管理においても初期対応は機械的洗浄が基本とされています(参考文献2)。
消毒薬は細胞毒性を持つことがあり、創傷治癒を遅らせる可能性も指摘されています。ただし、流水洗浄が不十分な場合は消毒の意義は残ります。
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■重要なのはここ
特別な処置ではありません。
後回しにしないこと、これに尽きます。
乳がん術後では、
・感染が長引く
・創の治癒が遅れる
といったことが起こりやすく、
初期対応の質がその後を左右します。
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■まとめ
登山中の外傷対応は
洗浄
異物確認
止血
ドレッシング
これで対応可能です。
乳がん術後での患側上肢や切除側胸部の受傷では特に、治癒遷延がベースにあるため早急かつ確実に行うことが重要になります。
登山中の外傷は、多くの方が経験します。転倒や擦過傷は決して珍しいものではありません。特に下りでは足場が不安定になりやすく、思わぬ外傷を受けることがあります。軽い傷であれば、そのままにしてしまうこともあると思いますが、比較的大きな傷を負ってしまったらどうしたらよいでしょう?
さらに、乳がん術後の登山者では注意点が増えます。
なぜならば、リンパ還流の障害や皮膚障害により、創傷治癒が遅れやすい状態になるからです。リンパ節郭清後であればリンパ浮腫のリスクがあり、放射線治療後であれば皮膚の回復力が低下しています。
だからこそ重要なのは、受傷直後の初期対応で、洗浄・異物確認・止血・被覆、の4つと思います。
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■? まず洗う
最初に行うべきは洗浄です。
水でしっかり流す。これが基本です。泥や異物が残ったままでは、その後の処置の意味がありません。
可能であれば、ペットボトルのキャップに小さな穴を開けることで、簡易的に圧をかけた洗浄が可能になります。
これは昨年、常念診療所で医療ボランティアに参加した際、同じく参加していた看護師から教えてもらった方法で、現場でも非常に有用でした。つまり、ペットボトルの蓋に穴を開けたものを常に携行しておくと、かさばらないしよいでしょう。そして飲料として500mLの水などを持って行けば重量が無駄にならないです。
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■?異物の確認
次に止血の前に問題となるのが異物の有無です。
昨年の常念診療所で体験したことですが、転倒し下腿に擦過傷+裂創がある患者さんに洗浄したものの、ポケット形成しており、一見何もないように見えても、触診で違和感があり、鑷子(せっし:いわゆるピンセット)で確認すると石がはまり込んでいました。
このように、見た目だけでは異物の有無は判断できないことがあります。
可能な範囲で確認はしていただきたいですが、判断が難しい場合もあると思います。
その場合でも、翌日〜数日以内に医療機関で確認してもらうことが重要です。
異物が残存した場合、感染の原因となる可能性があるからです。
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■? 出血を止める
次に止血です。ガーゼがあれば理想ですが、なければ手持ちの布でも構いません。
しっかり圧迫する、それだけで十分なことが多いです。ティッシュペーパーは細かい紙くずが創部に付着するのでできれば避けた方がよいでしょう。
そして、途中で何度も確認するより、一度しっかり圧迫する方が止血できます。
問題は、頻度は極めて低いと思いますが、深い傷を負って動脈性出血を起こしている場合です。その場合、一目瞭然で、噴水のように血が吹きます。この場合、ひたすら押さえて止血します。そして、即刻の下山もしくは救助要請対象です。登山継続しても自然止血する可能性は低いですし、一旦止血されても歩行の振動で再出血する可能性が高いです。
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■? 覆う(ドレッシングといいます。サラダにかけるアレと同じ言い方です)
最後に被覆です。一般的にはガーゼですが、実臨床では、ナプキンやおりものシートがドレッシングとして有用なことがあり、自分も患者さんが術後に創部のトラブルが起こった際によく購入指示しています。
理由は
・吸収性が高い
・固着しにくい
・入手しやすい
・安価である
という点です。
無菌である必要はありませんが、できるだけ清潔なものを用いるのが重要です。
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■消毒について
外傷初期対応では、消毒よりもまず十分な洗浄が重要とされています。
流水でしっかり洗浄できていれば、消毒の有無で感染率が大きく変わらないことが報告されています(参考文献1)。
また、創傷管理においても初期対応は機械的洗浄が基本とされています(参考文献2)。
消毒薬は細胞毒性を持つことがあり、創傷治癒を遅らせる可能性も指摘されています。ただし、流水洗浄が不十分な場合は消毒の意義は残ります。
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■重要なのはここ
特別な処置ではありません。
後回しにしないこと、これに尽きます。
乳がん術後では、
・感染が長引く
・創の治癒が遅れる
といったことが起こりやすく、
初期対応の質がその後を左右します。
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■まとめ
登山中の外傷対応は
洗浄
異物確認
止血
ドレッシング
これで対応可能です。
乳がん術後での患側上肢や切除側胸部の受傷では特に、治癒遷延がベースにあるため早急かつ確実に行うことが重要になります。
参考文献
1. Fernandez R, Griffiths R. Water for wound cleansing. Cochrane Database Syst Rev. 2012; (2):CD003861. doi:10.1002/14651858.CD003861.pub3
2. World Health Organization. WHO guidelines for wound care. 2016.
2. World Health Organization. WHO guidelines for wound care. 2016.
その4 ザック肩ベルトと術後の感覚低下はこちら
著者のヤマレコページでのこの日記に、もともと記載していた内容をヤマノートに転記しております。
この記事に対するご意見、コメントは小生のヤマレコページでの日記にてお願いいたします。
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