【西川作戦】天覧山・多峯主山・天覚山・大高山・竹寺・子ノ権現・高畑山・伊豆ヶ岳


- GPS
- 10:23
- 距離
- 31.1km
- 登り
- 2,314m
- 下り
- 2,130m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復:西武秩父線正丸駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:所々急なアップダウン、岩や木の根が地表に飛び出ているところはあるが概ね歩きやすい。 経過としては、 天覧山〜多峯主山:整備された歩きやすい道。 天覚山方面分岐〜天覚山:分岐から永田台の道路とぶつかる辺りまでは歩く人が少ないのか若干荒れ気味。飯能グリーンカントリークラブに沿う道前半まではなだらかな道だが、後半からアップダウンが増える。 天覚山〜前坂:石や木の根が張り出し始める。前坂から先は破線ルートで、ちょっと道が荒れているなと思ったら発破の警告がある。 前坂〜竹寺:前坂から集落に降りるまでは歩く人が少ないようで若干荒れ気味。集落からはほぼ舗装道路。 竹寺〜子ノ権現:関東ふれあいの道で歩きやすい。 子ノ権現〜正丸峠:アップダウンのクライマックス。伊豆ヶ岳の女坂は崩壊したようなので、別の迂回路を利用するようになっている。男坂は久しぶりに来たら若木が生えて印象が変わっていた。こんなに鎖あったっけ? |
写真
感想
江戸から見て西方に当たる川として、名栗川、高麗川、成木川を西川と称した。この辺りで切り出した木材(ヒノキやスギ)は西川材と呼ばれ、いかだにして江戸まで4、5日かけて川を下らせたという。現在も飯能では西川材ブランドの活用を模索している。
11月三連休最後の日。平岡公威の命日ということで静岡の三島辺りでも歩こうかと思っていたが、静岡方面は雲が多そうなのと前日妙義神社奥の院・中間道を歩いた後飲酒して23時30分に帰宅したことから近場にフィールドを変更する。吾野から天覚山に登ることから始めようかとも思ったが、途中電車を乗り換えるのが面倒くさいのと日の出前から歩き始めることを勘案して、飯能駅から所謂飯能アルプスを経て歩いていくこととした。
飯能駅前の吉野家で朝食をとった後スタート。街中でも観音寺や飯能恵比寿神社等の紅葉が色鮮やかで深い秋のかなり下ってきたことがわかる。陽光が十分でなく全体として日陰色にかすんでいるが、それでも赤や黄色が異彩を放っている。
天覧山麓の能仁寺に至る頃には日が当たり始め、紅葉はますます色濃い。もはや紅葉を楽しむために遠くへ行く必要は無いのだ。
天覧山登り口から山頂へはあっけなく着く。すぐについて画像にあるような風景を望めるのだから展望コスパはかなり良い。遠くは東京のビル群から、丹沢、富士山、奥多摩と幅広く、澄んだ晩秋初冬の空にはっきりと見える。
多峯主山からは階段状の道を裏側へ下り、その後上り返すのだが、標高200m前後なので苦にはならない。地元住民と思しき人達もチラホラと朝の散歩をしている中を石段ルートで山頂に向かうと途中鎖場があるが、子供専用とされている。確かに、大人なら鎖を使わずとも歩けそうだが、小さい子供たちにはちょうど良い練習場になりそうだ。そこを過ぎれば、間もなく山頂。そしてほぼ全周の展望。北側に木立があるが、東西南北いずれの方面も望むことができる。
久須美坂方面分岐以降は人通りが明らかに少ないとわかる道で蜘蛛の巣もどんどん顔にかかる。ちょうど目の高さにぶつかるのが厄介だ。一旦道路に出て右に進み、左手の貯水池北側から再度山道に入っていくが新興住宅地が間近に迫り、住宅の裏庭前を過ぎていく箇所もある。277.5mピークからは新興住宅地の奥に東京都心を眺めることができる。前に見える山は何だろうと思ったら先程までいた多峯主山で何だか不思議な感じがする。
このピークを過ぎてからが久須美坂。多峯主山での分岐にはいきなり「久須美坂」とあったので、そこの下りが久須美坂かと思っていたが、全く違った。
ゴルフ場の傍を通るもゴルフ場が見えるようになるのは後になってから。ゴルフ場から音が聞こえたりするようになる頃には、なだらかだった道がアップダウンし始める。以降は大高山・前坂に至るまで本格的な山道になる。
さて、前坂である。右に行くと吾野駅、左に行くと竹寺、真っ直ぐ行くと子ノ山。最初は真っ直ぐ子ノ山を目指すべく直進したのだが、すぐに道が荒れてきたなあと思ったところで発破の警告である。100m先で10時、12時、14時に火薬類を使用するとある。本当に発破かけるかはわからないが、まだ11時で時間に余裕はある。しかし、過去に発破したことがあれば、この先は土くれがとんだり、木が倒れたりしているものと思われ、進むのに難儀しそうだ。何より相当量の火薬類が置いてあるかもしれない中に入っていくかどうかという話だ。その前から「今日はどの辺りまで行こうかね?丸山は無理かな?」などと考えていたところなので、どの辺りで締めるかという問題も絡んで暫し考える。
とりあえず、来た道を戻るとして、最初は竹寺方面への転進を考え、その後、吾野駅方面に出た後、子ノ権現に上ろうと一旦引き返したが、最終的に竹寺から子ノ権現、伊豆ヶ岳に北上して正丸で締めることとして竹寺方面に下りる。
一旦集落に降りて標識どおりに進むと民家である。これは標識が違うんではないかと思い、曲がらずに真っ直ぐ歩いてみると今度はGPS上の軌跡が山道から大きく逸れ出した。これはやはりさっきの道だと引き返し、慎重に見てみると民家の左脇に道があり、小さな標識がある。安心して入っていったは良いが、歩く人が少ないのか道が草葉で覆われたりと、ややコンディションがよろしくない。そりゃあ竹寺に行くとしたら名郷か子ノ権現からだよなあと思ってしまう。幸い、酷い道も長続きせず、第二の集落に出てからはほぼ舗装道路歩きで竹寺に至る。
北野武監督作品『ドールズ』のロケ地ともなった鳥居観音の真っ赤な紅葉は色あせたという情報を得ており、この辺りの紅葉にはそれほど期待していなかったのだが、駐車場手前辺りから木の葉が色鮮やかな姿を現す。薄暗い竹薮を抜けると、燃えるような紅葉が青空に映えていた。
ちょうど昼時で、食事処など無いかと若干期待していたのだが、何年か前に訪れた際の記憶が正しく、食事処を求めて子ノ権現に向かう。子ノ権現も15時頃に着いたのでは恐らく門前の店も閉まってしまうが14時までには着きそうである。関東ふれあいの道ということで歩きやすかろうと思ったりもしたのだが、実際は急な登りが連続する道で空腹の身には応える。距離がそれほど無かったのが救いだ。
子ノ権現に至り、今年一年の健脚行脚について感謝する。そして昼食だ。
門前の店はシーズンオフも近いということなのか、土産物屋1店しか開いておらず、うどんやそばといった軽食ですら望めない。ただ、すぐに食べられるものとして肉まんとあんまんを売っていたので、それをもってまともな昼食とする。蒸し器に長く入れ過ぎの感はあったが、仕方がない。乾きものの携行食料に飽いていたところだから良しとしよう。
腹ごしらえを済ませて伊豆ヶ岳へと向かう。真っ直ぐ登るわけではなく、一旦天目指峠に下って上り返すという道だ。思えば歩き始めが200m前後の山で、最後が850mだから、なかなかハードな山行なのであった。最後の上り返しに備え、子ノ権現を目指してハイカーが登ってくるたびに道を譲って一休みする。
天目指峠以降は再び擦れ違うハイカーも減り、静かな山行となる。結構へばったり、うげっとなったりするのではないかと危惧していたが、ゴールが近いとわかっているからか心に余裕があり、体のほうも暑過ぎず寒すぎずで状態が良いようだ。最後800mまでの急な上りもあまり苦にならない。そして登れば再び夕日を浴びて輝く紅葉と奥武蔵の山々。非常に至福のひと時。
伊豆ヶ岳では日没1時間前ということもあって他には1名のみの状況。山伏峠へ降りるという彼を見送り、自分も下山することとする。男坂は昼間はにぎわったのだろうが静かなものだ。久しぶりに来てみた男坂は何だか木々が増えたように感じられた。坂のど真ん中にも若木が何本か伸びていて、もう高さが1mくらいになっている。この坂は、現在ロープや看板で通ることを推奨していない一方、鎖が何本もぶら下がっているという、なんともチグハグなことになっているが、このまま草木が生い茂れば、自然と通る人が減るか、或いは安全性が増すかもしれない。5年後、10年後、この坂はどうなっているのだろう?
等々と最後は考えてしまったが、今回は天候・展望・紅葉全てに恵まれて山行を終えることができた。今年は京都の紅葉が見たいと思いつつ行かなかったわけだが、遠くに行かなくても素晴らしい紅葉が身近にあると再認識できた、とても楽しい一日だった。
〜おしまい〜
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