2022 kami100
![情報量の目安: A](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_A2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 17:20
- 距離
- 109km
- 登り
- 6,800m
- 下り
- 6,800m
コースタイム
- 山行
- 14:24
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 14:59
- 山行
- 1:51
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 2:02
天候 | 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場:大会駐車場を利用 |
写真
感想
kami100参戦記録
LAKEBIWA100以降、ほとんど走り込みが出来ないまま、kami100本番を迎え、かつてない不安の中で参加しました。
完走するだけなら、ペースを落として歩き倒せば何とかなる
今回は無理をしないで完走狙い
今の足の状態を考えると「無理をしない」という選択肢が賢明なのだが、OSJの大会に出場するからには勝負したい。揺れる気持ちが葛藤する。
「なぜ走るのか」
次のステージを目指すために自分自身と向き合い続け、もがき苦しんだ17時間半を忘れないように書き留めておきます。
■準備
先週試走したが、1周で足へのダメージは深刻だった。本番は試走した1周のペースを上回るスピードで展開される超高速な100kmなることが予想される。
どこまで行けるのか、不安を少しでも和らげられるようにデポバッグにはトレランポールも準備しておく。寒さ対策も入念に、エイドで立ち止まった時にカラダを冷やさないように、デポバッグにはダウンジャケットも用意した。
その半面で、チームメンバー4人での前日宿泊が楽しみで、宴会準備も怠らない。勝負したいのか逃げたいのか。準備段階から葛藤が始まっていた。
■前日
前日受付は快晴、絶好の宴会日和で飲みすぎる。LAKEBIWAでは食料が足りなかったので、買い込み過ぎて食べ過ぎる。この調子だと明日は勝負にならない。逃げる理由を探していたのかもしれない。
■スタート
目覚めると雨。しっかりと降っている。デポバックを車に置くか、テントエリアに置いて少しでもタイムロスを減らすか。悩んだ結果、雨が小降りになっていたのでテントエリアにセットした。体は重いが、気持ちは勝負を諦めていない。
いつものように最前列。とまではいかないが、3列目辺りをキープする。雨で荒れたトレイルの下りが渋滞するだろうと予想したので、渋滞のタイムロスを避けるため、いつも通りフロント位置を陣取る。
ボチボチ行くのか、1周目から突っ込んで撃沈するのか。答えは明確、いつも通り突っ込んで撃沈するのみ。スタート直後から先頭集団に絡んで追いかける。と、思った矢先、先頭集団が開始1分で集団ロスト。コース通りに進んでいた自分が先頭に立つ。予想しなかった展開だが面白い。猛者たちを相手にどこまで粘れるか。どこまで・・・
全然粘れない、どんどん抜かれる。
自分ではペースを上げていないつもりだが、心拍の上昇にカラダがついていかない。足は重く、心肺は苦しい。周りの選手は息も上がらずゲレンデを駆け上がっていく。完全に置いて行かれる。しかし、1周目のオーバーペースは禁物。自分のペースに戻そうとするが、抜かれていくペース合わせようと焦り、なかなか自分のペースを取り戻せない。
ゲレンデが終わり、林道、トレイルに差し掛かる。得意なはずの下りのトレイル区間でも抜かれる。下り切って、登り返しに差し掛かる。目の前には集団が出来ていて、上りで抜き返そうとするが、思うように体が動かない。前日飲み過ぎたのが原因か、LB以来の練習不足か、ウェイトオーバーか、雨で滑るトレイルでコケるのが怖いのか。思い当たる原因が多すぎて何が原因か分からない。
戸惑いながら前の集団に必死で喰らいつく。1つ目のエイドをスルーして、鉢伏の上りが始まる。6月の姫ボタルの時はここで先行選手を一気に抜き去った。しかし、今日は全く別の体を運んでいるように重い。携行していたポールを取り出し、必死で重い体を持ち上げる。山頂を越えて、再び下り。やはりペースが上がらない。登り返しのロード、しっかりと走っているつもりだが、前後に選手はいない。前の選手を追っているのか、後ろから追いつかれているのか自分のペースが掴めない。
立ち止まれば追いつかれる。
とにかく動き続けるが、前後の選手は見えない。尾根伝いのトレイルに差し掛かり、再びポールを準備する。トレランポールでリズムよく尾根道を走る。この区間は得意なのでペースが上がる。しかし追いつけない。雨足が強くなる。スタートからレインは脱いでいたが、長い林道でペースが上がらないと体が冷えるのでレインを羽織る。兎和野高原への下りトレイルはかなり滑りやすくなっていたが、まだ走れるレベル。ロードに出て兎和野高原エイドに到着。ここまでバタバタしてたので、温かいスープで少し落ち着く。思うように走れない分、エイドでの滞在時間は短縮したい。スープを飲み干し、すぐにスタート。ポケットのゴミを捨てるのを忘れていた。エイドワークもリズムに乗れない。瀞川山への登りで再びポールを使う。足を温存しながらもペースを落とさない。まだ勝負は捨てていない。林道に出る。あとは瀞川山を登り、林道を通って下るだけ。1周目は4時間半ちょっと、頑張ったつもりだが、目標としていた女子トップの選手は既に2周目のゲレンデを駆け上がっていた。
■2周目
既に足がパンパンに張っている。このペースで残り2周は絶対に無理だ。エイドでのロスタイムは減らしたいが、何から準備するか考えがまとまらない。
とりあえずデポバックを開けて、雨が止まないので体を冷やさないように、秘密兵器のハラマキを着用する。カロリーメイトをザックに突っ込み、ワセリンを塗ったり、シャツを着替えたりも考えたが、時間がもったいないのでパスする。
エイドでコロッケとおにぎり、暖かいお茶をいただく。お行儀が悪いのを承知で食べながら2周目に突入。止まると寒いのと、少しでも前に進みたかった。気持ちは諦めていない。
雨で林道後の下りトレイルが滑るだろうと予想していたが、それ以上に鉢伏山からの下りも、アルペンロード後の下りもツルッツルに滑る。
鉢伏エリアは雨足も弱くなり、さぁこれから!と思っていた直後のツルツルトレイルだったので油断していた。ローション相撲で坂道を下っている芸人のごとく、転倒を繰り返す。ハラマキ効果と、体からの熱でTシャツも乾いてきた矢先の出来事で、手袋を外していたので手もドロドロ。素手を汚すと補給も躊躇する。細かなところでモチベーションが下がっていく。
一向に調子は上がらない。
暗くなれば調子が上がり、ペースも上がることを期待していたのだが、状況は刻々と悪化する。アルペンロードの林道で雨足が強くなり、レインを羽織らず、そのまま走り続ける。辺りが暗くなり、ヘッデンを装着する。さらにツルツルになっているトレイルを下る。これはまともに下れない。足を止めて絶望の淵に立たされる。
こうなったら、スキー戦法だ!ポールをスキーのストックのように使いながら滑り降りる。全くグリップしないツルツルの泥んこトレイルを下りは滑りながら、上りは滑り台の逆走イメージで半歩づつ進んでいく。中間エイドでオートミールをいただき、リフレッシュして再び走り出す。
■3周目
ゲートを通過し、考えがまとまらない。とにかく寒いので、体を止めないように、補給は最短時間でスタートしたい。
3周目は雨も上がり、ツルツルトレイルが粘土のようになり多少グリップするようになっていた。気温3度の鉢伏山頂に常駐する誘導スタッフ、充実したエイド。
運営サポートに幾度となく助けていただきました。本当にありがとうございます。
中途半端な時間にゴールしたので、無人のゴールゲートへ独りぼっちゴール。
完走後も震えが止まらず、あまり食欲も無かったのは石舞台の時と同じ感覚でした。
自分と向き合い続けた17時間半。
もっと出来ると思う気持ちと裏腹に、動かない体。
経験を繰り返すことで強くなれるのか。
来年は勝負できるような自分に成長していたい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する