滑落の「秋田駒ヶ岳」
- GPS
- --:--
- 距離
- 3.3km
- 登り
- 364m
- 下り
- 836m
天候 | くもり時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
去年の震災後、主に東北のヤマレコユーザーさんに向けて、ささやかなメッセージを送ったのが23年4月10日の「秋田駒」でした。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-102278.html
間もなくあれから1年です。
ということで、思い出の「冬の秋田駒」に行ってきました。
雪面はクラストした上に、昨晩降った雪が少し積もっているという状態で、深く沈むことはなく、アイゼンだけで登れました。
ただ、1,600mあたりから上はガスと強風で10m先あたりしか見えなく、しばらく晴れるのを待ってみましたが、いつまでもそうしているわけにもいかず、止むなく登頂断念しました。
と、普通は残念でしたで終わるのですが、今回はそれで終わりませんでした。
タイトルにあるように戻りで滑落してしまいました。
この記録を書いているということは、命に別条はなかったのですが、その時は死ぬかと思いました。あまり自慢できる話ではないので、書こうか迷いましたが、貴重な経験ということで、書くことにしました。
滑落したのは両側が谷になっている馬の背の部分で、アイゼンの爪がしっかり刺さっていなかったか、刺さった場所がもろかったのか不明ですが、あっと思った時には滑っていました。記憶が定かではないのですが、最初は尻もちをつくようなかっこうで落ちて行きました。
視界の片隅にザックの横にいれていた魔法瓶が先に落ちて行くのが見えました。ああ、あれは回収不能だな、などとのんきなことを思った記憶があります。滑りながら「このままでは下まで落ちてしまう」ということで、右足でいきなり踏ん張って見ました。これがさらに事態を悪化させました。その右足を軸に身体が回転してしまいました。1回転したのは覚えていますか、どう回転したのか、2回転以上したのか、頭がどっちの方か、まるで分からなくなってしまいました。(この時、右足をねんざしました)
止めるのをあきらめ、滑り落ちるとこまで落ちるしかないと観念したら、なぜか、斜面に座るかっこうで止まりました。自分自身はまったく意図してませんでしたが、とにかく止まりました。右足にねんざらしい多少の痛みはありましたが、他に骨折や打撲もしていないことを確認し、ザックもストックも無事で、なんとか一安心です。ただ、その場所から数メートル先は、さらに斜度がきつくなっていて、あそこまで行けば下まで行ってしまうだろうというぎりぎりのところでした。
その場所はちょっと吹きだまりで、雪が深くなっていたのが幸運だったのでしょう。そこから元の登山道へ戻るのがまたやっかいでした。ちょっと油断すると再滑落の危険があり、十数メートル横に行くのに、やたら遠く感じました。最後は、後から登ってきたスキーヤーの方にひっぱりあげてもらい、無事生還しました。
あのまま止まれずに落ちていたらどうなっていたか、考えるだけでぞっとします。
今回の件では、装備や経験、気持ちの問題等反省すべき点が沢山ありました。
皆さんにはこんなことが起こらないよう、願っています。
なお、一応ルートは滑落したコースも載せていますが、自分がどのくらい落ちたのかはっきりしないので、だいたいです。
コメント
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命助かってよかったです!自分も肝に銘じて山行を楽しみたいと思います。
sirotenguさん、お疲れさまでした。
下界はお天気良かったのですが、山には少し雲がかかっていましたね。
僕も前日の夜まで秋田駒ヶ岳へ行ってみようかと考えていたところでした。
今日になってなんとなく気が進まず、結局行きませんでしたけど。
今年は鬼門のコースですかね。
僕も気をつけようと思います。
足のねんざ、お大事にしてください。
こんばんはsirotenguさん、本当にヤバかったですね
捻挫だけで済んでよかったと思いますが、ただただ運
が良かったと肝に銘じた方が宜しいかと思います。
他人ごとではなく、自分も十分気をつけ体と思います
しかし本当にこれだけで済んでよかったですね。
油断大敵、これからも気をつけて山を楽しみましょう。
Yokkeさんへ
落ちている時は「最後まで行けばどこへ着くのだろうか」などと、あまり死ぬことは考えていませんでしたが、後から思うと恐ろしくなります。
tooleさんへ
魔法瓶一本紛失とねんざで済んで奇跡的でした。
常に緊張感を持たないといけませんね。
kajyukiさんへ
本当になぜあそこで止まったのか、いまだに不思議です。
日頃の行いがいいから、などと冗談言ってる場合ではないですね。
おひさしぶりです
止まって本当によかったですね!
足を突くとそうなっちゃうんですよね
子供の頃、土手から滑り降りて何回も吹っ飛んでました
あそこはやっぱりアイゼンとピッケルなのかな
滑落停止もマスターしないとですね
とにかく無事で・・・あ、捻挫
お大事にしてくださいね
今回は貴重な経験をしたと思います
お互い気を引き締めて、これからも楽しんでいきましょうね
去年も登ったからという気のゆるみがあったのかもしれません。
また、装備もしっかりとしたものじゃないといけませんね。
技術面もそのとおりです。(反省)
sirotenguさん 今晩は
多少の怪我と魔法瓶の紛失はさておき,ご無事でなによりです。
私も先日,岩場の登りを途中で止め,降りようと思ったときに滑落しちゃいました。
10数mの急な岩場の滑り台は,伏せたままでなす術なし。そして,最後はわき腹を強打です。
やはり後からですが,頭だったらと思うと,ゾーッとしちゃいました。
あまり良いことではありませんが,期せずして,滑落の一致。お互い,気を付けて,社会に迷惑をかけない安全登攀でいきたいですね。
お怪我の方は,お大事に
ついに「滑落仲間」になってしまいました。
岩場はさらに怖いですね。
「注意一秒、怪我一生、車(滑落)は急に止まれない」
今年はまだまだ雪が多いので、
気をつけなければなりませんね!
肝に銘じて歩こうと思います。
私も以前秋田駒でプチ滑落を経験してますが
思い出すと今でも背筋が寒くなります。
捻挫、お大事にしてください。
そう長くはない私の登山人生の中では、最大の危機でした。
落ちている瞬間、これまでの人生が走馬灯のように頭の中を・・・出てきませんでしたが、自分の軽率さへの腹立たしさと失敗したというくやしい気持ちでいっぱいでした。
捻挫はおかげさまで今日になってだいぶ腫れてきました。
今度の土日は無理かな !?
sirotenguさん、いつもご来訪ありがとうございます
もう足は大丈夫でしょうか?
私も秋田駒で滑落した事があります。
雪山訓練中でしたが、ブレーキをかけようにも、速度が増すばかり。
下の木々に激突するんだろうと覚悟を決めようか・・・
すると、下にいらした方が滑り落ちる私をめがけて走って抱きつき、ピッケルで止めてくださったのですが、
そういうのもあって、暫く山は登っていませんでした
今は、当時の反省を踏まえながら少しずつ少しずつ体慣らしをして、少しは雪山を安全に歩けるようになりたいものです
滑落したショックで山に行かなくなった訳ではなく、単に捻挫が完治していなくて、このところ遠ざかっています。
残雪の山にも登りたいし、春の花にも会いたいのですが、まだ平地を歩くのもつらい状態で、皆さんの記録を眺めては、ため息をついています。(自業自得ですが・・・)
捻挫の回復が長引いておられますね。
どうぞお大事になさってください。
カンバックをお待ちしております。
徐々に良くなってきているのですが、まだ山に登るのは厳しい状態です。
楽しみにしていた花も終わりそうで、泣きたい気分です。
行きたい気持ちをなんとか抑えつけている、今日この頃でございます。
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