稲村岩尾根から鷹ノ巣山を経て水根沢林道へ
- GPS
- 07:50
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,490m
- 下り
- 1,578m
コースタイム
天候 | 曇時々晴一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・稲村岩尾根は特に危険箇所はありません。強いて言えば登山道を遮る倒木が多いので、紛らわせないよう注意下さい。 ・水根沢林道は沢に合流してから崩落している崖道がありますが、既に充分踏まれており、慎重に歩けば大丈夫です。 |
写真
感想
昨年後半からの体調不良で自重していた鷹ノ巣山への日帰り登山を復活させる事にした。ここ暫く高尾山南山陵等の低山から徐々に負荷を加え、先日は鷹ノ巣山を水根沢から登って上で一泊する事に成功した。頗る体調が良いので、図に乗ろう。暑い最中に岩尾根を登る。
朝起きると自宅では雷が鳴っている。怖気づくも、天気予報も天気図も悪くない。前線の影響は残っているが、前線は東に離れる動きだ。気合を入れて準備、東日原に到着すると涼しい。日原街道から見る稲村岩はほぼ霧に覆われて下部しか見えない。今日は一日霧の中だろう。展望は望めないが、霧の中の木立は存分に楽しめそうだ。
中日原にある水汲み場で水を補給しようとすると、「飲用しないで下さい」と真新しい張り紙があった。ここで飲まなければ巳の戸谷で汲むしかないので、その方が危ないけどな…と思うが、地元の人もいたので通り過ぎた。
巳の戸橋へ降りる道はいつもにも増して滑りやすい。水量が増えて轟く日原川を超えてローペースで登り始める。今日は時間は気にしない。日帰りでこなせれば成功としよう。
沢と合流する稲村岩の基部に着くと、早速最初の休憩を取る。ここから川沿いは大変涼しく、虫もほぼ居ない。暑い日にここでビールを冷やして半日過ごすのもありだろう。巳の戸林道との分岐点の橋の麓で水を1.5リットル補給し、尾根腹に取り付く。
稲村岩鞍部の直下がこのコースで最も危険な箇所だが、山頂側に付け替えられた道が冬以外も正規のルートになったようで、安全になっていた。岩尾根のきついのはここからだ。水を飲んで、高みを眺める。
最初は硬かった下半身が、徐々に柔らかくなってきた。それでも暑さが辛い。今日は涼しい方だが、それも程度問題だ。少なくとも標高1400m近辺までは虫がごく少なかったのが救いだ。
ただ単調にきつく、ヒルメシクイのタワまで明確な里標となるものが無い。隣の石尾根や八丁尾根の山容が多少の目安になるが、それも今日は全く見えない。GPSを見れば解決する話だが、がっかりするのが悔しく、見なかった。霧は更に濃くなる。不安はあるが、天気の崩れはそう心配無い。足元と雷鳴に気を付けさえすれば最後まで行けるはずだ。
いつもの事だが、必死に登っている時間はやたら長く感じるものの、後から振り返ると覚えている事は殆ど無い。下山後のビールの事は30回程考えたが。霧の中の杉木立が期待以上に美しかった事と、根こそぎ倒壊した巨樹が矢張り霧に包まれている風景に至っては現実かと疑った事は覚えている。
ヒルメシクイのタワ手前から虫が増えてきた。漸くタワに着いて座るも、蝿にまかれて参った。500ccの水一本目を空にして進んだ。ここまで来たら、登頂は間違いない。
その先で入山後初めて人の姿を目撃した。立派な装備で休むお二人の脇をフラフラになりながら通る。昼近くになって山頂から降りてくる他の人が三人程来た。呼吸は深く荒れ、倒木を越えようとするが足が上がらない。北斜面を登る最後は杖に縋って登った。
登山開始から四時間弱経って漸く山頂へ齧りついた。真っ白な中には男性一人しか見えない。「乳を流したような」という表現があったな、と思い出しつつ荷を下ろす。僅かに斜面手前の木々しか見えない風景すら、完登の褒美に思える。
昼飯には生野菜とポケットパンとソーセージでホットドッグ。保冷剤一つでパックに入れて来たが、無事なようだった。のんびり食べていると小蝿やメマトイが集まってくるので、ハッカスプレーで応戦した。
天気の心配もあるしビールも気になるのでそろそろ下山しようと準備していると、目の前のマルバダケブキにキアゲハが寄ってきた。下手な写真を何度も撮る。無論全滅だった。
さあ、降りよう。16時頃に雨が降るらしいし、雷も気になる。山頂直下の水根山への道でマルバダケブキの見事な群生に出逢い立ち尽くしたり、杉木立から広葉樹林へ抜ける光景が霧のお陰で幻想さを増しているのに息を呑んだり、下草の蜘蛛の巣が結露で皆白く目立っているのを眺めたり、晴れの日でも、余裕の無い登りでも気付かないものを堪能した。一方で濡れていないように見える道が結露で滑りやすくなっているのに舌打ちを繰り返し、時間をかけて雷鳴に耳をそばだてながら降った。
山行の反省点
当日の12日は上手く逃れたようだが、前日と本日13日は奥多摩周辺は大変な豪雨だったようだ。16時前に行動終了の予定だったものの、その前に夕立が来ないとも限らない。そして今の夕立は山中なら一発でビバーク決定となる可能性がある。その認識は足らなかった。
下りで片足を下ろしつつ身体全体のバランスを取る事が良くあるが、何度も失敗した。幸い尻もちも滑落も無かったが、自分のイメージに身体がついていっていないのが問題だ。
ご助言ありがとうございます!確かに山の歴史等を学んでから登っても感慨がより深まりますね。私自身は地理の知識は全く無いのですが、そういう人間でも関東山地の造山運動なりを学べる本はあるのでしょうか。もしご存知でしたらご教示頂けますでしょうか。
鷹ノ巣山は山肌のゴツゴツしたところに雄々しさを感じてよく登っております。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する