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更新日:2026年05月28日 訪問者数:258
登山・ハイキング 技術・知識
コラム「医学的に。」5 登山後の温泉は、実は“回復”ではない?
keenjii
登山後の温泉は、実は“回復”ではない?
登山後の温泉。あれはもう、登山の一部みたいなものです。汗を流して、露天風呂で山を見返して、「生き返った…」となる。自分も温泉は好きですし、下山後の温泉を楽しみに山へ行くこともあります。

ただ、医学的にみると、あれは必ずしも「身体の回復」ではありません。
長時間歩いた後の筋肉では、細かい損傷や炎症が起きています。登りでも下りでも筋肉にはかなり負荷がかかっていますが、特に下りではブレーキをかけながら筋肉を使い続けるため、脚は強く傷んでいます。
炎症が起きている組織に対しては、熱を加えることで炎症が助長される可能性があります。そう考えると、登山後に熱い温泉で身体を温めるという行為は、実は理にかなっていない部分があります。少なくとも、"筋肉の回復"という意味では、逆効果の面もあると思っています。

もちろん、温泉に入ると気持ちはいい。血流も増えますし、筋肉もゆるむので、「楽になった感じ」はあります。ただ、それは「筋肉の損傷が治った」という意味ではありません。

さらに登山後は、多くの場合かなり脱水しています。汗をかき続け、疲労もあり、その状態で熱い湯に長く入る。立ちくらみしたり、妙にだるくなった経験のある人もいると思います。

しかも登山後の身体には、靴擦れ、股擦れ、ザック擦れ、小さい傷などが意外と多い。酸性泉や硫黄泉で「傷にしみる」のは、実際に皮膚バリアが傷んでいるからです。

もちろん、「登山後の温泉はダメ」と言いたいわけではありません。ただ、「温泉=疲労回復」と考えすぎるのは、少し違う気がしています。
下山直後の身体は、思っている以上に消耗しています。まず水分を取る。少し休む。熱すぎる湯に長く入らない。そのくらいがちょうどいいのかもしれません。

……まあ、かくいう自分も温泉は大好きなんですけどね。
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