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更新日:2026年06月04日 訪問者数:35
ジャンル共通 技術・知識
コラム「医学的に。」その6 湿布の功罪〜「その湿布、本当に必要ですか?」
keenjii
湿布の功罪〜「その湿布、本当に必要ですか?」
外来をしていると、「いつもの湿布をください」という言葉をよく聞きます。
湿布は日本では非常になじみ深い薬です。腰が痛い、肩がこる、膝が痛い。とりあえず湿布を貼る、という方も多いのではないでしょうか。
まず誤解してほしくないのは、湿布は「気休め」ではありません。
ロキソプロフェンなどのNSAIDsを含む湿布には、炎症を抑え、痛みを軽減する作用があります。捻挫や急な関節痛など、炎症を伴う痛みに対して有効な場面があります。
一方で、少し考えてほしいのが「何年も同じ場所に貼り続けている湿布」です。
毎日、同じ場所に、同じように湿布を貼る。
それが何か月、何年も続いている場合、本当にその湿布で「治療」しているのか、一度考えてみてもよいかもしれません。
本来、痛みが改善すれば薬は減らせるはずです。逆に痛みが変わらないのであれば、湿布を増やすよりも「なぜ痛みが続いているのか」を考えることが大切です。
また、湿布は「貼るだけだから安全」と思われがちですが、薬である以上、副作用もあります。
同じ場所に繰り返し貼り続けることで、かぶれ(接触性皮膚炎)を起こすことがあります。赤みやかゆみが出ているのに「いつものこと」と貼り続けるのは注意が必要です。
「貼ると楽になる」
「貼っていないと不安」
その感覚も決して間違いではありません。
湿布に含まれる薬剤による効果だけでなく、冷感や皮膚への刺激によって痛みが和らいだように感じる効果もあります。
ただし、楽になることと原因が改善していることは同じではありません。
例えば肩こり。
肩がこるから毎日湿布を貼る。それで一時的に楽になることはあります。
しかし肩こりの背景には、長時間同じ姿勢でいること、肩甲骨周囲の動きの悪さ、筋肉の緊張などが関係していることがあります。
その場合、本当に必要なのは毎日湿布を貼り続けることではなく、「なぜ肩がこるのか」を考えることかもしれません。
実際、私自身も肩こりに悩んだ時期があります。しかし肩甲骨周囲のストレッチや運動を取り入れることで、かなり改善しました。
湿布で痛みを和らげることは悪いことではありません。
しかし原因が残ったまま湿布だけを続けることは、治療というより症状を一時的に抑えている状態とも言えます。
以前、OTC類似薬についても書きました。
コラム「医学的に。」その?
『処方か、市販か。医療の中で揺れる薬の境界線』
https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=4039
医療保険で処方される薬だからこそ、「効くか効かないか」だけではなく、「本当に今必要な治療なのか」を考えることも大切だと思います。
軽い痛みや一時的な症状であれば、市販薬を利用してセルフケアするという選択肢もあります。
今回は少し登山の話から離れました。
ただ、もし身の回りに「毎日湿布を貼るのが当たり前」になっている方がおられたら、ぜひ一度そんな視点も伝えてあげてください。
湿布は悪者ではありません。
大切なのは、湿布を貼ることではなく、痛みとどう向き合うかだと思います。
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