雨乞岳 〜雪山は やっぱり甘くなかった〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 859m
- 下り
- 853m
コースタイム
雨乞岳頂上13:21〜杉峠13:51〜登山口16:29
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
距離もそんなにないので、冬用タイヤでない車は雪道に入る手前での駐車をお勧めします。 (21日現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
トレースがないと、表示やテープも少ないので、とにかく分かりにくい。 |
写真
感想
数日前から、週末の山の天気とにらめっこしてきたが、どうも日曜日の予報が依然として芳しくない。
ということで、土曜日の仕事を急遽日曜に回して出掛けてくることにした。
前回の御池岳で、雪山へのイメージが変わってしまった小生。その余韻も覚めやらぬ中、今回は同じ鈴鹿の雨乞岳。
だが、結果は天気も景色も申し分なかったものの、悪戦苦闘の連続。
御池岳の再現を期待した甘い考えはあっさり覆された。
以下はその顛末。
雨乞岳は、3年前の秋( ’12年11月)に一度テントを背負って登っているが、滋賀県側からのコースは今回が初めて。
山歩きにリスクは付きものとはいえ、できるだけ冒険じみたことは避けたい小生としては、願わくばガイド代わりのトレースがあることを期待しながら、且つ、状況によっては途中撤退も視野にいれて、登山口のある甲津畑に向かった。
甲津畑の林道に入って間もなく、路面の雪が急に多くなった(単に除雪されていないだけなのだが)。しかも早朝ということもあって、その雪も轍状にカチカチに凍ってハンドルを取られる。
迷うことなくチェーンを装着。
ところが、装着後わずか数百メートル走ったところで、あっというまに登山口に到着してしまった。わざわざチェーンを濡らすために着けたようなものだ。
歩き出す前から早くもケチがついた。
車内で軽く朝食を摂った後、出発の身支度をしていると、イブネまで行かれるという大阪からの男性が一足さきに登って行った。杉峠までは一緒のコースだ。
十数分後の6時54分、自身も出発。
ここ数日のうちに降った新雪の上には、先行の男性の足跡が残るだけ。
上に行くに従って雪が増えていくのは分かり切っているだけに、どうもあまりいい予感がしない。
1時間くらい歩いたところで、スノーシューの装着準備をしている男性に追いついた。ここまでは、針葉樹林帯が主だったこともあって、さほど歩きに支障はなかったが、それもここまで。小生もワカンを装着。
というより、自分一人だったら、もうとっくの昔にあきらめて撤退していた。
お互いに先頭を交代するかたちで歩き出した。
しかし、コースの手掛かりになる目印がほとんど見当たらない。
時々、道と思って歩いていたところから、遠く離れたところにポツンと現れる道標やテープが見つかると、その度にそちらの方向に移動。やたらと無駄に体力を消耗する。
それでも出発から4時間半、なんとか杉峠にたどり着いた。
もう、体力的にはほとんど限界の自分だが、ここまで来て、しかもこの天気で雨乞頂上を目指さない、なんて言ったら後々悔いが残る。
それよりなにより、この峠のシンボル、大杉の姿が様変わりしてしまったことに驚いた。前回来たときには、老木から枝分かれした杉があんなに青々と天に向かっていたのに・・・。
この枯れ木も、何年後かに朽ち果ててしまったとき、
「ここには昔、2本の大杉が実際にあって、あの信長や・・・」
などということになってしまうのだろうか。寂しいことだ。
(訂正:この2本の木は本来の大杉ではないみたいですね。失礼しました)
大阪の男性はここから北方向のイブネへ、自分は南方向の雨乞岳に向かう。
お互いに「気をつけて」の言葉を交わして別れる。
さあ、雨乞頂上まではまだかなりある(今の自分には)。
第一関門は、ここからしばらく続く急登だ。
余力がほとんど残っていない中、固い下雪の上に新雪が積もって、踏込んだ足が下に流されて踏ん張りがきかない。ワカンの爪もこの急坂ではほとんど役目を果たしてくれない。
直登する力はもうないので、道なき道を九十九折りに登って行く。滑っても下まで行ってしまう心配はないが、滑った後、元の位置に態勢をもどすのがまた大変だ。
40分ほどかけて林の中の急登をなんとか乗り切った。
そこから望む頂上までの景色は、真っ白な雪が青空に映えて素晴しい。
絶好の撮影ポイントが続いている。
が、ただでさえカメラの腕には自信がないところにきて、逆光ときた。
運もない。
頂上に近づくにつれ、足どりは軽くなるどころか、ますます重くなる。
御池岳のときとはまったく逆だ。
背後に続く、雪面に描かれた自分の足跡には愛おしささえ感じてくる。
1時丁度、ようやく雨乞岳頂上に到着した。
出発してから6時間6分(コースタイム3時間50分)、杉峠から1時間半(同40分)。予定を大幅にオーバーしてしまったが、周囲はササが雪に埋もれて、前に来たときとは一変、視界も広がって景色は申し分ない。
西方面から来られたのだろう。人影はもう無かったが、足跡が一つ残っていた。
御在所岳と鎌ヶ岳をバックに、東雨乞岳が目の前に迫る。(東雨乞まで足を延ばす当初の予定は、とっくに頭から消えていた)
独り占めの景色をもう少し堪能させて貰いたいところだが、時間も時間。普通なら12時には下山に向かっていてもいい頃なのに、今日はもう既に1時を回っている。悠長にお湯など沸かしている時間はない。
立ったまま予備食のパンをかじって、早々に頂上を後にした。
登りには苦労したが、下りは雪がクッションになって膝にくることはない。
せめて帰りくらい、景色をじっくり眺めながら楽しんで下ろう。
1up2downさん、はじめまして。
私達は7時半くらいに岩ヶ谷林道を出発しています。
先行されているトレースが二つありましたので、その内の一つが1up2downさんだったんですね。
素晴らしい雨乞岳でした、絶景でした。
静かな山旅ができて最高でした。
年齢はそこそこいっていますが、山歩きも、このヤマレコも、
まだまだ初心者の私です。
雪国の田舎育ちながら、雪山に関しては、まだまったく分かっていないな、
と今回の雨乞でも思い知らされました。
機会がありましたらアドバイス等、またよろしくお願いします。
それにしても、杉峠の大杉。なにか人生の縮図を見たようで複雑な心境でした。
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