道畔谷東尾根・荒地山・大谷乗越南面下降・十文字山


- GPS
- 06:13
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 785m
- 下り
- 762m
コースタイム
- 山行
- 5:45
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 6:13
天候 | 晴時々曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
通行止め区間有。藪あり。道標・マーキングなしの区間有。 |
その他周辺情報 | 駅近くに多数。 |
写真
装備
個人装備 |
シュリンゲ
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
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感想
この週末、土曜日は一日雨降りで、山に行けるのは日曜日しかない。翌日仕事というこんな時には、行き先は自分たちにとっての裏庭、六甲に限る。娘が車で送ってくれるというので、阪急芦屋川まで乗せてもらい、かねてからチャンスをうかがっていた道畔谷東尾根から荒地山に登ってみることにした。芦屋川の右岸の道を多くのハイカーと一緒に進み、予定通り「高座滝・六甲最高峰左、右行き止まり」の分かれ道を、胸張って右に進む。ところが、車道の終点まで行ってみると本当に行き止まりだ!ここから弁天岩に至る歩道に入れるはずが・・・やむなく来た道を戻り、多くのハイカーが「あの人たち間違ったのね」という表情で視線を向ける中、大衆にそれとなく溶け込むように努めながら「高座滝」方面に進路をとる。少し登って「城山・荒地山、右」の道標で右折、やっと混雑する六甲銀座とおさらばする。静かな山道に入って傾斜が付いてくるころ、城山方面と別れ、右に弁天岩方面への道に入るのだが、なんとそこには「進入禁止」の大看板が!令和2年10月から治山工事のため通行不可になったとある。その先、少し進んだ右手下方の岩の上に真新しいネットがかけれれていて、どうやらそこが工事現場らしいのだが、このルートそのものには何の影響もない。ほんの数百メートル先には、逆側からの進入を禁止する看板が立ち、結局、その短い区間だけのためにルートが封じられていたのだった。やがて二つの水場があり、水の味見をしてさらに進むと、道畔谷堰堤を超える地点に達する。ここで左に分かれる道型があり、道畔谷右岸のトラバースルートとなる。谷の対岸にまるでスフィンクスのような巨岩が現れ、思わず立ち止まって鑑賞してしまう。ここを過ぎてしばらく行くと、左に踏み跡がわかれ、東尾根に行くにはこれを辿ることになるが、見落としやすいので要注意だ。分岐点の細い灌木に白いテープマーキングが付されている。ここをまっすぐ進むと、道畔谷中俣に入っていってしまう。
この分岐を左に入ってすぐにまたルートは二分し、東尾根には右へカーブする明瞭な道を辿る。ここからぐいぐいと傾斜が増して岩の連続となる。息もつかさぬ急登で高度を稼ぐと、やがて背後に大阪平野と大阪湾の広大な眺めが広がる。まっすぐに尾根を登ってゆくため、視界の変化はないものの、その雄大な眺めに気分は爽快だ。これから向かう山側を見上げると、岩の林立する荒地山にあってもひときわ目を惹くスラブ状の岩のリッジが山頂方向に一直線に立ち上がっている。まるで大峰大日岳の行場のミニチュアのようである。よもやあれを登るんじゃないよね??残念ながら、ルートはその北側に沿うようについていて、登っている者の視野を逃れて知らぬ間に通り過ぎてしまうのだ。ルート上のリッジと同高度の地点には大岩の展望台が連続して、雄大な景観を前に一服入れる適地だ。ここから一登りでメインルートの岩梯子の直上に飛び出す。これまでとは打って変わって穏やかな登山道をしばし進めば、木々の茂る荒地山山頂である。
ここから最高峰方向に少々進んで到達する鞍部が大谷乗越と呼ばれるところだ。ここで、左に派生するササで覆われた踏み跡に踏み込む。入り口こそ藪っぽいがすぐに道型が明瞭になり、ちょいと下れば大岩が折り重なった舞台に飛び出す。今度は神戸方向の展望が見事に開ける。解放感に溢れた静かな空間が広がっている。その眺めを独り占めにして、ゆっくりと昼食をとる。ここからルートは進行左手の岩の隙間につけられている。明瞭な踏み跡を辿ればやがて傾斜は緩み、灌木の密な林を道なりに進むと、唐突に庵が出現してあっけにとられる。もはや使用されていない庵だが、建付けはまだしっかりとしている。いかなる仙人がここを居としたのであろうか。この先、沢の源流が複雑に流れる林内を踏み跡を探してさまよう。幾度か道を失いそうになりつつも、踏み跡を辿れば、突如、よく踏まれた道に出る。その地点には道標があり、南に進めば高座滝だというが、今自分が出てきた方角に記載されている文字は「進入禁止」!いずれにせよ、ここに出たということは、どこか途中で自分の行きたいルートから外れたことを意味している。「進入禁止」の方角へ少し戻って(これは「進入」でなく「引っ込み」である)、今度は西寄りに踏み跡を辿れば次第に道型がはっきりしてきた。間もなくして前方に人の気配を感じ、さらに進むと、横池方向と高座滝をつなぐ登山道との交差点に出た。ここから横池へと向かう。「ちゃんとしたルート」も「非公認ルート」も同じようによく踏まれており、指導標もないのに、皆、勝手知ったる我が庭を行くという感じで悩みもせずに行きかっているのが六甲の不思議なところだ。
さて、横池に行ってみると、湖面を覆うスイレン科のヒツジグサが今まさに花盛り。一面に白い優雅な花が咲き競っている。息を飲む美しさだ。池の端を散策したのち、今度は雌池に向かう。こちらは静寂を保ち、横池にははるかに及ばないスケールながら、ヒツジグサが花を咲かせている。雌池からは七兵衛山へのなだらかな道をゆく。周囲は、高圧線管理のためか、広範に伐採されていて、以前訪れた時とは全く違った明るい稜線に変貌していた。しかし七兵衛山の山頂付近は以前のままに樹木が茂り、南面だけ切り払いとなって展望の良い手製ベンチの休憩適地が当時のまま置かれていた。すでに人々で満杯の山頂を後に、打越峠へと向かう。伐採でこちらもすっかり明るくなっていた。打越山への登路の途中から旧道へと入り、やや藪っぽいラインを高圧線直下に至り、ここから巡視路を一直線に進んで打越山出合へとショートカットする。途中笹薮が被ってうるさいが通行はできる。あとは岡本への道をひたすら下ってゆくのみ。十文字山は気づくこともなく通過して、最後は自動車道に岩下りで降り立ち、暑さこたえる午後の陽射しの中、水遊びに多くの人が興ずる住吉川に沿って家路を急いだ。
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