長万部岳、利別岳
- GPS
- 29:29
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,529m
- 下り
- 1,514m
コースタイム
1月21日:C1(6:50)→後志利別川Co570二股渡渉点(7:30-45)→利別岳北コル(9:10-30)→利別岳山頂(10:30-45)→コル(11:10-30)→C1(13:20-40)→除雪終点(15:00)
過去天気図(気象庁) | 2007年01月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
後志利別川源流の最高峰1021は地図では無名峰だが、長万部岳から谷を隔てて見る姿は堂々たるもの、名無しでは気の毒だ。秋に地元の山岳会の人と登った際、積雪期なら山越え谷越えで行くのが早いと聞いてやる気を出していた。今週になってやっと雪が積もった。
長万部駅で室蘭の梶川と合流した。ヌピナイ川以来。地図上の温泉マークが今は営業していない長峰温泉でここが除雪の行き止まり。出発しようとしたらストックを忘れたことに気がついた。長万部駅前まで戻って、地元の岩瀬さんにお願いしたら、快く貸してくれた。それも年代物の竹ストック。一時間半後に除雪終点に付いてみると10台分のスノーモービルを運んだトラックなどでびっしり。モービルのトレースでこの先 Co600あたりまで歩道道路になっていた。
長万部山岳会の山小屋うすゆき荘がCo400にある。スキーが刺してあるのであいさつに行くと、ヒュッテンレーベンを決め込んでいた地元の三人組に、イチゴ大福の差し入れまでもらった。
Co600には旧鉱山跡があり、昔荷車を通したため広い夏道はスノーモービルにも登りやすいルートとして定着しているらしい。おかげでラッセルは全くなく、夏の時間読みで上まで上がれてしまった。でもありがたいと思わない。ラッセルなんかいくらでもするから山では会いたくない。騒音がひどく、排気ガスが臭い。二日間、山中に響く騒音を、鳥も獣も僕達も、押し黙って聞いていた。
長万部岳北のコルにザックを置き、空身でアタック。日本海側の山にはまだ雲が残っている。目指す利別岳は谷を隔て勇ましくある。東面はまったく木が生えず、真っ白な壁をさらしている。冬の山は白いほど価値を持つ。美しく、アタックも難しくなるから。イグルーは踏み固め時間コミで、1時間で出来た。一帯は枯れ木無く、タンネもなく、焚き火に適さない。夜は非常に冷えた。
翌朝は室蘭の灯りを遠く見て出発。帰りに登りやすいよう緩く遠く下っていく。谷底は広く、気持ちのいい所だ。朝日が利別岳を赤く染めた。渡渉点で水を飲むとき、雪橋の上から竹ストックのワッコの上に雪を載せ水流に着けると、かき氷のようにタップリ水を吸う。これを口の前に寄せチュウチュウ吸う。竹ストックだと、雪を大盛りで載せられるので、一回で満腹になる。今時のじゃ、ほとんど吸えない。ラッセルもやりやすいし、長いので傾斜地での使い勝手も良い。学生の時は竹ストックだった。またこれに戻そうか。
対岸は斜めに緩やかに登ろうとしたが、細く深いルンゼがいくつも横切っていて意外や苦労した。利別の北Co800コルからの登り出しは結構急だが、安定した雪質でなんとかなった。ここの下りが山行中唯一の痛快スロープだった。山頂からは噴火湾の向こうに駒ヶ岳。両側の海をイチゴ大福食べながら見る。真っ白な大平山の存在感が大きく、次回の楽しみとした。狩場山は上半分に雲が貼り付いていた。風はほとんど無く、日差しはあるが、気温は−9度ほど。結構寒い。山頂からシールはずして、コルまでの滑降が楽しかった。高度感、傾斜、雪質と申し分ない。右の雪庇を気にしながら。
コルから下の樹林帯は雪が重くなり、板にくっついて不快調になった。谷底の水をまた飲んでイグルーまで登り返す。ロングアタックだがこの傾斜は緩く、登りはむしろ快適だった。行きと帰りに谷底で水を飲めるのがよい。C1から下る鉱山川の夏道へは、Co600上のブナのすてきな斜面がキャタピラの深い溝でメタメタにされていて、僕らの滑る斜面は残されていなかった。帰りの道もボブスレーコースの様になっていて、プルークボーゲンでも制動が効かないガリガリ溝になっていて何度も前周り受け身をとった。雪質も腐っていて今ひとつ。
二股ラジウム温泉は1000円もするが、何かと落ち着かない温泉だった。元はいい温泉 だったらしいのにもったいない。次にこのあたりで下山風呂するなら長万部温泉が良いようだ。ストックを返す事になっていた、駅前のお蕎麦屋さんでカツ丼を食べた。以前、深川駅前の寿司屋のカツ丼がうまかったのに味をしめたが、蕎麦屋のカツ丼はうまい。やっぱり蕎麦つゆが生きて居るんだろうか。勘定払おうとしたら、ストックのイワセさんから、おごりだってことになっていた。カツ丼までゴッツァンになってしまった。ありがたや。ごちそうさまでした。
未踏峰登頂、計画貫徹の満足を味わうのは、うまいカツ丼を空にした一時である。
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